ヨーロッパ映画賞2018 オフィシャル・セレクション49作品 その1

 第31回ヨーロッパ映画賞のオフィシャル・セレクション49作品が発表されました。(8月20日発表)

 この中から、長編アニメーション賞、ドキュメンタリー賞、ディスカバリー賞、コメディー賞、短編映画賞を除く、各部門(作品賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本家賞)のノミネーションが3500名を超える会員の投票によって決定され、11月10日にセビリヤ・ヨーロッパ映画祭で発表されます。

 撮影監督賞、編集技師賞、美術監督賞、衣裳デザイナー賞、作曲者賞、音響デザイナー賞、ヘア&メイキャップ・アーティスト賞もリストの作品の中から選ばれますが、これらの部門は、ノミネーションの過程を経ずに、審査員によって、直接、受賞者が決定されます。(2013年度から新たに施行されることになった方式です)

 長編アニメーション賞、ドキュメンタリー賞、ディスカバリー賞、コメディー賞は、専門の委員会によって、以下のリストとは別にノミネーションが決定され、一方、短編映画賞のノミネーションは、ヨーロッパの15の映画祭からそれぞれの代表作品が決定され、最終的にすべてのノミネーションは、セビリヤ・ヨーロッパ映画祭で発表されます。

 ノミネーション発表の5週間後、12月15日にセビリヤで行なわれる授賞式ですべての受賞結果が発表されることになっています。

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 【第31回ヨーロッパ映画賞 オフィシャル・セレクション】

 ・“Beast”(英) 監督:マイケル・A・ピアース(Michael Pearce)
 出演:ジェシー・バックレイ(Jessie Buckley)、ジョニー・フリン(Johnny Flynn)、ジェラルディン・ジェームズ、チャーリー・パーマー・ロズウェル(Charley Palmer Rothwell)
 物語:イギリス海峡のジャージー島。ツアー・ガイドをしている女性モル(27)は、抑圧的な家族に悩んでいる。彼女は、アウトサイダーのパスカル(34)と出会う。彼は、彼女とは正反対だ。独立していて、飼いならされておらず、冷静だ。彼は、彼女にそんな家からは出た方がいいという。そんな彼に、残酷な連続殺人の容疑がかけられる。彼女は、彼を守ろうとして、ウソのアリバイを作る。
 『Uボート 最後の決断』『ワイルド・バレット』などのプロデューサーを務めるマイケル・A・ピアースの初監督長編。
 トロント国際映画祭2017 PLATFORM部門出品。
 BFIロンドン映画祭2017 第1回作品コンペティション部門出品。
 テッサロニキ国際映画祭2017 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ストックホルム国際映画祭2017 コンペティション部門出品。
 トリノ映画祭2017出品。
 マカオ国際映画祭2017 コンペティション部門出品。女優賞(ジェシー・バックレイ)、技術貢献賞(撮影)受賞。
 サンダンス映画祭2018 Spotlight部門出品。
 ロッテルダム国際映画祭2018出品。
 ダブリン国際映画祭2018出品。
 FEST国際映画祭(ベオグラード国際映画祭)2018出品。
 マイアミ映画祭2018出品。
 Lyon Festival Hallucinations Collectives2018出品。
 モントクレア映画祭2018出品。
 シカゴ批評家映画祭2018出品。
 シアトル国際映画祭2018出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2018出品。


