米・映画編集者賞 2019 受賞結果

 第69回米・映画編集者賞(ACE:American Cinema Editors/Eddie)の受賞結果が発表になりました。(2月1日)

 【映画部門】
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 ◆ドラマ部門(Best Edited Feature Film (Dramatic))
 ◎『ボヘミアン・ラプソディ』 ジョン・オットマン(John Ottman), ACE
 ジョン・オットマンは、米国アカデミー賞2019編集賞ノミネート。
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 ◆コメディー部門(Best Edited Feature Film (Comedy)
 ◎『女王陛下のお気に入り』 ヨルゴス・モヴロプサリディス(Yorgos Mavropsaridis), ACE
 ヨルゴス・モヴロプサリディスは、米国アカデミー賞2019編集賞ノミネート。
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 ◆アニメーション部門(Best Edited Animated Feature Film)
 ◎『スパイダーマン:スパイダーバース』 ロバート・フィッシャー,Jr.(Robert Fisher, Jr.)
 ロバート・フィッシャー,Jr.は、アニー賞2019編集賞受賞。
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 ◆ドキュメンタリー部門(Best Edited Documentary(Feature))
 ◎“Free Solo” 編集:Bob Eisenhardt, ACE
 IDAアワード2018編集賞は、“Minding the Gap”。
 クリティクス・チョイス・アワード2018編集賞は、“Won’t You Be My Neighbor?”。
 シネマ・アイ・オナーズ2019編集賞は、“Minding the Gap”。

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 【テレビ部門】

 ◆ミニシリーズ・TV映画部門(Best Edited Miniseries or Motion Picture for Television)
 ◎“Escape at Dannemora”:“Episode Seven Malcolm Jamieson & Geoffrey Richman ACE
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 ◆ドラマ・シリーズ 民放部門(Best Edited Drama Series for Commercial Television)
 ◎『キリング・イヴ/Killing Eve』: “Nice Face” Gary Dollner, ACE
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 ◆ドラマ・シリーズ コマーシャルフリー部門(Best Edited Drama Series for Non-Commercial Television)
 ◎『ボディガード -守るべきもの-』:Episode 1 Steve Singleton

 ◆コメディー・シリーズ 民放部門(Best Edited Comedy Series For Commercial Television)
 ◎『アトランタ:略奪の季節』: “Teddy Perkins” Kyle Reiter
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 ◆コメディー・シリーズ コマーシャルフリー部門(Best Edited Comedy Series for Non-Commercial Television)
 ◎『マーベラス・ミセス・メイゼル』: “Simone” ケイト・サンフォード(Kate Sanford), ACE

 ◆TVドキュメンタリー部門(Best Edited Documentary (Non-Theatrical)) [改称]
 ◎“Robin Williams: Come Inside My Mind” グレッグ・フィントン(Greg Finton), ACE & Poppy Das, ACE
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 ◆ノン・スクリプト・シリーズ部門(Best Edited Non-Scripted Series)
 ◎『アンソニー世界を駆ける』“Anthony Bourdain – Parts Unknown”: “West Virginia” Hunter Gross, ACE

 ◆学生コンペティション部門(Student Competition)
 ◎Marco Gonzalez(Boston University)

 【特別賞・名誉賞】

 ◆ACE ゴールデン・エディー賞(ACE Golden EddieHonoree)
 ◎ギレルモ・デル・トロ

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 ◆キャリア貢献賞(Career Achievement honors)
 ◎ジェラルド・L・ルドウィグ(Jerrold L. Ludwig), ACE
 日本では『奇跡の歌』『もうひとつのアンナの日記』などが公開されている。

 ◎クレイグ・マッケイ(Craig McKay), ACE
 『嵐の中で輝いて』『メイド・イン・マンハッタン』『クライシス・オブ・アメリカ』『僕の大事なコレクション』『フェーズ6』『ベイビーズ いのちのちから』『声をかくす人』『エウロパ』『セインツ -約束の果て-』などを手がけている。

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 【米国アカデミー賞との関係】

 2000年以降の、映画編集者賞(ACE)とアカデミー賞編集賞の受賞作品の一致度は以下のようになっています。

 ・2018年:一致(ドラマ部門『ダンケルク』)
 ・2017年:不一致(ACEは『メッセージ』『ラ・ラ・ランド』、AAは『ハクソー・リッジ』)
 ・2016年:一致(ドラマ部門『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)
 ・2015年:不一致(ACEは『6才のボクが、大人になるまで。』『グランド・ブダペスト・ホテル』、AAは『セッション』)
 ・2014年:不一致(ACEは『キャプテン・フィリップス』『アメリカン・ハッスル』、AAは『ゼロ・グラビティ』)
 ・2013年:一致(ドラマ部門『アルゴ』)=AA作品賞
 ・2012年:不一致(ACEは『ファミリー・ツリー』『アーティスト』、AAは『ドラゴン・タトゥーの女』
 ・2011年:一致(ドラマ部門『ソーシャル・ネットワーク』)
 ・2010年:一致(ドラマ部門『ハート・ロッカー』)=AA作品賞
 ・2009年:一致(ドラマ部門『スラムドッグ$ミリオネア』)=AA作品賞
 ・2008年:一致(ドラマ部門『ボーン・アルティメイタム』)
 ・2007年:一致(ドラマ部門『ディパーテッド』)=AA作品賞
 ・2006年:一致(ドラマ部門『クラッシュ』)=AA作品賞
 ・2005年:一致(ドラマ部門『アビエイター』)
 ・2004年:一致(ドラマ部門『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』)=AA作品賞
 ・2003年:一致(コメディー/ミュージカル部門『シカゴ』)=AA作品賞
 ・2002年:一致(ドラマ部門『ブラックホーク・ダウン』)
 ・2001年:不一致(ACEは『グラディエーター』『あの頃ペニー・レインと』、AAは『トラフィック』)
 ・2000年:一致(ドラマ部門『マトリックス』)

