サンセバスチャン国際映画祭2016 ホライズンズ・ラティーノ部門 ラインナップ!

 第64回サンセバスチャン国際映画祭(9月16日-24日)のホライズンズ・ラティーノ部門のラインナップです。(8月17日発表)

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 【ホライズンズ・ラティーノ部門】(Horizontes Latinos)

 ・“La región salvaje(The Untamed)”(メキシコ・デンマーク・仏・独・ノルウェー・スイス) 監督:アマ・エスカランテ(Amat Escalante)
 出演:Ruth Ramos、Simone Bucio、Jesús Meza、Edén Villavicencio
 物語:メキシコ低地に近い町グアナファト。ここでは、強い家庭的価値観や偽善、ホモフォヴィア、男尊女卑が支配し、愛やセックスは非常にもろい。アンヘルとアレハンドラは、2人の息子を育てている。アンヘルは、家庭に、肉体的にも精神的にも過剰なくらいに男性至上主義を発揮している一方、地元の病院で働いているアレハンドラの弟ファビアンとの関係を持って、それを妻に隠している。そんな時、山間に隕石が落ち、彼らの住んでいる地域に、謎めいた女性ヴェロニカが姿を現わす。彼女は、近くの森の中の、小屋に住んで、彼らに自分の秘密を見せる。それは、この世のものとは思えないようなもので、歓びの源であると同時に、破壊をもたらす力のようなものだった。アレハンドラは、暴力的で不満足な夫婦関係に絡めとられていて、そこから自由になりたかったが、勇気がなかった。そんなアレハンドラをヴェロニカが助け、アレハンドラは自分の中にあることに気づかなかった内なる力に触れる。
 ベネチア国際映画祭2016 コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2016 VANGUARD部門出品。

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 ・“Santa & Andres(Santa y Andrés)”(キューバ・コロンビア・仏) 監督:Carlos Lechuga
 物語:1983年。キューバ東部の山岳地帯。アンドレアスは、50代の反体制派のゲイ作家で、「イデオロギーに問題あり」として政府によってブラックリストに載せられていた。何か大きな出来事があった時、地元の娘サンタは、彼の様子を見張るように指示されていた。アンドレアスとサンタは全く逆の立場にいる。しかし、彼らには想像以上の共通点があった。
 トロント国際映画祭2016 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

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 ・“X Quinientos”(カナダ・コロンビア・メキシコ) 監督:Juan Andrés Arango
 物語:アレックスは、アフロ・コロンビアンのティーンエージャーで、コロンビアで最も危険な地域ブエナヴェントゥラで暮らしている。彼は、兄の死を無駄にしないためにも、アメリカへと密入国して、生きていくことを夢見る。ダヴィドは、マザファ族の少年で、自分の村からメキシコシティーにやってきた。彼は、父の死を受け止めることができないでいて、メキシコシティーでは先住民族として差別されることに気づく。オーロラは、フィリピン出身の老女で、35年もモントリオールに住んでいる。ところが、娘が死んで、孫のピーターが彼女を頼ってやってきて、彼の面倒を見なければならなくなる。
 3つの物語は、それぞれアメリカ大陸の3つ場所で展開し、交わることはない。しかし、彼らは、皆愛する者を失って、それぞれ自らの人生にもがいている。彼らの哀しみと欲望は、直接に交わらずとも、自然と木霊しあっていく。
 トロント国際映画祭2016 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。

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 ・“El amparo”(ベネズエラ・コロンビア) 監督:Rober Calzadilla
 物語:80年代末。コロンビアに近いベネズエラの国境。2人の男が、Arauca川の水路で、武装した一団から逃げ延びる。彼らの仲間14人は、そこで殺されてしまった。軍は、彼らをゲリラとして告発し、脅して、彼らが潜んでいるところから捕まえようとしていた。地元の警察も村民も彼らが逃げないよう見張っていた。彼らは自分たちはただの漁師だと主張するが、当局からの圧力は圧倒的だった。

