ヨーロッパ映画賞2015 全ノミネーション発表!

 第28回ヨーロッパ映画賞の全ノミネーションが発表になりました。(11月7日)@セビリヤ・ヨーロッパ映画祭

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 ◆作品賞(European Film 2015)
 ・“Mustang”(仏・独・トルコ) 監督:Deniz Gamze Ergüven
 ・“Youth(Youth – La Giovinezza)”(伊・仏・英・スイス) 監督:パオロ・ソレンティーノ
 ・『ヴィクトリア』“Victoria”(独) 監督:ゼバスチャン・シッパー(Sebastian Schipper)
 ・“The Lobster”(英・アイルランド・ギリシャ・オランダ) 監督:ヨルゴス・ランティモス
 ・『ひつじ村の兄弟』“Hrútar (Rams)”(アイスランド・デンマーク) 監督:グリームル・ハゥコーナルソン(Grímur Hákonarson)
 ・『さよなら、人類』(スウェーデン・仏・独・ノルウェー) 監督:ロイ・アンダーソン

 ◆監督賞(European Director 2015)
 ・ナンニ・モレッティ “My Mother(Mia Madre)”(伊・仏)
 ・パオロ・ソレンティーノ “Youth(Youth – La Giovinezza)”(伊・仏・英・スイス)
 ・ゼバスチャン・シッパー(Sebastian Schipper) 『ヴィクトリア』“Victoria”(独)
 ・マウゴジャタ・シュモフスカ(Małgorzata Szumowska) 『ボディ』“Body(Cialo)”(ポーランド)
 ・ヨルゴス・ランティモス “The Lobster”(英・アイルランド・ギリシャ・オランダ)
 ・ロイ・アンダーソン 『さよなら、人類』(スウェーデン・仏・独・ノルウェー)

 ◆男優賞(European Actor 2015)
 ・トム・コートネイ “45 Years”(英)
 ・ヴァンサン・ランドン “La loi du marché (The Measure of a Man)”(仏)
 ・クリスティアン・フリーデル(Christian Friedel) 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(独)
 ・マイケル・ケイン “Youth(Youth – La Giovinezza)”(伊・仏・英・スイス)
 ・コリン・ファレル “The Lobster”(英・アイルランド・ギリシャ・オランダ)

 ◆女優賞(European Actress 2015)
 ・シャーロット・ランプリング “45 Years”(英)
 ・アリシア・ヴィキャンデル “Ex Machina”(英・米)
 ・マルゲリータ・ブイ “My Mother(Mia Madre)”(伊・仏)
 ・レイチェル・ワイズ “Youth(Youth – La Giovinezza)”(伊・仏・英・スイス)
 ・ライア・コスタ(Laia Costa) 『ヴィクトリア』“Victoria”(独)

 ◆脚本家賞(European Screenwriter 2015)
 ・ロイ・アンダーソン 『さよなら、人類』(スウェーデン・仏・独・ノルウェー)
 ・アレックス・ガーランド “Ex Machina”(英・米)
 ・アンドリュー・ヘイ “45 Years”(英)
 ・Radu Jude、Florin Lazarescu “Aferim!”(ルーマニア・ブルガリア・チェコ) 監督:
 ・ヨルゴス・ランティモス、Efthimis Filippou “The Lobster”(英・アイルランド・ギリシャ・オランダ)
 ・パオロ・ソレンティーノ “Youth(Youth – La Giovinezza)”(伊・仏・英・スイス)

 ◆ディスカバリー賞 9月20日発表
 ・“Slow West”(英・ニュージーランド) 監督:John Maclean
 ・“Mustang”(仏・独・トルコ) 監督:Deniz Gamze Ergüven
 ・“Summers Downstairs(Im Sommer Wohnt Er Unten)”(独・仏) 監督:Tom Sommerlatte
 ・“Limbo”(独・デンマーク) 監督:Anna Sofie Hartmann
 ・“Goodnight Mommy(Ich Seh Ich She)”(オーストリア) 監督:ヴェロニカ・フランツ(Veronika Franz)、Severin Fiala

