ベネチア国際映画祭2018 コンペティション部門ラインナップ!

 第75回ベネチア国際映画祭(8月29日-9月8日) コンペティション部門のラインナップが発表になりました。(7月25日)

 【コンペティション部門】
 ・“Peterloo”(英) 監督:マイク・リー
 ・“The Favourite”(アイルランド・英・米) 監督:ヨルゴス・ランティモス
 ・“Non Fiction(Doubles vies)”(仏) 監督:オリヴィエ・アサイヤス
 ・“The Sisters Brothers(Les Frères Sisters)”(仏・西・ルーマニア・米) 監督:ジャック・オディアール
 ・“Close Enemies(Territoires)”(仏・ベルギー) 監督:ダヴィド・オールホッフェン(David Oelhoffen)
 ・“Capri-Revolution”(伊・仏) 監督:マリオ・マルトーネ
 ・“Suspiria”(伊) 監督:ルカ・グァダニーノ
 ・“What You Gonna Do When The World’s On Fire?”(伊・米・仏) 監督:ロベルト・ミネルビーニ(Roberto Minervini)
 ・“Werk Ohne Autor”(独) 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
 ・“Sunset(Napszállta)”(ハンガリー・仏) 監督:ネメシュ・ラースロー
 ・『斬、』“Killing”(日) 監督:塚本晋也
 ・“The Nightingale”(オーストラリア) 監督:ジェニファー・ケント(Jennifer Kent)
 ・“At Eternity’s Gate”(米・仏) 監督:ジュリアン・シュナーベル
 ・“First Man”(米) 監督:デイミアン・チャゼル
 ・“The Mountain”(米) 監督:リック・アルバーソン(Rick Alverson)
 ・“The Ballad of Buster Scruggs”(米) 監督:ジョエル&イーサン・コーエン
 ・“Vox Lux”(米) 監督:ブラディー・コルベット(Brady Corbet)
 ・“22 July”(米) 監督:ポール・グリーングラス
 ・“Nuestro Tiempo”(メキシコ・仏・独・デンマーク・スウェーデン) 監督:カルロス・レイガダス
 ・“Roma”(メキシコ) 監督:アルフォンソ・キュアロン

 ※審査員:ギレルモ・デル・トロ(審査員長)、シルヴィア・チャン、トリーヌ・ディルホム、ニコール・ガルシア、パオロ・ジェノベーゼ、マウゴシュカ・シュモフスカ、タイカ・ワイティティ、クリストフ・ヴァルツ、ナオミ・ワッツ

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 ・“Peterloo”(英) 監督:マイク・リー
 出演:ロリー・キニア、マキシン・ピーク(Maxine Peake)、ティム・マキナニー(Tim McInnerny)、レオ・ビル(Leo Bill)
 物語:1819年に起きた「ピータールーの虐殺」を描く。1819年8月16日、マンチェスターのセント・ピーターズ・フィールドで選挙法改正を求めて集会が開かれていたが、それを弾圧しようとして、騎兵隊が群衆に突入し、結果的に多数の死傷者を出した。この背景には、1815年のナポレオン戦争終結による高失業、1816年の北ヨーロッパの冷夏による農作物の不作、1815年に制定された穀物法による穀物の価格規制などがあり、議会改革の要求と結びついて、大きな民衆運動に発展していた。
 [3大映画祭との関わり]
 1984年 “Meantime”:ベルリン(フォーラム部門)~Reader Jury of the "Zitty"
 1988年 『ハイ・ホープス』:ベネチア~国際批評家連盟賞
 1993年 『ネイキッド』:カンヌ~監督賞
 1996年 『秘密と嘘』:カンヌ~パルムドール
 1999年 『トプシー・ターヴィー』“Topsy-Turvy”:ベネチア
 2002年 『人生は、時々晴れ』:カンヌ
 2004年 『ヴェラ・ドレイク』:ベネチア~金獅子賞
 2008年 『ハッピー・ゴー・ラッキー』:ベルリン
 2010年 『家族の庭』:カンヌ~エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション
 2014年 『ターナー、光に愛を求めて』 カンヌ~男優賞(ティモシー・スポール)、芸術貢献賞(Vulcain Prize for the Technical Artist:ディック・ポープ)


