海から始まる!?

アクセスカウンタ

zoom RSS 【考察】 米国アカデミー賞2019 長編ドキュメンタリー賞 エントリー作品166作品!

<<   作成日時 : 2018/11/27 00:16   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像

 1.キャリア組
 過去に米国アカデミー賞にノミネートされたか、受賞したことのある監督は、次回以降、ショートリストに選ばれたり、ノミネートされたりしやすくなるという傾向がありますが、第91回米国アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞のエントリー作品の監督にも過去の受賞者やノミニーが多数います。

 ・過去に長編ドキュメンタリー賞を受賞したことがある監督:4人(前回は5組6人)
 ケヴィン・マクドナルド(2000)、Mark Jonathan Harris(2001)、マイケル・ムーア(2003)、モーガン・ネヴィル(2014)

 ・過去に長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたことがある監督:8人(前回は16組17人)
 Hava Kohav Beller(1992)、ヴィム・ヴェンダース(2000、2012、2015)、スーザン・フロムスキー(2003)、Malcom Clark(2003)、ナサニエル・カーン(2004)、カービー・ディック(2005、2013)、マイケル・ムーア(2008)、ロリー・ケネディ(2015)

 ・過去に短編ドキュメンタリー賞を受賞したことがある監督:2人(前回は1人)
 Mark Jonathan Harris(1968)、Malcom Clark(1989、2014)

 ・過去に短編ドキュメンタリー賞にノミネートされたことがある監督:5組6人(前回は8人)
 ドン・ハーン(2007)、ナサニエル・カーン(2007)、Jed Rothstein(2011)、Kate Davis(2017)、デイヴィッド・ハイルボナー(David Heilbroner)(2017)、エレイン・マクミリオン・シェルドン(2018)

 ・過去にドキュメンタリー部門以外で米国アカデミー賞を受賞したことがある監督:1人(前回も1人)
 シドニー・ポラック(1986)

 ・過去にドキュメンタリー部門以外で米国アカデミー賞にノミネートされたことがある監督:3人(前回は2人)
 シドニー・ポラック(1970、1983、2008、2009)、ピーター・ボグダノヴィッチ(1972)、ドン・ハーン(1992)

 ・本年度アカデミー名誉賞を受賞:1人(前回は2人)
 フレデリック・ワイズマン(2016)

 チェックもれがある可能性もあり、また、詳しく調べてはいませんが、これらのほかにも、過去にプロデューサーとして受賞したり、ノミネートされたりして、受賞対象になっている監督やプロデューサーがいる可能性があります。

 ちなみに、前々回のエントリー作品リストには、過去のノミニー&受賞者が28人いましたが、そのうち4人がショートリスト15作品に選ばれています。そこからノミネートに進んだのはロジャー・ロス・ウィリアムズのみでした。

 前回のエントリー作品リストには、過去のノミニー&受賞者が36人いましたが、そのうち7組9人がショートリスト15作品に選ばれています。そこからノミネートに進んだのはアニエス・ヴァルダのみでした。

 今回も同様であるとすれば、過去の受賞者やノミニーから5人前後が、ショートリストに選ばれることになりそうです。

 2.複数の作品のエントリー
 モーガン・ネヴィル、アレックス・ウィンター、マット・ティルナー

 3.連続エントリー
 ロリー・ケネディ、フレデリック・ワイズマン、スーザン・フロムスキー、(エレイン・マクミリオン・シェルドン)
 フレデリック・ワイズマンは3年連続でエントリーの後、1年空けて2年連続でエントリーしています。
 アレックス・ギブニーは、わかっている限りでは6年連続でエントリーしていましたが(その間ノミネートされた作品はゼロ)、本年度はいくつもTVシリーズを抱えていたためか、長編ドキュメンタリー賞へのエントリーはありませんでした。
 エレイン・マクミリオン・シェルドンは、前回は『ヘロイン×ヒロイン』で短編ドキュメンタリー賞にノミネートされ、今回は長編ドキュメンタリー賞でノミネートされています。

