トロント国際映画祭2018 カナダ作品 44本! ドラン、アルカン、ガイ・マディン!

 【CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門】

 ・“Falls Around Her”(カナダ) 監督:Darlene Naponse [ワールド・プレミア]
 物語:(Tantoo Cardinal演じる)主人公は、世界的に有名なオジブワ族のミュージシャンで、休養と再充電のために、特別保留地に帰ってくるが、名声は(そして外部世界)は容易にはとどまっていないことを発見するだけだった。
 監督Darlene Naponseは、北部ファースト・ネーションの中で、立ち直ろうとする主人公の姿をとらえる。
 オジブワ族出身の監督Darlene Naponseの初監督作品。


 ・“The Fireflies Are Gone(La disparition des lucioles)”(カナダ) 監督:Sébastien Pilote [北米プレミア]
 物語:Léoが暮らしているのは、退屈な工業町で、ここでは彼女の自己実現を叶えてくれそうになかった。Léoは、母親と継父との暮らしを見下していて、遠くにいる実父とのロマンチックな関係を夢見ていた。母親の影響と束縛的な環境から逃れるのは、フラストレーションを抱えた若い娘には容易ではなかった。しかし、幸福は手の届くところにあった。まもなく彼女は、臆病なギタリスト、スティーヴと出会う。Léoは、彼にこの沈滞から引っ張り出してほしいと考える。
 第3監督長編。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2018 オフィシャル・セレクション出品。


 ・“The Great Darkened Days”(カナダ) 監督:Maxime Giroux  [ワールド・プレミア]
 物語:世界戦争が勃発して、ケベック州出身の徴兵忌避兵フィリップは、アメリカ西部に逃れて、チャーリー・チャップリンのモノマネ・コンテストを勝ち抜くことで生き延びようとする。彼は、混沌とした時代に生まれた破壊的な狂気が支配する中で、様々なキャラクターで出会う。彼の旅は、暴力的であると同時に魅力的で、アメリカン・ドリームのダーク・サイドへの幻惑的な手ほどきだった。
 第4監督長編。


 ・“Kingsway”(カナダ) 監督:Bruce Sweeney [ワールド・プレミア]
 物語:バンクーバーが舞台のコメディー・ドラマ。独身の自動車整備工が、義理の姉が浮気して、家族や友人たちの小さな輪を揺るがし、彼ら自身の行き詰まった恋愛関係に向き合わせようとしているのではないかと疑う。


 ・“Les Salopes or the Naturally Wanton Pleasure of Skin”(カナダ) 監督:Renée Beaulieu [ワールド・プレミア]
 物語:皮膚科の教授Marie-Claireは、幸福な結婚をし、妻となり、母親となっていて、皮膚細胞とセクシュリティーを関連づける新しいプロジェクトをスタートさせようとしていた。ところが、彼女には秘密の生活があって、彼女の情事が暴露されようとした時、自分がした選択が家族やキャリアに与える結果を受け止めなければならなくなる。
 第2監督長編。


 ・“Splinters”(カナダ) 監督:トム・フィッツジェラルド(Thom Fitzgerald) [ワールド・プレミア]
 物語:小さな町Nova Scotia。父親が亡くなった後、若き主人公Belleは、レスビアンであることをカミングアウトした結果、彼女と母親との関係は張り詰めたものになっていた。ところが、男性とデートして、自分がバイセクシャルであることがわかって、再びカミングアウトする状況に陥る。
 Lee-Anne Poole の舞台劇の映画化。
 『夕立ちのみち』のトム・フィッツジェラルド監督最新作。デビュー作“The Hanging Garden”が、1997年のトロント国際映画祭で、最優秀カナダ映画とピープルズ・チョイス賞に輝いている。


 【DISCOVERY部門】

 ・“Clara”(カナダ) 監督:Akash Sherman [ワールド・プレミア]
 物語:偏執狂の天文学者と型破りな研究パートナーが、遠い惑星における生命の存在の証拠を探っていて、自分たちのつらい過去に直面する。
 第2監督長編。


 ・“Edge of the Knife”(カナダ) 監督:Gwaai Edenshaw、Helen Haig-Brown [ワールド・プレミア]
 物語:19世紀。Haida Gwaiiは、事故に遭って、苦しんだ結果、森の奥深くに引っ込む。彼は、そこでGaagiixiid/Gaagiid("the Wildman")になる。
 Haidaの2つの方言で作られた初めての映画。


