米・製作者組合賞(PGA)2017 映画部門 ノミネーション発表!
第28回米・製作者組合賞(PGA)の、映画部門のノミネーションと、未発表だったドキュメンタリー部門のノミネート対象者が発表になりました。(1月10日)
◆ダリル・F・ザナック賞/劇場公開映画プロデューサー賞(The Darryl F. Zanuck Award For Outstanding Producer of Theatrical Motion Pictures)
・『メッセージ』(米) 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
プロデューサー:ダン・レヴィン(Dan Levine)、ショーン・レヴィ(Shawn Levy)、アーロン・ライダー(Aaron Ryder)、デイヴィッド・リンド(David Linde)
全員初ノミネート。ショーン・レヴィは、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でノーマン・フェルトン賞/最優秀テレビ-ドラマ・プロデューサー賞にもノミネート。
・『デッドプール』
プロデューサー:サイモン・キンバーグ、ライアン・レイノルズ、ローレン・シュラー・ドナー(Lauren Shuler Donner)
サイモン・キンバーグは、前回『オデッセイ』でノミネートされていて、2年連続2回目のノミネート。他は初ノミネート。
・“Fences”(米) 監督:デンゼル・ワシントン
プロデューサー:スコット・ルーディン、デンゼル・ワシントン、Todd Black
スコット・ルーディンは、10回目のノミネート。2008年に『ノーカントリー』で受賞。2011年にデイヴィッド・O・ゼルズニック賞受賞。
デンゼル・ワシントンは、2003年に『きみの帰る場所 アントワン・フィッシャー』でスタンリー・クレイマー賞受賞。Todd Blackは、2003年(『きみの帰る場所 アントワン・フィッシャー』)と2008年(『グレート・ディベーター 栄光の教室』)にスタンリー・クレイマー賞受賞。
・“Hacksaw Ridge”(オーストラリア・米) 監督:メル・ギブソン
プロデューサー:ビル・メカニック(Bill Mechanic)、デイヴィッド・パーミュット(David Permut)
ビル・メカニックは、『コララインとボタンの魔女』でノミネート。デイヴィッド・パーミュットは2010年に“Prayers for Bobby”でDavid L. Wolper賞/ロングフォーム番組プロデューサー賞ノミネート。
・『最後の追跡』“Hell or High Water”(米) 監督:デイヴィッド・マッケンジー
プロデューサー:カーラ・ハッケン(Carla Hacken)、ジュリー・ヨーン(Julie Yorn)
ともに初ノミネート。
・“Hidden Figures”(米) 監督:セオドア・メルフィ
プロデューサー:ドナ・ジグリオッティ(Donna Gigliotti)、ピーター・チャーニン(Peter Chernin)、ジェンノ・トッピング(Jenno Topping)、ファレル・ウィリアムズ、セオドア・メルフィ
ドナ・ジグリオッティは、『世界でひとつのプレイブック』でノミネートされて以来4年ぶり3回目のノミネート。他は初ノミネート。
・『ラ・ラ・ランド』(米) 監督:デイミアン・チャゼル
プロデューサー:Fred Berger、ジョーダン・ホロウィッツ(Jordan Horowitz)、マーク・プラット
マーク・プラットは、前回『ブリッジ・オブ・スパイ』でノミネートされていて2年連続3回目のノミネート。他は初ノミネート。
・『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(オーストラリア・英・米) 監督:ガース・デイヴィス
プロデューサー:エミール・シャーマン(Emile Sherman)、イアン・カニング(Iain Canning)、Angie Fielder
エミール・シャーマンとイアン・カニングは、3年ぶり3回目のノミネート。ともに2011年に『英国王のスピーチ』で受賞。Angie Fielderは初ノミネート。
・『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(米) 監督:ケネス・ロナーガン
プロデューサー:マット・デイモン、キンバリー・スチュワード(Kimberly Steward)、クリス・ムーア(Chris Moore)、ローレン・ベック(Lauren Beck)、ケヴィン・J・ウォルシュ(Kevin Walsh)
マット・デイモンとクリス・ムーアは、13年ぶり3回目のノミネート。他は初ノミネート。
・『ムーンライト』(米) 監督:バリー・ジェンキンス
プロデューサー:アデル・ロマンスキー(Adele Romanski)、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー
アデル・ロマンスキーは、初ノミネート。
デデ・ガードナーは、2年連続4回目のノミネート。『それでも夜は明ける』と『マネー・ショート 華麗なる大逆転』で受賞。2015年にヴィジョナリー賞受賞。2014年に“The Normal Heart”でスタンリー・クレイマー賞受賞。
ジェレミー・クライナーは、2年連続3回目のノミネート。ノミネートされたすべて(『それでも夜は明ける』、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』)で受賞。2015年にヴィジョナリー賞受賞。