 ・“The Favourite”(アイルランド・英・米) 監督:ヨルゴス・ランティモス
 出演:エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、オリヴィア・コールマン、ジョー・アルウィン(Joe Alwyn)
 物語:スチュアート朝最後の女王アン治世のイギリス。アビゲイル・ヒル(1670-1734、のちのアビゲイル・メイシャム)の家は、貧しく、彼女は奉公に出されていたが、のちにアン女王(1665-1714)に女官として仕えていた従妹のサラ・ジェニングス(1660-1774)の家に引き取られる。サラの斡旋で、アビゲイルもアン女王に仕える女官となり、次第に女王に重用されるようになる。一方で、アビゲイルとサラの関係は冷え込んでいき、ホイッグ党を支持するサラに対し、女王に近づくためにアビゲイルを利用しようとしたトーリー党の指導者ロバート・ハーレーによって、宮廷の政争にも巻き込まれていく。
 エマ・ストーンがアビゲイルを、レイチェル・ワイズがサラを、オリヴィア・コールマンがアン女王を、ニコラス・ホルトがロバート・ハーレーを演じる。
 第7監督長編。
 脚本:Deborah Davis、Tony McNamara、撮影:ロビー・ライアン、美術:フィオナ・クロンビー(Fiona Crombie)、衣裳:サンディー・パウエル、製作:ヨルゴス・ランティモス、セシ・デンプシー(Ceci Dempsey)、エド・ギニー(Ed Guiney)、リー・マジデイ(Lee Magiday)
 [3大映画祭との関わり]
 2009年 『籠の中の乙女』:カンヌ(ある視点部門)~ある視点賞、Award of the Youth受賞
 2011年 “Alpis (Alps)”:ベネチア~オゼッラ賞(脚本賞)
 2013年 “Venice 70: Future Reloaded”:ベネチア(70周年記念作品)
 2015年 『ロブスター』:カンヌ~審査員賞、クイア・パルム スペシャル・メンション、パルム・ドッグ 審査員大賞(Bob)
 2017年 『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』:カンヌ~脚本賞


 ・“Non Fiction(Doubles vies)”(仏) 監督:オリヴィエ・アサイヤス
 出演:ギヨーム・カネ、ジュリエット・ビノシュ、ヴァンサン・マケーニュ、オリヴィア・ロス(Olivia Ross)、 クリスタ・テレ(Christa Théret)、アントワン・レナルツ(Antoine Reinartz)、パスカル・グレゴリー、Nora Hamzawi
 物語:パリの出版界。アランとレオナールはそれぞれライターと編集者をしている。彼らは業界の新しい動きに振り回され、配偶者の欲望に応じる余裕もなく、自分の居場所を見つけるのに必死で、もはや規範を守っていられない。
 [3大映画祭との関わり]
 1989年 『冬の子供』:ベルリン(フォーラム部門)
 1994年 『冷たい水』:カンヌ(ある視点部門)
 2000年 『感傷的な運命』:カンヌ
 2002年 『DEMONLOVER デーモンラヴァー』:カンヌ
 2004年 『クリーン』:カンヌ~女優賞(マギー・チャン)、最優秀技術賞(撮影:エリック・ゴーティエ)
 2006年 『パリ、ジュテーム』:カンヌ(ある視点部門)
 2007年 『レディ アサシン』:カンヌ(ある視点部門)
 2007年 『それぞれのシネマ』:カンヌ(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2010年 『カルロス』:カンヌ(特別上映作品)
 2012年 『5月の後』“Something In The Air (Apres Mai)”:ベネチア~脚本賞(オゼッラ賞)、Fondazione Mimmo Rotella Award
 2014年 『アクトレス~女たちの舞台~』:カンヌ
 2016年 『パーソナル・ショッパー』:カンヌ~監督賞


