サンフランシスコ国際映画祭2017 受賞結果!

 第60回サンフランシスコ国際映画祭(4月5日-19日)の受賞結果です。

 【サンフランシスコ国際映画祭】

 サンフランシスコ国際映画祭は、中断なしに続いている映画祭としては、アメリカで最も古い映画祭で、毎年、2週間の開催期間中に、50カ国以上から集まった200本を超える作品が上映されています。

 初期には、外国映画に対する脅威と、映画祭に出品することは作品をオスカーから遠ざけることになると恐れられて、ハリウッド・メジャーからの協力は得られなかった(Wikipedia)というようなこともあったようですが、現在では、外国映画の紹介と、劇場未公開作品を上映する場として、今では常連客7万人以上を誇る大きな映画祭になっています。

 コンペティション部門は、長編ドキュメンタリー部門と、新人監督部門である「ニュー・ディレクターズ部門」、そして短編部門の3つが柱となっています。

 そのほかのプログラムは、(特集などはあまりなくて)新作中心のラインナップになっていますが、東海岸(ニューヨーク)には、秋にニューヨーク映画祭とハンプトンズ国際映画祭、春にトライベッカ映画祭という大きな映画祭があるのに対し、西海岸はそれらに匹敵する映画祭がなく、したがって、これまで西海岸で上映されてこなかった新作・話題作が、一挙にここサンフランシスコ国際映画祭で上映されることになります。

 また、地元ベイエリアの映画作家たちへの支援と表彰や、映画産業に貢献したさまざまなジャンルの映画人への表彰にも力を入れています。

 本年度の受賞結果は、以下の通りです。

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 【ゴールデンゲート ニュー・ディレクターズ・コンペティション 長編ナラティヴ部門】

 ・“God’s Own Country”(英) 監督:Francis Lee
 ・“Godless”(ブルガリア・デンマーク・仏) 監督:Ralitza Petrova
 ・“Park”(ギリシャ・ポーランド) 監督:Sofia Exarchou [アメリカ・プレミア]
 ・“Heaven Sent”(仏・レバノン) 監督:Wissam Charaf
 ・“Duet”(イラン) 監督:Navid Danesh [北米プレミア]
 ・『よみがえりの樹』“Life After Life(枝繁葉茂)”(香港) 監督:チャン・ハンイ(Zhang Hanyi/張撼依)
 ・“The House of Tomorrow”(米) 監督:Peter Livolsi [ワールド・プレミア]
 ・“Everything Else”(メキシコ・米・仏) 監督:ナタリー・アマルダ(Natalia Almada)
 ・“The Human Surge”(アルゼンチン・ブラジル・ポルトガル) 監督:Eduardo Williams
 ・“The Wedding Ring”(ニジェール共和国・ブルキナファソ・仏) 監督:Rahmatou Keïta [アメリカ・プレミア]

 ※審査員:Bilge Ebiri(『ヴィレッジ・ヴォイス』映画批評家)、Holly Herrick(オースティン映画協会のFilm & Creative Mediaのヘッド)、Philippe Lesage(前回のニュー・ディレクターズ賞の受賞監督)

 ◆ゴールデンゲート賞(Golden Gate New Directors (Narrative Feature) Prize) $10,000
 ◎“Everything Else”(メキシコ・米・仏) 監督:Natalia Almada


 “Everything Else(Todo lo demás)”(メキシコ・米) 監督:ナタリー・アマルダ(Natalia Almada)
 物語:Doña Florは、35年間、政府のために事務員として働いてきた。職場には、何十人という職員がいて、彼女は彼らから書類を受け取り、そして手渡す。彼らにとって、彼女は機械のような見えない存在でしかない。彼女自身、見えない存在であることに慣れてしまってもいる。彼女にとって、心の安らぎは、プールに行って、子どもたちが泳ぐのを見、娘のことを思い出す時くらいだ。ある朝、彼女は、愛猫が夜中の間に死んだのを知る。愛猫を失ったことを受け入れることができず、いつも通りの生活を送ろうとしてもできなくなる。それどころか、娘を溺死させてしまった時の深い傷をこじ開けてしまう。プールで泳いで落ち着こうとするが、恐怖で体が麻痺してしまう。水への恐怖から自分の人生へと思い至る。ある日、シャワールームで、ひとりの女性が思いやりのあるシンプルなしぐさで、彼女の背中を流してくれる。それは、彼女を生き返らせてくれるようだった……。
 ニューヨーク映画祭2016出品。
 リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭2016出品。
 ローマ映画祭2016出品。
 モレリア国際映画祭2016 ヒューチャー・フィルム・コンペティション部門出品。女優賞(アドリアナ・バラーザ(Adriana Barraza))受賞。
 ムンバイ映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。
 マル・デル・プラタ国際映画祭2016 ラテンアメリカ・コンペティション部門出品。
 パームスプリングス国際映画祭2017 Cine Latino Awardスペシャル・メンション受賞。
 ヨーテボリ国際映画祭2017出品。
 ウィスコンシン映画祭2017出品。
 全州国際映画祭2017出品。