 ・“Firecrackers”(カナダ) 監督:Jasmin Mozaffari [ワールド・プレミア]
 物語:若い2人の女性が抑圧的な小さな町から必死になって逃げだす。ところが、放蕩の夜の後、彼らの友情は試され、自由への大きなプランは脅かされてしまう。
 初監督長編。


 ・“Freaks”(カナダ) 監督:Zach Lipovsky、Adam Stein [ワールド・プレミア]
 物語:少女が、父親の保護的で偏執的な支配から逃げ出して、正面の扉の向こうに、ビザールで脅迫的でミステリアスな新しい世界を発見する。
 Zach Lipovskyにとっては第3監督長編、Adam Steinは初監督長編。


 【SHORT CUTS部門】 20本

 ・“7A”(カナダ) 監督:Zachary Russell [ワールド・プレミア]
 ・“Accidence”(カナダ) 監督:ガイ・マディン、Evan Johnson、Galen Johnson [北米プレミア]
 ・“Animal Behaviour”(カナダ) 監督:Alison Snowden、David Fine [北米プレミア]
 ・“Biidaaban (The Dawn Comes)”(カナダ) 監督:Amanda Strong [ワールド・プレミア]
 ・“Brotherhood (Ikhwène)”(チュニジア・カナダ) 監督:Meryam Joobeurn [ワールド・プレミア]
 ・“Caroni”(カナダ・トリニダートトバゴ・米) 監督:Ian Harnarine [ワールド・プレミア]
 ・“Dziadzio”(カナダ) 監督:Aaron Ries  [ワールド・プレミア]
 ・“Emptying the Tank”(カナダ) 監督:Caroline Monnet [ワールド・プレミア]
 ・“EXIT”(カナダ) 監督:Claire Edmondson [ワールド・プレミア]
 ・“Fauve”(カナダ) 監督:Jérémy Comte [トロント・プレミア]
 ・“GIRLFRIENDS (AMIES)”(カナダ) 監督:Marie Davignon [ワールド・プレミア]
 ・“Glitter's Wild Women”(カナダ) 監督:Roney [ワールド・プレミア]
 ・“Good Boy”(カナダ) 監督:Fantavious Fritz [ワールド・プレミア]
 ・“If This Isn't Love (Si ce n'est pas de l'amour)”(カナダ) 監督:Luiza Cocora [ワールド・プレミア]
 ・“Little Waves (Les petites vagues)”(カナダ) 監督:Ariane Louis-Seize [ワールド・プレミア]
 ・“My Boy (Mon Boy)”(カナダ) 監督:Sarah Pellerin [ワールド・プレミア]
 ・“Norman Norman”(カナダ) 監督:Sophy Romvari [ワールド・プレミア]
 ・“Paseo”(カナダ) 監督:Matthew Hannam [ワールド・プレミア]
 ・“The Subject (Le sujet)”(カナダ) 監督:Patrick Bouchard [トロント・プレミア]
 ・“Veslemøy's Song”(カナダ) 監督:Sofia Bohdanowicz [北米プレミア]

 【SPECIAL PRESENTATIONS部門】

 ・“Anthropocene”(カナダ) 監督:ジェニファー・バイチウォル(Jennifer Baichwal)、ニック・ド・パンシェ(Nicholas de Pencier)、エドワード・バーティンスキー(Edward Burtynsky) [ワールド・プレミア]
 『ポール・ボウルズの告白 シェルタリング・スカイを書いた男』『いま ここにある風景』のジェニファー・バイチウォルとニック・ド・パンシェ、『いま ここにある風景』に出演し、“Watermark”では一緒に監督もしている写真家エドワード・バーティンスキーらの最新作。
 サイケデリックな炭酸カリウムの鉱山、広々としたコンクリートの防波堤、巨大な工業機械、そのほか人間の作り出した大量で破壊的なリエンジニアリングな例に関する目が覚めるような考察。


