サンフランシスコ映画批評家協会賞2017 受賞結果

 サンフランシスコ映画批評家協会賞2017の受賞結果が発表されました。(12月10日)

 サンフランシスコ映画批評家協会賞(SFFCC:The San Francisco Film Critics Circle)
 設立年:2002 会員数:47
 公式サイト:http://sffcc.org
 公式facebook:https://www.facebook.com/SFCritics/
 Wikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/San_Francisco_Film_Critics_Circle

 [特徴]
 本命ではなくても、比較的オーソドックスな受賞結果を出す。
 2012年に編集賞、美術賞新設。
 マーロン・リッグス賞(ベイ・エリア映画コミュニティーにおける意欲的な活動とヴィジョンに対する特別賞)、「まだ評価されていないインディペンデント映画に対する特別賞」という特別賞を設けている。
 2016年の作品賞は『ムーンライト』、2015年の作品賞は『スポットライト 世紀のスクープ』、2014年の作品賞は『6才のボクが、大人になるまで。』、2013年の作品賞は『それでも夜は明ける』、2012年の作品賞は『ザ・マスター』、2011年の作品賞は『ツリー・オブ・ライフ』、2010年の作品賞は『ソーシャル・ネットワーク』。

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 ◆作品賞
 ・“Call Me by Your Name”(伊・仏・ブラジル・米) 監督:ルカ・グァダニーノ
 ◎“The Florida Project” 監督:ショーン・ベイカー
 ・『ゲット・アウト』 監督:ジョーダン・ピール
 ・『シェイプ・オブ・ウォーター』 監督:ギレルモ・デル・トロ
 ・『スリー・ビルボード』(英・米) 監督:マーティン・マクドナー

 “The Florida Project”は、デトロイト映画批評家協会賞に続き、作品賞受賞。

 ◆監督賞
 ・ショーン・ベイカー “The Florida Project”
 ◎ギレルモ・デル・トロ 『シェイプ・オブ・ウォーター』
 ・グレタ・ガーウィグ “Lady Bird”
 ・クリストファー・ノーラン 『ダンケルク』
 ・ジョーダン・ピール 『ゲット・アウト』

 ギレルモ・デル・トロは、ロサンゼルス映画批評家協会賞に続き、監督賞受賞。

 ◆主演男優賞
 ・ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet) “Call Me By Your Name”
 ・ジェームズ・フランコ “The Disaster Artist”(監督:ジェームズ・フランコ)
 ・ダニエル・カルーヤ 『ゲット・アウト』
 ・ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
 ◎アンディー・サーキス 『猿の惑星: 聖戦記』

 アンディー・サーキスは、『猿の惑星: 聖戦記』では主演男優賞初受賞。これまでのキャリアでも助演男優賞やアンサンブル賞は受賞したことはあるが、主演男優賞はほとんど縁がなかった。(イギリスのエンパイア賞やロンドン・イブニング・スタンダード英国映画賞では受賞したことがある。)

 ◆主演女優賞
 ・アネット・ベニング “Film Stars Don’t Die In Liverpool”(監督:ポール・マクギガン)
 ・サリー・ホーキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター』
 ・フランシス・マクドーマンド 『スリー・ビルボード』
 ◎マーゴット・ロビー “I,Tonya”(監督:クレイグ・ギレスピー)
 ・シアーシャ・ローナン “Lady Bird”

 マーゴット・ロビーは、“I,Tonya”で初受賞。これまでのキャリアでも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や『スーサイド・スクワッド』でいくつか受賞したことがあるくらい。

 ◆助演男優賞
 ◎ウィレム・デフォー “The Florida Project”
 ・アーミー・ハマー “Call Me by Your Name”
 ・リチャード・ジェンキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター』
 ・サム・ロックウェル 『スリー・ビルボード』
 ・マイケル・スタールバーグ “Call Me by Your Name”

 本命。

 ◆助演女優賞
 ・ホリー・ハンター “The Big Sick”(監督:マイケル・ショウォルター)
 ・アリソン・ジャネイ “I,Tonya”
 ・メリッサ・レオ “Novitiate”(監督:‎Margaret Betts)
 ・レスリー・マンヴィル “Phantom Thread”(監督:ポール・トーマス・アンダーソン)
 ◎ローリー・メトカーフ(Laurie Metcalf) “Lady Bird”

 ローリー・メトカーフは、ほぼ助演女優賞の本命になりました。

 ◆オリジナル脚本賞
 ・“The Big Sick” クメイル・ナンジアニ、エミリー・V・ゴードン
 ◎『ゲット・アウト』 ジョーダン・ピール
 ・“Lady Bird” グレタ・ガーウィグ
 ・『シェイプ・オブ・ウォーター』 ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー(Vanessa Taylor)
 ・『スリー・ビルボード』 マーティン・マクドナー