 【ゴールデンゲート 長編ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ・“In Loco Parentis (School Life)”(アイルランド・西) 監督:Neasa Ní Chianáin、David Rane
 ・“Donkeyote”(西・独・英) 監督:Chico Pereira
 ・“The Challenge”(仏・伊) 監督:ユーリ・アンカラーニ(Yuri Ancarani)
 ・『ハーフライフ・イン・フクシマ』“Half-Life in Fukushima”(スイス・仏) 監督:Mark Olexa、Francesca Scalisi [日本語(と英語の)作品]
 ・“Muhi:Generally Temporary”(イスラエル・独) 監督:Rina Castelnuovo-Hollander、Tamir Elterman [ワールド・プレミア]
 ・“The Cinema Travellers”(インド) 監督:Shirley Abraham、Amit Madheshiya
 ・“Brimstone & Glory”(米) 監督:Viktor Jakovleski
 ・“The Cage Fighter”(米) 監督:Jeff Unay [ワールド・プレミア]
 ・“The Force”(米) 監督:Peter Nicks
 ・“Serenade for Haiti”(米) 監督:Owsley Brown

 ※審査員:David Ansen(ジャーナリスト/映画プログラマー)、Nels Bangerter(映画編集技師)、Elena Fortes(Abulante and No Ficción設立者)

 ◆長編ドキュメンタリー賞(Mcbaine Documentary Feature Awards) $10,000
 ◎“Brimstone & Glory”(米) 監督:Viktor Jakovleski


 “Brimstone & Glory”(米) 監督:Viktor Jakovleski
 メキシコのトゥルテペックでは、世界でも類がないような「ナショナル花火祭り」(Feria Nacional de la Pirotecnia)が行なわれ、10万人もの観客を集めている。これは、花火職人の聖人San Juan de Diosに敬意を表した、文字通り燃えるようなお祭りで、1週間、トゥルテペックの町を呑み込む。職人たちは、熟練の腕を見せ、新人たちは新たに創り出した荒々しい技を披露する。また、カーニバル風の「お城」が作られて、火をつけられたり、数十のチームが、張り子の牛を作り、町の広場を練り歩いたりもする。人々は、この祭りに歓びとホンモノの危険を解き放つ。実際に、盛大な花火の陰では、救急車や救急隊が待機し、祭りの最終日には3度の火傷を負った人々で近くの医療機関はいっぱいになる。花火の町トゥルテペックでは、住人の4分の3が花火産業に関わっていて、この祭りのために1年かけて準備をする。本作では、GoProsやドーロンを駆使して、祭りの美しさを幅広くとらえ、夜空を燃え上がらせる火花や炎を通して、観る者にマジカルでシネマティックな旅を提供する。
 『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』のベン・ザイトリンがプロデューサーを務めている。
 True/False映画祭2017出品。
 サラソータ映画祭2017出品。
 HotDocsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。
 モントクレア映画祭2017出品。
 DocAviv/テルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。


 ◆ベイエリア長編ドキュメンタリー賞(McBaine Bay Area Documentary Feature Award) $5,000
 ◎“The Force”(米) 監督:Peter Nicks