 ・『パディントン2』“Paddington 2”(英) 監督:ポール・キング

 ・“Michael Inside”(アイルランド) 監督:Frank Berry
 物語:マイケル・マックリーは、18歳の多感な青年で、ダブリンの公営住宅に祖父フランシスとともに住んでいる。彼の父親は刑務所に服役中で、母親はドラッグの過剰摂取で亡くなっていた。マイケル自身は、14歳で学校をドロップアウトしていて、頭は悪くないものの、人間的に未熟だった。ある日、彼は友人の兄のコカインを所持していて、逮捕され、刑務所に3か月服役し、アイルランド刑務所の矯正プログラムを受けることになる。刑務所の中で、彼は、若さと未熟さゆえに、いじめの対象となるが、彼に力を貸してくれる者も現れ、自信と闘うことを学んでいく。しかし、刑務所で生きていくには、禁制品を手に入れなければならなかったり、リンチに協力したりしなければならなかった。一方、外の世界では、マイケルのせいで、コカインを失ったギャングは、その代償を祖父フランシスに払わせようとする。
 ゴールウェイ映画祭2017出品。最優秀アイルランド長編作品賞、ビンガム・レイ ニュー・タレント賞受賞。
 コーク映画祭2017 ヤング審査員賞 オナラブル・メンション、観客賞受賞。
 アイルランド・アカデミー賞2018 作品賞受賞。監督賞、主演男優賞(Dafhyd Flynn)、脚本賞ノミネート。
 ニューポート・ビーチ映画祭2018出品。監督賞、撮影賞受賞。
 Voices ヨーロッパ映画祭(ロシア)2018 出品。監督賞受賞。
 バンクーバー・アイリッシュ映画祭2018出品。


 ・“Diamantino”(ポルトガル・仏・ブラジル) 監督:Gabriel Abrantes、Daniel Schmidt
 出演:Joana Barrios、Abílio Bejinha、Chico Chapas、カルロト・コッタ(Carloto Cotta)、Vítor de Almeida、Maria Leite、Carla Maciel、Anabela Moreira、Margarida Moreira
 物語:世界のプレミア・サッカー・スターであるDiamantinoは、特別な感覚を失い、不名誉なままにキャリアを終える。彼は、新しい目的を求めて旅に出て、ネオ・ファシズム、難民危機、遺伝子改変、天才を捜す狩りに出くわす。
 “A Brief History of Princess X”がセザール賞2017 短編賞オフィシャル・セレクションに選ばれたGabriel Abrantesの初監督長編。Daniel Schmidtにとってはこれが第3監督長編。Gabrielは、アメリカ生まれで現在リスボン在住。Danielはアメリカ在住。2人はどちらも1984年生まれだが、2人が組むのはこれが初めて。
 カンヌ国際映画祭2018 国際批評家週間出品。グランプリ、パルム・ドッグ受賞。
 Biografilmフェスティバル2018出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 アナザー・ビュー部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭2018出品。
 ニュージーランド国際映画祭2018出品。
 メルボルン国際映画祭2018出品。
 Cine Ceará - National Cinema Festival 2018出品。編集賞受賞。
 トロント国際映画祭2018 MIDNIGHT MADNESS武門クロージング作品。
 ニューヨーク映画祭2018出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2018出品。


 ・“Carmen & Lola(Carmen y Lola)”(西) 監督:Arantxa Echevarría
 物語:ローラは16歳のジプシー娘で、祭事のコーラスで歌っている。ローラの母親は文盲で、娘が大学に行くのを誇りに思っている。しかし、ローラは大学にいる自分を想像して、それは違うように感じる。自分には求愛者もいないし、同年代が普通に興味を持つようなものにも興味がない。この年頃の子が何を欲しがるのかもわからない。テレビで2人の女性がキスしているのを見て困惑してしまった。一方、カルメンは、ヘアサロンに勤めていて、17歳になったらボーイフレンドと結婚したいと考えている。ある日、2人はフリーマーケットで出会い、ローラはカルメンに避けがたい魅力を感じる。
 カンヌ国際映画祭2018 監督週間出品。