 『ゲット・アウト』は、オリジナル脚本賞の本命になりつつあります。

 ◆脚色賞
 ・“The Disaster Artist” スコット・ノイスタッター(Scott Neustadter)、マイケル・H・ウェバー(Michael H. Weber)
 ◎“Call Me by Your Name” ジェームズ・アイヴォリー
 ・“Molly's Game” アーロン・ソーキン
 ・『マッドバウンド 哀しき友情』 ディー・リース、ヴァージル・ウィリアムズ(Virgil Williams)
 ・『ワンダーストラック』“Wonderstruck”(監督:トッド・ヘインズ) ブライアン・セルズニック(Brian Selznick)

 “Call Me by Your Name”は、初めての脚本賞受賞。

 ◆撮影賞
 ◎『ブレードランナー 2049』 ロジャー・ディーキンス
 ・『ダンケルク』 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
 ・“The Florida Project” アレクシス・サベ(Alexis Zabe)
 ・『シェイプ・オブ・ウォーター』 ダン・ローストセン(Dan Laustsen)
 ・“Wonder Wheel”(監督:ウディ・アレン) ヴィットリオ・ストラーロ

 『ブレードランナー 2049』は、撮影賞の本命かも?

 ◆編集賞
 ◎『ベイビー・ドライバー』 ポール・マクリス(Paul Machliss)、ジョナサン・エイモス(Jonathan Amos)
 ・『ブレードランナー 2049』 ジョー・ウォーカー
 ・『ダンケルク』 リー・スミス(Lee Smith)
 ・『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』 マイケル・カーン(Michael Kahn)
 ・『シェイプ・オブ・ウォーター』 シドニー・ウォリンスキー(Sidney Wolinsky)

 『ベイビー・ドライバー』は、ワシントンDC映画批評家協会賞に続き、編集賞受賞。

 ◆美術賞(Best Production design)
 ・『ブレードランナー 2049』 デニス・ガスナー(Dennis Gassner)
 ・『ダンケルク』 ネイサン・クロウリー(Nathan Crowley)
 ・”Phantom Thread” マーク・ティルデスリー(Mark Tildesley)
 ◎『シェイプ・オブ・ウォーター』 ポール・D・オースタベリー(Paul D. Austerberr)
 ・『ワンダーストラック』 マーク・フリードバーグ(Mark Friedberg)

 『シェイプ・オブ・ウォーター』は、初めての美術賞受賞。

 ◆オリジナル作曲賞(Best Original Score)
 ・『ブレードランナー 2049』 ハンス・ジマー、ベンジャミン・ウォールフィッシュ (Benjamin Wallfisch)
 ・『ダンケルク』 ハンス・ジマー
 ◎”Phantom Thread” ジョニー・グリーンウッド
 ・『シェイプ・オブ・ウォーター』 アレクサンドル・デプラ
 ・『猿の惑星: 聖戦記』 マイケル・ジアッキノ

 ジョニー・グリーンウッドは、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ボストン・オンライン映画批評家協会賞に続いての受賞。キャリア的には『ザ・マスター』(2012)や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)以来のノミネート&受賞。

 ◆ドキュメンタリー賞
 ・“Brimstone & Glory” 監督:Viktor Jakovleski
 ・“City of Ghosts” 監督:マシュー・ハイネマン(Matthew Heineman)
 ・『ドーソン・シティー:凍結された時間』“Dawson City: Frozen Time” 監督:ビル・モリソン(Bill Morrison)
 ◎“Faces Places(Visages,Villages)”(仏) 監督:アニエス・ヴァルダ& JR
 ・“Jane” 監督:ブレット・モーゲン(Brett Morgen)

 “Faces Places(Visages,Villages)”は、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ボストン・オンライン映画批評家協会賞に続いての受賞。ナショナル・ボード・オブ・レビューでは、ドキュメンタリー部門トップ5。今のところ、ドキュメンタリー賞のトップ!

 ◆アニメーション賞
 ・“The Breadwinner”(アイルランド・カナダ・ルクセンブルク) 監督:ノラ・トゥーミー(Nora Twomey)
 ◎『リメンバー・ミー』 監督:リー・アンクリッチ 共同監督:エイドリアン・モリーナ
 ・『レゴバットマン ザ・ムービー』(米・デンマーク) 監督:クリス・マッケイ
 ・『ゴッホ 最期の手紙』(英・ポーランド) 監督:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
 ・『君の名は。』(日) 監督:新海誠

 本命!

 ◆外国語映画賞
 ◎『BPM ビート・パー・ミニット』(仏) 監督:ロバン・カンピヨ
 ・『ナチュラルウーマン』“A Fantastic Woman”(チリ・独・西・米) 監督:セバスティアン・レリオ
 ・『婚約者の友人』(仏・独) 監督:フランソワ・オゾン
 ・『女は二度決断する』“In the Fade(Aus Dem Nichts)”(独・仏) 監督:ファティ・アキン
 ・“The Square”(スウェーデン・独・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド

 『BPM ビート・パー・ミニッツ』は、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ワシントンDC映画批評家協会賞に続いて、外国語映画賞受賞。今のところ、この部門のトップ!

