ズリーン国際映画祭2016 受賞結果!

 第56回ズリーン国際映画祭(5月27日-6月3日)の受賞結果です。

 【子供向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International competition of Films for Children)

 ◆最優秀作品賞/金のスリッパ賞
 ◎“The World of Us(우리들(가제))”(韓) 監督:ユン・ガウン(Ga-eun Yoon)
 物語:Sunは10歳の少女で、やさしい性格なのにも拘わらず、学校ではいじめられ、仲間はずれにされている。夏休みに入り、彼女は、新しく町にやってきた少女Jiaと出会う。2人は仲良くなり、JiaはSunの家に呼んでもらったりもして、家族の一員のように接してもらい、互いの秘密を分かち合うまでになる。新学期になり、Jiaは、Sunと同じ学校に通うが、JiaはSunが学校では仲間はずれにされていることに気づき、別のクールな少女たちと遊ぶようになって、Sunとは距離を取るようになる……。
 ベルリン国際映画祭2016 ジェネレーション Kplus部門出品。

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 ◆最優秀演技賞/ズリーン市賞(City of Zlín Award - for Best Child Actor in Feature Film for Children)
 ◎Choi Soo-in “The World of Us(우리들(가제))”(韓)

 ◆児童審査員賞
 ◎“Abulele”(イスラエル) 監督:Jonathan Geva
 物語:アダムの兄が交通事故で亡くなって、1年経つが、家族は悲しみから抜け切れていない。10歳のアダムも、兄を死なせてしまったことに罪の意識を感じていて、世界で独りぼっちになってしまう。ある時、彼はAbuleleと出会う。Abuleleは、クマくらいの大きさのモンスターで、地元ではとても危険だと伝えられている。しかし、実際はとてもフレンドリーで、アダムとAbuleleはとても仲良くなる。アダムは、Abuleleの力を借りて、教師の裏を搔いたり、いじめっ子を返り討ちにしたりする。両親は、アダムが何か秘密を持っているらしいことに気づき始める。一方、政府も、サンダーと呼ばれる特殊部隊を送り出し、アダムの近隣でAbuleleの捕獲作戦を行ない始める。アダムは、Abuleleを助けるために、Abuleleを家に連れ帰って匿う……。

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 ◆エキュメニカル審査員賞
 ◎“Abulele”(イスラエル) 監督:Jonathan Geva

 ◆観客賞/金のリンゴ賞
 ◎“Abulele”(イスラエル) 監督:Jonathan Geva

 【青少年向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Films for Youth)

 ◆作品賞/金のスリッパ賞
 ◎“Keeper”(ベルギー・スイス・仏) 監督:Guillaume Senez
 物語:マキシムとメラニーは愛し合っている。2人はともに15歳で、マキシムはサッカー選手になるという夢を持ち、そのチャンスをつかみかける。ところが、彼は、メラニーから妊娠したことを告げられ、衝撃を受ける。まだ父親になる心づもりはできていないし、マキシムの親は近所に噂を立てられることを心配する。しかし、彼は、次第に赤ん坊を持つということを受け入れていき、メラニーを説得し、一緒に赤ん坊を育てていくことを誓う。
 ロカルノ国際映画祭2015 フィルムメイカーズ・オブ・ザ・プレゼント部門出品。Europa Cinemas Label受賞。
 トロント国際映画祭2015 DISCOVERY部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2015 1-2コンペティション部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 ロッテルダム国際映画祭2016 Voices部門出品。
 アノネー国際ファースト・フィルム・フェスティバル2016出品。審査員特別賞受賞。
 台北電影節2016 インターナショナル・ニュー・タレント・コンペティション部門出品。

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 ◆最優秀女優賞/ミロシュ・マコーレク(Milos Macourek)賞
 ◎Hiba Atallah “The Idol”(パレスチナ・英・カタール・オランダ・UAE)

 “The Idol”(パレスチナ・英・カタール・オランダ・UAE) 監督:ハニ・アブ・アサド
 物語:実話に基づく物語。Mohammad Assafは、ガザ出身の若いパレスチナ人で、ウェディング・シンガーをしている。彼が、「アラブ・アイドル」に出演したことから彼の運命が変わる。大統領までが彼に投票を呼びかけ、一方、首相は、彼を招いて支持を求める。結果、彼は、勝利し、パレスチナ人の町が幸福感に包まれる。Mohammad Assafは、希望の象徴となり、分断されていたパレスチナ人を1つにする。彼が「アラブ・アイドル」になったことで、パレスチナ人は、一時、内紛や、いまだ果たされない独立に向けた紛争を忘れることができたのだった。
 トロント国際映画祭2015 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2015 インターナショナル・コンペティション部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。
 アジア太平洋スクリーン・アワード2015 ユネスコ作品賞受賞。