 ・『アルツォの巨人』“The Giant(Handia)”(西) 監督:アイトル・アレギ(Aitor Arregi)、ジョン・ガラーニョ(Jon Garaño)
 物語:Martinは、第一次カルリスタ戦争からギプスコア県にある家族農場に帰ってきて、弟のJoaquínの身長が自分を遥かに超えていることを知る。やがて、誰もが、お金を払っても、「世界で最も背が高い男」を見たがるということがわかってくる。野心、お金、名声が家族の運命を変え、兄弟はヨーロッパ中を長旅に出かける。Miguel Joaquín Eleizegui Arteaga(愛称Gigante de Alzo。身長233.5cmで現在でも史上最高身長のスペイン人の記録を持つ)(1818-1861)に関する、実話に基づく物語。
 『フラワーズ』(2014)では、共同で脚本を手がけたAitor Arregiとジョン・ガラーニョ(監督も)の監督最新作。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 オフィシャル・セレクション出品。審査員特別賞、バスク映画賞受賞。
 BFIロンドン映画祭2017 Dare部門出品。
 José María Forqué賞2018 作品賞、Educación en Valoresノミネート。
 Spanish Actors Union 2018 ニュー・カマー賞(Eneko Sagardoy)受賞。
 Feroz賞2018 オリジナル作曲賞、ポスター賞受賞。監督賞、作品賞:ドラマ部門ノミネート。
 ゴヤ賞2018 脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイク&ヘアメイク賞、特殊効果賞、オリジナル作曲賞、新人男優賞(Eneko Sagardoy)、プロダクション賞受賞。作品賞、監督賞、録音賞ノミネート。
 グアダラハラ国際映画祭2018 イベロアメリカ長編フィクション・コンペティション部門出品。
 映画脚本家サークル賞(西)2018新人男優賞(Eneko Sagardoy)、作曲賞受賞。作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞、編集賞ノミネート。
 プンタ・デル・エステ国際映画祭(ウルグアイ)2018出品。
 バンガロール国際映画祭2018出品。
 Tydzien Kina Hiszpanskiego(ポーランド)2018出品。
 The Platino Awards for Iberoamerican Cinema 2018 Film and Education Values受賞。


 ・“Petra”(西・仏・デンマーク) 監督:ハイメ・ロサレス(Jaime Rosales)
 物語:ペトラは自分の父親が誰かを知らない。ペトラの出生に関しては彼女に伏せられている。ペトラの母親が死んだ時、彼女は調査してJaumeにたどりつく。Jaumeは、有名なアーティストで、力があり、冷酷だ。真実を探る過程で、ペトラは、Jaumeの息子のルーカスと妻のマリサとも出会う。これらの登場人物たちは、悪意と家族の秘密とバイオレンスのスパイラルに巻き込まれて、崖っぷちに追い込まれる。運命の残酷なロジックは、ねじれて脱線し、希望と償いへの道を開く。
 カンヌ国際映画祭2018 監督週間出品。
 Cine Ceará - National Cinema Festival 2018出品。作品賞、監督賞受賞。


 ・“Custody(Jusqu'a La Garde)”(仏) 監督:グザヴィエ・ルグラン(Xavier Legrand)
 物語:ブレッソン夫妻が離婚し、裁判所で親権を争う。母ミリアムは、息子ジュリアンの単独親権が欲しかった。家庭裁判所が、共同親権という判決を出すまで20分しかかからなかった。それが子どもの最善の利害に適っているという。夫アントワーヌは、離婚が我慢ならず、共同で親権を持つことで、ミリアムとの関係を維持したかったのだ。ジュリアンは、これまで暴力的な父親に抑え込まれ、母親に盾になってもらっていた。何とかして最悪の事態にはならないようにしなければならない。
 短編『全てを失う前に』(2013)が米国アカデミー賞2014短編映画賞にノミネートされるなど高い評価を受けて注目されたグザヴィエ・ルグラン監督の初監督長編。
 ベネチア国際映画祭2017 コンペティション部門出品。監督賞(銀獅子賞)、Leone del Futuro(Lion of the Future)受賞。
 トロント国際映画祭2017 PLATFORM部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 パールズ部門出品。観客賞、TVE Otra Mirada Award受賞。
 チューリヒ映画祭2017 インターナショナル・コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 CPH:PIX 2017出品。
 ハイファ国際映画祭2017出品。
 BFIロンドン映画祭2017 Debate部門。
 シカゴ国際映画祭2017出品。
 フィラデルフィア映画祭2017出品。
 ボルドー・インディペンデント映画祭2017出品。
 ザグレブ映画祭2017出品。
 ドバイ国際映画祭2017出品。
 マカオ国際映画祭2017コンペティション部門出品。監督賞、新人賞受賞。
 The Alliance Française French映画祭2018出品。
 パームスプリングス国際映画祭2018出品。「ヴァラエティー」誌が選ぶ、観るべき10人の監督たち 2018。
 アンジェ・ファースト・フィルム・フェスティバル2018出品。
 ロッテルダム国際映画祭2018出品。
 バンガロール国際映画祭2018出品。
 グラスゴー映画祭2018出品。観客賞受賞。
 ダブリン国際映画祭2018出品。
 マイアミ映画祭2018出品。Jordan Alexander Ressler Screenwriting Award受賞。
 Rendezvous with French Cinema(米)2018出品。
 ヴィリニュス国際映画祭2018出品。
 ウィスコンシン映画祭2018出品。
 クリーヴランド国際映画祭2018出品。
 リバーラン国際映画祭2018出品。男優賞(トーマス・ジオリア)受賞。
 ルイジアナ国際映画祭2018出品。
 モントクレア映画祭2018出品。
 Molodist国際映画祭2018出品。国際批評家連盟賞受賞。
 フランス映画祭(日)2018出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。