 ・“The Sisters Brothers(Les Frères Sisters)”(仏・西・ルーマニア・米) 監督:ジャック・オディアール
 出演:ジェイク・ギレンホール、ホアキン・フェニックス、ジョン・C・ライリー、リズ・アーメッド、ルトガー・ハウアー、キャロル・ケイン
 物語:1850年代。凄腕の殺し屋イーライ(ジョン・C・ライリー)とチャーリー(ホアキン・フェニックス)のシスターズ兄弟は、ボスである提督(ルトガー・ハウアー)に命じられて、オレゴンの砂漠からサンフランシスコへと、ゴールド・ラッシュに沸くアメリカを1000マイルも縦断して、山師ハーマン・カーミット・ウォーム(リズ・アーメッド)を始末するために旅をする。途中、イーライは個人的な危機を経験し、こうしたキャリアを続けていくことに疑問を持ち始める。
 パトリック・デウィットの小説『シスターズ・ブラザーズ』の映画化。スペインとルーマニアで撮影された。
 ジャック・オディアールとトマ・ビデガンが脚本を手がけ、パスカル・コーシュトゥー、マイケル・メルクト、ミーガン・エリソン、マイケル・デ・ルカ、ジョン・C・ライリーらがプロデューサーを務める。撮影はブノワ・デビエ、音楽はアレクサンドル・デプラ。
 [3大映画祭との関わり]
 1994年 『天使が隣で眠る夜』:カンヌ(批評家週間)
 1996年 “Un héros très discret”『つつましき詐欺師』:カンヌ~脚本賞
 2005年 『真夜中のピアニスト』:ベルリン
 2009年 『預言者』:カンヌ~グランプリ
 2012年 『君と歩く世界』:カンヌ
 2015年 『ディーパンの闘い』:カンヌ~パルムドール


 ・“Close Enemies(Territoires)”(仏・ベルギー) 監督:ダヴィド・オールホッフェン(David Oelhoffen)
 出演:マティアス・スーナールツ、レダ・カテブ(Reda Kateb)、アデル・バンシェリフ(Adel Bencherif)、ニコラ・ジロー(Nicolas Giraud)、Fianso、サブリナ・ウアザニ、Gwendolyn Gourvenec、マルク・バルベ(Marc Barbé)、ヤン・ゴヴァン(Yann Goven)、John Sehil
 物語:DrissとManuelは、麻薬取引が横行するパリ郊外で生まれ、兄弟にように育った。大人になって、2人は正反対の方に進んだ。Manuelは、悪党稼業を愛し、Drissはそれを拒んで警官になった。Manuelの最大の取引がうまくいかなくなり、2人は再会して、それぞれの世界で生き延びるには協力しあうしかないことを悟る。裏切りと恨み、そして互いの憎しみにも拘わらず、彼らは自分たちに残された唯一の共通項、すなわち、かけがえのない生まれ故郷に根ざした深い絆を新たに取り結ぶ。
 第4監督長編。
 [3大映画祭との関わり]
 2004年 “Sous le bleu”:ベネチア(短編コンペティション部門)
 2005年 “Sous le bleu”:カンヌ(Gras Savoye Award)
 2007年 “Nos retrouvailles”:カンヌ(批評家週間)
 2014年 『涙するまで、生きる』:ベネチア~SIGNIS賞、Arca CinemaGiovani賞、Interfilm賞


 ・“Capri-Revolution”(伊・仏) 監督:マリオ・マルトーネ
 出演:Marianna Fontana、Reinout Scholten Van Aschat、Antonio Folletto、ジェナ・ティアム(Jenna Thiam)、Lola Klamroth、Ludovico Girardello、ジャンルカ・ディ・ジェンナーロ(Gianluca Di Gennaro)、Maximilian Dirr、ドナテッラ・フィノッキアーロ(Donatella Finocchiaro)、Eduardo Scarpetta
 物語:1914年。イタリアは戦争に入ろうとしていた。北ヨーロッパ人のコミューンは、生活し、芸術を実践するための理想の地としてカプリを見出した。しかし、その島にも力強い個性の持ち主がいた。それは、ルチアという名の若い山羊飼いだ。映画は、ルチアと、Seybuによって導かれるコミューンと、若い村医の出会いを描く。カプリは、ユニークな島で、ドロミテの絶壁が地中海の海の中に落ち込んでいる。そこに、20世紀の初めに、自由と進歩を求めた人々が磁石のように集まった。その中には、ロシアの亡命者マクシム・ゴーリキーのような人物もいて、革命に向けて準備していた。
 [3大映画祭との関わり]
 1992年 “Morte di un matematico napoletano”:ベネチア~審査員特別賞、Kodak-Cinecritica Award
 1994年 “Miracoli, storie per corti”:ベネチア(非コンペ)~FEDIC賞スペシャル・メンション
 1995年 『愛に戸惑って』“L'amore molesto”:カンヌ
 1997年 “I vesuviani”:ベネチア
 2004年 “L'odore del sangue”:カンヌ(監督週間)
 2010年 『われわれは信じていた』“Noi credevamo”:ベネチア
 2011年 短編“La meditazione di Hayez”:ベネチア(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2014年 “Il giovane favoloso”:ベネチア


