テッサロニキ国際映画祭2016 受賞結果 竹内洋介『種をまく人』が2冠!

 第57回テッサロニキ国際映画祭(11月3日-13日)の各賞が発表になりました。

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 【インターナショナル・コンペティション部門】

 ※第1回または第2回監督作品が対象のコンペティション

 ※審査員:アミール・ナデリ(審査員長)、ソフィアン・エル・ファニ(Sofian El Fani:チュニジアの撮影監督)、フレデリック・モロー(Frédérique Moreau:フランスの脚本家)、Peter Scarlet(アメリカのコンサルタント/プロデューサー/キュレーター)、Eva Stefani(ギリシャの監督/教授)

 ◆最優秀作品賞/ゴールデン・アレクサンダー“テオ・アンゲロプロス”賞(Golden Alexander “Theo Angelopoulos”)
 ◎“Tiszta Szivvel (Kills on Wheels)”(ハンガリー) 監督:Attila Till
 物語:Zoliは、脊椎に問題があって歩くこともできず、車椅子生活を余儀なくされている。彼の母親は、ドイツで手術を受けさせてやりたいと考えているが、費用の捻出が難しい。Zoliは、マンガを描くことが好きで、ケアセンターのルームメイトBarbaに助けてもらって描いている。Barbaは、軽い脳性マヒで、車椅子生活をしているが、少しであれば歩いたり、車の運転をしたりもできる。この2人に、中年になりかけた、元消防士のJanos Rupaszovが加わる。彼は、仕事でケガを負い、下半身不随になっていた。Janosは、セルビア人ギャングのRadosからヒットマンの仕事を請け負う。Radosによる殺しのリストは想像以上に長い。誰も車椅子の人間がヒットマンだとは思わないし、車椅子であることは十分にアドバンテージになるとJanosは考えた。また、彼はなんとかして元恋人のナースを取り戻したいとも考えていた……。
 プロの俳優ではなく、本物の身障者をキャストに起用して撮影された。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2016 イースト・オブ・ウェスト コンペティション部門出品。
 モトヴン映画祭2016 メイン・プログラム。
 オステンデ映画祭2016出品。
 BFIロンドン映画祭2016出品。
 シカゴ国際映画祭2016 ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門出品。ロジャー・エバート賞受賞。
 ハイファ国際映画祭2016出品。
 ストックホルム国際映画祭2016出品。
 ヨーロッパ映画賞2016 オフィシャル・セレクション。


 ◆審査員特別賞/Silver Alexander
 ◎“Hjartasteinn (Heartstone)”(デンマーク・アイスランド) 監督:Guðmundur Arnar Guðmundsson
 物語:アイスランドの漁村。10代のThorとChristianは、激動の夏を経験する。Thorは、姉たちにからかわれたり、いじめられたりしていた。留守がちの母親は、子どもたちを抱えていることにフラストレーションを感じていたが、隠していた。一方、Christianは、飲んだくれで暴力的な父親に悩まされていた。その夏、Thorは、町で一番かわいい少女Bethに恋をし、Christianは、親友に対する新たな感情を発見する。夏が終わって、アイスランドの厳しい季節が戻ってきた時、彼らは遊び場から去り、大人の世界の入り口に立つ。
 短編『クジラの谷』“Whale Valley”が高い評価を受けたGuðmundur Arnar Guðmundssonの初監督長編。
 ベネチア国際映画祭2016 ベネチア・デイズ部門出品。クィア獅子賞受賞。
 トロント国際映画祭2016 DISCOVERY部門出品。
 釜山国際映画祭2016 フラッシュ・フォワード部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。監督賞受賞。
 シカゴ国際映画祭2016 Gold Q Hugo受賞。
 CPH:PIX2016 観客賞受賞。


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 ◆監督賞/Special Jury Award for Best Director - Bronze Alexander
 ◎『種をまく人』“The Sower”(日) 監督:竹内洋介

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 ◆男優賞
 ◎Zoltan Fenyvesi、Szabolcs Thuroczy、Adam Fekete “Tiszta Szivvel (Kills on Wheels)”

 ◆女優賞
 ◎Dimitra Vlagkopoulou “Park”(ギリシャ・ポーランド)(監督:Sofia Exarchou)