 ・“The House By The Sea(La Villa)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
 出演:アリアンヌ・アスカリッド(Ariane Ascaride)、ジャン=ピエール・ダルッサン、Gérard Meylan、ジャック・ブーデ(Jacques Boudet)、アナイス・ドゥムースティエ(Anaïs Demoustier)、ロバンソン・ステヴナン(Robinson Stévenin)
 物語:マルセイユの近くにある小さな湾のそばにある美しいヴィラ。そのヴィラの持ち主である男性の最後が近づき、3人の子どもたちが集まって来る。パリで暮らす女優のアンジェラ、年齢が半分しかない女の子とつきあっているジョゼフ、マルセイユにとどまって家族のレストランを営んでいるアルマン。父親の考えやコミュニティーのスピリットを見定め、受け継ぐ時。ところが、近くの入江にボートピープルの集団が到着して、騒ぎが起こり、人生について考える彼らの時間は邪魔される。
 ベネチア国際映画祭2017 コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2017 MASTERS部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 パールズ部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2017出品。
 リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭2017出品。
 モンペリエ地中海映画祭2017出品。
 香港フレンチ映画祭2017出品。
 ウィーン国際映画祭2017出品。
 パームスプリングス国際映画祭2018出品。


 ・“Girl”(ベルギー・オランダ) 監督:Lukas Dhont
 出演:Victor Polster、アリエ・ワルトアルテ(Arieh Worthalter)
 物語:ララは、16歳で、父親と弟と一緒に暮らしている。彼女は、バレリーナになることを夢見ているが、肉体的には男の子として生まれた。思春期の早くから、彼女はホルモン・セラピーを受けているけれども、競技スポーツに携わっている彼女の体は、まだ性転換手術を受ける準備はできていない。まわりのサポートもあるが、彼女は、毎日、自分自身と、自分の肉体と、自分の恐れや希望と向き合っている。
 Lukas Dhontは、ゲント国際映画祭で、2012年に最優秀フレミッシュ学生短編映画賞スペシャル・メンション、2014年に最優秀ベルギー短編映画賞を受賞している。これが初監督長編。
 レザルク・ヨーロッパ映画祭2017 TitraFilm Prize受賞。
 カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門出品。パフォーマンス賞(Victor Polster)、クィア・パルム 長編賞、カメラ・ドール、国際批評家連盟賞受賞。
 シドニー映画祭2018出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018ホライズンズ部門出品。
 ラックス賞2018 オフィシャル・セレクション。
 オデッサ国際映画祭2018 インターナショナル・コンペティション部門出品。演技賞(Victor Polster)受賞。
 Palic映画祭2018出品。作品賞(Golden Tower)受賞。
 エルサレム映画祭2018出品。
 メルボルン国際映画祭2018出品。
 ノルウェー国際映画祭2018出品。
 ゲント国際映画祭2018出品。