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 ・“Alba”(エクアドル・メキシコ・ギリシャ) Ana Cristina Barragán
 物語:Albaは、11歳で、ひどい恥ずかしがり屋だ。早熟な少女たちのいるクラスの中で、前に出ることなどほとんどできない。ところが、母親が病気になって入院することになり、ほとんど知らないエキセントリックな父親イゴールと暮らさなければならなくなる。父親も彼女がひどい恥ずかしがり屋であることを知らなかったが、2人は、ゆっくりと注意深く、お互いのことを知り合っていく。
 ロッテルダム国際映画祭2016 Lions Film Award受賞。

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 ・“Era o Hotel Cambridge(The Cambridge Squatter)”(ブラジル・仏・西) 監督:Eliane Caffé
 物語:難民たちがブラジルにたどりつく。彼らは、低所得者層の集団とともに、サンパウロのダウンタウンの古い廃ビルを占拠する。強制立ち退きが迫る中、コミカルな状況で、日々のドラマが展開し、世界混合に関する新たな視点が示される。
 サンセバスチャン国際映画祭2015 Films in Progress Industry Award、Ibermedia TV Films in Progress Award受賞。

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 ・“Viejo calavera(Dark Skull)”(ボリビア・カタール) 監督:Kiro Russo
 物語:父が死んだが、Elderは、まるで気にかけていないように見える。カラオケで騒ぎ、ストリートでトラブルを起こした。ところが、Elderは、ボリビアのワヌニ近郊に住む祖父Franciscoと暮らさなければならなくなる。ワヌニにはスズ鉱山があり、Franciscoは、Elderに鉱山の仕事を与えるが、Elderはまもなく父の死にまつわる祖父の暗い秘密を知る。
 第1回監督作品。
 ロカルノ国際映画祭2016 フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。

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 ・“La idea de un lago”(スイス・アルゼンチン・カタール) 監督:Milagros Mumenthaler
 物語:イネスは、プロのカメラマンで、最初の子どもが生まれる前に、写真集をまとめたいと考えている。この写真集は、彼女の子ども時代に関連していて、いつも同じ場所に彼女を連れてくる。それは、アルゼンチン南部にある彼女の生家で、彼女はそこで育ち、人格を形成した。また、写真集には、父と写した1枚の写真が含まれる。父は、軍事独裁時代に姿を消していて、この写真こそ、母や兄弟との関係に関するぼんやりした記憶のジグソーパズルを解く手がかりだった。
 ロカルノ国際映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。

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 ・“El rey del Once(The Tenth Man)”(アルゼンチン) 監督:ダニエル・ブルマン
 物語:アリエルは、ニューヨークでエコノミストとして成功しているが、数年ぶりにブエノスアイレスに帰ってきて、父との関係を修復しようとする。父Usherは、アリエルが青少年時代を過ごしたブエノスアイレスのユダヤ人地区Onceに父がチャリティー基金を創設していた。ところが、父は、アリエルを遠ざけて会おうともしない。アリエルは、父のチャリティーでボランティアをしているエヴァと出会う。エヴァもまた自分の父親と疎遠になっていて、口も聞かない関係になっていた。エヴァの内なる力と独立した精神は、アリエルを刺激し、彼は、過去を振り返って、ユダヤ人コミュニティーでの宗教的な習慣であり、かつて父と交わしたしきたりを思い出す。それは、彼自身のアイデンティティーを再考させることにもなった。
 ベルリン国際映画祭2016 パノラマ部門出品。
 トライベッカ映画祭2016 インターナショナル・ナラティヴ長編コンペティション部門出品。男優賞受賞(Alan Sabbagh)。