 “The Force”(米) 監督:Pete Nicks
 カリフォルニア州オークランドは、全米でも治安がよくない都市として認識されている。連邦政府による、違法行為と人権侵害に関する10年以上にわたる監視の後、オークランド市長は、2013年にSean Whentを警察署長に任命した。彼は、理想主義者で、意欲があり、透明性を求める要望に応え、警察官と彼らが仕える市民の橋渡しを期待された。しかし、彼の任期が始まるやいなや、過去の不祥事が暴かれ、また新たな残虐行為やハラスメントも告発された。本作では、警察のあらゆることをドキュメントしている。スピード違反を捕えようとする警察車両の内部から、警察の危険な仕事まで、腐敗したイメージを払拭しようとしている部署から、急激に組織化された「ブラック・ライヴズ・マター」への対処まで。
 “The Waiting Room”の監督で、『フルートベール駅で』でセカンド・ユニットの撮影監督を務めたPete Nicksの監督最新作。
 サンダンス映画祭2017出品。監督賞受賞。
 True/False映画祭2017出品。
 CPH:DOX 2017出品。
 クリーヴランド国際映画祭2017出品。
 サラソータ映画祭2017出品。


 ◆審査員特別賞(Special Jury Prize)
 ◎“School Life(以前に発表されていたタイトル:In Loco Parentis)”(アイルランド・西) 監督:Neasa Ni Chianeáin、David Rane


 “School Life”(アイルランド・西) 監督:Neasa Ni Chianeáin、David Rane
 ヘッドフォード・スクールは、7歳から12歳の児童のための、アイルランドで唯一の寄宿学校である。ジョンとアマンダは、ここの教師で、20年前にここで出会い、結婚して、今もここで暮らしている。一方は、音楽とラテン語と算数を教え、もう一方は文学の担当をし、生徒指導も行なっている。現在の校長は、ここの出身者で、ジョンの昔の生徒だ。彼らの仕事は長く、何年も続いている。今、彼らは、ここでの仕事を終えるべく、準備を進めている。
 アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭2016出品。
 サンダンス映画祭2017出品。
 アイルランド・アカデミー賞2017 長編ドキュメンタリー賞ノミネート。
 DocAviv/テルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。


 【短編部門】

 ※審査員:Jeffrey Bowers(Vimeoシニア・キュレーター)、Inkoo Kang(ジャーナリスト)、David Reilly(映画キュレーター).

 ◆最優秀ナラティヴ・ショート $2,000
 ◎“Univitellin”(仏) 監督:テレンス・ナンス(Terence Nance)
 物語:現代のマルセイユ。Aminataは、アフロ美容室で美容師として働いていて、Badaraは、メカニックとして働いている。2人は、バスの中で出会い、真っ逆さまに恋に落ちる。恋をしている時、人生は素晴らしいと感じるが、不幸にも彼らの運命は既に閉ざされていた……。クラシックな「ロミオとジュリエット」ものだが、決して古臭くはなく、フレッシュでカラフルで、並外れて印象的に改訂されている。
 ロッテルダム国際映画祭2016出品。
 ニューヨーク映画祭2016出品。
 タコマ映画祭2016出品。
 ウプサラ国際短編映画祭2016出品。
 AFIフェスト2016出品。
 モンス国際ラヴ映画祭2017出品。
 FEC映画祭(レウス・ヨーロッパ短編映画祭)2017出品。



 ◆審査員特別賞 $2,000
 ◎“A Brief History of Princess X”(ポルトガル・仏・英) 監督:Gabriel Abrantes
 彫刻家コンステンティン・ブランクーシは、ナポレオン1世の弟の孫マリー・ボナパルトの胸像を依頼されながら、「プリンセスX」としてブロンズの男根を制作する。こうして、初期モダニズム、精神分析医の登場、女性のセクシュアリティーに関する初歩的な研究を含む、生き生きとした歴史的なツアーが展開される。
 ロカルノ国際映画祭2016出品。
 トロント国際映画祭2016 SHORT CUTS部門出品。
 ミラノ映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ニューヨーク映画祭2016出品。
 ブレスト短編映画祭2016出品。
 AFIフェスト2016出品。
 ブカレスト国際実験映画祭2017出品。


 ◆最優秀ドキュメンタリー・ショート $2,000
 ◎“The Rabbit Hunt”(米) 監督:Patrick X Bresnan
 フロリダのエバーグレーズのサトウキビ畑は、収穫前に余分な葉を落とすために、火がつけられる。17歳のクリスと彼の家族は、毎週末、そこにでかけて、ウサギ狩りをする。
 サンダンス映画祭2017出品。
 ベルリン国際映画祭2017 短編コンペティション部門出品。
 SXSW映画祭2017 最優秀テキサス・ショート受賞。
 フロリダ映画祭2017出品。
 モントクレア映画祭2017出品。


