学生アカデミー賞2018 ファイナリスト発表!

 第45回学生アカデミー賞のファイナリストが発表されました。(8月12日))

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 学生アカデミー賞は、アメリカの映画芸術科学アカデミーによる学生作品を対象とするコンペティションで、過去には、ロバート・ゼメキス(1975年“A Field of Honor”)、ジョン・ラセター(1979年“Lady and the Lamp”、1980年“Nitemare”)、ジャコ・ヴァン・ドルマル(1981年“Maedeli la brèche”)、スパイク・リー(1983年『ジョーズ・バーバー・ショップ』)、ピート・ドクター(1992年“Next Door”)、トレイ・パーカー(1993年“American History”)、キャリー・フクナガ(2005年“Victoria para chino”)らを輩出しています。(学生アカデミー賞受賞経験者で、その後、米国アカデミー賞にノミネーションを勝ち得たのはのべ59人、受賞者となったのはのべ10人います。(公式サイト調べ)

 この賞は、もともと未来の映画監督への登竜門的なところがありましたが、近年、さらに注目度を増しているのは、2011年、2012年、2015年、2016年、2017年、2018年と学生アカデミー賞受賞作品がそのまま本家の米国アカデミー賞にノミネートされたり、受賞したりするようになっているからです。

 2011年の米国アカデミー賞では、学生アカデミー賞ナラティヴ部門金賞受賞作品『ゴッド・オブ・ラブ』“God of Love”(Luke Matheny監督)と外国映画部門受賞作品『告白』“The Confession”(Tanel Toom監督)がそれぞれ短編映画賞にノミネートされて、前者が受賞を果たし、2012年の米国アカデミー賞では、学生アカデミー賞外国語映画部門金賞受賞作品『チューバ・アトランティック』“Tuba Atlantic”(Hallvar Witzø監督)と同じくブロンズ賞受賞作品『息子』“Raju”(Max Zähle監督)がそれぞれ米国アカデミー賞短編映画賞にノミネートされています。

 2013年と2014年は、残念ながら、学生アカデミー賞受賞作品から米国アカデミー賞にノミネートされた作品はありませんでしたが、2015年は、学生アカデミー賞受賞作品の中から1作品(2014年度外国映画部門銀賞受賞作品『アフガニスタンからきた少女』“Parvaneh”)が短編映画賞のノミネーションを果たし、2作品(銀賞受賞作品“White Earth”とブロンズ賞受賞作品“One Child”)が短編ドキュメンタリー賞ショートリスト入りし、そのうち“White Earth”が短編ドキュメンタリー賞ノミネーションを果たしています。)

 2016年は、学生アカデミー賞ナラティヴ部門金賞受賞作品『デイ・ワン』“Day One”と外国映画部門ブロンズ賞受賞作品『何も心配ない』“Everything Will Be Okay(Alles wird gut)”が短編映画賞にノミネートされています。米国アカデミー賞短編アニメーション賞と短編ドキュメンタリー賞には、学生アカデミー賞からの選出はありませんでしたが、学生アカデミー賞アニメーション部門銀賞受賞作品“An Object at Rest”が米国アカデミー賞短編アニメーション賞ショートリストまで進んでいます。

 2017年は、ナラティヴ部門から“Nocturne in Black”、ドキュメンタリー部門から“4.1 Miles”、アニメーション部門から“Once Upon a Line”が、それぞれショートリストに進み、 “4.1 Miles”が短編ドキュメンタリー賞にノミネートされています。)

 2018年は、短編映画賞ショートリストに3作品が選ばれ、そのうち、ナラティヴ部門金賞の“My Nephew Emmett”と外国映画 ナラティヴ部門金賞『だれもが皆』“Watu Wote/All of Us”(独)が、米国アカデミー賞短編映画賞にノミネートされました。
 短編ドキュメンタリー賞ショートリストには1作品も選ばれませんでした。
 短編アニメーション賞ショートリストには3作品が選ばれましたが、ノミネーションまで進んだ作品はありませんでした。