 ◆まだ評価されていないインディペンデント映画に対する特別賞(Special Citation (for that underappreciated indie gem))
 ◎“Brimstone & Glory” 監督:Viktor Jakovleski
 ・“Columbus” 監督:Kogonada
 ・“The Other Kids” 監督:Chris Brown

 “Brimstone & Glory”(米) 監督:Viktor Jakovleski
 メキシコのトゥルテペックでは、世界でも類がないような「ナショナル花火祭り」(Feria Nacional de la Pirotecnia)が行なわれ、10万人もの観客を集めている。これは、花火職人の聖人San Juan de Diosに敬意を表した、文字通り燃えるようなお祭りで、1週間、トゥルテペックの町を呑み込む。職人たちは、熟練の腕を見せ、新人たちは新たに創り出した荒々しい技を披露する。また、カーニバル風の「お城」が作られて、火をつけられたり、数十のチームが、張り子の牛を作り、町の広場を練り歩いたりもする。人々は、この祭りに歓びとホンモノの危険を解き放つ。実際に、盛大な花火の陰では、救急車や救急隊が待機し、祭りの最終日には3度の火傷を負った人々で近くの医療機関はいっぱいになる。花火の町トゥルテペックでは、住人の4分の3が花火産業に関わっていて、この祭りのために1年かけて準備をする。本作では、GoProsやドーロンを駆使して、祭りの美しさを幅広くとらえ、夜空を燃え上がらせる火花や炎を通して、観る者にマジカルでシネマティックな旅を提供する。
 True/False映画祭2017出品。
 サラソータ映画祭2017出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2017 ゴールデンゲート 長編ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。長編ドキュメンタリー賞受賞。
 HotDocsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。
 モントクレア映画祭2017出品。
 DocAviv/テルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。
 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭2017 アート・ドック部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 AFI Docs 2017出品。
 クイーンズランド映画祭2017出品。
 グアナファト国際映画祭2017出品。
 オープン・ルーフ・フェスティバル2017出品。
 ドキュフェスト・ピルゼン2017出品。
 ファンタスティック・フェスト2017出品。ドキュメンタリー部門作品賞、監督賞受賞。
 ウィーン国際映画祭2017出品。
 フィラデルフィア映画祭2017出品。
 セントルイス国際映画祭2017出品。
 ブラチスラヴァ国際映画祭2017 インターナショナル・ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。
 キーウェスト映画祭2017出品。
 ナショナル・ボード・オブ・レビュー2017 ドキュメンタリー・トップ5。
 IDAアワード2017 音楽賞受賞。
 シネマ・アイ・オナーズ2018 撮影賞、オリジナル作曲賞、プロダクション賞、デビュー作品賞ノミネート。


 ◆マーロン・リッグス賞(ベイ・エリア映画コミュニティーにおける意欲的な活動とヴィジョンに対する特別賞)
 ◎Peter Bratt(プロデューサー) “Dolores”、“La Mission”、“Follow Me Home”などの仕事に対して。

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 主な作品のノミネート&受賞状況は、以下の通り。

 ・『シェイプ・オブ・ウォーター』(2/9):作品・監督・主演女優・助演男優・脚本・撮影・編集・美術・作曲
 ・“Call Me by Your Name”(1/5):作品・主演男優・助演男優・助演男優・脚色
 ・『ダンケルク』(0/5):監督・撮影・編集・美術・作曲
 ・“The Florida Project”(2/4):作品・監督・助演男優・撮影
 ・『ゲット・アウト』(1/4):作品・監督・主演男優・脚本
 ・『スリー・ビルボード』(0/4):作品・主演女優・助演男優・脚本
 ・“Lady Bird”(1/4):監督・主演女優・助演女優・脚本
 ・“Phantom Thread”(1/3):助演女優・美術・作曲
 ・『猿の惑星: 聖戦記』(1/2):主演男優・作曲
 ・“The Big Sick”(0/2):助演女優・脚本
 ・“I,Tonya”(1/2):主演女優・助演女優
 ・『ワンダーストラック』(0/2):脚色・美術
 ・“Brimstone & Glory”(1/2):ドキュメンタリー・評価

 作品賞や主演男優賞はともかくとして、多くの部門で本命(または本命候補)が受賞しました。

 映画賞レース2017が始まって以来、ほとんどの部門で受賞者・受賞作品が日替わりで替わっていましたが、ようやく固まってきたようです。まだ予断を許さないところはありますが。

 下馬評でず~っと作品賞予想のトップだった『ダンケルク』は、米国アカデミー賞では無冠に終わる可能性もありそうです。

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 *当ブログ記事

 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2017 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201712/article_21.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2016 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_27.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_36.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_24.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_30.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_38.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_37.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_42.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_42.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_19.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_26.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_23.html
 ・サンフランシスコ映画批評家協会賞2008 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_27.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2017年9月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201708/article_31.html

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