 上記19年間では、73.7%の確率で映画編集者賞(ACE)とアカデミー賞編集賞の受賞作品は一致し、しかもその作品がアカデミー賞作品賞をも制してしまう確率がかなり高いことがわかります。

 同様の傾向は当然今年も適用されると思われるので、映画編集者賞(ACE)受賞作品がアカデミー賞編集賞を受賞し、作品賞をも制する確率は高いと言えます。(ただし、そうした傾向も2011年までで、2012年以降は確率は半減したということもできるかもしれません。)

 また、受賞結果が不一致となった2017年、2015年、2014年、2012年も、一方の受賞作は、もう一方でノミネートされていますから、映画編集者賞(ACE)でノミネートされていなければ、米国アカデミー賞で編集賞を受賞する可能性は極めて低いことになります。

 さらに、1976年以降43年間で、米国アカデミー賞編集賞にノミネートされていない作品が作品賞を受賞したことは、2015年の1回しかなく(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は映画編集者賞(ACE)にはノミネートされていたが、米国アカデミー賞編集賞にはノミネートされていなかった。)、映画編集者賞(ACE)≒米国アカデミー賞編集賞にノミネートされない作品は、作品賞からも遠のくことになります。

 ◆米国アカデミー賞2019 編集賞ノミネーション
 ・『ブラック・クランズマン』 バリー・アレクサンダー・ブラウン(Barry Alexander Brown)
 ・『ボヘミアン・ラプソディ』 ジョン・オットマン(John Ottman)
 ・『グリーンブック』 パトリック・ジェイ・ドン・ヴィト(Patrick J. Don Vito)
 ・『女王陛下のお気に入り』 ヨルゴス・モヴロプサリディス(Yorgos Mavropsaridis)
 ・『バイス』 ハンク・コーウィン(Hank Corwin)

 ◆ACE 2019 ドラマ部門(Best Edited Feature Film (Dramatic))
 ◎『ボヘミアン・ラプソディ』 ジョン・オットマン(John Ottman), ACE
 ・『ブラック・クランズマン』 バリー・アレクサンダー・ブラウン(Barry Alexander Brown)
 ・『ファースト・マン』 トム・クロス,ACE
 ・『ROMA/ローマ』 アルフォンソ・キュアロン、Adam Gough
 ・『アリー/スター誕生』 ジェイ・キャシディ(Jay Cassidy), ACE

 ◆ACE 2019 コメディー部門(Best Edited Feature Film (Comedy)
 ◎『女王陛下のお気に入り』 ヨルゴス・モヴロプサリディス(Yorgos Mavropsaridis), ACE
 ・『クレイジー・リッチ! マイロン・カースタイン(Myron Kerstein)
 ・『デッドプール2』 ディルク・ウエスターヴェルト(Dirk Westervelt)、クレイグ・アルパート(Craig Alpert)、エリザベト・ロナルドスドッティル (Elísabet Ronaldsdottir)
 ・『グリーンブック』 パトリック・ジェイ・ドン・ヴィト(Patrick J. Don Vito)
 ・『バイス』 ハンク・コーウィン(Hank Corwin), ACE

 アニメーション部門も米国アカデミー賞との一致度が強く、そちらも受賞結果が注目されます。

 ドキュメンタリー部門
 2018年:ACE(“Jane”)≠AA長編ドキュメンタリー賞(『イカロス』)
 2017年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞
 2016年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞
 2015年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞
 2014年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞
 2013年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞
 2012年:ACE(『フリーダム・ライダーズ 人種隔離バスへの抵抗』)≠AA長編ドキュメンタリー賞(『アンディフィーテッド 栄光の勝利』)
 2011年:ACE(『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』)≠AA長編ドキュメンタリー賞(『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』)
 2010年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞
 2009年:ACE=AA長編ドキュメンタリー賞

 2014年は、ACEで既に『バックコーラスの歌姫たち』が受賞を果たしています。

 アニメーション部門
 2018年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2017年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2016年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2015年:ACE(『LEGOムービー』)≠AA長編アニメーション賞(『ベイマックス』)
 2014年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2013年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2012年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2011年:ACE=AA長編アニメーション賞
 2010年(新設):ACE=AA長編アニメーション賞

 2013年は混戦でしたが、ACEで『メリダとおそろしの森』が受賞しています。

 データから言うと、本年度の米国アカデミー賞編集賞は、『ボヘミアン・ラブソディ』か『女王陛下のお気に入り』が受賞する確率が高く、『ROMA/ローマ』の作品賞受賞は難しいということになりそうです。

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 ・米・映画編集者賞(ACE)2018ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201801/article_17.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2018 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201801/article_68.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2017ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_7.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2017受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_73.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2016ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_11.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2016受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_59.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2015ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_3.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2015受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_4.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2014ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_30.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2014受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_19.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2013ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_34.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2013受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_29.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2012ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_32.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2012受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_31.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2011ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_31.html
 ・米・映画編集者賞(ACE) 2011受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_39.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2010ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_23.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_28.html
 ・米・映画編集者賞(ACE)2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200902/article_21.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・全米映画賞レース2018 前半戦の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_77.html
 ・全米映画賞レース2018 後半戦の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_78.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年1月~5月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201901/article_31.html

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