 ・“Cobain”(オランダ・独・ベルギー) 監督:Nanouk Leopold
 出演:Bas Keizer、Naomi Velissariou、ヴィム・オプブルック(Wim Opbrouck)、Dana Marineci、コスミナ・ストラタン(Cosmina Stratan)、Sofia Dossantos、Maria Kraakman、Maartje van de Wetering、Thomas Ryckewaert、Ward Weemhoff
 物語:15歳のCobainは、ひどい生活を送っていたが、心までは汚れておらず、母親のMiaを助けようとしていた。Miaは、妊娠していたのにも拘わらず、生活を改めようとしなかったので、2人はケンカして離れ離れになる。Cobainは、Miaの元カレであるWickmayerと再会し、一緒に暮らし始める。Wickmayerは、若い外国人女性を使って、売春の手引きをしていた。Cobainは、彼らと生活し、支え合っていくうちに、成長していく。Miaが再びCobainを頼ってきた時、Wickmayerは、彼女を追い出すが、CobainはMiaの状況がさらに悪くなっているのを知って、彼女を助けようとする。
 ベルリン国際映画祭2018 ジェネレーション14plus部門出品。
 レッチェ・ヨーロッパ映画祭2018ゴールデン・オリーヴ・ツリー・コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
 Cinema Europeoフェスティバル2018 ゴールデン・オリーヴ・トゥリー・コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
 クロッシング・ヨーロッパ映画祭2018出品。作品賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 アナザー・ビュー部門出品。


 ・“Dogman”(伊・仏) 監督:マッテオ・ガローネ
 出演:アダモ・ディオニージ(Adamo Dionisi)、エドアルド・ペッシェ(Edoardo Pesce)、Marcello Fonte、Nunzia Schiano、ジャンルカ・ゴビ(Gianluca Gobbi)
 物語:Dogmanとは、この映画に出てくる犬のグルーミング・ショップの名前である。主人公は、その店を経営している男性で、虚弱で、やさしい。彼には娘があり、暴力で近所を怖がらせている元ボクサーに支配されている。彼は、自分の屈辱的な人生を取り戻したいと考えていて、自分自身だけでなく、近隣を、そして世界をも解放させるのだと自分に信じ込ませようとする。物語は、次第にわれわれの誰の心の中にある隠された暴力性の中に入り込んでいく。
 本作は、1980年代末に、ローマ郊外の裏社会で、狂気にかられたドッグ・グルーマーによって実際に起こされた殺人にインスパイアされている。この事件は、戦後イタリア史の中でも最も壮絶なものと見なされているが、実際に何があったのかははっきりしていない。
 カンヌ国際映画祭2018 コンペティション部門出品。男優賞(Marcello Fonte)、パルム・ドッグ(全キャストに対して)受賞。
 Biografilmフェスティバル 2018出品。
 ナストロ・ダルジェント賞2018 作品賞、監督賞、主演男優賞(Marcello Fonte、エドアルド・ペッシェ)、編集賞、美術賞、録音賞、プロデューサー賞、キャスティング・ディレクター賞受賞。脚本賞、衣裳デザイン賞ノミネート。
 エルサレム映画祭2018出品。Gabriel Sherover Foundation Award受賞。
 メルボルン国際映画祭2018出品。
 サラエボ映画祭2018出品。
 ノルウェー国際映画祭2018出品。
 トロント国際映画祭2018 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Happy As Lazzaro(Lazzaro Felice)”(伊・仏・独・スイス) 監督:アリーチェ・ロルヴァケル
 出演:ニコレッタ・ブラスキ、セルジ・ロペス、アルバ・ロルヴァケル、Natalino Balasso、トマーゾ・ラーニョ(Tommaso Ragno)、Adriano Tardiolo、Luca Chikovani、Leonardo Nigro、Agnese Graziani、Gala Othero Winter
 物語:これは、あまりにも善良すぎてしばしば過ちを犯す若い農夫Lazzaroと、イマジネーションにとりつかれた若い貴族Tancrediの出会いの物語である。1980年代、イタリアの中部。隔絶した牧歌的な村の生活は、恐ろしいタバコ農園の女王Marchesa Alfonsina de Lunaによって支配されている。忠実なる絆は、TancrediがLazzaroに自分を誘拐する手助けをしてくれと頼んだ時に封印される。この奇妙でありそうもない同盟は、Lazzaroを目覚めさせる。あまりにも貴重すぎる友情は、時を超え、LazzaroをTancrediを捜す旅に移送する。大都市への初めての旅で、Lazzaroは現代世界で迷子になった過去のフラグメントのようなものだ。
 カンヌ国際映画祭2018 コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2018 作品賞、助演女優賞(ニコレッタ・ブラスキ)、美術賞ノミネート。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 ホライズンズ部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 ニュージーランド国際映画祭2018出品。
 エルサレム映画祭2018出品。In Spirit for Freedom Award受賞。
 ラックス賞2018 オフィシャル・セレクション。
 ニュー・ホライズンズ映画祭2018出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2018出品。