*『ラビング 愛という名前のふたり』、『ハドソン川の奇跡』、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』、“Nocturnal Animals”、『沈黙 -サイレンス- 』などが落選。
◆最優秀アニメーション・プロデューサー賞(The Award For Outstanding Producer of Animated Theatrical Motion Pictures)
・『ファインディング・ドリー』
プロデューサー:リンゼイ・コリンズ(Lindsey Collins)
リンゼイ・コリンズは初ノミネート。
・“Kubo and the Two Strings”(米) 監督:トラヴィス・ナイト
プロデューサー:Arianne Sutner、トラヴィス・ナイト
ともに『パラノーマン ブライス・ホローの謎』でノミネートされて以来4年ぶり2回目のノミネート。
・『モアナと伝説の海』(米) 監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
プロデューサー:オスナット・シューラー(Osnat Shurer)
初ノミネート。
・『ペット』
プロデューサー:クリス・メレダンドリ(Chris Meledandri)、ジャネット・ヒーリー(Janet Healy)
クリス・メレダンドリは、前回『ミニオンズ』でノミネートされていて、2年連続4回目のノミネート。2014年にヴィジョナリー賞受賞。
ジャネット・ヒーリーは、前回『ミニオンズ』でノミネートされていて、2年連続4回目のノミネート。
・『ズートピア』
プロデューサー:クラーク・スペンサー(Clark Spencer)
クラーク・スペンサーは、4年ぶり3回目のノミネート。2013年に『シュガー・ラッシュ』で受賞。
*“Trolls”、『SING/シング』、『ソーセージ・パーティー』などが落選。
◆ドキュメンタリー劇場公開作品 プロデューサー賞(The Award for Outstanding Producer of Documentary Theatrical Motion Pictures)
2016年11月22日にノミネーションが発表になっていますが、今回、対象者が発表になりました。
・“Dancer”(英・米・ロシア) 監督:スティーヴン・カンター(Steven Cantor)
プロデューサー:ガブリエル・ターナ(Gabrielle Tana)
ともに初ノミネート。
・“The Eagle Huntress”(英・モンゴル・米) 監督:Otto Bell
プロデューサー:Stacey Reiss、Otto Bell
ともに初ノミネート。
・『ぼくと魔法の言葉たち』“Life, Animated”(米) 監督:ロジャー・ロス・ウィリアムス(Roger Ross Williams)
プロデューサー:ジュリー・ゴールドマン(Julie Goldman)、ロジャー・ロス・ウィリアムス
ジュリー・ゴールドマンは、3年ぶり3回目のノミネート。ロジャー・ロス・ウィリアムスは初ノミネート。
・“O.J.: Made in America”(米) 監督:Ezra Edelman
プロデューサー:Ezra Edelman、Caroline Waterlow
ともに初ノミネート。
・“Tower”(米) 監督:Keith Maitland
プロデューサー:Keith Maitland、Susan Thomson、Megan Gilbride
すべて初ノミネート。
【特別賞・名誉賞】
◆ヴィジョナリー賞
◎ミーガン・エリソン(Megan Ellison)
『トゥルー・グリッド』、『ザ・マスター』、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『her/世界でひとつの彼女』、『アメリカン・ハッスル』、『フォックス・キャッチャー』、『トッド・ソロンズの子犬物語』、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』、『ソーセージ・パーティー』、“20th Century Women”などを製作。
◆スタンリー・クレイマー賞
社会問題にスポットライトを当てた作品に贈られる。
◎『ラビング 愛という名前のふたり』:ゲド・ドハティ(Ged Doherty)、コリン・ファース、サラ・グリーン(Sarah Green)、Nancy Buirski、マーク・タートルトーブ(Marc Turtletaub)、ピーター・サラフ(Peter Saraf)
◆マイル・ストーン賞
エンタテインメント産業に歴史的な貢献をした人物に贈られる。米・製作者組合賞(PGA)の最高賞。
◎トム・ロスマン(Tom Rothman)
フォックス・サーチライト・ピクチャーズを立ち上げるなど長らく20世紀フォックス・グループで活躍し、2013年に退任。近年はトライスター・ピクチャーズのチェアマンを務めた。
◆デイヴィッド・O・ゼルズニック賞/生涯貢献賞映画部門(The David O. Selznick Achievement Award)
◎アーウィン・ウィンクラー
◆ノーマン・レア賞/生涯貢献賞テレビ部門(The Norman Lear Achievement Award in Television)
◎ジェームズ・L・ブルックス
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◆映画部門について
映画部門のノミネーションに関して、米国アカデミー賞との関連性を見てみると、ノミネート作品数が10本(~最大10本)になったこの7年について見てみると―
2010年は10本中8本が同じ
2011年は10本中9本が同じ