 4.サンダンス・プレミア作品
 サンダンス映画祭プレミア作品は、毎年、ドキュメンタリー部門の非常に大きな部分を占めることになっていますが、本年度は、USドキュメンタリー部門16作品中15作品がエントリーされ、ワールド・ドキュメンタリー部門12作品中6作品がエントリーされています。
 米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞部門は、外国語映画が選ばれることが少ないのですが、そういう傾向性を知ってか知らずか、ワールド・ドキュメンタリー部門からエントリーされている作品は、製作にアメリカが入っている作品か英語ベースの作品がほとんどです。
 プレミアという視点で言えば、米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞部門の3分の2になって以上が、サンダンス映画祭、トライベッカ映画祭、トロント国際映画祭の3つの映画祭でプレミア上映された作品になる傾向があります。

 今回のリストで挙がっている作品の、(ここでピックアップした限りでの)映画祭ごとの上映本数は―

 トロント国際映画祭2017:5本
 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭2017:9本
 サンダンス映画祭2018:33本
 SXSW映画祭2018:11本
 トライベッカ映画祭2018:10本
 トロント国際映画祭2018:9本

 5.Netflix
 今回のエントリー作品の中で、Netflix作品は、ざっと以下の通りです。

 ・『汚れた真実』“Dark Money”(米) 監督:キンバリー・リード
 ・『未知の科学』“The Most Unknown”(米) 監督:イアン・チーニー(Ian Cheney)
 ・『クインシーのすべて』“Quincy”(米) 監督:ラシダ・ジョーンズ、アラン・ヒックス(Al Hicks)
 ・『リハビリ・ボーイズ:一歩ずつ前へ』“Recovery Boys”(米) 監督:エレイン・マクミリオン・シェルドン(Elaine McMillion Sheldon)
 ・『消えた16mmフィルム』“Shirkers”(米・シンガポール) 監督:サンディー・タン(Sandi Tan)

 6.外国語映画賞各国代表
 本年度は外国語映画賞にドキュメンタリーを選ぶ国が多く、その8本すべてがそのまま長編ドキュメンタリー賞にエントリーされています。

 ・スイス:“Eldorado”(スイス・独) 監督:マークス・イムホーフ
 ・パレスチナ:“Ghost Hunting(Istiyad Ashba)”(パレスチナ・仏・スイス・カタール・伊) 監督:Raed Andoni
 ・カンボジア:『名前のない墓』“Graves without a Name (Les tombeaux sans noms)”(仏・カンボジア) 監督:リティー・パン
 ・パナマ:“Ruben Blades Is Not My Name(Yo No Me Llamo Rubén Blades)”(パナマ・アルゼンチン・コロンビア) 監督:Abner Benaim
 ・ラトヴィア:“To Be Continued(Turpinajums)”(ラトヴィア) 監督:イヴァルス・セレツキス(Ivars Seleckis)
 ・オーストリア:“The Waldheim Waltz(Waldheims Walzer)”(オーストリア) 監督:Ruth Beckermann
 ・リトアニア:“Wonderful Losers: A Different World”(リトアニア・伊・スイス・ベルギー・ラトヴィア) 監督:アルーナス・マテーリス(Arūnas Matelis)
 ・ニュージーランド:“Yellow Is Forbidden” (ニュージーランド・中・仏・伊・スイス・米) 監督:Pietra Brettkelly

 7.日本がらみの作品

 ・『愛と法』“Of Love & Law”(日・英・仏) 監督:戸田ひかる
 ・『哲人王〜李登輝対話篇〜』“Philosopher King – Lee Teng-hui’s Dialogue”(日) 監督:園田映人
 ・“Kusama – Infinity”(米) 監督:Heather Lenz ※草間彌生に関するドキュメンタリー

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 【下馬評】

 ◆IndieWire(11月20日)
 *IndieWire:https://www.indiewire.com/2018/06/2019-oscars-best-documentary-feature-predictions-1201971857/

 最有力候補(Frontrunners)
 ・“Crime + Punishment”(米) 監督:スティーヴン・マイン(Stephen Maing)
 ・“Free Solo”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi)
 ・“RBG”(米) 監督:Julie Cohen、Betsy West
 ・『まったく同じ3人の他人』“Three Identical Strangers”(米) 監督:ティム・ウォードル(Tim Wardle)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル

 有力候補(Contenders)
 ・“Amazing Grace”(米) 監督:シドニー・ポラック
 ・『汚れた真実』“Dark Money”(米) 監督:キンバリー・リード
 ・“Minding the Gap”(米) 監督:Bing Liu
 ・“The Price of Everything”(米) 監督:ナサニエル・カーン
 ・『消えた16mmフィルム』“Shirkers”(米・シンガポール) 監督:サンディー・タン(Sandi Tan)

 有望候補(Long Shots)
 ・“American Chaos”(米) 監督:ジェームズ・D・スターン
 × “Angels Are Made of Light”
 ・“The Bleeding Edge”(オーストラリア・米) 監督:カービー・ディック(Kirby Dick)
 ・“Generation Wealth”(米) 監督:ローレン・グリーンフィールド(Lauren Greenfield)
 ・“The Great Buster: A Celebration”(米) 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
 ・“The Dawn Wall”(米) 監督:ジョシュ・ローウェル、Peter Mortimer
 ・“Hal”(米) 監督:Amy Scott
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督:RaMell Ross
 ・“The Judge”(米) 監督:Erika Cohn
 ・“Inventing Tomorrow”(インド・メキシコ・インドネシア・米) 監督:ローラ・ニックス(Laura Nix)
 ・“Love, Gilda”(カナダ・米) 監督:Lisa Dapolito
 ・“McQueen”(英) 監督:イアン・ボンハート(Ian Bonhôte)、ピーター・エッテッジュイ(Peter Ettedgui)
 ・“Monrovia, Indiana”(米) 監督:フレデリック・ワイズマン
 ・“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督:タラール・デルキ(Talal Derki)
 ・“The Oslo Diaries”(イスラエル・カナダ) 監督:Mor Loushy、Daniel Sivan
 ・“Pope Francis – A Man of His Word”(スイス・バチカン市国・伊・独・仏) 監督:ヴィム・ヴェンダース
 ・“Robin Williams: Come inside My Mind”(米) 監督:Marina Zenovich
 × “Ryuichi Sakamoto: Coda”
 ・“Science Fair”(米) 監督:Cristina Costantini、Darren Foster
 ・“Scotty and the Secret History of Hollywood”(米) 監督:マット・ティルナー(Matt Tyrnauer)
 ・“The Sentence”(米) 監督:Rudy Valdez
 ・“Studio 54”(米) 監督:マット・ティルナー(Matt Tyrnauer)
 דThey’ll Love Me When I’m Dead”
 ・『ホイットニー 〜オールウェイズ・ラヴ・ユー〜』“Whitney”(英・米) 監督:ケヴィン・マクドナルド

 昨年のIndieWireの10月末の予想では、Frontrunners+Contenders+Long Shotsのタイトルの中に、ショートリスト15作品のうち12作品、ノミネーション5作品のうち4作品が、入っていましたが、受賞作である『イカロス』は入っていませんでした。

 ◆AwardsDaily(11月26日現在)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル
 ・『まったく同じ3人の他人』“Three Identical Strangers”(米) 監督:ティム・ウォードル(Tim Wardle)
 ・“RBG”(米) 監督:Julie Cohen、Betsy West
 ・“Free Solo”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi)
 דActive Measures”
 דOverturning Roe”
 ・『ホイットニー 〜オールウェイズ・ラヴ・ユー〜』“Whitney”(英・米) 監督:ケヴィン・マクドナルド
 ・『汚れた真実』“Dark Money”(米) 監督:キンバリー・リード

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 【前哨戦】

 ◆クリティクス・チョイス・アワード2018 ドキュメンタリー部門 最優秀ドキュメンタリー賞(Best Documentary) 受賞結果
 ・“Crime + Punishment” 監督:スティーヴン・マイン(Stephen Maing) (Hulu)
 ・『汚れた真実』“Dark Money” 監督:キンバリー・リード(Kimberly Reed)(PBS)
 ・“Free Solo” 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi)(National Geographic Documentary Films)
 ・“Hal” 監督:Amy Scott (Oscilloscope)
 ・“Hitler’s Hollywood”(独) 監督:Rüdiger Suchsland (Kino Lorber)
 ・“Minding the Gap” 監督:Bing Liu (Hulu)
 ・“RBG” 監督:Julie Cohen、Betsy West (Magnolia Pictures, Participant Media)
 ・『まったく同じ3人の他人』“Three Identical Strangers” 監督:ティム・ウォードル(Tim Wardle)(Neon, CNN Films)
 ・『ワイルド・ワイルド・カントリー』“Wild Wild Country” 監督:チャップマン・ウェイ(Chapman Way)、Maclain Way (Netflix)
 ◎“Won’t You Be My Neighbor?” 監督:モーガン・ネヴィル(Focus Features)

