ラックス賞2016 ノミネーション発表!
第10回ラックス賞(Lux Prize)のノミネーション3作品が発表されました。(7月25日)
【ラックス賞】
ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。
内容から言うと、①ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、②物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、③ヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。
投票資格があるのは、欧州議会の議員約750名のみ(2016年7月現在は751名)で、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。(そのために、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたって上映会が実施されます。)
選考は、前年の5月31日から当年の5月30日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会が選出したメンバー21名(プロデューサー、配給者、映画興行者、映画祭ディレクター、映画批評家らから選ばれた「ラックス賞セレクション・パネル」。毎年1/3が改選される)がセレクションを行なって、まずオフィシャル・セレクションとして10本を選び(発表し)、そこからノミネート作品3本に絞り込み、さらに上映会による上映&投票を経て、年間最優秀作品(ラックス賞)を決定するというプロセスが取られています。(※ セレクション・パネルは、少しずつ増えていて、2015年は20名でしたが、2016年は21名になっています。)
本年度のオフィシャル・セレクションは、7月3日にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表され、ノミネーションは、ベネチア国際映画祭ベネチア・デイズのラインナップ発表会で発表されています。
過去9回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。
◆2007年
◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
◆2008年
・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký
◆2009年
・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ
◆2010年
・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:フェオ・アラダグ(Feo Aladag)
・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)
◆2011年
・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド
◆2012年
・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf
◆2013年
・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
◆2014年
◎『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček
◆2015年
◎『裸足の季節』(仏・独・トルコ) 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュベン
・『地中海』“Mediterranea”(伊・仏・米・独・カタール) 監督:ジョナス・カルピニャーノ(Jonas Carpignano)
・『ザ・レッスン/授業の代償』“Urok (The Lesson)”(ブルガリア・ギリシャ) 監督:クリスティナ・グロゼヴァ(Kristina Grozeva)、ペタル・ヴァルチャノフ(Petar Valchanov)
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【ラックス賞2016 ノミネーション】
・“Ma Vie de Courgette (My Life as a Courgette)”(スイス・仏) 監督: Claude Barras
声の出演:Gaspard Schlatter、ミシェル・ヴュイエルモーズ(Michel Vuillermoz)、Paulin Jaccoud、Sixtine Murat
物語:Courgette(ズッキーニ)は、10歳で母を失い、世界でひとりぼっちになってしまったと感じる。それから、施設に入れられ、SimonやAhmed、Jujube、Alice、Béatriceと出会い、友だちになる。みんなそれぞれに自分の物語を持ち、等しく傷つき、やさしい心の持ち主だった。だが、Camilleだけは少し違っていた……。
初監督作品。セリーヌ・シアマが脚色を手がけている。
カンヌ国際映画祭2016 監督週間出品。
アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。最優秀作品賞、観客賞受賞。
・“Toni Erdmann”(独・ルーマニア・オーストリア) 監督:マレン・アデ
出演:ペーター・シモニシェック(Peter Simonischek)、サンドラ・フラー(Sandra Hüller)、ルーシー・ラッセル(Lucy Russell)、Trystan Wyn Pütter、ハデヴィック・ミニス(Hadewych Minis)、ヴラド・イヴァノフ(Vlad Ivanov)、ジョン・キーオ(John Keogh)