 ・“Suspiria”(伊) 監督:ルカ・グァダニーノ
 出演:ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレッツ、ミア・ゴス(Mia Goth)、ジェシカ・ハーパー(Jessica Harper)、アンゲラ・ヴィンクラー(Angela Winkler)、シルヴィー・テステュー、マルゴシア・ベラ(Malgorzata Bela)、Lutz Ebersdorf、イングリット・カーフェン
 物語:世界的に有名なダンス・カンパニーに、闇が忍び寄る。その中には、アーティスティックなディレクターや、野心家の若いダンサー、悲嘆に暮れる心理療法家がいた。ある者は悪夢に屈服し、またある者は最終的に覚醒した。
 1977年のダリオ・アルジェントの映画『サスペリア』のリメイク。
 [3大映画祭との関わり]
 1999年 『ザ・プロタゴニスツ』“The Protagonists”:ベネチア(非コンペ)~FEDIC賞スペシャル・メンション
 2002年 『ティルダ・スウィントン : ザ・ラヴ・ファクトリー』“Tilda Swinton: The Love Factory”:ベネチア(非コンペ)
 2004年 “Cuoco contadino”:ベネチア(非コンペ)
 2010年 『ミラノ、愛に生きる』:ベルリン(Kulinarisches Kino部門)
 2013年 “Bertolucci on Bertolucci”:ベネチア(ドキュメンタリーズ・オン・シネマ部門)
 2015年 『胸騒ぎのシチリア』:ベネチア~Soundtrack Stars賞、Best Innovative Budget賞
 2017年 『君の名前で僕を呼んで』:ベルリン(パノラマ部門)


 ・“What You Gonna Do When The World’s On Fire?”(伊・米・仏) 監督:ロベルト・ミネルビーニ(Roberto Minervini)
 2017年夏、アメリカ南部の黒人のコミュニティーで起こった物語。そこでは、残酷な黒人の殺人が続発し、アメリカ中にショックを与えた。アメリカにおける人種の現状に関するメディテーション。この映画では、ある詳細なポートレートから、異なる立場から正義、威厳、サバイバルのために闘っている人々の生活に迫る。
 イタリアで生まれ、2000年にアメリカに移住して、アメリカを拠点として活動しているロベルト・ミネルビーニの最新ドキュメンタリー。
 [3大映画祭との関わり]
 コンペティション部門参加は初めて。
 2012年 “Low Tide”:ベネチア(Orizzonti部門)~Christopher D. Smithers Foundation特別賞
 2013年 “Stop The Pounding Heart”:カンヌ(特別招待作品)
 2015年 “The Other Side”:カンヌ(ある視点部門)


 ・“Werk Ohne Autor”(独) 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
 出演:トム・シリング、セバスチャン・コッホ、パウラ・ベーア(Paula Beer)、ザスキア・ローゼンダール(Saskia Rosendahl)、オリヴァー・マスッチ(Oliver Masucci)、Cai Cohrs、Ina Weisse、Evgeniy Sidikhin、マルク・ツァク(Mark Zak)、Ulrike C. Tscharre
 物語:若いアーティストKurt Barnertは、西ドイツに亡命していたが、ナチ時代の幼年期から東ドイツの少年期の経験したことでずっと苦しんでいた。彼は、学生のEllieに会って、自分がそうした人生を愛していることに気づく。彼は、自分の運命だけでなく、全世代のトラウマを映し出す絵画を描き始める。
 第3監督長編。
 [3大映画祭との関わり]
 3大映画祭参加は初めて。