 ・“The Death and Life of John F. Donovan”(カナダ) 監督:グザヴィエ・ドラン [ワールド・プレミア]
 出演:キット・ハリントン、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツ、サンディー・ニュートン、ジェイコブ・トレンブリー、ベン・シュネッツァー、サラ・ガドン、マイケル・ガンボン(ナレーション)
 物語:アメリカのTVスター、ジョン・F・ドノヴァンがイギリスの11歳の少年ルパート・ターナーとやりとりしていた手紙がゴシップ雑誌が暴露し、ゴシップの嵐に巻き込まれたドノヴァンは、人生とキャリアを破壊され、死んでしまう。それから10年が過ぎ、ターナーは2人でやりとりした手紙を回想し、彼らの生活を綴った手紙の衝撃を振り返る。
 キット・ハリントンがジョン・F・ドノヴァンを、スーザン・サランドンがその母親、キャシー・ベイツがマネージャーを演じる。
 ゴシップ記者モイラの役にジェシカ・チャステインが決まっていたが、時間的な拘束の都合で彼女のシーンはカットされた。
 この作品は、カンヌ国際映画祭に招待されたが、映画の出来を気にいっていなかったドランは、再編集に入り、カンヌでの上映は見送られた。
 撮影はアンドレ・ターピン、音楽はガブリエル・ヤレド。
 グザヴィエ・ドラン初めての英語作品。


 ・“The Fall of the American Empire(La chute de l'empire américain)”(カナダ) 監督:ドゥニ・アルカン [トロント・プレミア]
 物語:シャイで危なっかしい配送車の運転手が、偶然から強盗の現場に居合わせ、お金の入った2つのバッグを手に入れてしまい、それをトラックの中に隠す。2人のタフな刑事の尋問は十分ではなかったけれども、哲学の博士号を持っている、彼の頭は悔いでいっぱいになり、汚れた金を処分する方法を模索する。娼婦と刑務所からでてきたばかりの元バイカーの助けのみが彼をトラブルから救い出す。ギャング・リーダーは、お金を取り戻すか、この混乱の落とし前をつけられる人間なら誰でも殺してしまおうとして、すっかり疲れてしまう。ドジばかりしている2人の刑事は、まだ現場を監視していた
 2010年にオールド・モントリオールのブティックで2人の人が殺されるという事件があって、3人が殺人罪で有罪になったが、本作はこの事件がもとになっている。
 本作は、1986年の『アメリカ帝国の滅亡』や2003年の『みなさん、さようなら』と直接的につながっているわけではないが、主題としては関連作品に当たる。


 ・“The Grizzlies”(カナダ) 監督:Miranda de Pencier [ワールド・プレミア]
 物語:小さな北極圏の町ヌナブットのクグルクトゥクが、北米の最高の自殺率となって苦しむ。イヌイットの学生グループにラクロスが紹介されて、プライドと目的という力強い感覚を獲得して、彼らの生活は変わり、コミュニティーの若者の自殺に歯止めがかかる。
 実話に基づく物語。


 【SPECIAL EVENT部門】

 ・“Sharkwater Extinction”(カナダ) 監督:Rob Stewart [ワールド・プレミア]
 サメが狩られて絶滅しそうになっていること、そして彼らとともにわれわれの生命の支援システムが破壊されていることを明らかにすること―活動家でフィルムメイカーのRob Stewartは、虐殺をとめるための危険なクエストに乗り出す。サメ―とお金―を追って、とらえにくい海賊的漁業産業(違法なフカヒレ産業)へ、Stewartは数十億ドルのスキャンダルを明らかにする。それは、これまで知られている最大の野生動物虐殺にわれわれみんなを共犯者にする。
 Rob Stewart(1979-2017)は、2017年にスキューバ・ダイヴィング中に亡くなっていて(享年37歳。水中で行方不明になり、死因は不明なままになっている)、本作が最後の監督作品になった。


 【TIFF DOCS部門】

 ・“Carmine Street Guitars”(カナダ) 監督:Ron Mann [北米プレミア]
 ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジのギター・メイカー、Rick Kellyへのバラード。Rick Kellyは、歴史的なニューヨーク市の建物から再利用可能な木材をあさって、カスタム・メイドのギターを作り、Carmine Street Guitarsで販売している。本作は、5日間にわたって、伝説的なCarmine Street Guitarsをドキュメントしている。
 出演:Rick Kelly、ジム・ジャームッシュ、ギタリストのチャーリー・セクストン(Charlie Sexton)、ギタリストのビル・フリゼール(Bill Frisell)、女優/歌手のエスター・バリント、コメディアン/作家/ミュージシャンのDave Hill、ギタリストのジェイミー・ヒンス(Jamie Hince)
 ベネチア国際映画祭2018 アウト・オブ・コンペティション部門出品。