物語:ウィンフリードは、ジョークが大好きな、ソウルフルな65歳の音楽教師である。一方、娘のイネスは、父とは正反対の性格で、ビジネス・コンサルタントとして野心が強く、次々と新しいプロジェクトをこなしては、キャリアのステップを上っていた。彼女は世界を股にかけて仕事をしていたので、父と娘が会うことはほとんどなくなっていた。ところが、ウィンフレードの犬が死に、彼は娘に会いに行こうと決める。彼は、娘がすっかりユーモアをなくしてしまったと考えていて、彼女の前でジョークを炸裂させる。しかし、そのジョークと自分のライフスタイルへの批判から、イネスは父に対して猛烈に反発する。ウィンフリードは、もう1つの自己、トニ・エルドマンに変身して、事態をさらに悪化させる。だが、期待に反して、2人が衝突すれば衝突するほど、2人の仲は縮まっていく……。
カンヌ国際映画祭2016 コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
シドニー映画祭2016出品。
ブリュッセル映画祭2016 オフィシャル・コンペティション部門出品。ゴールデン・アイリス賞(最優秀作品賞)、脚本賞、RTBF TV Prize of Best Film受賞。
ミュンヘン映画祭2016出品。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2016 Horizons部門出品。
・“À Peine J´ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”(仏・チュニジア・ベルギー・UAE) 監督: Leyla Bouzid
物語:ジャスミン革命が始まる数か月前の、2010年夏のチュニス。Farahは、18歳になり、高校を卒業した。家族は、彼女が医者になるものと思っていたが、彼女は家族と同じ道を進むのは嫌だった。Farahは、政治的なメッセージ・ソングを歌うロックバンドに属し、人生に情熱を持ち、アルコールを飲み、恋をし、夜まで街で遊んだ。母Hayetは、そんな娘を快く思わず、チュニスという街が危険なことをよく知っていた……。
初監督長編。
ベネチア国際映画祭2015 ベネチア・デイズ出品。Label Europa Cinemas受賞。
トロント国際映画祭2015 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
カルタゴ映画祭2015 TV5賞、国際批評家連盟賞受賞。
ストックホルム国際映画祭2015出品。
ドバイ国際映画祭2015出品。Muhr Award(最優秀長編フィクション作品)受賞。
リュミエール賞2016 新人女優賞(Baya Medhaffar)、フランス語映画賞ノミネート。
オーデンティア賞2016 ノミネート。
香港国際映画祭2016出品。
イスタンブール国際映画祭2016出品。
トライベッカ映画祭2016出品。
インディー・リスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭2016出品。
サンフランシスコ国際映画祭2016 ゴールデンゲート ニュー・ディレクターズ・コンペティション 長編ナラティヴ部門出品。
シアトル国際映画祭2016出品。
トランシルヴァニア国際映画祭2016 コンペティション部門出品。
台北電影節2016 インターナショナル・ニュー・タレント・コンペティション部門出品。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2016 「ヴァラエティー」誌批評家によるチョイス。
[その他のオフィシャル・セレクション作品]
・『シリア、愛の物語』“A Syrian Love Story”(英) 監督:ショーン・マカリスター( Sean McAllister)
・“Cartas da Guerra(Letters From War)”(ポルトガル) 監督: Ivo M Ferreira
・“L´Avenir (Things to Come)”(仏・独) 監督:ミア・ハンセン=ラヴ
・“La Pazza Gioia (Like Crazy)”(伊・仏) 監督:パオロ・ヴィルツィ
・“Sieranevada”(ルーマニア・仏) 監督: クリスティ・プイウ(Cristi Puiu)
・“Suntan”(ギリシャ・独) 監督: Argyris Papadimitropoulos
・『ある戦争』“Krigen (A War)”(デンマーク) 監督:トビアス・リンホルム
--------------------------------
3作品のうち2本が初監督長編で、3作品のうち2本が女性監督作品です。
アニメーション作品がノミネートされるのは、今回が初めてです。
“À Peine J´ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”は、女性監督で、初監督で、主人公は思春期の女性、しかもヨーロッパ周縁国での(共同)製作作品でもあって、前回の受賞作品『裸足の季節』と立ち位置が似ているように見えます。
アニメーション作品は、ヨーロッパでは、まだ実写作品と同格とは見なされていないということもあり、また、カンヌでは“Toni Erdmann”は作品の評価に見合った賞を与えられなかったということもあって、ラックス賞では“Toni Erdmann”を推す人が多いような気もしますが、どうでしょうか。
受賞結果の発表は、11月23日にストラスブールで行なわれます。
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*当ブログ記事
・ラックス賞2016 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_5.html
・ラックス賞2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_12.html
・ラックス賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_29.html
・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_10.html
・ラックス賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html
追記:
・ラックス賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_41.html
【ラックス賞】
ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。