 ・“Sunset(Napszállta)”(ハンガリー・仏) 監督:ネメシュ・ラースロー
 出演:ズザンネ・ヴースト(Susanne Wuest)、ヴラド・イヴァノフ、ビョーン・フレイバーグ(Björn Freiberg)、ユルス・レチン(Urs Rechn)、レヴェンテ・モルナール(Levente Molnár)、Judit Bárdos、Juli Jakab、Christian Harting、Balázs Czukor、Mihály Kormos
 物語:1913年。Írisz Leiterは、伝説的な帽子屋で働くために、ブダペストにやってくる。そこは今は亡き両親の店だったが、彼女は新しいオーナーによって追い返されてしまう。Íriszは、失われた過去を取り戻すために、ミッションを実行に移す。
 『サウルの息子』にも出演している主役のJuli Jakabは、1000人以上のハンガリー女優の中から選ばれた。
 2017年6月12日から9月2日にかけて、35mmフィルムと65mmフィルムを使ってハンガリーで撮影された。
 第2監督長編。
 [3大映画祭との関わり]
 2007年 短編“Türelem”:ベネチア(非コンペ)
 2015年:カンヌ~グランプリ、技術貢献賞(Vulcan Award of the Technical Artist):Tamas Zanyi(音響デザイン)、Prix François Chalais、国際批評家連盟賞


 ・『斬、』“Killing”(日) 監督:塚本晋也
 出演:池松壮亮、蒼井優、中村達也、塚本晋也、前田隆成
 物語:「250年にわたり平和が続いてきた国内が、開国するか否かで大きく揺れ動いていた江戸時代末期。江戸近郊の農村を舞台に、時代の波に翻弄されるひとりの浪人と彼に関わる人々を通して、生と死の問題に迫る衝撃作。」
 [3大映画祭との関わり]
 (1997年 ベネチア国際映画祭コンペティション部門審査員)
 2002年 『六月の蛇』:ベネチア(Controcorrente部門)~Kinematrix Film Award、San Marco Special Jury Award
 2004年 『ヴィタール』:ベネチア(特別上映作品)
 2009年 『鉄男 THE BULLET MAN』:ベネチア
 2011年 『KOTOKO』:ベネチア(Orizzonti部門)~Orizzonti賞 長編部門
 2013年 “Venice 70: Future Reloaded”:ベネチア(70周年記念作品)
 2014年 『野火』:ベネチア


 ・“The Nightingale”(オーストラリア) 監督:ジェニファー・ケント(Jennifer Kent)
 出演:サム・クラフリン(Sam Claflin)、デイモン・ヘリマン(Damon Herriman)、アシュリン・フランシオーシ(Aisling Franciosi)、ユアン・レスリー(Ewen Leslie)、チャーリー・ショットウェル(Charlie Shotwell)、ハリー・グリーンウッド(Harry Greenwood)、マシュー・サンダーランド(Matthew Sunderland)、Michael Sheasby、Ben McIvor、Luke Carroll
 物語:1825年。若いアイルランド人の受刑者クレアは、タスマニアの険しい荒野を、イギリス人の役人を追っていた。家族をひどい目に遭わせた相手に復讐を果たすのだ。途中で、彼女は、ビリーという名のアボリジニの追跡者の手助けを受ける。彼もまた暴力に満ちた過去がトラウマとなっていた
 [3大映画祭との関わり]
 3大映画祭参加は初めて。


