ベネチア国際映画祭2018 Orizzonti部門 ラインナップ

 【Orizzonti部門】

 ・“Amanda”(仏) 監督:Mikhael Hers
 出演:ステイシー・マーティン(Stacy Martin)、ヴァンサン・ラコスト(Vincent Lacoste)、Claire Tran、ナビア・アッカリ(Nabiha Akkari)、ジョナサン・コーエン(Jonathan Cohen)、Ophélia Kolb、マリアンヌ・バスラー(Marianne Basler)、CJ Parson
 物語:現代のパリ。20歳のダヴィドは、いまのところ、いろんな仕事を転々として、ひとつの仕事に長続きしたことがなく、そろそろもっと真面目な決断をすべき時期に来ている。一人暮らしの空想家ダヴィドは、近所に引っ越してきたレナと出会い、すっかり魅了されてしまう。ところが、そんな時、姉が惨殺されて、自分が7歳の姪アマンダの面倒を見ることになってしまう。

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 ・“L’Enkas”(仏) 監督:Sarah Marx
 物語:刑務所を出所したユリスの頭には1つのことしかなかった。お金を儲けること。彼は、落ち込んでいる母親ガブリエルと、どんどん増えていく請求書と、精一杯自分の人生を生きたいという自分の願望を受け止めて、計画を立てる。親友のダヴィドと一緒に、レイヴからレイヴへと旅して、フードトラックから水とケタミンを混ぜたものを売るのだ。2人は旅へと出発する。

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 ・“Tel Aviv On Fire”(ルクセンブルク・仏・イスラエル・ベルギー) 監督:サメホ・ゾアビー(Sameh Zoabi)
 物語:Salamは、30歳のパレスチナ人で、人気ソープオペラの脚本家の見習いをしていた。毎日、テレビ・スタジオに入る彼は、厳しい検問所を通らなければならない。検問所で、Salamは、司令官のAssiと知り合いになるが、彼の妻はそのソープオペラの大ファンだった。Assiは、Salamに脚本の結末を変えるようにアイデアを出す。すばやくそれを理解したSalamは、そのアイデアのおかげでたちまち脚本家としての出世コースに乗る。ところが、その後、司令官と番組の経済的支援者との間で物語の結末について意見が合わなくなり、Salamは板挟みになってしまう。

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 ・“Sulla Mia Pelle”(伊) 監督:Alessio Cremonini
 物語:2009年10月15日、Stefano Cucchiは、21グラムのハシシとコカイン3パックと癲癇の薬を所持しているところを見つかり、麻薬取引容疑で警察に逮捕された。逮捕された時、彼は43kgしか体重がなく、体にはケガはなかった。逮捕の後、裁判所に送られた彼は、落ち着きがなく、殴られたような痕跡が見受けられた。健康状態が思わしくないのにも拘わらず、彼は刑務所に送られ、第2回の公判を待つことになった。彼は、体調が悪化し、病院に送られた。病院では、脚や顔にあざや傷が認められた。10月22日、逮捕から1週間後に、彼は死んだ。31歳だった。体重は43kgから37kgになっていた。彼の姉Ilariaは、弟の突然の死の真相を明かすためにキャンペーンを始めた。
 物議を醸す実話に基づく物語。
 オープニング作品。

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 ・“Un Giorno All’Improvviso(If life gives you lemons)”(伊) 監督:Ciro D’Emilio
 物語:カンパニア州の小さな町。アントニオは、17歳で、サッカー選手になって、大きなチームでプレーするのが夢だった。やさしく美しい母ミリアムは、誰よりもアントニオを愛していたが、父カルロは若い頃に2人を見棄てていた。ミリアムはそんな家族をやり直すという考えにとらわれていた。ラッキーだったのは、アントニオにはサッカーがあり、サッカー仲間がいたことだ。アントニオとミリアムの前に突然大きなチャンスが現れる。タレント・スカウトのMichele Astaritaの登場だ。だが、夢には代償がつきものだった……。