 学生アカデミー賞のルールにもいろいろ変遷があって―
 2014年度までは、オルタナティヴ部門金賞受賞作品とナラティヴ部門金賞受賞作品と外国映画部門金賞受賞作品が、米国アカデミー賞短編映画賞部門へのノミネート資格を得、アニメーション部門金賞受賞作品が、米国アカデミー賞短編アニメーション賞のノミネート資格を得るだけだったのが、2015年度から規約が変わり、オルタナティヴ部門・ナラティヴ部門・外国映画部門すべての入賞作品が米国アカデミー賞短編映画賞部門へのノミネート資格を得、アニメーション部門すべての入賞作品が、米国アカデミー賞短編アニメーション賞のノミネート資格を得、ドキュメンタリー部門すべての入賞作品が、米国アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞のノミネート資格を得る、という風になっています。

 また、前々回からは、学生アカデミー賞外国映画部門が、ナラティヴ部門とアニメーション部門とドキュメンタリー部門に3分割され、外国映画ナラティヴ部門からは金賞・銀賞・ブロンズ賞が選ばれ、外国映画アニメーション部門と外国映画ドキュメンタリー部門からはそれぞれ金賞が選ばれることになっています。(すべての入賞作品が、米国アカデミー賞ノミネート資格を得るようです。)
 前回からは、外国映画のエントリーが2本立てになり、CILECT (国際映画テレビ教育連盟)メンバーの学校からのエントリーと、学生アカデミー賞エグゼクティヴ委員会が認めた映画祭を通過した学生作品が認められる、という風になりました。(日本からは映画祭で認められた作品か、CILECTメンバーである日本映画学校からのエントリー作品しか認められない、ということになりました。)

 例年、8月1日に発表されることになっていたファイナリストは、昨年はAMPASの会長選挙があったためか、発表が遅れましたが、今年は昨年よりさらに2日遅くなっています。各賞の発表は、昨年より1日早い10月11日になっています。(例年通りであれば、ファイナリスト発表と各賞の発表の間(たぶん約1か月後)に、入賞作品の発表があるはずです。)

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 ◆オルタナティヴ部門(Alternative (Domestic Film Schools))
 ・“Emunah” 監督:Sang Hyoun Han Aka Domcake(School Of Visual Arts)
 ・“Reanimated” 監督:Shae Demandt(フロリダ州立大学)
 ・“Transient Passengers (Experiment Number Nün)” 監督:Natalia Hermida(チャップマン大学)

 ◆アニメーション部門(Animation (Domestic Film Schools))
 ・“Attack Of The Potato Clock” 監督:Victoria Lopez And Ji Young Na(Ringling College Of Art And Design)
 ・“Daisy” 監督:Yu Yu(南カリフォルニア大学)
 ・“Little Bandits” 監督:Alex Avagimian(Cal Arts)
 ・“Raccoon And The Light” 監督:Hanna Kim(Cal Arts)
 ・“Rebooted” 監督:Sagar Arun And Rachel Kral(Ringling College Of Art And Design)
 ・“Reflection” 監督:Hannah Park(Ringling College Of Art And Design)
 ・“Re-Gifted” 監督:Eaza Shukla(Ringling College Of Art And Design)

 ◆ドキュメンタリー部門(Documentary (Domestic Film Schools))
 ・“1,500 Miles 23 Days” 監督:Veronica Wangshen(NYU)
 ・“An Edited Life” 監督:Mathieu Faure(NYU)
 ・“Dust Rising” 監督:Lauren Schwartzman(カリフォルニア大学バークレー校)
 ・“Finding Yingying” 監督:Jiayan "Jenny" Shi(ノースウェスタン大学)
 ・“Forced” 監督:Grace Oyenubi And Nani Sahra Walker(カリフォルニア大学バークレー校)
 ・“Love & Loss” 監督:Yiying Nikki Li(南カリフォルニア大学)
 ・“Mining Phosphorus” 監督:Alan Toth(カリフォルニア大学バークレー校)