 ・“At Eternity’s Gate”(米・仏) 監督:ジュリアン・シュナーベル
 出演:ウィレム・デフォー、オスカー・アイザック、ルパート・フレンド、マッツ・ミケルセン、ニエル・アレストリュプ、ステラ・シュナーベル(Stella Schnabel)、パトリック・シェネ(Patrick Chesnais)、Victor Pontecorvo、Frank Molinaro、Alan Aubert
 物語:アルル時代のゴッホを描く(1888年-89年5月。10年にわたるゴッホの芸術活動の全盛期とも言われる。パリの美術界ではほとんど相手にされなかったゴッホは、弟のテオとも別れ、理想の仕事環境を求めて、南フランスのアルルへ移住する。ここでフランスに帰国したゴーギャンとの共同生活を始めるが、うまくいかず、左耳を切り落とす事件を起こし、アルル市立病院に入院する。)。
 タイトルの“At Eternity’s Gate”「永遠の門」は、別名「悲しむ老人」とも呼ばれる作品で、ゴッホが1890年5月に修道院の精神病院で療養中に描いたもの。
 ウィレム・デフォーがフィンセント、ルパート・フレンドがテオ、オスカー・アイザックがゴーギャンを演じる。
 [3大映画祭との関わり]
 1996年 『バスキア』:ベネチア
 2000年 『夜になるまえに』:ベネチア~審査員特別賞、OCIC Award - オナラブル・メンション
 2007年 『潜水服は蝶の夢を見る』:カンヌ~監督賞、技術賞(撮影:ヤヌス・カミンスキー)
 2007年 『ルー・リード/ベルリン』:ベネチア(Orizzonti部門)
 2010年 『ミラル』:ベネチア~UNICEF賞、UNESCO賞


 ・“First Man”(米) 監督:デイミアン・チャゼル
 出演:クレア・フォイ、ライアン・ゴズリング、ジョン・バーンサル(Jon Bernthal)、パブロ・シュレイバー(Pablo Schreiber)
 物語:国や自分自身の犠牲や負担を乗り越え、スペース・トラベルの中でも、最も危険なミッションとされた、人類初の月面歩行をなし遂げた宇宙飛行士ニール・アームストロングの1961年から1969年までを描く。
 ベネチア国際映画祭2018オープニング作品。
 脚本:ニコール・パールマン(初期脚本)、ジョシュ・シンガー
 原作:ジェームズ・R・ハンセン 『ファーストマン ニール・アームストロングの人生』
 撮影:リヌス・サンドグレン、編集:トム・クロス、美術:ネイサン・クロウリー、衣裳:メアリー・ゾフレス、音楽:ジャスティン・ハーウィッツ、製作:デイミアン・チャゼル、ライアン・ゴズリング、マーティー・ボーウェン、ウィク・ゴッドフリー
 10月12日公開予定。
 [3大映画祭との関わり]
 2014年 『セッション』:カンヌ(監督週間)
 2016年 『ラ・ラ・ランド』:ベネチア~女優賞(エマ・ストーン)、Coppa Codacons Ridateci i soldi


 ・“The Mountain”(米) 監督:リック・アルバーソン(Rick Alverson)
 出演:Danielle Smith、ジェフ・ゴールドブラム、タイ・シェリダン、ハンナ・グロス(Hannah Gross)、ウド・キアー、エイミー・スティラー(Amy Stiller)、ドニ・ラヴァン、エレノア・ヘンドリックス(Eleonore Hendricks)、Alyssa Bresnahan
 物語:ロボトミー手術のパイオニア、ウォルター・フリーマン(1895-1972)の人生を基にした物語。
 1954年.ウォレス・ファインズ医師は、(ウォルター・フリーマン医師と同じように)経眼窩ロボトミーを行ない、彼のやり方を受け入れてくれる病院で人々に教え、いかに早くいかにたくさんの治療を行なえるか、実践した。
 ジェフ・ゴールドブラムがウォレス・ファインズ医師を演じる。
 [3大映画祭との関わり]
 3大映画祭参加は初めて。