2012年は9本中7本が同じ(PGAのノミネーションは10本)
2013年は9本中8本が同じ
2014年は9本中8本が同じ
2015年は8本中7本が同じ
2016年は8本中7本が同じ
になっています。
米国アカデミー賞作品賞には、上記の中から『デッドプール』あたりが落ちて、『ラビング 愛という名前のふたり』、『ハドソン川の奇跡』、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』、“Nocturnal Animals”、『沈黙 -サイレンス- 』などからノミネートされることもありそうです。
受賞結果では、過去27回で、米国アカデミー賞と一致したのは19回で、この回数を一致度が高いと見るか、それほどでもないと見るかは、微妙なところですが、2008年~2015年8年連続で一致していて、そのデータの方がより重要視されるかもしれません。
米・製作者組合賞(PGA)は、米国アカデミー賞への流れを変える、あるいは、流れの変化を教えてくれる映画賞として重要視されていて―
2011年は、PGA発表前は、『ソーシャル・ネットワーク』が文句なしに作品賞の本命でしたが、PGAで『英国王のスピーチ』が受賞したことで流れががらっと変わってしまっています(というか、流れが変わったことをPGAが教えてくれたと言うべきかもしれません)。
2012年は、『アーティスト』が作品賞に本命視されていながら、外国映画であることで本当に受賞できるかどうか確信が持てなかったところ、PGAを受賞したことで、作品賞受賞をより確実なものにしました。
2013年は、有力視された『アルゴ』と『ゼロ・ダーク・サーティ』が米国アカデミー賞監督賞にノミネートされなかったことで、作品賞の行方がどうなるのか注目されましたが、PGAで『アルゴ』が受賞して、米国アカデミー賞作品賞受賞への流れを作っています。
2014年は、『それでも夜は明ける』が安定した評価を得ていたのが、PGAでは『ゼロ・グラビティ』とのダブル受賞となり、米国アカデミー賞作品賞はどうなるか、予想がつかなくなったところで、最終的に『それでも夜は明ける』が米国アカデミー賞作品賞を獲るという結果になりました。
2015年は、ずっと『6才のボクが、大人になるまで。』が作品賞の本命だったのが、PGAで『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が受賞し、それまでの流れが一気に変わりました。
2016年は、混戦で、いろんな指標やデータがある中、PGAで『マネー・ショート 華麗なる大逆転』が受賞して、作品賞の行方はますますわからなくなりました。
本年度は、全米映画賞レース的には3強、作品賞だけ見れば、『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』の一騎打ちになっていますが、米・製作者組合賞(PGA)で受賞した作品が、米国アカデミー賞作品賞への流れを強く押し進めることになるのは間違いありません。
◆アニメーション部門について
受賞結果に関しては、過去11年のデータでは、米国アカデミー賞長編アニメーション賞とは、7回一致しています。
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第28回米・製作者組合賞(PGA)の授賞式は、1月28日です。
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*当ブログ記事
・米・製作者組合賞(PGA)2017 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_39.html
・米・製作者組合賞(PGA)2017 テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_24.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 映画部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_14.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_28.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_87.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_51.html
・米・製作者組合賞(PGA)2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_30.html
・米・製作者組合賞(PGA)2015 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_2.html
・米・製作者組合賞(PGA)2014 長編映画部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_3.html
・米・製作者組合賞(PGA)2014 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_39.html
・米・製作者組合賞(PGA)2014 テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_11.html
・米・製作者組合賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_60.html