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 ・“La larga noche de Francisco Sanctis(The Long Night of Francisco Sanctis)”(アルゼンチン) 監督:Francisco Márquez、Andrea Testa
 物語:アルゼンチン。軍事独裁時代の1977年。妻と2人の子どもがいて、政治とは関わりがなく、これまでの人生で大した出来事も経験せずに生きてきた事務員の男が、軍が2人の人物を追っているという情報を得る。どうやら彼らは消されてしまうらしい。自分の決断次第で、彼らの運命は変わる。果たして自分の身を危険にさらしてまで、2人に救いの手を差し伸べるべきかどうか……。
 Humberto Costantiniの小説の映画化。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。最優秀作品賞、男優賞(Diego Velazquez)、SIGNIS賞、FEISAL賞受賞。
 カンヌ国際映画祭2016 ある視点部門出品。

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 ・“Rara”(アルゼンチン・チリ) 監督:Pepa San Martín
 物語:サラの両親が離婚し、サラと妹は、母親に引き取られる。母親の新しいパートナーは女性だったが、4人での暮らしは、他の家族と全く変わらなかった。というより全く快適といっていいくらいだった。しかし、まわりの人間はそうは見ない。特に父親は疑いの目で見ていた。13歳の誕生日が近づいてくる。彼女の気持ちは落ち着かない。体が大人へと変わりつつあるし、両親への感情にも葛藤が生じていた。
 実話に基づく物語。初監督長編。
 ベルリン国際映画祭2016 ジェネレーションKplus部門出品。グランプリ受賞。
 シアトル国際映画祭2016 ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門出品。
 エルサレム映画祭2016 デビュー部門出品。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2016 ファミリー・ゾーン出品。

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 ・“Aquí no ha pasado nada(Much Ado About Nothing)”(チリ・米・仏) 監督:アレハンドロ・フェルナンデス・アルメンドラス(Alejandro Fernández)
 出演:アウグスティン・シルヴァ(Agustín Silva)、アレハンドロ・ゴイック(Alejandro Goic)、ルイス・ニェッコ(Luis Gnecco)、パウリーナ・ガルシア(Paulina García)、Daniel Alcaino、Augusto Schuster
 物語:ヴィンセンテは、大学生で、夏休みを海辺のファミリーハウスで過ごしていた。ある夜、パーティーから抜け出した彼は、仲間と一緒に車に乗り込むが、地元の漁師をひき逃げしてしまう。記憶は曖昧で、仲間の言うことも違う。このままでは犯罪を犯してしまうことになるが、特に問題なのは、車を運転していたのが、大物政治家の息子であることだった……。
 実際に起きた事件に基づいた映画作品。
 『フアチョ』“Huacho”でサンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞したアレハンドロ・フェルナンデス・アルメンドラスの第4回監督長編。
 サンダンス映画祭2016出品。
 ベルリン国際映画祭2016 パノラマ部門出品。
 カルタヘナ映画祭2016 国際批評家連盟賞受賞。

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 ・“El Cristo ciego(Blind Christ)”(チリ・仏) 監督:Christopher Murray
 出演:Michael Silva、Bastian Inostroza、Ana Maria Henriquez、Mauricio Pinto
 物語:ラファエルは、30歳の機械工で、チリの砂漠地帯にある田舎町で暮らしている。ある日、彼は、砂漠で神様を見たと言うが、信じてもらえないどころか、頭がおかしいと言われてしまう。ある午後、幼なじみが鄙びた集落で事故に遭ったという知らせを聞く。ラファエルは、すべてを投げ棄てて、裸足で彼の許へ向かい、奇跡を起こして彼を治してしまう。この出来事は、人々の関心を引き、採掘会社は偉業だと言い、麻薬中毒者は、ラファエルのことを、チリの砂漠に現れた、現実の過酷さを和らげてくれるキリストだと言い出す。
 第2監督長編。
 ベネチア国際映画祭2016 コンペティション部門出品。

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 *当ブログ記事

 ・サンセバスチャン国際映画祭2016 オフィシャル・セレクション ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_19.html

 ・サンセバスチャン国際映画祭2016 ニュー・ディレクターズ部門 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201608/article_20.html

 ・サンセバスチャン国際映画祭2016 その他のラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_6.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

 追記:
 ・サンセバスチャン国際映画祭2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201609/article_34.html

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