 “Park”(ギリシャ・ポーランド) 監督:Sofia Exarchou
 物語:アテネのオリンピック村は、まわりのスポーツ通りも廃れ、孤立し、見捨てられて、荒れ果てている。2004年の大会以降、住宅はワーキング・クラスに無料で提供されたが、住人はわずかしかいない。ある少年たちのグループは、村の中で身動きが取れなくなっていて、廃墟の周辺で、オリンピックの試合の真似事をしたり、お金のために犬を交配したりしている。最年長のDimitrisは、17歳で、引退した22歳のアスリート、アンナとともに、村から出て、アテネ郊外の海辺の高級リゾートへと向かう。彼らは、外国人旅行客の生活に入り込もうとして、残忍な形で、試練を与えられる。
 初監督長編。
 テッサロニキ国際映画祭2012でFrench CNC Development awardを受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2015でWork in Progress 最優秀プロジェクト賞を受賞。
 サンセバスチャン国際映画祭2016 ニュー・ディレクターズ部門出品。ニュー・ディレクターズ賞受賞。
 レイキャビク国際映画祭2016出品。
 ワルシャワ国際映画祭2016出品。
 BFIロンドン映画祭2016 Debate部門出品。
 ストックホルム国際映画祭2016出品。


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 ◎竹中涼乃 『種をまく人』

 ◆芸術貢献賞(Best Artistic Achievement Award)
 ◎“Afterlov”(ギリシャ) 監督:Stergios Paschos
 物語:サマータイムのアテネ。ニコスは、30歳の一文無しのミュージシャンで、郊外にあるリッチな友人のヴィラの面倒を見ている。彼は、プールサイドでカクテルを飲んだり、世話してるつもりで犬を散歩させたりしながら、1つの計画を立てる。1年前にソフィアと別れたが、まだそれを乗り越えられていない。週末にソフィアをここに呼んで、地下のスタジオに閉じ込めて、なぜ別れたのか納得できるまで、出さないつもりなのだ。彼がそんなことを考えているなどとは全く知らずに、ソフィアがやってくる……。
 ロカルノ国際映画祭2016 フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。The Cinema & Gioventù受賞。

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎Vassilis Koukalani(男優) “Amerika Square”(ギリシャ・英・独)(監督:Yannis Sakaridis)

 “Amerika Square(Plateia Amerikis)”(ギリシャ・英・独) 監督:Yannis Sakaridis
 物語:無職のナコスは、人種差別主義者のギリシャ人で、被害者意識にとらわれていて、彼のアパートや愛する公園に多くの移民がたむろして、どこかよそに行くための中継所代わりにしていることに腹を立てていた。シリア人で元軍医のタレクは、娘とともにギリシャから脱出しようとしていた。タトゥー・アーティストのビリーは、アフリカ人シンガーのテレザのことが好きだったが、彼女もまた、海辺で脱出の方法を模索していた。ナコスの悪意ある行動のおかげで、テレザとタレクの密出国を斡旋しようとしていたハッサンが邪魔された時、3つの物語が交錯する。違法な国外脱出が失敗して、彼らは別の方策を探さなければならなくなる。誰にとっても残された時間には限りがあり、ビリーが国外脱出の手配に乗り出す。
 釜山国際映画祭2016 フラッシュ・フォワード部門出品。
 シカゴ国際映画祭2016 ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門出品。
 コルカタ国際映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。

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 ◎Hari Fragoulis(男優) “Afterlov”

 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“Lady Macbeth”(英) 監督:William Oldroyd
 出演:Florence Pugh、コスモ・ジャーヴィス(Cosmo Jarvis)、ポール・ヒルトン(Paul Hilton)、Naomi Ackie、クリストファー・フェアバンク(Christopher Fairbank)
 物語:1865年のイングランド。キャサリンは、冷酷な男との愛のない結婚に押さえつけられていた。夫の年齢は彼女の倍あり、夫の家族も冷たく、無情だった。彼女は、夫の領地で働く若い男性との情熱的な情事に走る。彼女の中で抑え込まれていた力はあまりにも大きく、欲しいものを手に入れたいとなったら、もう止めようがなかった。
 ニコライ・レスコフの『ムツェンスク郡のマクベス夫人』の映画化。
 トロント国際映画祭2016 PLATFORM部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2016 オフィシャル・セレクション出品。国際批評家連盟賞受賞。
 チューリヒ映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。スペシャル・メンション、The SVFJ(The Swiss Association of Film Journalists)Critics Choice Award(第1回作品賞)受賞。
 BFIロンドン映画祭2016 第1回作品コンペティション部門出品。
 Camerimage 2016出品。
 トリノ映画祭2016出品。
 タリン・ブラック・ナイツ映画祭2016出品。