 ・“The Ballad of Buster Scruggs”(米) 監督:ジョエル&イーサン・コーエン
 出演:ティム・ブレイク・ネルソン、ブレンダン・グリーソン、リアム・ニーソン、ジェームズ・フランコ、ゾーイ・カザン、タイン・デイリー(Tyne Daly)、スティーヴン・ルート(Stephen Root)、トム・ウェイツ
 物語:歌うカウボーイの物語。ティム・ブレイク・ネルソンがタイトル・ロールを演じる。作品の詳細は明らかになっていない。
 元々、アメリカの開拓者たちに関する全6話の独立したTVミニシリーズ(コーエン兄弟が手がける初のTVシリーズ)として始められたが、第1話として企画された“The Ballad of Buster Scruggs”が1本の長編映画として劇場公開されることになった。
 『ノーカントリー』や『トゥルー・グリッド』と同じく、ニュー・メキシコで撮影された。撮影はブリュノ・デルボネル、衣裳はメアリー・ゾフレス、音楽はカーター・バウエル。
 Netflix配給作品。
 [3大映画祭との関わり]
 1987年 『赤ちゃん泥棒』:カンヌ(特別上映作品)
 1991年 『バートン・フィンク』:カンヌ~パルムドール、監督賞、男優賞(ジョン・タトゥーロ)
 1994年 『未来は今』:カンヌ
 1996年 『ファーゴ』:カンヌ~監督賞
 1998年 『ビッグ・リボウスキ』:ベルリン
 2000年 『オー・ブラザー!』:カンヌ
 2001年 『バーバー』:カンヌ~監督賞
 2003年 『ディボース・ショウ』:ベネチア(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2004年 『レディ・キラーズ』:カンヌ
 2006年 『パリ、ジュテーム』:カンヌ(ある視点部門)
 2007年 『ノーカントリー』:カンヌ
 2007年 『それぞれのシネマ』:カンヌ(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2008年 『バーン・アフター・リーディング』:ベネチア(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2011年 『トゥルー・グリット』:ベルリン(アウト・オブ・コンペティション部門)
 2013年 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス_名もなき男の歌』:カンヌ~グランプリ
 2016年 『ヘイル、シーザー!』:ベルリン(アウト・オブ・コンペティション部門)


 ・“Vox Lux”(米) 監督:ブラディー・コルベット(Brady Corbet)
 出演:ナタリー・ポートマン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジュード・ロー、ステイシー・マーティン、ジェニファー・イーリー(Jennifer Ehle)、ラフィー・キャシディ(Raffey Cassidy)、マット・セルヴィット(Matt Servitto)、ナタリア・ロマノヴァ(Natasha Romanova)、ダニエル・ロンドン(Daniel London)
 物語:ポップスター、セレステを襲った、国中を騒ぎに巻き込んだ大きな悲劇から、15年の月日をセレステの視点で描く。1999年から現在まで、重要な文化的な出来事もトレースされる。
 ナタリー・ポートマンがセレステを、ジュード・ローがマネージャーを演じる。シーアが音楽を手がける。
 [3大映画祭との関わり]
 コンペティション部門参加は初めて。
 2015年 『シークレット・オブ・モンスター』:ベネチア(Orizzonti部門)~ルイジ・ディ・ラウエンティス賞、Orizzonti賞監督賞


 ・“22 July”(米) 監督:ポール・グリーングラス
 出演:Thorbjørn Harr、アンデシュ・ダニエルセン・リー(Anders Danielsen Lie)、Hang Tran、ラース・アレンツ=ハンセン(Lars Arentz-Hansen)、ヨン・オイガーデン(Jon Øigarden)、アネッケ・ヴォン・デル・リッペ(Anneke von der Lippe)、Joakim Skarli、Øystein Martinsen、Marita Fjeldheim Wierdal
 物語:今年のベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映されたエリック・ポッペ監督の“Utøya 22. juli (U - July 22)”と同じ題材を扱う。
 2011年7月22日、ノルウェー史上最悪の連続テロ事件が起こる。犯人はアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(1979- )で、反移民、反イスラムの思想を持ち、当日、オスロ政府庁舎で爆破事件を仕かけ(8人死亡)、さらに、移民受け入れを推進していたノルウェー労働党青年部約700人が集会を行なっていたオスロ近郊のウトヤ島で銃乱射事件を起こして、69人を殺害した(併せて77人が死亡。単独犯による短時間での大量殺人としては、世界最多)。「ブレイビクはタクシーでウトヤ島の近くまで行った後に警察官の制服を着てボートで島に上陸し、爆破テロ捜査を口実に参加者を整列させ、午後5時頃より銃を乱射」。「確実に殺せるよう各人に2発ずつ撃ち込んで殺していった」(Wikipedia)、という。ブレイビクは、乱射事件直後に逮捕され、2012年8月、禁錮最低10年、最長21年の判決が下された(ノルウェーにおける最高の刑)。
 映画は、攻撃から生き延びた人々、ノルウェーの政治的指導者、巻き込まれた弁護士たちの3つのパートで描かれる。
 Netflix配給作品。
 [3大映画祭との関わり]
 1989年 “Resurrected”:ベルリン~Interfilm Award - Otto Dibelius Film Award、OCIC Award
 2002年 『ブラディ・サンデー』:ベルリン~金熊賞、エキュメニカル審査員賞
 2006年 『ユナイテッド93』:カンヌ(特別招待作品)