 ◆最優秀アニメーション・ショート $2,000
 ◎“Hot Dog Hands”(米) 監督:Matt Reynolds
 物語:この女性は、新しい指がどんどん生えてくるのを止めることができない。
 SXSW映画祭2017出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2017卒業制作コンペティション部門出品。


 ◆最優秀ニュー・ヴィジョン・ショート $1,500
 ◎“Turtles Are Always Home(Sokun Al Sulhufat)”(カタール・レバノン・カナダ) 監督:Rawane Nassif
 2006年に私はレバノンを離れた。それから10年の間に、私は、7つの国、10の都市、21の家で暮らし、21のベッドで眠り、21のキッチンで料理をし、21のバスルームを掃除し、21の机で書き、21のドアに鍵をかけた。私は、2つのスーツケースと1つのバックパックに全財産を詰め込んだ。みんな過去に流れ去った。どこかで誰かが私のベッドで眠り、どこかで誰かが私の靴を履き、どこかの誰かは断片的に私の足跡を覚えているかもしれない。
 かつて私はそこにいて、今、私はここカタールにいる。ここにはベニスに似たカラフルな家が立ち並ぶ。
 家もまた記憶を有している。それは、窓敷居の下に隠され、幾層にも塗られたペンキの中に押し込められ、時々は通り過ぎる鳥たちに囁きかけたりする。家がしまい込んでいるのは誰の記憶だろう。私はここに住んでいるが、軌跡をたどることはできない。私は、壁にすり寄り、汚し、跡を残そうとするが失敗する。それらはいつもきれいなままで、見られ、守られている。その代わり私はそれらを撫で、撮影する。私のことを忘れないように。
 家は心がある場所だという人がいるかもしれない。私は反対だ。私の心はどこにでもある。音楽とともに。カメのように、私がいるところがどこでも家なのだ。
 ベルリン国際映画祭2017 フォーラム・エクスパンデッド部門出品。
 DOXAドキュメンタリー映画祭2017出品。
 ドキュメンタ・マドリッド2017出品。


 ◆最優秀ベイエリア・ショート 第1席 $1,500
 ◎“In the Wake of Ghost Ship”(米) 監督:Jason Blalock
 2016年12月2日、カリフォルニア州オークランドの倉庫「ゴーストシップ」で火災が起き、36人の死者を出した。「ゴーストシップ」は、芸術家のアトリエやイベントスペース、住居として使われていて、当日は、パーティーが行なわれ、たくさんの人々が参加していた。事件後、こうした建物とその利用の仕方や安全性について、多くの議論が巻き起こった。その後、ベイエリアで同様の使われ方をしている建物に対して、役人による立ち入り検査(住人に対しては立ち退き命令)が行なわれている。


 ◆最優秀ベイエリア・ショート 第2席 $1,000
 ◎“American Paradise”(米) 監督:Joe Talbot
 物語:トランプ時代のアメリカで、社会から忘れられている男が、完全犯罪によって、運命を変えようとする。事実に基づく物語(実際に事件が起こったのは5年前)。真のパラダイスとはどんなものか、今のアメリカはどのように見えているのかが問われる。
 サンダンス映画祭2017出品。
 SXSW映画祭2017出品。
 モントクレア映画祭2017出品。


 【ファミリー映画部門】

 ◆ゴールデンゲート賞(Golden Gate Award For Family Film) $1,000
 ◎“Valley of a Thousand Hills”(南ア・英) 監督:Jess Colquhoun
 南アフリカのダーバンに近いIsithumbaという村で、Indigo Skate Campが行なわれている。これは、南アメリカのプロスケーターDallas Oberholzerによってはじめられたプログラムで、スケートボードとともに、子どもたちに、自信と健康と安全性とアートと音楽を教え、子どもたちのフォーマルな教育をサポートし、他の地域の若者との断絶に取り組むことを目的としている。今、30-40人のズールーの若者がこのプログラムに参加している。南アでは、人種間の関係に問題があり、大都市の外部では異なるコミュニティーが完全に分断されている。そうした現状に対し、Indigo Skate Campでは、異なる背景を持つ若者がともに活動する機会を与えている。