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 ・“La Profezia Dell’Armadillo(The Armadillo's Prophecy)”(伊) 監督:Emanuele Scaringi
 物語:Zeroは、ローマ周辺のレビッビアの、ティブルティーナとNomentanaの間にある、ティブルティーナ・ヴァレーの小さなパラダイスに住んでいる。Mammuth Land、シェル・スーツ、受刑者の体、寛大な心。そこには何もないが、必要としているものもない。Zeroはイラストレーターだが、安定した収入はなく、フランス人を個人指導し、空港で人々がどのくらい行列をつくっているか時間を計り、インディペンデントのパンクバンドのためにイラストを描く。彼の生活は非常に反復的だ。ローマ中を動き回っては様々な仕事を手に入れ、母親に会いに行き、そして帰宅する。アルマジロの形で、肉か血で、それよりむしろ、平皿かソフト・ティッシュで、批評的良心を見出す。彼は、それらと会話を交わし、逆説的に、世界で起こっていることについてアップデートする。この厳しい生活の中で、破産しないでやっていられるのは、幼なじみのSeccoのおかげだ。好きだと告白するチャンスもなかった、フランス人娘カミーユの死のニュースを聞く。SeccoはGretaを探す。彼女は長らく会っていない友人で、この悲劇的なニュースを分かち合って、一緒にフランスに行ってカミーユの葬儀に出席しようと計画する。喪失は、Zeroのこれまでの人生を振り返らせ、排除された彼の世代にまつわる非伝達性、疑惑、不確実性について自分の不遜な精神に直面する。

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 ・“The Announcement(Anons)”(トルコ・ブルガリア) 監督:マフムト・ファズル・ジョシュクン(Mahmut Fazil Coskun)
 物語: Sinasi中尉、Kemal少佐、Rifat少佐、Reha大佐は、1963年5月にアンカラで実行されるクーデターのイスタンブール・フェーズを任される。4人の軍人は、強い告示はクーデターが成功する肝要なパートであり、人々を惹きつけると信じていたので、アンカラで読み上げられるオリジナル・バージョンのクーデターの告示を読む計画をする。しかし、彼らは1つのことを考慮していなかった。それは、それは市民生活の目に見えないパワーだ。
 『二つのロザリオ』” Yozgat Blues”のマフムト・ファズル・ジョシュクンの第3監督長編。

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 ・“Stripped(Erom(The Love Trilogy: Stripped))”(イスラエル・独) 監督:ヤロン・シャニ(Yaron Shani)
 物語:Aliceは、34歳で、文学界の輝ける星だったが、レイプに遭って、苦しみ、アパートに引きこもり、悪夢の中にのみ込まれていた。Zivは、才能あるやさしいミュージシャンで、ストリート・ライフをしていた。しかし、大人の要求が彼を追い込み、永遠に彼を変えた。2人は出会い、ひとつの危機が、いかにして破壊と成長、暴力と栄光をもたらすかを明らかにする。
 Reborn、Chainedと続く“The Love Trilogy”の第1部。『アジャミ』のヤロン・シャニの初めての単独での監督作品。
 イスラエル・アカデミー賞2018 監督賞、主演女優賞(Laliv Sivan)、録音賞、キャスティング賞ノミネート。

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 ・“The Man Who Surprised Everyone(Tchelovek kotorij udivil vseh)“(ロシア・エストニア・仏) 監督:Natasha Merkulova、Aleksy Chupov
 物語:Egor Korshunov (40)は、セルビアの森林警備隊員で、地元の環境保全会社で働き、タイガの密猟者と激しく闘っていた。彼は、家族人間で、村人から尊敬されていた。彼と妻のNataliaは2人目の子どもを欲していた。ところが、思いがけず、Egorに末期がんが見つかり、余命2ヶ月と宣告される。伝統的な薬もシャーマンの呪術も彼を救うことはできない。残る選択肢は1つだけ。それは、セルビアの古い叙事詩に伝わる伝説の英雄、Zhamba the drakeのように、人格を完全に入れ替えて、彼の命を奪おうとしている「死」をだますという方法だ。
 Natalia Merkulovaが子ども時代に聞いた村に伝わる伝説に基づく。
 夫婦による監督チームの第2作。