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 ◎“Amerika Square”(ギリシャ・英・独) 監督:Yannis Sakaridis

 ◆ヒューマン・バリュー賞(Human Values Award)
 ・『サーミ・ブラッド』“Sami Blood(Sameblod)”(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー) 監督:アマンダ・ケンネル(Amanda Kernell)
 物語:Elle Marjaは、北欧のトナカイ遊牧民サーミ人の14歳の少女。彼女は、1930年代の人種差別と、寄宿学校での生物学的人種検査にさらされて、別に人生を夢見るようになる。この夢を叶えるためには、別人になり、家族や文化と縁を切らなければならない。
 日本でも短編作品『NORTHERN GREAT MOUNTAIN』が紹介されているアマンダ・ケンネルの初監督長編。
 ベネチア国際映画祭2016 ベネチア・デイズ出品。Premio Label Europa Cinema(The Europa Cinemas Label)、ヤング・ディレクター賞受賞。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2016出品。
 トロント国際映画祭2016 DISCOVERY部門出品。
 東京国際映画祭2016 コンペティション部門出品。最優秀女優賞(レーネ=セシリア・スパルロク)受賞。

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 ◆ERT S.A.賞
 ◎“Park”(ギリシャ・ポーランド) 監督:Sofia Exarchou

 ◆ユース審査員賞 特別賞
 ◎“Amerika Square”(ギリシャ・英・独) 監督:Yannis Sakaridis

 ◆観客賞
 ◎“A Mon Age Je Me Cache Encore Pour Fumer (I Still Hide to Smoke)”(仏・ギリシャ・アルジェリア) 監督:Rayhana
 出演:ヒアム・アッバス、Biyouna、Nadia Kaci、Fadila Belkebla、Nassima Benchicou、Sarah Layssac
 ハマムには人があふれて、混沌としている。太った者とやせた者、突発的な笑い声、素敵な結婚式を挙げたいと夢見る者、忘れられた入れ歯、礼拝の呼びかけ、頭皮のマッサージ師、仲人、金髪のように装った外国人、大きな声で泣く子ども、伸びるヒゲ、ラヴソング、若い青年への恋、母親への愛、射精、未婚の妊婦、10歳で結婚したプリンセス、寝取られた夫、処女証明書、離婚祝い、剃毛、水槽の中の爆弾、暴露と隠ぺい、暗殺者、酸で焼かれた痕、包茎、熱くなった女性器、オナニー、吸い殻とブルカ、聖書とコーラン……。つばぜり合いの前、神の沈黙。
 製作は、コスタ=ガヴラスの妻でプロデューサーのミシェル・レイ=ガヴラス。

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 [その他のエントリー作品]
 ・“The Stopover”(仏・ギリシャ) 監督:Delphine Coulen、Muriel Coulen, France-Greece
 ・“In the Blood”(デンマーク) 監督:Rasmus Heisterberg
 ・『オリ・マキの人生で最も幸せな日』“The Happiest Day In The Life Of Olli Mäki(Hymyilevä Mies)”(フィンランド・独・スウェーデン) 監督:ユホ・クオスマネン(Juho Kuosmanen)
 ・“Shambles”(カナダ) 監督:Karl Lemieux
 ・“The Transfiguration”(米) 監督:Michael O'Shea
 ・“A Decent Woman”(オーストリア・韓・アルゼンチン) 監督:Lukas Valenta Rinner
 ・“Kékszakállú”(アルゼンチン) 監督:Gastón Solnicki
 ・“Jesus”(仏・チリ・独・ギリシャ・コロンビア) 監督:Fernando Guzzoni

 【その他の賞】

 ◆ギリシャ映画批評家協会賞(The Greek Film Critics Association (Pekk) Award)
 ◎“90 Years PAOK – Nostalgia for The Future”(ギリシャ) 監督:Nikos Triantafyllidis
 PAOKは、テッサロニキにある3大スポーツクラブの1つで、多くの人々にとって街と密接に結びついている。ファンのチームにかける情熱は、伝説的であり、チームの喜びは市民の喜びだ。創立は、1926年3月30日で、アレクサンダー大王杯というギリシャ・サッカー初のナショナル・タイトルのゲームが行なわれ、トンバ・スタジアムがオープンした。PAOKが重要な国際大会で勝利した夜から、ロシア系オーナー、イヴァン・サヴィディスの時代へ。双頭の鷲をトレードマークとするサッカー・チームの90年には、数々の物語と、ゲームに賭ける本物の情熱が刻まれている。