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 ◆審査員特別賞(Special Jury Awards Prizes awarded by non-statutory juries: ECFA – International Jury ECFA Award)
 ◎“Learn by Heart(La Vie en grand)”(仏) 監督:マチュー・ヴァドピエ(Mathieu Vadepied)
 物語:アダマは14歳で、パリ郊外のBondyに母親と2間のフラットで暮らしている。彼は、明るい生徒だったが、学校で落第する。というのも、彼の母親は、夜勤の清掃婦で、家事はすべて彼の仕事になっていて、勉強どころではなかったからだ。アダマの年下のスクールメイト、アマドウが、麻薬の手入れが行なわれた場所で、大量のハシシを見つける。アダマは、これを近所の金持ちの子女たちに売って、金儲けしようと企む。2人は、お金とブツを別々に管理する、セーフティーなシステムを作りあげる。すべては順調のはずだった、大人の麻薬ディーラー、ケヴィンに目をつけられるまでは。ケヴィンは、彼らであれば、警察の目をかいくぐって、取引を拡大できると考え、彼らを酷使する。アダマとアマドウが、ブツの隠し場所に選んだのは、学校の使われていない教室だった。皮肉なことに、そのせいで学校を追われたはずのアダマは、勉強したいと思うようになり、実際にルイ・アラゴンの詩を覚え、学問を楽しむようにすらなっていく。
 『リード・マイ・リップス』や『最強のふたり』などの撮影監督として知られるマチュー・ヴァドピエの初監督長編。
 カンヌ国際映画祭2015 批評家週間クロージング作品。

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 ◆青少年審査員賞
 ◎“The Pitch(Korobka)”(ロシア) 監督:Eduard Bordukov
 物語:Kostyaは、草サッカーが好きだ。プロのサッカー選手になるのが夢だが、まだコーチに近づくこともできないでいる。彼には、Nastyaというガールフレンドがいて、彼女も彼の夢を分かち合っている。Kostyaたちには、いつも使っている草サッカーのピッチがあったが、ある日、そこにコーカサスのグループがやってくる。どちらもそこを譲ろうとしない。2つのグループは、ピッチを賭けて試合をすることにする。これは、もはやただのサッカーの試合ではない。命がけの戦争だ。

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 ◆エキュメニカル審査員賞 特別表彰(Special Recognition)
 ◎“Learn by Heart(La Vie en grand)”(仏) 監督:マチュー・ヴァドピエ(Mathieu Vadepied)

 【子供向けアニメーション映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Animated Films for Children)

 ◆最優秀作品賞/金のスリッパ賞
 ◎『オーケストラ』“The Orchestra”(オーストラリア) 監督:マイキー・ヒル(Mikey Hill)
 物語:自分の感情の起伏に従って、小さなオーケストラが音楽を奏でてくれる世界。年配のVernonは、シャイでひとり暮らしだった。ある時、クラシック・アンサンブルを従えた隣人と出くわす。これは、幸せをつかむ最後のチャンスかもしれない。だが、その前に彼らは自らの舞台恐怖症と戦わなければならない。
 アニマ・ムンディ・アニメーション・フェスティバル2015 音響デザイン賞受賞。
 カリフォルニア・インディペンデント映画祭2015 最優秀アニメーション賞受賞。
 AACTAオーストラリア・アカデミー賞2015 短編アニメーション賞ノミネート。
 サンタバーバラ国際映画祭2016 最優秀短編アニメーション作品賞受賞。
 リバーラン国際映画祭2016 オナラブル・メンション受賞。
 ナッシュヴィル映画祭2016 Outstanding Use of Music受賞。
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016にて上映。

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 ◆ヘルミーナ・ティールローヴァ賞(35歳までのヤング・アーティスト賞)
 ◎『おかあさん』“About a Mother(Pro mamu)”(ロシア) 監督:ディナ・ヴェリコススカヤ(Dina Velikovskaya)
 物語:アフリカの小さな村。母親が3人の息子と暮らしている。彼女は、黒く長い美しい髪を持っているが、その髪を使って、息子たちを砂漠の熱から涼ませたり、魚を釣ったり、遊ばせるためのトランポリン代わりにしたりしていた。やがて息子たちは、家を離れ、仕事に就く。長男は漁船に乗り、後の2人は、ヘリコプターと列車に乗った。ところがまもなく、息子たちの助けを求める叫びが聞こえてくる。彼女は自分の髪を犠牲にして彼らを助ける。
 『おかしなおじいさん』が紹介されているディナ・ヴェリコススカヤの最新作。
 Lucas - International Festival of Films for Children and Young People2015 最優秀短編アニメーション賞受賞。
 タンペレ国際短編映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。Diploma of Merit受賞。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2016 学生コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016にて上映。

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 ◆観客賞/金のリンゴ賞
 ◎“Tiger”(独) 監督:Kariem Saleh
 物語:食器に小さくてハッピーなトラがプリントされている。彼は、置き去りにされて、何も食べるものがないと、食器を抜け出して、食卓へと旅に出てしまう。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2016 児童映画コンペティション部門出品。