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 ・“The Day I Lost My Shadow(Yom Adaatou Zouli)”(シリア・レバノン・仏・カタール) 監督:Soudade Kaadan
 物語:ダマスクスの冬。Sanaは、8歳の息子と家に取り残されている。夫はサウジアラビアに働きに行っている。もうガスもなく、料理もできないし、部屋も暖められない。Sanaは、1日休みを取って、ガスボンベを手に入れにでかける。ダマスクスの周辺をめぐり、彼女は残忍な戦争の傷跡を目の当たりにする。

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 ・“The River(Ozen)”(カザフスタン・ポーランド・ノルウェー) 監督:エミール・バイガジン
 物語:5人の兄弟が、支配的な父親の厳格な監視下で、社会から隔絶した生活をしている。ところが、偶然から少年たちは現代社会を発見し、彼らの生活の様式が脅かされる。
 監督第4作。
 トロント国際映画祭2018 PLATFORM部門出品。


 ・“As I Lay Dying(Hamchenan ke mimordam)”(イラン) 監督:Mostafa Sayyari
 物語:3人の兄弟と1人の妹が、最近亡くなった父を、父の遺志に従って、遠くの見知らぬ村に埋葬にいく。しかし、やがて熱気と長旅で耐えられなくなる。しかも遺体は腐敗し始める。長男は疲れ、腹も立ってきて、何年も間、父の面倒を見ていた弟に隠していたいらだちをぶつける。

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 ・“Soni”(インド) 監督:Ivan Ayr
 物語:デリーの若い警察官Soniは、彼女の監督官Kalpanaとともに、増え続ける女性に対する暴力犯罪に共同で取り組んでいた。ところが、このコンビは、Soniが勤務中の不法行為を疑われて異動になり、挫折を味わう。

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 ・“Manta Ray(Kraben Rahu)”(タイ・仏・中) 監督:プッティポン・アルンペン(Phuttiphong Aroonpheng)
 物語:タイの岸辺の村近くで、何千人ものロヒンギャ人の難民の遺体が流れ着く。ひとりの地元の漁師が森の中で、意識を失って横たわっているケガ人を見つける。彼は、その言葉も通じない見知らぬ男を救う。彼は、その男との友情を育み、Thongchaiと名づける。漁師が、突然、海で行方不明になった時、Thongchaiはゆっくりと彼の生活を引き継いでいく。家も仕事も元妻まで。
 『孤島の葬列』で撮影を担当したプッティポン・アルンペンの監督作品。初監督長編。

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 ・“Through the Holes(Kucumbu tubuh indahku(Memories of My Body))”(インドネシア・オーストラリア) 監督:ガリン・ヌグロホ
 物語:幼い頃、父親に棄てられた少年Junoはダンサーになり、男性のダンスグループに入って、女形を演じる。ところが、インドネシアの社会的、政治的な季節の中で、Junoのセクシュアリティーと彼の肉体の官能性は、暴力的なリアリズムと結びつけられ、彼は村から村へと渡り歩かなければならなくなる。のちに、Junoは最大のバトルフィールド、すなわち自分自身の肉体と向き合う。

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 ・“Jinpa(撞死了一只羊)”(中) 監督:ペマ ツェデン
 物語:トラック運転手が、羊をはねて若いヒッチハイカーに当ててしまう。トラック運転手は、ヒッチハイカーが銀のナイフを持っているのに気づき、過去に間違ったことがあって、誰かに復讐しようとしているらしいことを悟る。トラック運転手は、ヒットハイカーを目的地で降ろすが、運命で結びつけられた関係をここで終わりにはしたくないと考える。
 2つの短編をベースにした復讐と償還の物語。
 冬のチベット。海抜5000mのチベット平原で撮影された。
 ウォン・カーウァイがプロデューサーを務める。