 ◆審査員特別賞
 ◎『サマーキャンプ・アイランド』“Summer Camp Island”(米) 監督:ジュリア・ポット(Julia Pott)
 物語:「オスカーと親友のハリネズミはサマーキャンプから脱落したばかり。ある日両親全員が島を離れることになり、眠っていたヘンなことたちが顔を覗かせはじめる。宇宙人は本当にいるし、馬はユニコーンに変わるし、ベッドの下にはモンスターがいる!」
 『ベリー』(おなか) “Belly”のジュリア・ポット監督最新作。
 トロント国際映画祭2016 SHORT CUTS部門出品。
 ファンタスティック・フェスト2016出品。
 フィラデルフィア映画祭2016出品。
 新千歳空港国際アニメーション映画祭2016 インターナショナル・コンペティション ファミリー部門出品。
 AFIフェスト2017出品。短編アニメーション賞 審査員スペシャル・メンション受賞。
 サンダンス映画祭2017出品。
 SXSW映画祭2017出品。
 イマジン映画祭2017出品。
 トライベッカ映画祭2017出品。


 【ユース・ワーク部門】

 ※審査員:ベイエリア高校の学生+スーパーバイザー

 ◆ゴールデンゲート賞(Golden Gate Award For Youth Work) $1,000
 ◎“Cycle”(米) 監督:Caleb Wild

 【ブレイクスルー・テクノロジー部門】

 テクノロジーやイノベーションの利用や提示(display)が審査対象となる。

 ◆ブレイクスルー・テクノロジー賞(Google Breakthrough In Technology Award) $500
 ◎“N.O.VI.S.”(フィリピン) 監督:Arthur Rodger ‘Harley’ Maranan

 【観客賞】

 ◆長編ナラティヴ部門(The Audience Award for Best Narrative Feature)
 ◎『エンドレス・ポエトリー』“Endless Poetry”(チリ・日・仏) 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
 ◎“Patti Cake$”(米) 監督:Geremy Jasper

 “Patti Cake$”(米) 監督:Geremy Jasper
 出演:Danielle Macdonald、ブリジット・エヴェレット(Bridget Everett)、Siddharth Dhananjay、マモウドウ・アシー(Mamoudou Athie)、キャシー・モリアーティ(Cathy Moriarty)
 物語:Patricia Dombrowskiは、友人からはKilla P、彼女を嫌う者からはダンボと呼ばれている。彼女は、酒飲みの母親Barbと車椅子の祖母ナナと一緒にニュージャージーに暮らしている。パティーは、ヒップホップで成功することを夢見ているが、働いているバーのボスは時間をくれないし、母はパティーが稼いだお金を飲んでしまっていた。そういう母も、かつては将来を期待されたミュージシャンだったのだが、パティーを身ごもって諦めてしまい、パティーの音楽の才能に期待しているところがあった。Hareeshは、パティーの唯一の友人で、ガソリンスタンドのパーキングで、パティーとライバルのラップ・バトルを組む。パティーとHareeshは、自分たちのステージ・タイムを手に入れられないかと考えていた。Hareeshは、献身的な友だちというだけで、恋愛の対象ではなかったので、その点で、パティーには、地元のピザ・パーラーで働くドラッグ・ディーラーや、アンチクライストを名乗るパック・ロッカー、バスタードが入り込む余地があった。結果的に、パティーとHareeshとバスタードでグループPBNJを組むことになり、自分たちの持ち歌がほしいと考える。数曲が出来上がった時点で、デモ・アルバムを録音した彼らは、お披露目の場所を探す。Hareesh がようやく見つけたのは、Cheetersという名のストリップ・ホールだった。そこは、ショッピング・モールや彼らがいつも休んでいる道端のダイナーよりはましかなというような場所だった……。
 ミュージック・ビデオの監督Geremy Jasperの初監督長編。
 サンダンス映画祭2017出品。
 「ヴァラエティー」誌が選ぶ観るべき10人の監督たち2017。
 SXSW映画祭2017出品。
 ウィスコンシン映画祭2017出品。
 ミネアポリス・セントポール国際映画祭2017出品。
 ナッシュヴィル映画祭2017出品。
 モントクレア映画祭2017出品。
 カンヌ国際映画祭2017 監督週間出品。



 ◆ドキュメンタリー部門(The Audience Award for Best Documentary Feature)
 ◎“Dolores”(米) 監督:Peter Bratt
 ◎“Muhi:Generally Temporary”(イスラエル・独) 監督:Tamir Elterman

