ベネチア国際映画祭2018 アウト・オブ・コンペティション部門ラインナップ

 【アウト・オブ・コンペティション部門】

 ・“Driven”(英・米) 監督:ニック・ハム(Nick Hamm)
 出演:リー・ペイス(Lee Pace)、ジェイソン・サダイキス(Jason Sudeikis)、ジュディー・グルア)Judy Greer)、コリー・ストール(Corey Stoll)
 物語:1977年のカリフォルニア。ゼネラルモーターズのエグゼクティヴ、ジョン・デロリアンは、不良から転じて、自動車業界の驚くべきイノヴェーターになった。一方、ジム・ホフマンは、ブルーカラーの職業パイロットで、給料だけでは汲々としていて、副業に手を出した。それはFBIへの情報提供だった。FBIのハンドラーからの圧力の下、ジムは、近隣に住むデロリアンの完璧な暮らしに憧れていた。2人が親しくなった時、ジムは、デロリアンの新しい会社の開発が遅れ、彼の夢が実現するには程遠いことに気づく。
 友情と裏切り、野心と貪欲、成功と失敗。
 ゼネラルモーターズの副社長まで昇りつめながら、退社して、デロリアン・モーター・カンパニー(DMC)を創業し、(『バック・トゥ・サ・フューチャー』のデロリアン号の基になった車)DMC-12を開発した社長ジョン・デロリアン(1925-2005)にまつわる実話に基づく。ジョン・デロリアンは、1982年にコカイン所持容疑で逮捕され(のちに無罪になった)、DMCも倒産した。
 トロント国際映画祭2018 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Un Peuple et Son Roi (A People and His King/One Nation,One King)”(仏・ベルギー) 監督:ピエール・ショレール(Pierre Schoeller)
 出演:ルイ・ガレル、ギャスパー・ウリエル、アデル・エネル、セリーヌ・サレット(Céline Sallette)、ニールス・シュナイダー、ドニ・ラヴァン、ローラン・ラフィット(Laurent Lafitte)、イジア・イジュラン(Izia Higelin)、オリヴィエ・グルメ、ノエミ・ルヴォフスキー
 物語:1789年、国民は革命に突入した。王は、臣下である男たち、女たちの運命と、そして歴史的人物たちと交わる。歴史の核心部で、王の運命が決し、共和制が誕生する。
 ピエール・ショレールの劇場公開作品としては、『大臣と影の男』(2011)以来、7年ぶりの新作。


 ・“Les Estivants(The Estimates/The Summer House)”(仏・伊) 監督:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ
 出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ヨランド・モロー、ノエミ・ルヴォフスキー、ピエール・アルディティ(Pierre Arditi)、ヴァレリア・ゴリーノ、ロラン・ストーケル(Laurent Stocker)、Bruno Raffaelli、マリサ・ボリーニ(Marisa Borini)、リッカルド・スカルマチョ、Anthony Ursin
 物語:大きくて美しいフレンチ・リヴィエラの地所。そこは、時代を超越しているように見え、残りの世界からの避難所にようにも見える。アンナはそこに娘と一緒に数日のヴァケーションを過ごすために出かける。彼女は、パートナーとの早々の破局と新しい映画の執筆を処理しなければならない。
 監督作としては、『イタリアのある城で』(2013)以来5年ぶりの劇場公開作品(第4作)。


 ・“Una Storia Senza Nome(A Story With No Name)”(伊・仏) 監督:ロベルト・アンドー(Roberto Andò)
 出演:ミカエラ・ラマゾッティ、アレッサンドロ・ガスマン、ラウラ・モランテ、レナート・カルペンティエリ(Renato Carpentieri)、イェジー・スコリモフスキ、ガエターノ・ブルーノ(Gaetano Bruno)、アントニオ・カタニア(Antonio Catania)
 物語:ヴァレリアは、プロデューサーの若い秘書で、エキセントリックな母親と一緒に住み、成功した脚本家のために密かに執筆活動もしていた。ある日、見知らぬ人から思いがけない贈り物を受け取る。それは、映画のプロットだった。しかもそれは危険な代物だった。無題の物語は、ミステリアスだけれども、実際に起こった、カラヴァッジオの絵画“la Natività”の盗難事件を語っていた。
 『修道士は沈黙する』以来2年ぶりの新作。


 ・“L’amica geniale(My Brilliant Friend)”(伊・ベルギー) 監督:サヴェリオ・コスタンツォ(Saverio Costanzo)
 出演:Elisa Del Genio、Ludovica Nasti、Margherita Mazzucco、Gaia Girace
 物語:エレナ・グレコは、人生で最も大事な友人が失踪したというニュースを聞く。老女となっていたエレナは、本に囲まれた部屋で、パソコンに向かい、いつもリラと呼ばれていた少女Raffaella Cerulloのことを書き始める。危険で、魅力的な街ナポリ。出会ったのは小学校1年生の頃。リラは、エレナの聡明な友だちで、親友であり最悪の敵でもあった。1950年代からスタートする、60年にもおよぶ2人の物語が始まる。
 覆面作家エレナ・フェッランテの世界的なベストセラーで、4部作の第1部『リラとわたし ナポリの物語1』を映像化したTV映画。120分。
 ベネチア国際映画祭でプレミア上映されるのは、TVシリーズの最初の2話。(原作の全32エピソードのうち、今回、第1部8エピソードが映像化され、今後の継続が噂されている。イタリアでは、2エピソードずつ(?)全4夜で放映される予定。)
 ※TVシリーズ版の記載があるIMDbでは、製作国はイタリアとアメリカになっています。


 ・“A Tramway In Jerusalem”(イスラエル・仏) 監督:アモス・ギタイ
 出演:Pippo Delbono、マチュー・アマルリック、ノア(Noa Ahinoamam Nini)、ハンナ・ラズロ(Hana Laslo)、ヤエル・アベカシス(Yael Abecassis)、Yuval Scharf、Karen Mor、Lamis Amar、Mustafa Masi
 物語:エルサレムの路面電車ライトレールはエルサレムの東と西をつないで、1日15万人もの人を運ぶ。そして宗教や倫理的バックグラウンドが異なる近隣の人々を結びつけていく。分断された街のメタファー。
 アモス・ギタイは、アウト・オブ・コンペティション部門に2作品(長編と短編、フィクションとドキュメンタリー)が選出されている。


 ・“Shadow(影)”(中) 監督:チャン・イーモウ
 出演:鄧超(ダン・チャオ)、孫儷(スン・リー)、鄭愷(チェン・カイ)、王千源(ワン・チェンユエン)、王景春(ワン・ジンチュン)
 物語:舞台は中国の三国時代(220-280)。「影」とは影武者のこと。古代からそう呼ばれている。暗殺が横行するところに影武者が必要とされる。影武者は、当人が生き延びるために、あえて人前に出なければならない。本物の肉体を持ち、双子のように他者の真実と嘘を作り出すのだ。肉体がなければ、影はどこにあるのか?影武者の内側と外側について。真実はいつもタブーに包まれている。あえて語らず、混乱させるような真実を作り出す。当人になるのか、影武者になるのか。ギリギリを演じる。暗い亡霊。変わるのはあなただ。さて、どちらを選ぶ?(豆辨)
 故国を追われ、それを取り戻そうとしている偉大なる王と人々の物語。王は、暴力的で、野心家であり、謎めいた方法と動機を持つ。将軍は、最後の戦に勝つ洞察力をもたなければならない。だが、それには秘密の計画を準備しなければならない。宮廷の女たちは、居場所を失った世界を取り戻すべく奮闘する。「全世界の主人」たる平民は、周辺を取り巻く登場人物であり、この物語に信じがたい力を取り戻す。(IMDb)
 トロント国際映画祭2018 GALAS部門出品。


 ・“Dragged Across Concrete”(カナダ・米) 監督:S・クレイグ・ザラー(S Craig Zahler)
 出演:メル・ギブソン、ヴィンス・ヴォーン、ジェニファー・カーペンター、ローリー・ホールデン、ドン・ジョンソン、マイケル・ジェイ・ホワイト(Michael Jai White)、トーマス・クレッチマン、ウド・キアー
 物語:古参警官と気まぐれなパートナー。2人は、力づくの手法がビデオに写されて、メディアで叩かれ、警察から疑われてしまう。お金もなく、他に選択肢もなかった2人は、地下の犯罪組織を調べて、手柄を手に入れようとする。しかし、彼らは、自分たちが求めていた以上の、闇の中で彼らを待っていたものを見つけてしまう。
 2時間39分。


 ・“A Star Is Born”(米) 監督:ブラッドリー・クーパー
 出演:ブラッドリー・クーパー、サム・エリオット、ボニー・サマーヴィル、レディー・ガガ
 物語:ジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)は、カントリー・ミュージックのスターだったが、人気は下降していた。彼は、才能がある無名のAlly(レディー・ガガ)と出会い、激しい恋に落ちる。ジャクソンは、Allyにスポットライトを当てて、スターダムにのし上げるが、自身の栄光が失墜していくのを止めることはできなかった。
 ウィリアム・A・ウェルマンの『スタア誕生』(1937)のリメイク。
 ブラッドリー・クーパーの初監督作品。
 トロント国際映画祭2018 GALAS部門出品。


 ・“Mi Obra Maestra(My Masterpiece)”(アルゼンチン・西) 監督:ガストン・ドゥプラット(Gaston Duprat)
 物語:アルトゥーロは、チャーミングで洗練されていて、どこか悪辣なところがある画商で、いつも彼を魅了してくれる街ブエノスアイレスの、ブエノスアイレス・センター地区に自分のギャラリーを持っていた。レンツォは、陰気で、どこかワイルドで自由で退廃的な画家だ。彼は、人づきあいが苦手で、極貧の崖っぷちにいて、支えは自分の生徒たちしかいなかった。アルトゥーロは、国際的に影響力のあるコレクターDuduと知り合いになり、何とか売れない画家を売り込みたいと考える。しかし、ことは期待通りには進まない。彼は、究極の計画を立て、自分たちの人生を永遠に変えてしまおうとする。
 『笑う故郷』のガストン・ドゥプラット監督最新作。


 ・“La Quietud(The Stillness)”(アルゼンチン) 監督:パブロ・トラペロ
 出演:エドガー・ラミレス、ベレニス・ベジョ、マルティナ・グスマン(Martina Gusman)、 グラシエラ・ボルヘス(Graciela Borges)、Joaquim Furríel
 物語:軍事独裁下のアルゼンチン。Eugeniaは、パリで暮らし、長らく家族とは疎遠だったが、父の発作の後、戻ってきて、ずっと家族と暮らした姉妹Míaと再会する。2人の再会を、母Esmeraldaが冷酷に見つめる。様子が変わってきたのは、Eugeniaの夫Vincentと、書記官で家族の友人であるEstebanが合流してきてからだった。EugeniaとMíaは、ダークな秘密を突きつけられ、すべてが永遠に変わってしまう。
 『エル・クラン』以来、3年ぶりの新作。
 トロント国際映画祭2018 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 [アウト・オブ・コンペティション ノンフィクション部門](Out of Competition – Non-Fiction)

 ・“Aquarela”(英・独) 監督:ヴィクトル・コサコフスキー(Victor Kossakovsky)
 水の革命的な美しさと生のパワーを通して、深い映画的な旅をお目にかける。1秒間に96フレームで撮影し、直感的な覚醒を促す。人間は、地球の最も重要な要素である水の、純粋な力や気まぐれな意思には太刀打ちできない。ロシアのバイカル湖の凍って危険な水、ハリケーン・イルマの被害を被ったマイアミ、ベネズエラの力強いエンジェルフォール、これらの水が本作の主人公である。監督のヴィクトル・コサコフスキーは、驚くべきヴィジュアルの詳細さで、水に関する多くの魅力をとらえている。


 ・“Process(The Trial)”(オランダ) 監督:セルゲイ・ロズニタ(Sergei Loznitsa)
 ユニークなアーカイヴ・フッテージを使って、スターリンの初めての見せしめ裁判(公開裁判)を再現する。俳優が舞台劇を演じるように、検察官や証人、被告、判事は、自分や観客、世界に対してウソをつく。このフィルムは、1930年にPillar Hall of the State House of the Unionsで行なわれた出来事を記録している。経済学者やエンジニアのトップ・ランクにあるグループが、ソビエト政府に対してクーデターを計画したという容疑で裁判にかけられた。すべての告発はでっち上げで、被告は、犯してもいない罪を告白するように強いられる。検察官はアンドレイ・ヴィシンスキー(Andrey Vyshinsky)が務めた。アンドレイ・ヴィシンスキーは、のちに悪魔的な検察官として有名になった人物で、スターリン主義者の見せしめ裁判のキーマンであり、大量弾圧の提唱者となり、死の評決をもたらした。ドラマは本物だが、物語はフェイクである。映画は、恐ろしい時代への起源に前例のない洞察を与える。その時代は、日々の現実に「ウソは真実」というスローガンを作り出した。
 125分。オランダからベネチアに選出された3本の映画のうちの1本。ロズニタは、ベルリン国際映画祭2018フォーラム部門に“Den' Pobedy(Victory Day)”、カンヌ国際映画祭2018 ある視点部門に“Donbass”(監督賞受賞)が選出されている。
 トロント国際映画祭2018 WAVELENDTHS部門出品。


 ・“1938 Diversi”(伊) 監督:Giorgi Treves
 1940年5月、監督の両親は、人種法から逃れるために、アメリカに向かう最後の船に乗った。一方、プロデューサーのRoberto Leviは、家族とイタリアに残る道を選び、のちに幸運にもスイスへと逃れることができるまで、人種法の被害を被った。1935年までイタリアには人種差別はほとんどなく、ファシズムもなかった。独裁主義の12年間で、われわれの社会はウィルスに犯され、それは地下まで根を張り、増殖し続けた。本作では、その時期にイタリアに何が起こったのかを探り、理解しようとする。それらはどのように生まれ、どのように結びつき、どのような影響を与えたのか。有名な歴史家や学者、素晴らしい専門家の助けを借りて、事実を分析し、ほとんどしられていなかったり、レアなアーカイヴ素材やドキュメントに光を当てる。


 ・“ISIS, Tomorrow. The Lost Souls Of Mosul“(伊・独) 監督:Francesca Mannocchi、 アレッシオ・ロメンツィ(Alessio Romenzi)
 戦闘で軍事訓練を受け、自爆テロの列に並んだ子どもたちの声を通して、長い戦争の月日をたどり、ポスト戦争時代の複雑さの中での彼らの運命を追う。ポスト戦争時代に、少年少女たちの命は軽んじられて、血みどろの闘いの中では、復讐しか選択の余地はない。日々の暴力の中で、暴力への応えは仕返しだけだ。イラクは、ISISの息子たちを受け入れ、彼らの母親を許し、国の魂を和解させることができるだろうか。これが、作家でリポーターで、ジャーナリストのFrancesca Mannocchiと、写真家のアレッシオ・ロメンツィの疑問である。


 ・“A Letter To A Friend In Gaza”(イスラエル/35‘) 監督:アモス・ギタイ
 アルベール・カミュへのオマージュにして、パレスチナ人村への帰還の探求。その中に、Izhar Smilansky、エミール・ハビービー(Emile Habibi)、マフムード・ダルウィーシュ(Mahmoud Darwish)、アミラ・ハス(Amira Hass)のテキストが挟み込まれている。
 アモス・ギタイは、1980年制作の“House”(51分、デジタル・ヴァージョン)と併せて“House | A Letter to a Friend in Gaza”(86分)を発表している。
 エルサレム映画祭2018出品。
 アモス・ギタイは、アウト・オブ・コンペティション部門に2作品(長編と短編、フィクションとドキュメンタリー)が選出されている。


 ・“Your Face(Ni De Lian/你的臉)”(台湾) 監督:ツァイ・ミンリャン
 ツァイ・ミンリャンの最新のデジタル実験は、人間の顔をドラマチックな陰謀の対象に変える。映画は、リー・カンションを除けば、ほとんど無名の個人による一連の肖像からなり、言語を強調することは巧みに控えられ、脈絡をつけることも最低限に抑えられている。それぞれの顔の美しさと非完全性は、彼らの場面で主役になる。添えられたサウンドトラックは坂本龍一で、ダイナミックにドローンの周波数を転調する。ツァイ・ミンリャンの対象は、様々に話し、見つめ、ある時点では眠り、カメラは、最後の毛穴や裂け目に至るまで美しく、パーソナルな歴史の重さや蓄積された経験を静かに記録する。
 ニューヨーク映画祭2018出品。


 ・“Carmine Street Guitars”(カナダ) 監督:Ron Mann
 ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジのギター・メイカー、Rick Kellyへのバラード。Rick Kellyは、歴史的なニューヨーク市の建物から再利用可能な木材をあさって、カスタム・メイドのギターを作り、Carmine Street Guitarsで販売している。本作は、5日間にわたって、伝説的なCarmine Street Guitarsをドキュメントしている。
 出演:Rick Kelly、ジム・ジャームッシュ、ギタリストのチャーリー・セクストン(Charlie Sexton)、ギタリストのビル・フリゼール(Bill Frisell)、女優/歌手のエスター・バリント、コメディアン/作家/ミュージシャンのDave Hill、ギタリストのジェイミー・ヒンス(Jamie Hince)
 トロント国際映画祭2018 TIFFDOCS部門出品。


 ・“American Dharma”(米・英) 監督:エロール・モリス
 ブライトバート・ニュースの責任者からトランプ政権の首席戦略官になった(2017年1月20日 – 2017年8月18日)スティーヴン・バノンの肖像。
 トロント国際映画祭2018 TIFF DOCS部門出品。


 ・“Monrovia, Indiana”(米) 監督:フレデリック・ワイズマン
 インディアナ州モンロビアは、1812年に開かれた町で、アメリカの中部にあり、人口1400人で、農業が主体のコミュニティーである。映画では、モンロビアでの日々の生活と労働、コミュニティーの組織、機関、宗教、日常生活が映し出される。
 4600万人のアメリカ人は、アメリカの田舎の小さな町に住んでいる。これらの町はかつてアメリカの生活のバックボーンだった。彼らの数や人口が収縮した一方、田舎のアメリカの、アメリカの政治や価値のインフォマティヴ・センターとして重要性は、2016年の大統領選で実行された。アメリカをもっとよく理解するためには、小さな町がアメリカのキャラクターや文化を創り出すのに果たしているユニークで重要な貢献を理解することが大事である。加えて、われわれの大半の食料、原材料、飲料水も提供している。
 本作では相反する紋切り型を探求し、コミュニティー・サービスや義務、スピリチュアル・ライフ、寛容さ、信頼性などの価値がどのように形作られ、経験され、生活されるかを指し示していく。そして、モンロビアでの日常生活の中での複雑で微妙に異なるものの見方を示し、田舎であるアメリカ中部の生活様式へのある程度の理解の仕方を提供する。それは、アメリカの中でいつも重要でありながら、東海岸や西海岸の大都市や他国では必ずしも認識されたり理解されたりしないものなのだ。
 143分。
 トロント国際映画祭2018 TIFF DOCS部門出品。
 金馬奨映画祭2018出品。


 ・“Introduzione All’Oscuro”(アルゼンチン・オーストリア) 監督:Gaston Solnicki
 ひとりの男性が、最近亡くなった友人の思い出に案内されて、ウィーンをさまよう。かつての壮麗な帝国の痕跡は、映画的なエレジーや人生のダークな祝福に対する背景になった。


 ・“El Pepe, Una Vida Suprema”(アルゼンチン・ウルグアイ・セルビア) 監督:エミール・クストリッツァ
 ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカに関するドキュメンタリー。ホセ・ムヒカは、2010年3月1日より2015年2月末までウルグアイの第40代大統領を務めた。バスク系ウルグアイ人。愛称はエル・ペペ。報酬の大部分を財団に寄付し、月1000ドル強で生活している。その質素な暮らしから「世界で最も貧しい大統領」としても知られている。
 クストリッツァは、ムヒカの家を訪ね、公式行事に同行し、彼にインタビューした。撮影は、2014年に始まり、2016年には終了していたが、映画の完成は遅れに遅れた。
 「最後の英雄だ。世界政治の中で私は彼を英雄として受け止めている。私が考えていることについて新鮮な説明を聞く。彼は際立って知的で素早い。彼は、自分の考えを信じていて、新しい世界に必要とされているひとりの男だ。今日の世界は300年前のままとどまっていることはできない。変わらなければならない。」 2014年に初めてムヒカに会ったクストリッツァはこう語っている。


 [アウト・オブ・コンペティション部門 スペシャル・イベント](Out of Competition – Special Event)

 ・“Il diario di angela - noi due cineasti”(伊) 監督:イェルバン・ジャニキアン(Yervant Gianikian)
 イタリアで建築を学んだアルメニア人のイェルバン・ジャニキアンと、ザルツブルクで絵画を学び、オスカー・ココシュカに師事したアンジェラ・リッチ・ルッキは、70年代よりミラノを拠点としてふたりで映画を撮り始めた。アンジェラは、毎日、日記をつけていた。文章を書き、イラストを添えた。公的な出来事、私的な出来事、ミーティング、レクチャー、あらゆることが記録された。一緒に過ごした何年もの記録。アンジェラは、2018年2月に亡くなり、パートナーを失ったイェルバンは、アンジェラの日記を読み返してみる。


 ・『風の向こうへ』“The Other Side Of The Wind”(米) 監督:オーソン・ウェルズ
 出演:ジョン・ヒューストン、ロバート・ランダム(Robert Random)、ピーター・ボグダノヴィッチ、スーサン・ストラスバーグ、オヤ・コダール(Oja Kodar)、ジョゼフ・マクブライド、リリー・パルマー
 物語:伝説的な映画監督ジェイク・ハンナフォード(ジョン・ヒューストン)は、半亡命のような形でヨーロッパに渡っていたが、ハリウッドに戻り、革新的な復帰作を完成させようとする。その映画のタイトルは“The Other Side Of The Wind”である。
 ジェイク・ハンナフォードは、アーネスト・ヘミングウェイをモデルにしていて、1961年にヘミングウェイが自殺した後から、プロジェクトがスタートした。1969年から撮影が始まり、1972年には撮影は96%終わったとウェルズは発言していたが、結局、映画は完成せず、未完のまま残されていた。映画を完成させようという試みは、1985年にウェルズが亡くなった後に、何度も持ち上がったが、実現することはなく、今回、Netflixによって、ようやく完成にこぎつけた。
 2時間2分。


 ・“They’ll Love Me When I’m Dead”(米) 監督:モーガン・ネヴィル
 未完に終わった『風の向こうへ』“The Other Side Of The Wind”をめぐるドキュメンタリー。
 98分。
 出演:オーソン・ウェルズ、アラン・カミング
 Netflixにて配信予定。

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 ・ベネチア国際映画祭2018 コンペティション部門ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201807/article_10.html

 ・ベネチア国際映画祭2018 国際批評家週間 ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_17.html

 ・ベネチア国際映画祭2018 ベネチア・デイズ ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_18.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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