 ◆ゴッサム・アワード2018 ドキュメンタリー賞ノミネーション(11月28日結果発表)
 ・“Bisbee ‘17” 監督:Robert Greene (4th Row Films)
 ・“Hale County This Morning, This Evening” 監督:RaMell Ross (The Cinema Guild)
 ・“Minding the Gap” 監督:Bing Liu (Hulu & Magnolia Pictures)
 ・『消えた16mmフィルム』“Shirkers”(米・シンガポール) 監督:サンディー・タン(Sandi Tan)(Netflix)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?” 監督:モーガン・ネヴィル(Focus Features)

 ◆IDAアワード2018 長編部門ノミネーション (12月8日結果発表)
 ・“Crime + Punishment”(米) 監督:スティーヴン・マイン(Stephen Maing)
 ・『汚れた真実』“Dark Money”(米) 監督:キンバリー・リード(Kimberly Reed)
 ・“Free Solo”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi)
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督:RaMell Ross
 ・“Minding the Gap”(米) 監督:Bing Liu
 ・“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督:タラール・デルキ(Talal Derki)
 ・“Sky and Ground”(米・オーストリア・独・ギリシャ・ハンガリー・マケドニア・セルビア モンテネグロ) 監督:Talya Tibbon、Joshua Bennett
 ・“The Silence of Others”(西・米) 監督:Almudena Carracedo、Robert Bahar
 ・“United Skates”(米) 監督:Dyana Winkler、Tina Brown
 ・“Won't You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル

 ◆ヨーロッパ映画賞2018 ドキュメンタリー賞ノミネーション(12月15日結果発表)
 ・“The Silence of Others”(西・米) 監督:Almudena Carracedo & Robert Bahar
 ・“A Woman Captured“(ハンガリー・独) 監督:Bernadett Tuza-Ritter
 ・“The Distant Barking of Dogs”(デンマーク・フィンランド・スウェーデン) 監督:Simon Lereng Wilmont
 ・“Bergman – A Year in A Life(Bergman - Ett År Ett Liv)“(スウェーデン・独) 監督:ヤーネ・マグヌッソン(Jane Magnusson)
 ・“Of Fathers and Sons“(独・シリア・レバノン・カタール) 監督:タラール・デルキ(Talal Derki)

 ◆シネマ・アイ・オナーズ2019 長編ドキュメンタリー賞(Outstanding Achievement in Nonfiction Feature Filmmaking)ノミネーション(1月10日結果発表)
 ・“Bisbee ‘17”(米) 監督:Robert Greene
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督:RaMell Ross
 ・“Minding the Gap”(米) 監督:Bing Liu
 ・“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督:タラール・デルキ(Talal Derki)
 ・『まったく同じ3人の他人』“Three Identical Strangers”(米) 監督:ティム・ウォードル(Tim Wardle)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル

 ◆米・製作者組合賞(PGA)2019 ドキュメンタリー部門のノミネーション(2019年1月19日結果発表)
 ・“The Dawn Wall”(米) 監督:ジョシュ・ローウェル、Peter Mortimer
 ・“Free Solo”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi)
 ・“Hal”(米) 監督:Amy Scott
 ・“Into the Okavango”(米・ボツワナ・ナミビア・南ア)監督:Neil Gelinas
 ・“RBG”(米) 監督:Julie Cohen、Betsy West
 ・『まったく同じ3人の他人』“Three Identical Strangers”(米) 監督:ティム・ウォードル(Tim Wardle)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル

 ◆インディペンデント・スピリット・アワード2019 ドキュメンタリー賞ノミネーション(2019年2月23日結果発表)
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督:RaMell Ross
 ・“Minding the Gap”(米) 監督:Bing Liu
 ・“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督:タラール・デルキ(Talal Derki)
 ・“On Her Shoulders”(米) 監督:Alexandria Bombach
 ・『消えた16mmフィルム』“Shirkers”(米・シンガポール) 監督:サンディー・タン(Sandi Tan)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 【予想】

 例年の傾向からすると―

 @ 近現代史の歴史(的事件)に隠された真実に迫った作品(『サイゴン陥落 緊迫の脱出』『アクト・オブ・キリング』『フォッグ・オブ・ウォー』『ブラック・セプテンバー』等)

 A アメリカの現在を鋭くえぐってみせるような作品(“CitizenFour”『不都合な真実』『エンロン:巨大企業はいかにして崩壊したのか?』『ダーウィンの悪夢』『ボウリング・フォー・コロンバイン』『チャレンジ・キッズ』等)

 B 知られざる国・地域の知られざる実情を描いた作品(『未来を写す子どもたち』『プロミス』『らくだの涙』等)

 C 題材のユニークさが光る作品(『バックコーラスの歌姫たち』『マーダーボール』『スーパーサイズ・ミー』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『マン・オン・ワイヤー』等)

 D 個性的な人物をクローズ・アップした作品(『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』『キューティー&ボクサー』『シュガーマン 奇跡に愛された男』『マイ・アーキテクト』『戦場のフォトグラファー』『モハメド・アリ かけがえのない日々』『クリントンを大統領にした男』等)

 E 誰も観たことがないような驚異の映像を収めた作品(『WATARIDORI』『皇帝ペンギン』等)

 といった作品が、ショートリストやノミネーションに選ばれることになります。

 また、本年度のドキュメンタリーのトレンドは、人権、黒人、女性、環境・エコロジー、シリア・中東・イスラム国、アメリカのローカルな地域社会、トランプ政権、あたりであるようにも見えます。

 と、まあ、一般的な傾向はそんな感じですが―

 下馬評および前哨戦の状況を見ると、本年度の長編ドキュメンタリー賞にピックアップされる作品はほぼ同じようなタイトルが並んでいるが見て取れます。

 なので、そこから米国アカデミー賞2019長編ドキュメンタリー賞のノミネーションを予想すると、ざっと―

 ・“Free Solo”(米) 監督:ジミー・チン(Jimmy Chin)、エリザベス・C・バサヒリィ(E. Chai Vasarhelyi)
 ・“Hale County This Morning, This Evening”(米) 監督:RaMell Ross
 ・“Minding the Gap”(米) 監督:Bing Liu
 ・“Of Fathers and Sons”(独・シリア・レバノン・カタール) 監督:タラール・デルキ(Talal Derki)
 ・“Won’t You Be My Neighbor?”(米) 監督:モーガン・ネヴィル

 といったところでしょうか。

 昨年度のように繰り返し予想が裏切られて本命が外される可能性もあるかもしれませんが、今のところ、本年度は大きな波乱もなくこのまま進んでいくように思えます。

 本年度の長編ドキュメンタリー賞の本命は、一般に強く支持されている(=大ヒットした)“Won’t You Be My Neighbor?”ですが、アメリカ人の記憶と心に訴えかけるような作品らしいので、受賞しても日本には入ってこないか、入ってきても大きく封切られることはないかもしれません。ひょっとすると日本人の琴線にも触れたりする作品なのかもしれませんが。

 ショートリスト15作品の発表は12月17日、ノミネーションの発表は2019年1月22日です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 米国アカデミー賞2019 長編ドキュメンタリー賞にエントリーされなかった主な作品を書き出してみました。とはいいえ、書き出し始めると、ぞろぞろ出てきてしまうので、適当なところで切り上げてあります。