 ◆ナラティヴ部門(Narrative (Domestic Film Schools))
 ・“Bini” 監督:Erblin Nushi(ジョージ・メイソン大学)
 ・“Empty Skies” 監督:Wenting Deng And Luke Fisher(オハイオ大学)
 ・“Esta Es Tu Cuba(This Is Your Cuba)” 監督:Brian Robau(チャップマン大学)
 ・“June” 監督:Huay-Bing Law(テキサス大学オースティン校)
 ・“Lalo's House” 監督:Kelley Kali(南カリフォルニア大学)
 ・“Masks” 監督:Mahaliyah Ayla O(南カリフォルニア大学)
 ・“Mid City Blue” 監督:Kristopher D Wilson(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
 ・“Spring Flower” 監督:Gisele Tong(南カリフォルニア大学)

 ◆外国映画 アニメーション部門(Animation (International Film Schools))
 ・“L'aviatrice”(仏) 監督:Jacques Leyreloup、Victor Tolila、Perrine Renard、Laura Viver Canal、Gaël Chauvet(Esma)
 ・“Meli-Metro”(仏) 監督:Alexandre Blain、Lucas Germain、Christophe Gigot、Jade Guilbault、Andreas Muller、Simon Puculek(Esma)
 ・“The Green Bird”(仏) 監督:Pierre Perveyrie、Maximilien Bougeois、Marine Goalard、Irina Nguyen-Duc、Quentin Dubois(Mopa)
 ・“A Blink Of An Eye”(独) 監督:Kiana Naghshineh(バーデン・ヴュルテンベルク映画アカデミー)

 ◆外国映画 ドキュメンタリー部門(Documentary (International Film Schools))
 ・“Nomadic Doctor”(英) 監督:Mart Bira(ハートフォードシャー大学)
 ・“F32.2”(独) 監督:Annelie Boros(ミュンヘンテレビ映画大学)
 ・“Tracing Addai”(独) 監督:Esther Niemeier(コンラート・ヴォルフ映画テレビ大学ポツダム)

 ◆外国映画 ナラティヴ部門(Narrative (International Film Schools))
 ・“August Sun”(英) 監督:Franco Volpi(ロンドン・フィルム・スクール)
 ・“Dead Birds”(英) 監督:Johnny Kenton(英国国立映画テレビ学校)
 ・“Almost Everything”(スイス) 監督:Lisa Gertsch(チューリヒ芸術大学)
 ・“Sons Of No One”(ベルギー) 監督:Hans Vannetelbosch(Luca School Of Arts)
 ・“Touch Me”(独) 監督:Eileen Byrne(ミュンヘンテレビ映画大学)
 ・“A Siege”(ハンガリー) 監督:István Kovács(ブダペスト演劇映画アカデミー)
 ・“Get Ready With Me”(スウェーデン) 監督:Jonatan Etzler(Stockholm Academy Of The Arts)

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 今年も日本からの選出はありませんでした。

 大体、おなじみの国、おなじみの大学ばかりが選ばれていますが、ここに来て急に外国映画 アニメーション部門で4分の3がフランス映画になっていることがちょっと目を引きます。

 現時点で、今年の短編映画はほとんどチェックできていませんが、おそらく上記の中から2~3本は米国アカデミー賞2019にノミネートされるんじゃないかと思われます。順番から言って、前回、1本もノミネーションに選出されることがなかったドキュメンタリー部門が有望でしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・学生アカデミー賞2017 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201708/article_15.html
 ・学生アカデミー賞2017 入賞作品発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201709/article_26.html
 ・学生アカデミー賞2017 受賞結果:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201710/article_18.html

 ・学生アカデミー賞2016 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_9.html
 ・学生アカデミー賞2016 入賞作品発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_37.html
 ・学生アカデミー賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_30.html

 ・学生アカデミー賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_16.html

 ・学生アカデミー賞2014 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_6.html
 ・学生アカデミー賞2014 入賞作品発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_30.html
 ・学生アカデミー賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201406/article_9.html

 ・学生アカデミー賞2013 入賞作品発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_37.html
 ・学生アカデミー賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201306/article_9.html

 ・学生アカデミー賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_14.html

 ・学生アカデミー賞2009 ファイナリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200905/article_1.html
 ・学生アカデミー賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_16.html

 ・ハリウッド・リポーター誌が選ぶ、世界の映画学校 ベスト25!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_1.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

 追記:
 ・学生アカデミー賞2018 入賞作品発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201809/article_19.html
 ・学生アカデミー賞2018 各賞発表:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201810/article_20.html

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