ノルディック映画賞2018 発表!

 第15回ノルディック映画賞(The Nordic Council Film Prize)の受賞結果がオスロで発表されました。(10月30日)

 ノルディック映画賞(The Nordic Council Film Prize)は、ノルディック・カウンシル(The Nordic Council/日本語では「北欧理事会」と訳されることがある)が設けた映画賞で、2002年にノルディック・カウンシル50周年を記念して、アキ・カウリスマキの『過去のない男』に贈られたのが最初で、2005年以降は毎年、北欧5カ国のノミネート作品の中から1本を選んで表彰するという形式になり、現在に至っています。

 ノルディック・カウンシルは、第二次世界大戦での苦い経験を踏まえて、北欧諸国の協力関係を築くことを目的として1952年にスタートしたもので、スカンジナビア3国を中心に北欧5カ国と3つの地域(グリーンランド、フェロー諸島、オーランド諸島)で構成されています。
 映画賞は、2000年代になってようやく設けられた賞ですが、文学と音楽に関しては、既に60年の歴史があり、1962年に「文学賞」、1965年に「音楽賞」が設けられています。(文学賞は最初から常設の賞となり、音楽賞は90年から常設化しています。)

 映画賞は、2007年までは5カ国でそれぞれ2作品ずつノミネート作品を選んでいましたが、2008年以降は各国1本ずつノミネート作品を出しています。

 過去のノミネート作品、および、受賞作品は、以下の通りです。

 【2002年】
 ◎『過去のない男』 監督:アキ・カウリスマキ [フィンランド]

 【2005年】
 ・“Dís” 監督:シリャー・ホウィクスドウッティル(Silja Hauksdóttir) [アイスランド]
 ・『スクリーミング・マスターピース』“Screaming Masterpiece(Gargandi Snilld)” 監督:アリ・アレクサンダー(Ari Alexander)、イルギス・マグヌッソン(Ergis Magnússon) [アイスランド]
 ◎“Manslaughter(Drabet)” 監督:ペール・フライ(Per Fly) [デンマーク]
 ・『プッシャー2』“Pusher II: With Blood on My Hands” 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン [デンマーク]
 ・“The Guitar Mongoloid(Gitarrmongot)” 監督:リューベン・オストルンド(Ruben Östlund) [スウェーデン]
 ・“A Hole in My Heart(Hål i mitt hjärta)” 監督:ルーカス・ムーディソン [スウェーデン]
 ・“Frozen Land(Paha Maa)” 監督:アク・ロウヒミエス(Aku Louhimies) [フィンランド]
 ・“The 3 Rooms of Melancholia(Melancholian 3 huonetta)” 監督:ピルヨ・ホンカサロ(Pirjo Honkasalo) [フィンランド]
 ・“Hawaii, Oslo” 監督:エリック・ポッペ(Erik Poppe) [ノルウェー]
 ・“Kissed by Winter(Vinterkyss)” 監督:Sara Johnsen [ノルウェー]

 【2006年】
 ・“A Little Trip to Heaven” 監督:バルタザール・コルマウクル [アイスランド]
 ・“Thicker Than Water(Blóðbönd)” 監督:Árni Ásgeirsson [アイスランド]
 ・『アフター・ウェディング』 監督:スザンネ・ビア [デンマーク]
 ・“Offscreen” 監督:クリストファー・ボー(Christoffer Boe) [デンマーク]
 ・“Mouth to Mouth(Mun mot mun)” 監督:Björn Runge [スウェーデン]
 ◎“Zozo” 監督:Josef Fares [スウェーデン]
 ・“Mother of Mine(Äideistä parhain)” 監督:クラウス・ハロ [フィンランド]
 ・『革命の歌』“Revolution(Kenen joukoissa seisot)” 監督:ヨルコ・アールトネン(Jouko Aaltonen) [フィンランド]
 ・『厄介な男…からぽっな世界の生き方』“The Bothersome Man(Den brysomme mannen)” 監督:イエンス・リエン(Jens Lien) [ノルウェー]
 ・“Free Jimmy(Slipp Jimmy fri)” 監督:Christopher Nielsen [ノルウェー]

 【2007年】
 ・“Children(Börn)” 監督:Ragnar Bragason [アイスランド]
 ・『湿地』“Jar City(Mýrin)” 監督:バルタザール・コルマウクル [アイスランド]
 ・“AFR ” 監督:Morten Hartz Kaplers [デンマーク]
 ◎“The Art of Crying(Kunsten at Græde i Kor)” 監督:Peter Schønau Fog [デンマーク]
 ・“Darling” 監督:Johan Kling [スウェーデン]
 ・“Falkenberg Farewell(Farväl Falkenberg)” 監督:Jesper Ganslandt [スウェーデン]
 ・“A Man's Job(Miehen työ) 監督:Aleksi Salmenperä [フィンランド]
 ・『リプライズ』“Reprise” 監督:ヨアキム・トリアー(Joachim Trier) [ノルウェー]
 ・“Sons(Sønner)” 監督:Erik Richter Strand [ノルウェー]

