詳細! 米国アカデミー賞2019 ノミネーション その2

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 ◆短編映画賞
 ・“Detainment”(アイルランド・英/30min) 監督・製作:Vincent Lambe 製作:Darren Mahon
 ・『母』“Mother(Madre)”(西/19min) 監督・製作:ロドリゴ・ソロゴジェン(Rodrigo Sorogoyen) 製作:María del Puy Alvarado
 ・“Fauve”(カナダ/17min) 監督:Jeremy Comte 製作:Maria Gracia Turgeon
 ・『マルグリット』“Marguerite”(カナダ/19min) 監督:Marianne Farley 製作:Marie-Hélène Panisset
 ・“Skin”(米/20min) 監督・製作:Guy Nattiv 製作:ジェイミー・レイ・ニューマン(Jaime Ray Newman)

 [受賞歴]
 全員初ノミネート。

 [傾向]
 受賞作は、どちらかと言えば英語作品が選ばれやすい。
 見知らぬ2人(バックグウアンドの違う2人)が出会って、心を通い合わせるといったタイプの作品が好まれる。
 ショートショート的な作品や実験的な作品より、ちょっとした感動が味わえる作品が好まれる。
 たくさんの観客賞を受賞してきたような作品が好まれる。
 それなりのキャリアがある監督の作品が選ばれたりする一方で、学生作品が選ばれることもある。
 隔年で英米作品が受賞する。前々回は、英米作品が選ばれる年まわりだったが、英語作品がなかった。

 *短編映画賞2019 ショートリスト(10作品):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_55.html

 ◆長編ドキュメンタリー賞
 ・“Free Solo”(米) 監督・製作:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi) 製作:エヴァン・ヘイズ(Evan Hayes)、Shannon Dill
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督・製作:RaMell Ross 製作:ジョスリン・バーンズ(Joslyn Barnes)、Su Kim
 ・“Minding the Gap”(米) 監督・製作:Bing Liu 製作:Diane Moy Quon
 ・『父から息子へ ~戦禍の国より~』“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督・製作:タラール・デルキ(Talal Derki) 製作:アンツガー・フレーリッヒ(Ansgar Frerich)、Eva Kemme、トビアス・N・シーバー(Tobias Siebert)
 ・“RBG”(米) 監督・製作:Julie Cohen、Betsy West

 [受賞歴]
 ジョスリン・バーンズは、前回『ストロング・アイランド』で長編ドキュメンタリー賞ノミネート。
 他は全員初ノミネート。

 [前哨戦の結果]
 “Won’t You Be My Neighbor?”の圧勝だったが、ノミネートされなかった。

 *長編ドキュメンタリー賞2019 ショートリスト(15作品):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_52.html

 ◆短編ドキュメンタリー賞
 ・『エンド・ゲーム 最期のあり方』“End Game”(米/40min)監督・製作:ロブ・エプスタイン(Rob Epstein)、ジェフリー・フリードマン(Jeffrey Friedman)
 ・“Lifeboat”(米/40min)監督・製作:Skye Fitzgerald 製作:ブリン・ムーザー(Bryn Mooser)
 ・“A Night at the Garden”(米/7min)監督・製作:マーシャル・カリー(Marshall Curry)
 ・“Period. End of Sentence.”(米/26min)監督・製作:Rayka Zehtabchi 製作:Melissa Berton
 ・“Black Sheep”(英/26min)監督:Ed Perkins 製作:ジョナサン・シン(Jonathan Chinn)

 [受賞歴]
 ロブ・エプスタインは、『ハーヴェイ・ミルク』“The Times of Harvey Milk”(1984)、“Common Threads: Stories from the Quilt”(1989)で、それぞれ米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。
 ブリン・ムーザーは、2016年に“Body Team 12”で短編ドキュメンタリー賞ノミネート。
 マーシャル・カリーは、“Street Fight”(2005)、『もしもぼくらが木を失ったら』“If a Tree Falls: A Story of the Earth Liberation Front”(2011)で、米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネート。
 他は、全員初ノミネート。

 *短編ドキュメンタリー賞2019 ショートリスト(10作品):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_54.html