・米・製作者組合賞2013 映画部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_2.html
・米・製作者組合賞2013 ドキュメンタリー部門&テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_2.html
・米・製作者組合賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_63.html
・米・製作者組合賞2012 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_5.html
・米・製作者組合賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_4.html
・米・製作者組合賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_43.html
・米・製作者組合賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_8.html
・米・製作者組合賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_42.html
・米・製作者組合賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_4.html
・米・製作者組合賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_40.html
・米・製作者組合賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_4.html
・米・製作者組合賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_32.html
・全米映画賞レース2016 前半戦の受賞結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_86.html
・全米映画賞レース2016 後半戦の受賞結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_2.html
・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2016年12月~2017年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_1.html
追記:
・米・製作者組合賞(PGA) 2017 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_77.html
◆ダリル・F・ザナック賞/劇場公開映画プロデューサー賞(The Darryl F. Zanuck Award For Outstanding Producer of Theatrical Motion Pictures)
・『メッセージ』(米) 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
プロデューサー:ダン・レヴィン(Dan Levine)、ショーン・レヴィ(Shawn Levy)、アーロン・ライダー(Aaron Ryder)、デイヴィッド・リンド(David Linde)
全員初ノミネート。ショーン・レヴィは、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でノーマン・フェルトン賞/最優秀テレビ-ドラマ・プロデューサー賞にもノミネート。
・『デッドプール』
プロデューサー:サイモン・キンバーグ、ライアン・レイノルズ、ローレン・シュラー・ドナー(Lauren Shuler Donner)
サイモン・キンバーグは、前回『オデッセイ』でノミネートされていて、2年連続2回目のノミネート。他は初ノミネート。
・“Fences”(米) 監督:デンゼル・ワシントン
プロデューサー:スコット・ルーディン、デンゼル・ワシントン、Todd Black
スコット・ルーディンは、10回目のノミネート。2008年に『ノーカントリー』で受賞。2011年にデイヴィッド・O・ゼルズニック賞受賞。
デンゼル・ワシントンは、2003年に『きみの帰る場所 アントワン・フィッシャー』でスタンリー・クレイマー賞受賞。Todd Blackは、2003年(『きみの帰る場所 アントワン・フィッシャー』)と2008年(『グレート・ディベーター 栄光の教室』)にスタンリー・クレイマー賞受賞。
・“Hacksaw Ridge”(オーストラリア・米) 監督:メル・ギブソン
プロデューサー:ビル・メカニック(Bill Mechanic)、デイヴィッド・パーミュット(David Permut)
ビル・メカニックは、『コララインとボタンの魔女』でノミネート。デイヴィッド・パーミュットは2010年に“Prayers for Bobby”でDavid L. Wolper賞/ロングフォーム番組プロデューサー賞ノミネート。
・『最後の追跡』“Hell or High Water”(米) 監督:デイヴィッド・マッケンジー
プロデューサー:カーラ・ハッケン(Carla Hacken)、ジュリー・ヨーン(Julie Yorn)
ともに初ノミネート。
・“Hidden Figures”(米) 監督:セオドア・メルフィ