 【2008年】
 ・“White Night Wedding(Brúðguminn)” 監督:バルタザール・コルマウクル [アイスランド]
 ・“The Early Years: Erik Nietzsche Part 1(De unge år - Erik Nietzsche Del 1)” 監督:ヤコブ・トゥーセン(Jacob Thuesen) [デンマーク]
 ◎『愛おしき隣人』 監督:ロイ・アンダーソン [スウェーデン]
 ・“The Home of Dark Butterflies(Tummien perhosten koti)” 監督:ドメ・カルコスキ(Dome Karukoski) [フィンランド]
 ・“The Man Who Loved Yngve(Mannen som elsket Yngve)” 監督:Stian Kristiansen [ノルウェー]

 【2009年】
 ・“The Amazing Truth About Queen Raquela ” 監督:オーラフ・デ・フルル・ヨハンネスソン(Olaf de Fleur Johannesson) [アイスランド]
 ◎『アンチクライスト』 監督:ラース・フォン・トリアー [デンマーク]
 ・“Light Year(Ljusår)” 監督:Mikael Kristersson [スウェーデン]
 ・“Sauna” 監督:アンティ=ジュッシ・アニラ(Antti-Jussi Annila) [フィンランド]
 ・“North(Nord)” 監督:Stian Kristiansen [ノルウェー]

 【2010年】
 ・“The Good Heart” 監督:ダーグル・カウリ [アイスランド]
 ◎『光のほうへ』 監督:トマス・ヴィンターベア [デンマーク]
 ・“Metropia” 監督:Tarik Saleh [スウェーデン]
 ・“Steam of Life(Miesten vuoro)” 監督:Joonas Berghäll、Mika Hotakainen [フィンランド]
 ・“Upperdog” 監督:Sara Johnsen [ノルウェー]

 【2011年】
 ・“Undercurrent(Brim)” 監督:Árni Ólafur Ásgeirsson [アイスランド]
 ・“Truth About Men(Sandheden om mænd)” 監督:ニコライ・アーセル [デンマーク]
 ◎“Beyond(Svinalängorna)” 監督:ペルニラ・アウグスト [スウェーデン]
 ・『グッド・サン』“The Good Son(Hyvä poika)” 監督:ザイダ・バリルート(Zaida Bergroth) [フィンランド]
 ・『オスロ、8月31日』“Oslo, August 31st(Oslo, 31. August)” 監督:ヨアキム・トリアー(Joachim Trier) [ノルウェー]

 【2012年】
 ・“Either Way(Á annan veg)” 監督:Hafsteinn Gunnar Sigurdsson [アイスランド]
 ・『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』 監督:ニコライ・アーセル [デンマーク]
 ◎『プレイ』“Play” 監督:リューベン・オストルンド [スウェーデン]
 ・『パンク・シンドローム』 監督:ユッカ・カルッカイネン、J-P・パッシ [フィンランド]
 ・“The Orheim Company(Kompani Orheim)” 監督:Arlid Andersen [ノルウェー]

 【2013年】
 ・『ザ・ディープ』 監督:バルタザール・コルマウクル [アイスランド]
 ◎『偽りなき者』 監督:トマス・ヴィンターベア [デンマーク]
 ・“Eat Sleep Die (Äta sova dö)” 監督:Gabriela Pichler [スウェーデン]
 ・“Open Up to Me(Kerron sinulle kaiken)”(スウェーデン・フィンランド) 監督:Simo Halinen [フィンランド]
 ・“I Belong(Som du ser meg)” 監督:Dag Joham Haugerud [ノルウェー]

 【2014年】
 ◎『馬々と人間たち』 監督:ベネディクト・エルリングソン [アイスランド]
 ・『ニンフォマニアック』 監督:ラース・フォン・トリアー [デンマーク]
 ・『フレンチアルプスで起きたこと』 監督:リューベン・オストルンド [スウェーデン]
 ・『コンクリートナイト』“Concrete Night(Betoniyö)” 監督:ピルヨ・ホンカサロ [フィンランド]
 ・『ブラインド 視線のエロス』“Blind” 監督:エスキル・ヴォクト(Eskil Vogt) [ノルウェー]

 【2015年】
 ◎『好きにならずにいられない』“Virgin Mountain(Fúsi)” 監督:ダーグル・カウリ [アイスランド]
 ・『サイレント・ハート』“Silent Heart(Stille hjerte) 監督:ビレ・アウグスト [デンマーク]
 ・“Gentlemen” 監督:ミカエル・マルシメーン(Mikael Marcimain) [スウェーデン]
 ・『2人だけの世界』“They Have Escaped(He ovat paenneet)” 監督:ユッカペッカ・ヴァルケアパー(Jukka-Pekka Valkeapää) [フィンランド]
 ・“Out of Nature(Mot naturen)” 監督:Ole Giæver [ノルウェー]