 ◆長編アニメーション賞
 ・『インクレディブル・ファミリー』“Incredibles 2”(米) 監督:ブラッド・バード 製作:ジョン・ウォーカー(John Walker)、ニコール・パラディス・グリンドル(Nicole Paradis Grindle)
 ・『犬ヶ島』“Isle of Dogs”(独・米) 監督・製作:ウェス・アンダーソン 製作:スコット・ルーディン、スティーヴン・レイルズ(Steven Rales)、ジェレミー・ドーソン(Jeremy Dawson)
 ・『未来のミライ』“Mirai”(日) 監督:細田守 製作:齋藤優一郎
 ・『シュガー・ラッシュ:オンライン』“Ralph Breaks the Internet”(米) 監督:リッチ・ムーア、 フィル・ジョンストン 製作:クラーク・スペンサー(Clark Spencer)
 ・『スパイダーマン: スパイダーバース』“Spider-Man: Into the Spider-Verse”(米) 監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン 製作:フィル・ロード、クリストファー・ミラー(Christopher Miller)

 [受賞歴]
 ブラッド・バードは、2005年に『Mr.インクレディブル』で長編アニメーション賞受賞、オリジナル脚本賞ノミネート。2008年に『レミーのおいしいレストラン』で長編アニメーション賞受賞、オリジナル脚本賞ノミネート。ジョン・ウォーカーは初ノミネート。ニコール・パラディス・グリンドルは、2016年に『ボクのスーパーチーム』で短編アニメーション賞ノミネート。
 ウェス・アンダーソンは、2003年に『ファンタスティック Mr.FOX』で長編アニメーション賞ノミネート。そのほか、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』でオリジナル脚本賞ノミネート、『ムーンライズ・キングダム』でオリジナル脚本賞ノミネート、『グランド・ブダペスト・ホテル』で作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞ノミネート。スコット・ルーディンは3年連続10回目のノミネート。2008年に『ノーカントリー』で作品賞受賞。スティーヴン・レイルズとジェレミー・ドーソンは、2015年に『グランド・ブダペスト・ホテル』で作品賞ノミネート。
 細田守は、2011年に『サマーウォーズ』、2015年に『バケモノの子』をエントリーしているが、ノミネートには至らなかった。初ノミネート。齋藤優一郎は、初ノミネート。
 リッチ・ムーアは、2013年に『シュガー・ラッシュ』で長編アニメーション賞にノミネート、2017年に『ズートピア』で長編アニメーション賞受賞。フィル・ジョンストンは、『シュガー・ラッシュ』や『ズートピア』の脚本を手がけている。クラーク・スペンサーは、2017年に『ズートピア』で長編アニメーション賞受賞。
 ボブ・ペルシケッティは、初監督作品。『ヘラクレス』『ムーラン』『シュレック2』『ターザン』『ファンタジア2000』のinbetweener、『シュレック2』や『モンスターVSエイリアン』『長ぐつをはいたネコ』などでストーリー・アーティストやヘッド・オブ・ストーリーを担当している。ピーター・ラムジーは『ガーディアンズ 伝説の勇者たち.』以来の第2監督長編。ストーリーボード・アーティストとして30年近いキャリアを持つ。ロドニー・ロスマンも初監督作品。『22ジャンプストリート』などの脚本を手がけている。他は初ノミネート。

 [前哨戦の結果]
 『スパイダーマン: スパイダーバース』の圧勝。

 [傾向]
 2010年に米・映画編集者賞(ACE)にアニメーション賞が新設されて以来、過去9年で、2015年を除く8回すべてで、米国アカデミー賞長編アニメーション賞と一致。
 2006年に米・製作者組合賞(PGA)にアニメーション部門が新設されて以来、過去13年で、米国アカデミー賞長編アニメーション賞とは、9回一致。本年度は『スパイダーマン:スパイダーバース』が受賞。
 2007年にゴールデン・グローブ賞にアニメーション賞が新設されて以来、過去12年で、米国アカデミー賞とは2007年と2012年と2015年以外の9回一致。本年度は『スパイダーマン:スパイダーバース』が受賞。
 2007年にBAFTA英国アカデミー賞にアニメーション賞が新設されて以来、過去12年で、米国アカデミー賞とは2015年と2017年以外の10回一致。