プロデューサー:ドナ・ジグリオッティ(Donna Gigliotti)、ピーター・チャーニン(Peter Chernin)、ジェンノ・トッピング(Jenno Topping)、ファレル・ウィリアムズ、セオドア・メルフィ
ドナ・ジグリオッティは、『世界でひとつのプレイブック』でノミネートされて以来4年ぶり3回目のノミネート。他は初ノミネート。
・『ラ・ラ・ランド』(米) 監督:デイミアン・チャゼル
プロデューサー:Fred Berger、ジョーダン・ホロウィッツ(Jordan Horowitz)、マーク・プラット
マーク・プラットは、前回『ブリッジ・オブ・スパイ』でノミネートされていて2年連続3回目のノミネート。他は初ノミネート。
・『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(オーストラリア・英・米) 監督:ガース・デイヴィス
プロデューサー:エミール・シャーマン(Emile Sherman)、イアン・カニング(Iain Canning)、Angie Fielder
エミール・シャーマンとイアン・カニングは、3年ぶり3回目のノミネート。ともに2011年に『英国王のスピーチ』で受賞。Angie Fielderは初ノミネート。
・『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(米) 監督:ケネス・ロナーガン
プロデューサー:マット・デイモン、キンバリー・スチュワード(Kimberly Steward)、クリス・ムーア(Chris Moore)、ローレン・ベック(Lauren Beck)、ケヴィン・J・ウォルシュ(Kevin Walsh)
マット・デイモンとクリス・ムーアは、13年ぶり3回目のノミネート。他は初ノミネート。
・『ムーンライト』(米) 監督:バリー・ジェンキンス
プロデューサー:アデル・ロマンスキー(Adele Romanski)、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー
アデル・ロマンスキーは、初ノミネート。
デデ・ガードナーは、2年連続4回目のノミネート。『それでも夜は明ける』と『マネー・ショート 華麗なる大逆転』で受賞。2015年にヴィジョナリー賞受賞。2014年に“The Normal Heart”でスタンリー・クレイマー賞受賞。
ジェレミー・クライナーは、2年連続3回目のノミネート。ノミネートされたすべて(『それでも夜は明ける』、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』)で受賞。2015年にヴィジョナリー賞受賞。
*『ラビング 愛という名前のふたり』、『ハドソン川の奇跡』、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』、“Nocturnal Animals”、『沈黙 -サイレンス- 』などが落選。
◆最優秀アニメーション・プロデューサー賞(The Award For Outstanding Producer of Animated Theatrical Motion Pictures)
・『ファインディング・ドリー』
プロデューサー:リンゼイ・コリンズ(Lindsey Collins)
リンゼイ・コリンズは初ノミネート。
・“Kubo and the Two Strings”(米) 監督:トラヴィス・ナイト
プロデューサー:Arianne Sutner、トラヴィス・ナイト
ともに『パラノーマン ブライス・ホローの謎』でノミネートされて以来4年ぶり2回目のノミネート。
・『モアナと伝説の海』(米) 監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
プロデューサー:オスナット・シューラー(Osnat Shurer)
初ノミネート。
・『ペット』
プロデューサー:クリス・メレダンドリ(Chris Meledandri)、ジャネット・ヒーリー(Janet Healy)
クリス・メレダンドリは、前回『ミニオンズ』でノミネートされていて、2年連続4回目のノミネート。2014年にヴィジョナリー賞受賞。
ジャネット・ヒーリーは、前回『ミニオンズ』でノミネートされていて、2年連続4回目のノミネート。
・『ズートピア』
プロデューサー:クラーク・スペンサー(Clark Spencer)
クラーク・スペンサーは、4年ぶり3回目のノミネート。2013年に『シュガー・ラッシュ』で受賞。
*“Trolls”、『SING/シング』、『ソーセージ・パーティー』などが落選。
◆ドキュメンタリー劇場公開作品 プロデューサー賞(The Award for Outstanding Producer of Documentary Theatrical Motion Pictures)
2016年11月22日にノミネーションが発表になっていますが、今回、対象者が発表になりました。
・“Dancer”(英・米・ロシア) 監督:スティーヴン・カンター(Steven Cantor)
プロデューサー:ガブリエル・ターナ(Gabrielle Tana)
ともに初ノミネート。
・“The Eagle Huntress”(英・モンゴル・米) 監督:Otto Bell
プロデューサー:Stacey Reiss、Otto Bell
ともに初ノミネート。
・『ぼくと魔法の言葉たち』“Life, Animated”(米) 監督:ロジャー・ロス・ウィリアムス(Roger Ross Williams)
プロデューサー:ジュリー・ゴールドマン(Julie Goldman)、ロジャー・ロス・ウィリアムス
ジュリー・ゴールドマンは、3年ぶり3回目のノミネート。ロジャー・ロス・ウィリアムスは初ノミネート。