内容から言うと、①ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、②物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、③ヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。
投票資格があるのは、欧州議会の議員約750名のみ(2016年7月現在は751名)で、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。(そのために、24の言語による字幕が用意され、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたって上映会が実施されます。)
選考は、前年の5月31日から当年の5月30日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会が選出したメンバー21名(プロデューサー、配給者、映画興行者、映画祭ディレクター、映画批評家らから選ばれた「ラックス賞セレクション・パネル」。毎年1/3が改選される)がセレクションを行なって、まずオフィシャル・セレクションとして10本を選び(発表し)、そこからノミネート作品3本に絞り込み、さらに上映会による上映&投票を経て、年間最優秀作品(ラックス賞)を決定するというプロセスが取られています。(※ セレクション・パネルは、少しずつ増えていて、2015年は20名でしたが、2016年は21名になっています。)
本年度のオフィシャル・セレクションは、7月3日にカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表され、ノミネーションは、ベネチア国際映画祭ベネチア・デイズのラインナップ発表会で発表されています。
過去9回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。
◆2007年
◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
◆2008年
・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký
◆2009年
・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ
◆2010年
・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:フェオ・アラダグ(Feo Aladag)
・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)
◆2011年
・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:アティーナ・レイチェル・トサンガリ(Athina Rachel Tsangari)
◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド
◆2012年
・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf
◆2013年
・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
◆2014年
◎『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček
◆2015年
◎『裸足の季節』(仏・独・トルコ) 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュベン
・『地中海』“Mediterranea”(伊・仏・米・独・カタール) 監督:ジョナス・カルピニャーノ(Jonas Carpignano)
・『ザ・レッスン/授業の代償』“Urok (The Lesson)”(ブルガリア・ギリシャ) 監督:クリスティナ・グロゼヴァ(Kristina Grozeva)、ペタル・ヴァルチャノフ(Petar Valchanov)
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【ラックス賞2016 ノミネーション】
・“Ma Vie de Courgette (My Life as a Courgette)”(スイス・仏) 監督: Claude Barras
声の出演:Gaspard Schlatter、ミシェル・ヴュイエルモーズ(Michel Vuillermoz)、Paulin Jaccoud、Sixtine Murat
物語:Courgette(ズッキーニ)は、10歳で母を失い、世界でひとりぼっちになってしまったと感じる。それから、施設に入れられ、SimonやAhmed、Jujube、Alice、Béatriceと出会い、友だちになる。みんなそれぞれに自分の物語を持ち、等しく傷つき、やさしい心の持ち主だった。だが、Camilleだけは少し違っていた……。
初監督作品。セリーヌ・シアマが脚色を手がけている。
カンヌ国際映画祭2016 監督週間出品。
アヌシー国際アニメーションフェスティバル2016 長編コンペティション部門出品。最優秀作品賞、観客賞受賞。
・“Toni Erdmann”(独・ルーマニア・オーストリア) 監督:マレン・アデ
出演:ペーター・シモニシェック(Peter Simonischek)、サンドラ・フラー(Sandra Hüller)、ルーシー・ラッセル(Lucy Russell)、Trystan Wyn Pütter、ハデヴィック・ミニス(Hadewych Minis)、ヴラド・イヴァノフ(Vlad Ivanov)、ジョン・キーオ(John Keogh)
物語:ウィンフリードは、ジョークが大好きな、ソウルフルな65歳の音楽教師である。一方、娘のイネスは、父とは正反対の性格で、ビジネス・コンサルタントとして野心が強く、次々と新しいプロジェクトをこなしては、キャリアのステップを上っていた。彼女は世界を股にかけて仕事をしていたので、父と娘が会うことはほとんどなくなっていた。ところが、ウィンフレードの犬が死に、彼は娘に会いに行こうと決める。彼は、娘がすっかりユーモアをなくしてしまったと考えていて、彼女の前でジョークを炸裂させる。しかし、そのジョークと自分のライフスタイルへの批判から、イネスは父に対して猛烈に反発する。ウィンフリードは、もう1つの自己、トニ・エルドマンに変身して、事態をさらに悪化させる。だが、期待に反して、2人が衝突すれば衝突するほど、2人の仲は縮まっていく……。