 *長編アニメーション賞2019 エントリー作品25作品:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_41.html

 ◆短編アニメーション賞
 ・『BAO』“Bao(包宝宝)”(米/8min) 監督:ドメー・シ(Domee Shi/石之予) 製作:Becky Neiman
 ・『One Small Step』“One Small Step”(米・中/8min) 監督:Andrew Chesworth、Bobby Pontillas
 ・“Weekends”(米/15min) 監督:Trevor Jimenez
 ・『Late Afternoon』“Late Afternoon”(アイルランド/10min) 監督:ルイーズ・バッグナル(Louise Bagnall) 製作:Nuria González Blanco
 ・“Animal Behavior”(カナダ/14min) 監督:アリソン・スノーデン(Alison Snowden)、デイヴィッド・ファイン(David Fine)

 [受賞歴]
 アリソン・スノーデンとデイヴィッド・ファインは、1986年に“Second Class Mail”で短編アニメーション賞ノミネート、1995年に『ボブの誕生日』で短編アニメーション賞受賞。
 他は、初ノミネート。

 [傾向]
 スタジオ作品の併映短編が1本必ずノミネートされる。過去5年間では、2年おきに受賞していて、2019年は受賞する年に当たる。
 抽象的だったり、実験的な傾向の強かったりする作品は、敬遠される。

 *短編アニメーション賞2019 ショートリスト(10作品):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_53.html

 ◆外国語映画賞
 ・ドイツ:“Werk Ohne Autor(Never Look Away)”(独) 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
 ・ポーランド:『COLD WAR あの歌、2つの心』“Cold War(Zimna Wojna)”(ポーランド・英・仏) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
 ・レバノン:“Capharnaüm(Capharnaüm)”(レバノン) 監督:ナディーン・ラバキー
 ・日本:『万引き家族』(日) 監督:是枝裕和
 ・メキシコ:“『ROMA/ローマ』”(メキシコ・米) 監督:アルフォンソ・キュアロン

 [受賞歴]
 日本は10年ぶり16回目のノミネート。(受賞すれば10年ぶり5回目)
 ドイツは2年ぶり11回目のノミネート。(受賞すれば12年ぶり3回目。前回の受賞者もフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク)
 ポーランドは4年ぶり11回目のノミネート。(受賞すれば4年ぶり2回目。前回の受賞者もパヴェウ・パヴリコフスキ)
 メキシコは8年ぶり9回目のノミネート。(受賞すれば初)
 レバノンは2年連続2回目(受賞すれば初)

 [前哨戦の結果]
 『ROMA/ローマ』の圧勝。

 [傾向]
 ゴールデン・グローブ賞とは、近年では2011~2014年、2016年に一致。本年度は『ROMA/ローマ』が受賞。
 BAFTA英国アカデミー賞とは、近年では2013~2015年に一致。2017年は米国アカデミー賞とは1年遅れで『サウルの息子』が受賞。

 *外国語映画賞 ショートリスト(9作品):https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_50.html

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 前哨戦で長編ドキュメンタリー賞を最多受賞していた“Won’t You Be My Neighbor?”がまさかの落選、外国語映画賞で初ノミネートが期待されていた韓国の『バーニング 劇場版』の落選など、いろいろとサプライズがありました。

 昨年同様、長編ドキュメンタリー部門はおかしなことになっていますね。ちょっした騒ぎになるかもしれませんね。
 まあ、これで長編ドキュメンタリー賞は、一気に混戦になりました。

 受賞結果の発表は、2月24日です。

 上記以外の部門のノミネーションは、つぎの記事に記載します。

 *第91回米国アカデミー賞 ノミネーション その1:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201901/article_44.html

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 *当ブログ記事

 ・全米映画賞レース2018 前半戦の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_77.html
 ・全米映画賞レース2018 後半戦の受賞結果をまとめてみました:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201812/article_78.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2019年1月~5月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201901/article_31.html

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