・“O.J.: Made in America”(米) 監督:Ezra Edelman
プロデューサー:Ezra Edelman、Caroline Waterlow
ともに初ノミネート。
・“Tower”(米) 監督:Keith Maitland
プロデューサー:Keith Maitland、Susan Thomson、Megan Gilbride
すべて初ノミネート。
【特別賞・名誉賞】
◆ヴィジョナリー賞
◎ミーガン・エリソン(Megan Ellison)
『トゥルー・グリッド』、『ザ・マスター』、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『her/世界でひとつの彼女』、『アメリカン・ハッスル』、『フォックス・キャッチャー』、『トッド・ソロンズの子犬物語』、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』、『ソーセージ・パーティー』、“20th Century Women”などを製作。
◆スタンリー・クレイマー賞
社会問題にスポットライトを当てた作品に贈られる。
◎『ラビング 愛という名前のふたり』:ゲド・ドハティ(Ged Doherty)、コリン・ファース、サラ・グリーン(Sarah Green)、Nancy Buirski、マーク・タートルトーブ(Marc Turtletaub)、ピーター・サラフ(Peter Saraf)
◆マイル・ストーン賞
エンタテインメント産業に歴史的な貢献をした人物に贈られる。米・製作者組合賞(PGA)の最高賞。
◎トム・ロスマン(Tom Rothman)
フォックス・サーチライト・ピクチャーズを立ち上げるなど長らく20世紀フォックス・グループで活躍し、2013年に退任。近年はトライスター・ピクチャーズのチェアマンを務めた。
◆デイヴィッド・O・ゼルズニック賞/生涯貢献賞映画部門(The David O. Selznick Achievement Award)
◎アーウィン・ウィンクラー
◆ノーマン・レア賞/生涯貢献賞テレビ部門(The Norman Lear Achievement Award in Television)
◎ジェームズ・L・ブルックス
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◆映画部門について
映画部門のノミネーションに関して、米国アカデミー賞との関連性を見てみると、ノミネート作品数が10本(~最大10本)になったこの7年について見てみると―
2010年は10本中8本が同じ
2011年は10本中9本が同じ
2012年は9本中7本が同じ(PGAのノミネーションは10本)
2013年は9本中8本が同じ
2014年は9本中8本が同じ
2015年は8本中7本が同じ
2016年は8本中7本が同じ
になっています。
米国アカデミー賞作品賞には、上記の中から『デッドプール』あたりが落ちて、『ラビング 愛という名前のふたり』、『ハドソン川の奇跡』、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』、“Nocturnal Animals”、『沈黙 -サイレンス- 』などからノミネートされることもありそうです。
受賞結果では、過去27回で、米国アカデミー賞と一致したのは19回で、この回数を一致度が高いと見るか、それほどでもないと見るかは、微妙なところですが、2008年~2015年8年連続で一致していて、そのデータの方がより重要視されるかもしれません。
米・製作者組合賞(PGA)は、米国アカデミー賞への流れを変える、あるいは、流れの変化を教えてくれる映画賞として重要視されていて―
2011年は、PGA発表前は、『ソーシャル・ネットワーク』が文句なしに作品賞の本命でしたが、PGAで『英国王のスピーチ』が受賞したことで流れががらっと変わってしまっています(というか、流れが変わったことをPGAが教えてくれたと言うべきかもしれません)。
2012年は、『アーティスト』が作品賞に本命視されていながら、外国映画であることで本当に受賞できるかどうか確信が持てなかったところ、PGAを受賞したことで、作品賞受賞をより確実なものにしました。
2013年は、有力視された『アルゴ』と『ゼロ・ダーク・サーティ』が米国アカデミー賞監督賞にノミネートされなかったことで、作品賞の行方がどうなるのか注目されましたが、PGAで『アルゴ』が受賞して、米国アカデミー賞作品賞受賞への流れを作っています。
2014年は、『それでも夜は明ける』が安定した評価を得ていたのが、PGAでは『ゼロ・グラビティ』とのダブル受賞となり、米国アカデミー賞作品賞はどうなるか、予想がつかなくなったところで、最終的に『それでも夜は明ける』が米国アカデミー賞作品賞を獲るという結果になりました。
2015年は、ずっと『6才のボクが、大人になるまで。』が作品賞の本命だったのが、PGAで『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が受賞し、それまでの流れが一気に変わりました。
2016年は、混戦で、いろんな指標やデータがある中、PGAで『マネー・ショート 華麗なる大逆転』が受賞して、作品賞の行方はますますわからなくなりました。
本年度は、全米映画賞レース的には3強、作品賞だけ見れば、『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』の一騎打ちになっていますが、米・製作者組合賞(PGA)で受賞した作品が、米国アカデミー賞作品賞への流れを強く押し進めることになるのは間違いありません。