 “Dolores”(米) 監督:Peter Bratt
 セサール・チャベスとともにアメリカで最初の農場労働者の組合を設立し、アメリカの労働運動、人権運動、フェミニズムに大きく貢献した活動家ドロレス・フエルタ(Dolores Huerta:1930- )に関するドキュメンタリー。3度結婚し、11人の子どもたちを育て、性的な偏見と闘い、組合運動で敗北と勝利を経験し、1988年にはG・W・ブッシュ大統領候補に対して平和的な抗議活動をして、サンフランシスコ警察の警官に殴られ、瀕死の重傷を負った……。彼女は、今、新しいフェミニズムと人種的階級的平等を結びつけたヴィジョンを提唱している。
 サンダンス映画祭2017出品。
 リバーラン国際映画祭2017出品。
 アシュランド・インディペンデント国際映画祭2017出品。
 クリーヴランド国際映画祭2017出品。
 モントクレア映画祭2017出品。
 HotDocsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。


 “Muhi:Generally Temporary”(イスラエル・独) 監督:Tamir Elterman
 Muhiは、ムハンマドに対して、短く言う時の呼び名である。Muhiは、ガザ地区のパレスチナ人の幼児で、感染症にかかって、イスラエルの病院に緊急搬送された。彼は、四肢を切断され、骨髄移植を待つ。Muhiに対するケアはガザでは受けることができず、ガザに帰ることは死を意味する。イスラエルの法律で、つきそいは55歳以上と決められていて、この場合は、祖父のAbu Naimであった。Abu Naimの身分は、イスラエル当局によって審査され、ビザを持たない彼は、病院から出ることも許されない。2つの国と2つの家。Muhiをめぐる状況は、現在のイスラエルとパレスチナを象徴している。MuhiとAbu Naimは、身動きが取れない状況で7年を過ごす。その間、Muhiは、義手義足をつけ、ヘブライ語とアラビア語を覚えたが、Abu Naimは、頭のケガが原因で死んでしまった息子に会いに行くこともできなかった。
 HotDocsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭2017出品。


 【特別賞・名誉賞】

 ◆Mel Novikoff Award
 サンフランシスコの興行主Mel Novikoff (1922–87)にちなみ、ベイエリアの映画コミュニティーに大きな貢献をした個人もしくは団体に贈られる。
 ◎トム・ラディ(Tom Luddy:映画プロデューサー)


 ◆ヴィジョンの持続賞(Persistence of Vision Award)
 ドキュメンタリー、短編作品、アニメーション、テレビ作品などを手がけるフィルムメーカーへ、生涯貢献賞として贈られる。
 ◎リン・ハーシュマン=リーソン(Lynn Hershman Leeson:美術家/フィルムメイカー)


 ◆The George Gund III Craft of Cinema Award
 映画の技術部門に著しい貢献をした人物に贈られる。
 ◎エレノア・コッポラ
 監督として関わった『ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録』(1991)から初監督長編『ボンジュール、アン!』(2016)までの活動に対して。


 ◆トリビュート
 ◎ジェームズ・アイヴォリー


 ◆トリビュート
 ◎ジョン・リドリー


 ◆トリビュート
 ◎イーサン・ホーク


 ◆トリビュート
 ◎シャー・ルク・カーン


 ◆トリビュート
 ◎Gordon Gund(慈善家/コミュニティー・リーダー)

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 “Patti Cake$”は、カンヌの監督週間に選出され、ここでも観客賞を受賞しました。
 「ヴァラエティー」誌が選ぶ観るべき10人の監督たち2017には選ばれているものの、サンダンスでは、無冠に終わった“Patti Cake$”は、ひょっとすると2017年を代表するアメリカン・インディーズの1本ということになるでしょうか。

 アメリカでの劇場公開は7月で、フォックス・サーチライト・ピクチャーズが全米配給を手がけることが決定しているので、(過去のサンダンス・プレミア作品のいくつかのように)これから大化けすることになるかもしれません。

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 *当ブログ記事

 ・サンフランシスコ国際映画祭2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201605/article_9.html
 ・サンフランシスコ国際映画祭2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_17.html
 ・サンフランシスコ国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_22.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2017年2月~2017年9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201702/article_35.html

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