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 ・“Charlie Says”(米) 監督:メアリー・ハロン
 出演:マット・スミス(Matt Smith)、ハンナ・マリー(Hannah Murray)、マリアン・レンドン(Marianne Rendón)、ソシー・ベーコン(Sosie Bacon)、メリット・ウェバー(Merritt Wever)、スキ・ウォーターハウス(Suki Waterhouse)、チェイス・クロフォード(Chace Crawford)、アナベス・ギッシュ(Annabeth Gish)
 物語:3人の若い女性が、悪名高きマンソンの殺人事件で死刑を宣告される。しかし、死刑制度が一次的に廃止されたため、彼らの刑は終身刑になった。若い大学卒業生がかれらを教育するために送られる。彼女を通して、われわれは彼らの変化を目撃する。そこで初めて彼らは自分たちが犯した恐ろしい犯罪の現実に向き合う。
 メアリー・ハロンの、『モスダイアリー』以来7年ぶりの監督長編。

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 ・“Deslembro”(ブラジル・仏・カタール) 監督:Flavia Castro
 物語:Joanaは、ティーンエイジャーで、文学とロックが好きだった。1979年、ブラジルにアムネスティが認められた年、彼女は家族とパリに住んでいた。Joanaの意思に反して、彼女は、ほとんど覚えていないブラジルに帰ることになった。1980年代初頭、彼女は生まれ故郷のリオ・デ・ジャネイロにいた。そこで彼女の父親は強制的に消された。彼女は、記憶の断片から少しずつ思い出す。あらゆるものが本物とは限らない。あらゆるものがイマジネーションとは限らない。彼女は思い出すに従って、現時点における自分自身の物語を書いていく。

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 ・“La Noche De 12 Anos(A Twelve-Year-Night)”(西・アルゼンチン・ウルグアイ・仏) 監督:Alvaro Brechner
 物語:1972年、ある秋の夜。3人の政治犯が刑務所の居房から、12年続く秘密の軍事作戦のために連れ出された。3人は小さな房に隔離され、ほとんどの時間、頭にはフードが被せられた。彼らの中にはホセ・ムヒカ、のちのウルグアイ大統領がいた。

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 [短編コンペティション部門]

 ・“L'été et tout le reste”(オランダ/18’) 監督:Sven Bresser

 ・“Gli anni”(伊・仏/20’) 監督:Sara Fgaier

 ・“Ninfe”(伊/12’) 監督:Isabella Torre

 ・“All Inclusive”(スイス/10’) 監督:Corina Schwingruber Ilić

 ・“Leoforos Patision(Patision Avenue)”(ギリシャ/20’) 監督:Thanasis Neofotistos

 ・“Strano telo(Foreign Body)”(セルビア/20’) 監督:Dušan Zorić

 ・“Staircase”(イラン/20’) 監督:Mohsen Banihashemi

 ・“Sex, strakh i gamburgery(Sex, Fear, and Hamburgers)”(カザフスタン/19’) 監督:Eldar Shibanov

 ・“Kado(A Gift)”(インドネシア/15’) 監督:Aditya Ahmad

 ・“Manila Is Full of Men Named Boy”(フィリピン・米/20’) 監督:Andrew Stephen Lee

 ・“Na li(Down There/那里)”(中・仏/11’) 監督:Yang Zhengfan(楊正帆)

 ・“Los bastardos”(アルゼンチン/16’) 監督:Tomas Posse

 [短編 アウト・オブ・コンペティション部門]
 ・“Blu”(伊/20’) 監督:Massimo D'Anolfi、Martina Parenti

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 ・ベネチア国際映画祭2018 コンペティション部門ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201807/article_10.html

 ・ベネチア国際映画祭2018 アウト・オブ・コンペティション部門 ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_19.html

 ・ベネチア国際映画祭2018 国際批評家週間 ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_17.html

 ・ベネチア国際映画祭2018 ベネチア・デイズ ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_18.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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