◆アニメーション部門について
受賞結果に関しては、過去11年のデータでは、米国アカデミー賞長編アニメーション賞とは、7回一致しています。
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・米・製作者組合賞(PGA)2017 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_39.html
・米・製作者組合賞(PGA)2017 テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_24.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 映画部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_14.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_28.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_87.html
・米・製作者組合賞(PGA)2016 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_51.html
・米・製作者組合賞(PGA)2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201501/article_30.html
・米・製作者組合賞(PGA)2015 受賞結果: http://umikarahajimaru.at.webry.info/201502/article_2.html
・米・製作者組合賞(PGA)2014 長編映画部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_3.html
・米・製作者組合賞(PGA)2014 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_39.html
・米・製作者組合賞(PGA)2014 テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_11.html
・米・製作者組合賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_60.html
・米・製作者組合賞2013 映画部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_2.html
・米・製作者組合賞2013 ドキュメンタリー部門&テレビ部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_2.html
・米・製作者組合賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_63.html
・米・製作者組合賞2012 ドキュメンタリー部門ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_5.html
・米・製作者組合賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_4.html
・米・製作者組合賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_43.html
・米・製作者組合賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_8.html
・米・製作者組合賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_42.html
・米・製作者組合賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_4.html
・米・製作者組合賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_40.html
・米・製作者組合賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_4.html
・米・製作者組合賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200901/article_32.html
・全米映画賞レース2016 前半戦の受賞結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_86.html
・全米映画賞レース2016 後半戦の受賞結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_2.html
・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2016年12月~2017年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201612/article_1.html
追記:
・米・製作者組合賞(PGA) 2017 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201701/article_77.html
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