 ・“Nuestro Tiempo”(メキシコ・仏・独・デンマーク・スウェーデン) 監督:カルロス・レイガダス
 出演:Natalia López、エレアサル・レイガダス(Eleazar Reygadas)、ルートゥ・レイガダス(Rut Reygadas)、Phil Burgers
 物語:メキシコの高地の牧場。Esterは、牧場を切り盛りしている。夫のJuanは、有名な詩人で、牛を交配し、育てている。Esterが、アメリカの地主と不貞を働いた時、Juanは、未来に希望を持つことができなくなる。
 [3大映画祭との関わり]
 2002年 『ハポン』:カンヌ(監督週間)~カメラドール スペシャル・メンション
 2005年 『バトル・イン・ヘブン』:カンヌ
 2007年 『静かな光』:カンヌ~審査員賞
 2010年 『レボリューション』“Revolución”:ベルリン(ベルリナーレ・スペシャル)
 2012年 『闇のあとの光』:カンヌ~監督賞


 ・“Roma”(メキシコ) 監督:アルフォンソ・キュアロン
 出演:Marina de Tavira、Daniela Demesa、Marco Graf、Yalitza Aparicio、Enoc Leaño、Daniel Valtierra
 物語:1970年代初頭のメキシコシティー。中流家族が多く暮らしているローマ地区。ミシュテカ族出身のCleoとAdelaが、Sofiaの家で働き始める。Sofiaには4人の子どもがいるが、夫は長らく不在で、Sofiaがひとりで家を切り盛りしている。Cleoは、そんなSofiaの子どもたちを自分の子のように可愛がるようになる。ある時、政府の軍隊と学生のデモ隊が衝突して、SofiaもCleoもメキシコの家庭に忍び寄る変化を感じざるを得なくなる。
 アルフォンソ・キュアロンにとっては、『天国の口、終りの楽園。』以来となるメキシコでの制作作品で、『ゼロ・グラビティ』以来5年ぶりの新作。
 アルフォンソ・キュアロンの子ども時代のエピソードが盛り込まれている(らしい)。
 2016年の秋から制作は進められていたが、2016年11月に窃盗事件があり、2人の女性が発砲を受け、5人のクルーが病院に運ばれたという。
 アルフォンソ・キュアロンは、監督のほかに脚本、撮影、編集、製作を手がける。
 アルフォンソ・キュアロン初のNetflix配給作品。
 [3大映画祭との関わり]
 2001年 『天国の口、終りの楽園。』:ベネチア~金のオゼッラ賞
 2006年 『パリ、ジュテーム』:カンヌ(ある視点部門)
 2006年 『トゥモロー・ワールド』:ベネチア~ラテルナ・マギカ賞
 2013年 『ゼロ・グラビティ』:ベネチア(アウト・オブ・コンペティション部門/オープニング作品)


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 例年以上にアメリカ映画、英語作品が多く、全米映画賞レースの前哨戦という度合いが強くなっているように見えます。
 近年、米国アカデミー賞作品賞受賞作品をプレミア上映させていることが多くなってきていますが、昨年度の金獅子賞受賞作が米国アカデミー賞作品賞を受賞したことで、そういう流れはより強くなったのかもおしれません。

 また、カンヌがNetflix作品を排除したことで、その反動がベネチアに来たということもあるかもしれません。

 だからといって、例年よりコンペ作品のレベルが低くなっているかというと、そうでもなさそうで、3大映画祭で最高賞を受賞している監督が4組もいるほか、期待作も多く、いつも以上に楽しみな大会になっているように見えます。(久々の監督作品やこれまでベネチアをお披露目の場として来なかった監督の作品もやや多いような気がしますね。)

 今回はこれ以上コンペ作品が追加されることはないようですが、長くなったので、コメントや予想は、後日、記事を改めることにします。

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 ・映画賞&映画祭カレンダー 2018年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201803/article_33.html

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