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 ◆ユース審査員賞(Youth Jury Awards)
 ◎“The Other Me(Eteros ego)”(ギリシャ) 監督:Sotiris Tsafoulias
 物語:2015年。アテネで5つの殺人事件が起こる。アスペルガー症候群の犯罪学者Dimitris Lainisが、警察の捜査に協力する。彼が頼りにしているのは、ピタゴラスの定理と、もうひとりの「デウス・エクス・マキナ」である数学教授Marcel De Chafだ。Lainisが事件の真相に近づこうとすればするほど、彼は危険にさらされる。

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 【観客賞】(Fischer Audience Awards)

 ◆ギリシャ映画祭部門/Michael Cacoyannis Award
 ◎“The Other Me(Eteros ego)”(ギリシャ) 監督:Sotiris Tsafoulias

 ◆バルカン・サーベイ部門
 ◎“Rauf”(トルコ) 監督:Barış Kaya、Soner Caner
 物語:ラウフは、9歳で、終わりなき戦争の影に怯える、田舎の村で暮らしている。彼は、大工の徒弟をしていて、親方の20歳になる娘のことが好きになり、彼女のためにピンク色を探す旅に出る。ピンクは、彼にとって愛の色であり、希望へと続く勇気の色であり、見たこともない平和の象徴であった。彼女を喜ぶ顔が見たいと思って、彼はピンクを探す旅をスタートさせる。しかし、グレーの世界で生まれ育った彼には、黒と白しか見出すことができない。
 ベルリン国際映画祭2016 ジェネレーションKplus部門出品。
 ソフィア国際映画祭2016 国際批評家連盟賞受賞。
 イスタンブール国際映画祭2016 ナショナル・コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。
 ズリーン国際映画祭2016 ヨーロッパ初監督長編作品 インターナショナル・コンペティション部門出品。特別表彰。
 ヨーロッパ映画賞2016 ヤング観客賞ノミネート。オフィシャル・セレクション。
 バトゥミ国際アートハウス映画祭2016 スペシャル・メンション受賞。
 ハンブルク・フィルム・フェスト2016出品。
 シカゴ国際映画祭2016出品。
 ハイファ国際映画祭2016出品。


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 ◆オープン・ホライズンズ部門(The Open Horizons)
 ◎『名誉市民』“The Distinguished Citizen(El Ciudadano Ilustre)”(アルゼンチン・西) 監督:マリアノ・コーン(Mariano Cohn)、ガストン・ドゥプラット(Gastón Duprat)
 出演:オスカル・マルティネス(Oscar Martínez)、ダディ・ブリエバ(Dady Brieva)、アンドレア・フリヘリオ(Andrea Frigerio)、ノラ・ナバス(Nora Navas)、Gustavo Garzón
 物語:ノーベル文学賞受賞者のMantovaniは、30年以上ヨーロッパに住んで、長らく故郷アルゼンチンには帰っていない。大きな賞の授与を辞退した後、思いがけず、出身地であるアルゼンチンのSalasから名誉市民賞を授けるという連絡を受ける。彼の小説は、故郷からインスピレーションを得て書いたものが多かった。彼は、名誉市民賞を受けることに決め、久々に帰郷するが、実在の人物をモデルに小説を書くということがどういう事態を巻き起こすか、気づいていなかった。
 ベネチア国際映画祭2016 コンペティション部門出品。男優賞(Oscar Martínez)、Giovani Giurati del Vittorio Veneto Film Festival Award受賞。
 釜山国際映画祭2016 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2016 オープニング作品。長編フィクション部門 観客賞第6位。
 ラテンビート映画祭2016出品。
 米国アカデミー賞2017 外国語映画賞 アルゼンチン代表。
 ハイファ国際映画祭2016 最優秀インターナショナル作品賞受賞。
 バリャドリッド国際映画祭2016 オフィシャル・セレクション 長編部門出品。銀のスパイク賞、脚本賞受賞。
 東京国際映画祭2016 ワールド・フォーカス部門出品。


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 *当ブログ記事

 ・テッサロニキ国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_22.html
 ・テッサロニキ国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_12.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

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