 【2016年】
 ・『スパロウズ』“Sparrows(Þrestir)”(アイスランド・デンマーク・クロアチア) 監督:ルナー・ルナーソン(Rúnar Rúnarsson) [アイスランド]
 ・『ヒトラーの忘れもの』(映画祭題『地雷と少年兵』)“Land of Mine(Under Sandet)”(デンマーク・独) 監督:マルティン・サンフィリート(Martin Zandvliet) [デンマーク]
 ・『波紋』“The Here After(Efterskalv)”(ポーランド・スウェーデン・仏) 監督:マグヌス・フォン・ホーン(Magnus Von Horn) [スウェーデン]
 ・『オリ・マキの人生で最も幸せな日』“The Happiest Day in the Life of Olli Mäki(Hymyilevä mies)”(フィンランド・独・スウェーデン) 監督:ユホ・クオスマネン(Juho Kuosmanen) [フィンランド]
 ◎『母の残像』“Louder Than Bombs”(ノルウェー・デンマーク・米・仏) 監督:ヨアキム・トリアー(Joachim Trier) [ノルウェー]

 【2017年】

 ・『ハートストーン』“Heartstone”(アイスランド) 監督:グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン [アイスランド]
 ・“Forældre(Parents)”(デンマーク) 監督:クリスチャン・タフドルップ(Christian Tafdrup) [デンマーク]
 ・『サーミの血』“Sami Blood(Sameblod)”(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー) 監督:アマンダ・シェーネル [スウェーデン]
 ◎『リトル・ウィング』“Little Wing (Tyttö Nimeltä Varpu)”(フィンランド・デンマーク) 監督:セルマ・ヴィルフネン(Selma Vilhunen) [フィンランド]
 ・“Hunting Flies”(ノルウェー) 監督:Izer Aliu [ノルウェー]

 ※ ノミネート作品は、前年の7月1日から当年の6月30日までに各国で劇場公開された作品が対象で、各国からのノミネーションは、映画関係者および批評家らによる各国3名からなる審査員が行なう。受賞作の審査は、各国3名の審査員のうちの1名が代表となり、各国1名ずつ計5名の審査員によって行なう。

画像

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 本年度のノミネーション&受賞結果は、以下の通り。

 ◎“Woman at War (Kona fer í stríð)”(アイスランド・仏・ウクライナ) 監督:ベネディクト・エルリングソン [アイスランド]
 物語:Hallaは、女ひとりで地元のアルミニウム工場に戦争を挑む。彼女が愛するアイスランドの自然のままのハイランドを守るためなら、あらゆるものを賭けるリスクもいとわない。だが、そんな彼女の生活に思いもかけず、ひとりの孤児が入り込んでくる……。
 『馬々と人間たち』のベネディクト・エルリングソンの第2監督長編。
 カンヌ国際映画祭2018 国際批評家週間出品。
 シドニー映画祭2018出品。
 ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭2018出品。
 ニュージーランド国際映画祭2018出品。
 ラックス賞2018 ノミネート。
 メルボルン国際映画祭2018出品。
 ヨーロッパ映画賞2018 オフィシャル・セレクション。
 ノルディック映画賞2018ノミネート。
 トロント国際映画祭2018 DISCOVERY部門出品。
 ハイファ国際映画祭2018出品。Carmel Awardスペシャル・メンション受賞。
 ベルゲン国際映画祭2018出品。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2018出品。Art Cinema賞受賞。
 レイキャビク国際映画祭2018出品。
 アデレード映画祭2018出品。
 ミル・ヴァレー映画祭2018出品。
 マイアミ映画祭2018出品。
 BFIロンドン映画祭2018 Laugh部門出品。
 フィラデルフィア映画祭2018出品。
 シカゴ国際映画祭2018出品。
 バリャドリッド国際映画祭2018 オフィシャル・セレクション 長編部門出品。女優賞(Halldóra Geirhardsdóttir)受賞。


 ・“Winter Brothers (Vinterbrødre)”(デンマーク・アイスランド) 監督:Hlynur Pálmason [デンマーク]

 ・“Ravens (Korparna)”(スウェーデン) 監督:イェンス・アスール(Jens Assur) [スウェーデン]

 ・『ペット安楽死請負人』“Euthanizer (Armomurhaaja)”(フィンランド) 監督:テーム・ニッキ(Teemu Nikki) [フィンランド]

 ・『テルマ』“Thelma”(ノルウェー・スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:ヨアキム・トリアー [ノルウェー]

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 トマス・ヴィンターベアに続き、ベネディクト・エルリングソンが2度目のノルディック映画賞受賞となりました。

 ラックス賞、ヨーロッパ映画賞オフィシャル・セレクション、米国アカデミー賞外国語映画賞等のノミネート歴・選出歴などから見ると、今回は順当な受賞結果に見えます。
 “Woman at War (Kona fer í stríð)”は、この勢いでヨーロッパ映画賞(女優賞とか?)や、米国アカデミー賞2019外国語映画賞ショートリストにも選ばれるんじゃないかと思ったりもしますね。

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 *当ブログ記事

 ・ノルディック映画賞2018 ノミネーション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_25.html
 ・ノルディック映画賞2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201708/article_32.html
 ・ノルディック映画賞2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201711/article_2.html
 ・ノルディック映画賞2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_38.html
 ・ノルディック映画賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_2.html
 ・ノルディック映画賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_30.html
 ・ノルディック映画賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_2.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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