 ・“Shock Waves: Diary Of My Mind(Ondes De Choc: Journal De Ma Tête)”(スイス) 監督:ウルスラ・メイヤー
 出演:ファニー・アルダン、ケイシー・モッテ=クライン(Kacey Mottet Klein)、ジャン=フィリップ・エコフェ、Stephanie Blanchoud、カルロ・ブラント(Carlo Brandt)、Jean-Quentin Châtelain
 物語:父親と母親を平然と殺す数分前、18歳のBenjamin Fellerは、秘密の日記をフランス語教師に郵送する。それは、明らかにこれ以前の経歴など知られていない彼の行動を説明し、告白するものだった。教師は、自分もまた当局に話を聞かれることに気づき、自分自身の疑念にも直面する。もし彼女の文学的な好みが、人間の魂の苦しみを描いたような作品に惹かれる傾向があるなら、彼女は生徒の苦悩に盲目になってしまうだろうか? 彼が犯罪を犯す前に、彼女に見せた熱のこもった日記には何が隠されているのだろうか?
 ベルリン国際映画祭2018 パノラマ部門出品。


 ・“Those Who Are Fine(Dene Wos Guet Geit)”(スイス) 監督:Cyril Schäublin
 物語:アリスは、チューリヒ郊外のコールセンターに勤めている。そこでインターネットの契約を取り決めたり、保険を売ったりするのだ。仕事が終わると、彼女は街を歩き回る。この街は特に問題もないように見える。彼女は、仕事からの連想で、孤独な老女たちに電話して、緊急にお金を必要としている孫娘を演じる。このトリックで、彼女はたちまち一財産手に入れる。
 第1回作品。
 ロカルノ国際映画祭2017 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。第1回作品賞スペシャル・メンション受賞。
 サンパウロ国際映画祭2017出品。
 ビルバオ国際ドキュメンタリー&短編映画祭2017出品。
 ロッテルダム国際映画祭2018出品。
 IBAFF国際映画祭(西)2018 出品。審査員特別賞受賞。
 サンフランシスコ国際映画祭2018出品。
 スイス映画賞2018 作品賞ノミネート。
 ウルグアイ国際映画祭2018出品。第1回作品賞スペシャル・メンション受賞。
 エジンバラ国際映画祭2018 出品。インターナショナル長編作品賞受賞。


 ・“The Captain(Der Hauptmann)”(独・仏・ポーランド) 監督:ロベルト・シェンケ(Robert Schwentke)
 物語:第二次世界大戦の末期、19歳の兵卒が、怒り、飢えて、大尉の制服を盗む。将校になりすました彼は、脱走兵たちのグループを集め、打倒ナチス・ドイツを通して、殺し、略奪する道を切り開く。
 『きみがぼくを見つけた日』『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』『ダイバージェントNEO』『ダイバージェントFINAL』などを手がけるロベルト・シュヴェンケ監督最新作。
 トロント国際映画祭2017 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 オフィシャル・セレクション出品。撮影賞受賞。
 レザルク・ヨーロッパ映画祭2017出品。20 Minutes of Audacity Prize、プレス賞スペシャル・メンション、ヤング審査員賞受賞。
 ロッテルダム国際映画祭2018出品。
 香港国際映画祭2018出品。
 ヴィリニュス国際映画祭2018 国際批評家連盟賞受賞。
 ドイツ映画賞2018 音響デザイン賞受賞。作品賞、助演男優賞(アレクサンダー・フェーリング)、編集賞、音楽賞ノミネート。
 バーリ国際映画祭2018 インターナショナル・パノラマ・コンペティション部門出品。監督賞、男優賞(マックス・フーバッヒャー)受賞。
 Transatlantyk映画祭2018出品。