 ・“América”(米) 監督:Chase Whiteside、Erick Stoll
 ・“Andre the Giant”(米) 監督:Jason Hehir
 ・“Bad Reputation”(米) 監督:ケヴィン・カースレイク(Kevin Kerslake)
 ・“David Bowie: The Last Five Years”(英) 監督:Francis Whately
 ・“The Devil We Know”(米) 監督:Stephanie Soechtig
 ・“Did You Wonder Who Fired the Gun?”(米)(監督:トラヴィス・ウィルカールソン)
 ・“Distant Constellation”(トルコ・米・オランダ)(監督:Shevaun Mizrahi)
 ・“Elvis Presley: The Searcher”(米) 監督:Thom Zimny
 ・『フリント・タウン』“Flint Town”(米) 監督:Zackary Canepari、Drea Cooper、ジェシカ・ディモック(Jessica Dimmock)
 ・“The Fourth Estate”(米) 監督:リズ・ガーバス(Liz Garbus)、Jenny Carchman
 ・“The Game Changers”(米) 監督:ルイ・シホヨス
 ・“Genesis 2.0”(スイス) 監督:クリスチャン・フレイ(Christian Frei)、Maxim Arbugaev
 ・“Hitler’s Hollywood”(独) 監督:Rüdiger Suchsland
 ・“Island of Hungry Ghosts”(独・英・オーストラリア) 監督:Gabrielle Brady
 ・“Lynyrd Skynyrd: If I Leave Here Tomorrow”(米) 監督:スティーヴン・カイヤック(Stephen Kijak)
 ・“Mr.SOUL!”(米) 監督:サム・ポラード(Sam Pollard)、Melissa Haizlip
 ・“Pandas”(米) 監督:David Douglas、Drew Fellman
 ・“A Polar Year(Une année polaire)”(仏) 監督:サミュエル・コラルディー(Samuel Collardey)
 ・“Putin's Witnesses (Svideteli Putina)”(ラトヴィア・スイス・チェコ) 監督:ヴィタリー・マンスキー
 ・“Roll Red Roll”(米) 監督:Nancy Schwartzman
 ・『Ryuichi Sakamoto:CODA』(米・日) 監督:スティーヴン・ノムラ・シブル
 ・“Time Trial”(英) 監督:Finlay Pretsell
 ・“Westwood : Punk, Icon, Activist”(英) 監督:Lorna Tucker
 ・『ワイルド・ワイルド・カントリー』“Wild Wild Country”(米) 監督:チャップマン・ウェイ(Chapman Way)、Maclain Way
 ・“A Woman Captured”(ハンガリー・独) 監督:Bernadett Tuza-Ritter
 ・“The Workers Cup”(英) 監督:Adam Sobel
 ・“Women Make Film:A New Road Movie Through Cinema”(英) 監督:Mark Cousins

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 *この記事がなかなか参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・クリティクス・チョイス・アワード2018 ドキュメンタリー部門受賞:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_15.html

 ・IDAアワード2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_45.html

 ・シネマ・アイ・オナーズ2019 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201811/article_13.html

 ・米国アカデミー賞2018 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品170作品リスト その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201710/article_48.html
 ・米国アカデミー賞2018 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品170作品リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201710/article_49.html
 ・【考察】 米国アカデミー賞2018長編ドキュメンタリー賞 エントリー作品 170作品:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201710/article_50.html
 ・米国アカデミー賞2018長編ドキュメンタリー賞 ッショートリスト:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201712/article_17.html

 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品リスト その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_47.html
 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201610/article_48.html
 ・米国アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品145作品に関する考察:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_1.html
 ・米国アカデミー賞2017長編ドキュメンタリー賞 ッショートリスト:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_20.html

 ・米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品124作品リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_11.html
 ・米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞 124作品に関する考察:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_12.html
 ・米国アカデミー賞2016 長編ドキュメンタリー賞ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_6.html

 ・米国アカデミー賞2015 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品134作品リスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_14.html
 ・米国アカデミー賞2015 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品解説:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_15.html
 ・米国アカデミー賞2015 長編ドキュメンタリー賞ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_5.html

 ・米国アカデミー賞2014 長編ドキュメンタリー賞エントリー作品151作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_1.html
 ・米国アカデミー賞2014 長編ドキュメンタリー賞ショートリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_8.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年10月〜2019年1月:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_5.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
【考察】 米国アカデミー賞2019 長編ドキュメンタリー賞 エントリー作品166作品! 海から始まる!?/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる