BAFTA学生映画賞2018 受賞結果

 BAFTA学生映画賞2018の受賞結果です。(ファイナリスト発表は5月21日、受賞結果発表は6月29日)

 BAFTA学生映画賞は、2004年にスタートした映画賞で、2016年まではBAFTA US学生映画賞(The BAFTA US Student Film Awards)として全米の学生映画を対象としていたのが、前回よりインターナショナルに広く作品を募集するようになって改称し、また、2016年までは最優秀学生映画賞と審査員特別賞(2015~)を選出するだけだったのが、2017年よりアニメーション、ドキュメンタリー、実写作品とカテゴリーごとに最優秀作品を選出するようになり、審査員特別賞と併せて4つの賞を発表する形式になりました。AMPASの学生アカデミー賞(1973~)により近い形になった、と言っていいかもしれません。

 2016年は、全米56校から245作品の応募があり、そこから8作品がファイナリストに選ばれ、2017年は15か国から400を超える応募があり、そこから9作品がファイナリストに選ばれ、2018年は35ヶ国から469作品の応募があった、と発表されています。
 応募の枠が増え、賞も増えたことで、応募される作品数も増え続けているようです。

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 【実写作品】(Live Action)

 ・“Birthright”(ノルウェー) 監督:Mauritz Brekke Solberg、Daniel Fure Schwarz(Kristiania University College)
 ・“June”(米) 監督:Huay-Bing Law(The University of Texas at Austin)
 ・“My Nephew Emmett”(米) 監督:Kevin Wilson Jr.(NYU's Tisch School of the Arts)

 ◎“My Nephew Emmett”(米) 監督:Kevin Wilson Jr.(NYU's Tisch School of the Arts)
 物語:1955年8月28日午前2時30分。64歳のMose Wrightは、2人の人種差別主義の人殺しから14歳の甥Emmett Tillを守ろうとする。実話に基づく物語。
 当時14歳だったEmmett Tillは、シカゴの実家から、ミシシッピ・デルタの親戚の家を訪ねていて、食品雑貨店店主ロイ・ブライアントの妻キャロライン(21歳)に口笛を吹いたと、ロイと兄弟のJ・W・ミランに因縁をつけられた。2人は、後日、Emmettの大叔父の家からEmmettを連れ出し、納屋でリンチを加えて、片目をくりぬき、銃で頭を打ちぬいて、殺し、有刺鉄線で首に回転式綿絞り機を縛りつけて、タハラシー川に捨てた。遺体は、3日後に引き上げられて、黒人への暴力に対する抗議運動を巻き起こした。しかし、世論は、次第に地元住民の擁護と国家の州への干渉に対する批判へと変化し、ミシシッピー州当局も殺人者を擁護する立場へと転換して、2人の殺人者は無罪になった。事件は、アフリカ系アメリカ人の公民権運動を大きく前進させるきっかけになったとされている。2004年になって、アメリカの司法省が当時の裁判に問題点を認め、再審査を決定し、再捜査が行なわれた。遺体は掘り返され、再度埋葬された。
 マーサズ・ワインヤード・アフリカン・アメリカン映画祭2017出品。Saatchi & Saatchi NOTHING IS IMPOSSIBLE Achievement in Film Award受賞。
 ホーリーショーツ映画祭2017出品。監督賞受賞。
 ウッドストック映画祭2017出品。最優秀学生短編賞受賞。
 学生アカデミー賞2017金賞受賞。
 米国アカデミー賞2018 短編映画賞ノミネート。


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 【アニメーション】(Animation)

 ・“Augenblicke”(独) 監督:Kiana Naghshineh(バーデン・ヴュルテンベルク映画アカデミー)
 ・“Inanimate”(英) 監督:Lucia Bulgheroni(英国国立映画テレビ学校)
 ・“In A Heartbeat”(米) 監督:): Esteban Bravo、Beth David(Ringling College of Art + Design)

 ◎“In A Heartbeat”(米) 監督:Esteban Bravo、Beth David(Ringling College of Art + Design)
 物語:シャーウィンは、シャイな中学生で、学校で一番人気のジョナサンに憧れている。ある日、彼のハートが、本人の意思に反して、ジョナサンを追いかけ出してしまう。シャーウィンは、ジョナサンに気づかれる前に、自分のハートを回収しなければいけない。
 Oniros Film Awards 2017 7月 最優秀アニメーション賞受賞。
 ワールド・アニメーション・セレブレーション2017 最優秀CGアニメーション学生作品賞受賞。
 学生アカデミー賞2017 アニメーション部門金賞受賞。
 TeaDanceゲイ&レズビアン映画祭2017出品。最優秀短編賞オナラブル・メンション受賞。
 Hollywood Music In Media Awards (HMMA) 2017 短編アニメーション部門 オリジナル作曲賞
 米国アカデミー賞2018 短編アニメーション賞ショートリスト。
 CinEuphoria Awards 2018 出品。観客賞受賞。
 Tours Désir Désirsフェスティバル(仏)2018出品。
 サラソータ映画祭2018短編アニメーション・コンペティション部門出品。
 GLAADメディア・アワード2018 特別表彰(Special Recognition)受賞。
 *本編動画:https://www.youtube.com/watch?v=2REkk9SCRn0


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 審査員特別賞:“Inanimate”(英) 監督:Lucia Bulgheroni(英国国立映画テレビ学校)
 物語:ケイトリンは、レギュラーの仕事を持ち、ボーイフレンドとの関係もハッピーで、いたって普通の生活を送っていた。ところがある日、目覚めて、自分のまわりの世界が変わってしまったことに気がつく。あるいは、むしろ、同じものが違った見え方をしていて、いままで見たことがないように感じたのだ。彼女の現実は崩れ始める。時間や場所で小さな不連続にも気がつく。突然、ひとつの場所からもうひとつのところへ移動した。それから自分のまわりの日々の対象をより近くで見る。今のようにフラットで、バラバラに崩れ、フェイクになる前に、何度も見、触れたものを。危険なほどに速いスピードで、このハイパー・リアルで、ダークで、自分の人生の一部だと思っていたマジカル・スリル・ライドを通して、彼女は旅をし、アニメーション・セットの端にたどり着く。ここで彼女は、自分の周囲がフェイクではなく、自分自身もまたパペットであることを悟る。彼女は自暴自棄になり、セットから降りて、虚無感を味わい、人間の自分に対応するアニメーターの頭の中にいることに気がつく。短い間、彼女はアニメーターの意識の中に住み、その中に浸った……。
 NFTS graduation show2018出品。
 カンヌ国際映画祭2018 シネフォンダシオン部門出品。
 エジンバラ国際映画祭2018出品。

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 【ドキュメンタリー】(Documentary)

 ・“Love in 35 mm”(英) 監督:Federica Gargarella(Goldsmiths, University of London)
 ・“Hale”(米) 監督:Brad Bailey(UC Berkeley School of Journalism)
 ・“Blood Island”(英) 監督:Lindsey Parietti(University of the West of England)

 ◎“Blood Island”(英) 監督:Lindsey Parietti(University of the West of England)
 リベリアのジャングルの奥深く、何百頭ものチンパンジーが野生から捕獲される。捕まえられ、繁殖させられ、肝炎に感染させられる。われわれに最も近い近縁動物は人間の疾患の謎を解明するために連れて来られたのだ。チンパンジーと捕獲者とチンパンジーを守るために戦っている人々のパワフルな物語。

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 実写部門とアニメーション部門は、昨年の学生アカデミー賞の受賞作ですが、実写部門のファイナリストの“June”は今年の学生アカデミー賞のファイナリストに選ばれている作品です。他の作品より一歩リードというところでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・学生アカデミー賞2018 ファイナリスト:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_13.html

 ・BAFTA学生映画賞2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201706/article_24.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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