 ・“3 Days In Quiberon(3 Tage In Quiberon)”(独・オーストリア・仏) 監督:エミリー・アテフ(Emily Atef)
 出演:マリー・ボイマー(Marie Bäumer)、ビルギット・ミニヒマイヤー(Birgit Minichmayr)、チャーリー・ヒュブナー(Charly Hübner)、ロベルト・グィスデック(Robert Gwisdek)、ドニ・ラヴァン
 物語:1981年、ロミー・シュナイダーは、フランスの小さな町キブロンで、親友のヒルデと過ごしている。次の映画に取りかかる前のちょっとしたリフレッシュだ。そこに、インタビューの申し込みがある。ドイツのマスコミとの嫌なやりとりがあったのにも拘わらず、ロミーは取材をOKする。相手は、『シュテルン』誌のジャーナリスト、ミヒャエル・ユルクスと、カメラマンのロバート・レベックだ。それから、追う者と追われる者、女優とジャーナリストによる3日間のゲームが始まる。
 実際にあった出来事に基づく。ロミー・シュナイダーは、1982年に急死していて、これが最後の(大きな)インタビューだという。
 ミヒャエル・ユルクスは、1991年に『ロミー・シュナイダー事件』“Der Fall Romy Schneider”を出版している。本作は、“Der Fall Romy Schneider”を原作としているとは言っていないし、実際に原作そのものではないが、“Der Fall Romy Schneider”を参考にしているのは明らかで、本書自体“3 Tage in Quiberon : Der Fall Romy Schneider”というタイトルで2017年に再版している。
 マリー・ボイマーが、ロミー・シュナイダーを演じる。
 ベルリン国際映画祭2018 コンペティション部門出品。
 German Screen Actors賞2018 助演男優賞(ロベルト・グィスデック)受賞。
 ドイツ映画賞2018 作品賞、主演女優賞(マリー・ボイマー)、助演男優賞(Robert Gwisdek)、助演女優賞(ビルギット・ミニヒマイヤー)、撮影賞、音楽賞受賞。助演男優賞(チャーリー・ヒュブナー)、メイキャップ賞、音響賞受賞。
 Transatlantyk映画祭2018出品。


 ・“Styx”(独・オーストリア) 監督:Wolfgang Fischer
 物語:Rikeは、40歳の、ヨーロッパ出身の医師で、現代西欧の幸福と成功を体現している。彼女は、教育があり、自信を持ち、決断力があり、熱心である。Rikeの日常生活が描かれる。彼女は救命医で、長年の夢を実現すべく独りで船に乗って海に出る。彼女の目的地は、大西洋のアセンション島だ。ところが、夢の休暇は国際水域上で断ち切られる。嵐に遭い、気づいた時、彼女は100人近い難民を乗せたおんぼろ漁船の近くにいた。難民は死にかかっている。彼女は海事法に従い、無線で助けを求める。彼女の願いは聞き入れられず、彼女は思い切った決断をする。
 ベルリン国際映画祭2018 パノラマ部門出品。エキュメニカル審査員賞、Heiner Carow賞、Label Europa Cinemas賞、観客賞第2席受賞。
 香港国際映画祭2018 ヤング・シネマ・コンペティション部門出品。
 イスタンブール国際映画祭2018出品。
 Schwerin Art of Film Festival 2018出品。作品賞、サウンド・ミックス賞、観客賞受賞。
 エムデン国際映画祭2018出品。最優秀クリエイティヴ・パフォーマンス賞受賞(スザンネ・ウォルフ)。
 ヴァレッタ映画祭(マルタ)2018出品。女優賞(スザンネ・ウォルフ)、撮影賞受賞。
 ゴールウェイ映画祭2018出品。
 オデッサ国際映画祭2018インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ラックス賞2018 ノミネート。
 Transatlantyk映画祭2018出品。
 エルサレム映画祭2018出品。


 ・“Transit”(独・仏) 監督:クリスティアン・ペツォールト
 出演:フランツ・ロゴウスキ(Franz Rogowski)、パウラ・ベーア(Paula Beer)、Godehard Giese、Lilien Batman、Maryam Zaree、バーバラ・アウアー(Barbara Auer)、マティアス・ブラント(Matthias Brandt)、セバスティアン・フールク(Sebastian Hülk)、エミリー・ドゥ・プレザック(Emilie de Preissac)、アントワーヌ・オッペンハイム(Antoine Oppenheim)
 物語:27歳のドイツ人が、パリに住むWeidelという男性に手紙を届ける仕事を託される。彼は、Seidlerという名の難民がWeidelを名乗っているのだと推察していた。だが、マルセイユに着いた時、彼自身がWeidelと間違われてしまう。Weidelは、既に自殺していたのだ。彼は、ゆっくりとWeidelの人生をつなぎ合わせていく。
 アンナ・ゼーガーズが1944年に発表した小説『トランジット』の映画化。
 原作のストーリーは、「ナチスのフランス侵略後、ひとりの男性が逃げて、書類を手に入れた死んだ作家になりすます。マルセイユに着いた時、彼は、行方不明の夫を捜している女性と出会う。彼女が捜していた夫こそ、彼がなりすましていた作家だった……。」というものだが、ペツォールトは、舞台を現代にして、設定を変更している。
 ベルリン国際映画祭2018 コンペティション部門出品。
 香港国際映画祭2018出品。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2018出品。
 シドニー映画祭2018出品。


 ・“Donbass”(独・仏・ルーマニア・オランダ・ウクライナ) 監督:セルゲイ・ロズニタ(Sergei Loznitsa)
 物語:東ウクライナのDonbass地区では、ハイブリッドな戦争が行なわれている。それには、ギャングによって引き起こされた大規模な略奪を伴う受け入れに好意的な紛争も含まれている。Donbassでは、戦争は愛と呼ばれ、プロパガンダは真実と見なされ、憎むことは愛することと宣言される。一地域や一国、一政治システムの話ではない。ヒューマニティーや一般的な文明の話であり、それぞれについて、われわれのひとりひとりについての話である。
 カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門出品。監督賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018アナザー・ビュー部門出品。
 ミュンヘン映画祭2018出品。
 ラックス賞2018 オフィシャル・セレクション。
 Transatlantyk映画祭2018出品。


 ・“Mademoiselle Paradis(Licht)”(オーストリア・独) 監督:バーバラ・アルバート(Barbara Albert)
 物語:1777年のウィーン。マリア・テレジア・“レジ”・パラディスは、才能あるピアニストだが、3歳から視力を失っていた。多くの医者に診てもらったがうまくいかず、絶望した両親は、動物磁気を使った奇跡の治療を行なうというフランツ・アントン・メスメル(1734-1815)に頼ることにする。その結果、治療は成功して、マリアの目は見えるようになるが、それ以前に彼女を診察したウィーンの医者たちにとってこれは面白いわけがない。彼らは、メスメルに対する中傷をし始める。一方、目が見えるようになったマリアは、ピアノの才能を失い始めたため、父親は娘をメスメルのところから連れ戻すことにする。マリアは、再び闇に戻るが、ピアノの才能もまた取り戻すのだった。
 アリッサ・ヴァルザーの小説“Am Anfang war die Nacht Musik”の映画化。
 『サラエボ、希望の街角』『サラエボの花』のプロデューサー、バーバラ・アルバートの最新監督作品。
 トロント国際映画祭2017 PLATFORM部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2017 オフィシャル・セレクション出品。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2017出品。
 ウィーン国際映画祭2017出品。
 テッサロニキ国際映画祭2017出品。
 ヨーテボリ国際映画祭2018出品。
 オーストリア映画賞2018 助演女優賞(マレシ・リーグナー)、撮影賞、美術賞、衣裳賞、メイキャップ賞受賞。作品賞、監督賞、主演男優賞(デーヴィト・シュトリーゾフ)、主演女優賞(マリア・ドラグシ)、助演女優賞(Katja Kolm)、脚本賞、編集賞ノミネート。
 ヴィリニュス国際映画祭2018出品。
 ウィスコンシン映画祭2018出品。
 クリーヴランド国際映画祭2018出品。
 エルサレム映画祭2018出品。
 サラエボ映画祭2018出品。


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 ヨーロッパ映画賞2018 オフィシャル・セレクションの記事は、次に続きます。

 ・ヨーロッパ映画賞2018 オフィシャル・セレクション 49作品 その2:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_26.html

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 ・ヨーロッパ映画賞2018 ドキュメンタリー賞 オフィシャル・セレクション:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_16.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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