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 ◆観客賞/チェコ・テレビジョンČT:D賞(Audience Award of Czech Television ČT:D)
 ◎“I am not a Mouse”(英) 監督:Evgenia Golubeva
 物語:誰でも子どもの頃に親から「こねこちゃん」とか「小リスちゃん」と呼ばれたりしたことがあると思う。ルーシーの場合は、「小ネズミちゃん」だった。ところが、ある日、ルーシーは本当に小ネズミになってしまう。さあ、彼女はどうすればいいだろうか。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2016 児童映画コンペティション部門出品。

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 【ヨーロッパ初監督長編作品 インターナショナル・コンペティション部門】(The International of Competition of European First Films)

 ◆最優秀作品賞

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 ◎“Rag Union(Tryapichnyy soyuz)”(ロシア) 監督:Mikhail Mestetskiy
 物語:ティーンエージャーのVaniaは、Tryapichnyy soyuz(Rag Union)と名乗る3人組と出会う。彼らは、パルクールを使って、墓石や車の屋根を飛び越えたりする。Vaniaは、彼らの仲間に入りたかったが、引っ込み思案でもあり、実際のところ彼らが何をしているのか知らなかった。世界に革命を起こそうとしているのか、それとも破壊活動をしているのか、あるいは、ただの誇大妄想狂なのか。彼らが、おばあちゃんのダーチャを相続した時も、Vaniaは、ただ見ているしかなかった。それからひとりの少女が現れ、トラブルを起こす。そして最初の爆発が起こる……。
 ソチ・オープン・ロシア映画祭2015 男優賞受賞。
 サハリン国際映画祭2015 監督賞、男優賞、Award of the Honorary President受賞。
 ベルリン国際映画祭2016 ジェネレーション Kplus部門出品。

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 ◆特別表彰(Special Recognition)
 ◎Alen Huseyin Gursoy “Rauf”(トルコ)

 “Rauf”(トルコ) 監督:Baris Kaya、Soner Caner
 物語:ラウフは、9歳で、終わりなき戦争の影に怯える、田舎の村で暮らしている。彼は、大工の徒弟をしていて、親方の20歳になる娘のことが好きになり、彼女のためにピンク色を探す旅に出る。ピンクは、彼にとって愛の色であり、希望へと続く勇気の色であり、見たこともない平和の象徴であった。彼女を喜ぶ顔が見たいと思って、彼はピンクを探す旅をスタートさせる。しかし、グレーの世界で生まれ育った彼には、黒と白しか見出すことができない。
 ベルリン国際映画祭2016 ジェネレーション Kplus部門出品。
 ソフィア国際映画祭2016 インターナショナル・コンペティション部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 イスタンブール映画祭2016 ナショナル・コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。

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 【学生作品 コンペティション部門】(The International Competition of Student Films Zlín Dog)

 ◆最優秀作品賞

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 ◎“Peacock(Furiant)”(チェコ) 監督:Ondřej Hudeček
 物語:絵に描いたように美しい19世紀のボヘミア。国民的な作家のひとりの誕生と、ねじれたゲイのロマンスが描かれる。サスペンスと、笑いと、バイオレンス、希望、ハート、ヌード、セックス、そして(ほぼ)ハッピー・エンディング。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2015出品。
 トロント国際映画祭2015出品。
 サンダンス映画祭2016 短編審査員賞 監督賞受賞。
 チェコ・ライオン2016 最優秀学生映画賞受賞。

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 ◆Facts & Figures

 ・映画観客総数:41000人

 ・サポート・プログラム参加者総数:84000人

 ・トータル入場者数:125000人 

 ・総上映本数:56か国から361本

 ・ワールド・プレミア:14本

 ・インターナショナル・プレミア:43本

 ・チェコ・プレミア:135本

 ・プレミア・トータル:192本

 総上映本数は、私が数えたより10本多いですが、どこをどう数えたらそうなるのか。かない大変なので、もう1回数え直してみることはしませんが……。

 映画祭入場者のうち、映画を1本も観ない入場者が2/3もいるっているのは、なかなか凄いですね。

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 *当ブログ記事

 ・ズリーン国際映画祭2016 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201605/article_43.html
 ・ズリーン国際映画祭2016 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201605/article_44.html
 ・ズリーン国際映画祭2014 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_27.html
 ・ズリーン国際映画祭2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201406/article_6.html
 ・ズリーン国際映画祭2013 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_40.html
 ・ズリーン国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201306/article_5.html
 ・ズリーン国際映画祭2012 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201205/article_21.html
 ・ズリーン国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_8.html
 ・ズリーン国際映画祭2011 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_27.html
 ・ズリーン国際映画祭2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_10.html
 ・ズリーン国際映画祭2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_28.html
 ・ズリーン国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年1月~5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201601/article_49.html
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2016年6月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201606/article_2.html

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