 ・“Prosecuting Evil: The Extraordinary World of Ben Ferencz”(カナダ) 監督:Barry Avrich [ワールド・プレミア]
 ニュルンベルク裁判を知る最後の検察官Ben Ferenczの肖像。彼は、ナチの戦争犯罪の調査官であり、ニュルンベルクで開かれた12の軍事裁判の1つアインザッツグルッペン裁判の検事正で、法律と平和のために人生をかけたクルセードを続けている。


 ・“What is Democracy?”(カナダ) 監督:Astra Taylor [北米プレミア]
 グローバルな脅威の下での民主主義について、Astra Taylorは、このシネマ・エッセイを通して、制度それ自体の意味を探る。コーネル・ウェスト(Cornel West)からシルヴィア・フェデリーチ(Silvia Federici)まで幅広いビッグな思想家たちとともに、民主主義の哲学的土台について、あまりにも欠陥が多すぎる実効性について証拠を挙げつつ、ディスカッションする。そして、プラトンの『国家』が誕生したアテネや、トランプ時代の不安定なアメリカを旅する。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2018出品。審査員大賞ノミネート。


 【WAVELENGTHS部門】

 ・“Fausto(Faust)”(カナダ・メキシコ) 監督:Andrea Bussmann [北米プレミア]
 物語:メキシコのオアハカ海岸では、前時代の不平不満は表面から遠くないところにある。変身、テレパシー、悪魔との契約の物語は、アメリカの植民地化、奴隷化の中に埋め込まれている。ファウスト伝説のキャラクターは、住人に混ぜられ、一方、決して完成しないような建物の計画を通して、植民地化は進められ、自然は支配される。文学、神話、地元のもめごとを通して、現実とフィクションの間の境目、見えるものと見えざるものは、もはや適用されない。
 ロカルノ国際映画祭2018 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。


 ・“The Stone Speakers”(カナダ・ボスニア ヘルツェゴビナ) 監督:Igor Drljača [ワールド・プレミア]
 ボスニア・ヘルツェゴビナのフィルムメイカーIgor Drljacaの初の長編ドキュメンタリー。
 ボスニア・ヘルツェゴビナは、まだ90年代初頭からの内戦から立ち直れていない。ボスニア・ヘルツェゴビナの経済は決して回復しない。国は分断されたままだ。これに対処するために、多くの町では、歴史と宗教と政治とフォークロアをまぜこぜにしたユニークなツーリズムの目的地となることで変身しようとしている。宣伝された観光地は、生計を立てようとする人々の試みの反映であるだけでなく、国の過去と現在と未来についての物語を争って、広め、根づかせる手段ともなっている。本作では、ボスニア・ヘルツェゴビナの4つの町をツーリズムを通して探る。これらの町の競い合う物語はゆっくりと明らかになっていく。


 ・“ALTIPLANO”(チリ・アルゼンチン・カナダ/16min) 監督:Malena Szlam [ワールド・プレミア]

 ・“ante mis ojos”(コロンビア・カナダ/7min) 監督:Lina Rodriguez [ワールド・プレミア]

 ・“Sira”(カナダ/6min) 監督:Rolla Tahir [ワールド・プレミア]

 ・“Slip”(カナダ/12min) 監督:Celia Perrin Sidarous [トロント・プレミア]

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 *当ブログ記事

 ・トロント国際映画祭2018 ラインナップ第1弾:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201807/article_12.html
 ・トロント国際映画祭2018ラインナップ第1弾(続き):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201807/article_13.html
 ・トロント国際映画祭2018 PLATFORM部門 ラインナップ:https://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_8.html
 ・トロント国際映画祭2018 TIFF DOCS部門 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_9.html
 ・トロント国際映画祭2018 TIFF MIDNIGHT MADNESS部門、SHORT CUTS部門 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201808/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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