カンヌ国際映画祭2016 コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
シドニー映画祭2016出品。
ブリュッセル映画祭2016 オフィシャル・コンペティション部門出品。ゴールデン・アイリス賞(最優秀作品賞)、脚本賞、RTBF TV Prize of Best Film受賞。
ミュンヘン映画祭2016出品。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2016 Horizons部門出品。
・“À Peine J´ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”(仏・チュニジア・ベルギー・UAE) 監督: Leyla Bouzid
物語:ジャスミン革命が始まる数か月前の、2010年夏のチュニス。Farahは、18歳になり、高校を卒業した。家族は、彼女が医者になるものと思っていたが、彼女は家族と同じ道を進むのは嫌だった。Farahは、政治的なメッセージ・ソングを歌うロックバンドに属し、人生に情熱を持ち、アルコールを飲み、恋をし、夜まで街で遊んだ。母Hayetは、そんな娘を快く思わず、チュニスという街が危険なことをよく知っていた……。
初監督長編。
ベネチア国際映画祭2015 ベネチア・デイズ出品。Label Europa Cinemas受賞。
トロント国際映画祭2015 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
カルタゴ映画祭2015 TV5賞、国際批評家連盟賞受賞。
ストックホルム国際映画祭2015出品。
ドバイ国際映画祭2015出品。Muhr Award(最優秀長編フィクション作品)受賞。
リュミエール賞2016 新人女優賞(Baya Medhaffar)、フランス語映画賞ノミネート。
オーデンティア賞2016 ノミネート。
香港国際映画祭2016出品。
イスタンブール国際映画祭2016出品。
トライベッカ映画祭2016出品。
インディー・リスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭2016出品。
サンフランシスコ国際映画祭2016 ゴールデンゲート ニュー・ディレクターズ・コンペティション 長編ナラティヴ部門出品。
シアトル国際映画祭2016出品。
トランシルヴァニア国際映画祭2016 コンペティション部門出品。
台北電影節2016 インターナショナル・ニュー・タレント・コンペティション部門出品。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2016 「ヴァラエティー」誌批評家によるチョイス。
[その他のオフィシャル・セレクション作品]
・『シリア、愛の物語』“A Syrian Love Story”(英) 監督:ショーン・マカリスター( Sean McAllister)
・“Cartas da Guerra(Letters From War)”(ポルトガル) 監督: Ivo M Ferreira
・“L´Avenir (Things to Come)”(仏・独) 監督:ミア・ハンセン=ラヴ
・“La Pazza Gioia (Like Crazy)”(伊・仏) 監督:パオロ・ヴィルツィ
・“Sieranevada”(ルーマニア・仏) 監督: クリスティ・プイウ(Cristi Puiu)
・“Suntan”(ギリシャ・独) 監督: Argyris Papadimitropoulos
・『ある戦争』“Krigen (A War)”(デンマーク) 監督:トビアス・リンホルム
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3作品のうち2本が初監督長編で、3作品のうち2本が女性監督作品です。
アニメーション作品がノミネートされるのは、今回が初めてです。
“À Peine J´ouvre les Yeux (As I Open My Eyes)”は、女性監督で、初監督で、主人公は思春期の女性、しかもヨーロッパ周縁国での(共同)製作作品でもあって、前回の受賞作品『裸足の季節』と立ち位置が似ているように見えます。
アニメーション作品は、ヨーロッパでは、まだ実写作品と同格とは見なされていないということもあり、また、カンヌでは“Toni Erdmann”は作品の評価に見合った賞を与えられなかったということもあって、ラックス賞では“Toni Erdmann”を推す人が多いような気もしますが、どうでしょうか。
受賞結果の発表は、11月23日にストラスブールで行なわれます。
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・ラックス賞2016 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201607/article_5.html
・ラックス賞2015 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_12.html
・ラックス賞2015 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201511/article_29.html
・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_10.html
・ラックス賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html
追記:
・ラックス賞2016 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201611/article_41.html
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