 ◆短編映画賞 9月29日公式発表
 ・ブリストル(英)代表 『結末』“Over”(英/13分) 監督:Jörn Threlfall [フィクション]
 ・コーク(アイルランド)代表 “Field Study”(英・ポーランド/20分) 監督:Eva Weber [フィクション]
 ・ヴィラ・ド・コンデ(ポルトガル)代表 “Kung Fury”(スウェーデン/30分) 監督:David Sandberg [フィクション]
 ・バリャドリッド(西)代表 “The Runner(El Corredor)”(西/12分) 監督:José Luis Montesinos  [フィクション]
 ・クレモン・フェラン(仏)代表 “Smile, And The World Will Smile Back”(イスラエル・パレスチナ/20分) 監督:Yoav Gross, Ehab Tarabieh & the al-Haddad family [ドキュメンタリー]
 ・ゲント(ベルギー)代表 『ワシントニア』“Washingtonia”(ギリシャ/24分) 監督:Konstantina Kotzamani [フィクション]
 ・ロッテルダム(オランダ)代表 “Our Body(Naše Telo)”(セルビア・ボスニア ヘルツェゴビナ/14分) 監督:Dane Komljen  [実験映画]
 ・ロカルノ(スイス)代表 “Son of The Wolf(Fils du Loup)”(仏/23分) 監督:Lola Quivoron [フィクション]
 ・ベネチア(伊)代表 “E.T.E.R.N.I.T.”(仏/14分) 監督:Giovanni Aloi [フィクション]
 ・ベルリン(独)代表 『不協和音』“Dissonance”(独/17分) 監督:ティル・ノヴァク(Till Nowak) [アニメーション]
 ・クラクフ(ポーランド)代表 “This Place We Call Our Home”(デンマーク/30分) 監督:Thora Lorentzen & Sybilla Tuxen [ドキュメンタリー]
 ・サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)代表 “The Translator(Çevirmen)”(英・トルコ/23分) 監督:Emre Kayiş [フィクション]
 ・ドラマ(ギリシャ代表) “Picnic(Piknik)”(クロアチア/13分) 監督:Jure Pavlović [フィクション]
 ・タンペレ(フィンランド)代表 “Listen(Kuuntele)”(デンマーク・フィンランド/13分) 監督:Hamy Ramezan & Rungano Nyoni  [フィクション]
 ・グリムスタッド(ノルウェー)代表 “Symbolic Threats”(独/15分) 監督:ミーシャ・ラインカウフ(Mischa Leinkauf)、Lutz Henke、マティアス・ヴェルムカ(Matthias Wermke) [ドキュメンタリー]

 ◆ドキュメンタリー賞(European Documentary 2015) 9月15日発表
 ・“A Syrian Love Story”(英) 監督:ショーン・マカリスター( Sean McAllister)
 ・“Amy”(英) 監督:アシフ・カパディア(Asif Kapadia)
 ・“Dancing With Maria”(伊・アルゼンチン・スロヴェニア) 監督:Ivan Gergolet
 ・『ルック・オブ・サイレンス』(デンマーク・ノルウェー・インド) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 ・『トトと二人の姉』“Toto si surorile lui (Toto and His Sisters)”(独・ハンガリー・ルーマニア) 監督:アレクサンダー・ナナウ(Alexander Nanau)

 ◆アニメーション賞 10月13日発表
 ・『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(英・仏) 監督:マーク・バートン、リチャード・スターザック
 ・“Adama”(仏) 監督:Simon Rouby
 ・『Song of the Sea 〜海の歌』(アイルランド・ベルギー・デンマーク・仏・ルクセンブルク) 監督:トム・ムーア

 ◆コメディー賞(European Comedy 2015)
 ・『エール!』“The Bélier Family(La Famille Belier)”(仏) 監督:エリック・ラルティゴ(Eric Lartigau)
 ・“The Brand New Testament(Le Tout Nouveau Testament)”(ベルギー・仏・ルクセンブルク) 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
 ・『さよなら、人類』(スウェーデン・仏・独・ノルウェー) 監督:ロイ・アンダーソン

 ◆ピープルズ・チョイス賞 投票期間:9月1日~10月31日
 ・『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(英・仏) 監督:モルテン・ティルドゥム
 ・“Marshland(La Isla Mínima)”(西) 監督:Alberto Rodríguez
 ・『サンバ』(仏) 監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
 ・『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』(仏・ブラジル・伊) 監督:ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
 ・『ヴィクトリア』“Victoria”(独) 監督:ゼバスチャン・シッパー(Sebastian Schipper)
 ・『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』(ハンガリー・独・スウェーデン) 監督:コルネル・ムンドルッツォ
 ・『さよなら、人類』(スウェーデン・ノルウェー・仏・独) 監督:ロイ・アンダーソン
 ・『フレンチアルプスで起きたこと』(スウェーデン・デンマーク・仏・ノルウェー) 監督:リューベン・オストルンド
 ・『裁かれるは善人のみ』(ロシア) 監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ

 【技術部門】 10月27日発表

 ◆撮影監督賞(European Cinematographer 2015 – Prix Carlo di Palma) 1989~1992、1997~
 ◎マルティン・ゲシュラハト(Martin Gschlacht) “Goodnight Mommy(Ich Seh Ich She)”(オーストリア) 監督:ヴェロニカ・フランツ(Veronika Franz)、Severin Fiala

 ◆編集者賞(European Editor 2015) 1991、1992、2005、2010~
 ◎Jacek Drosio 『ボディ』“Body(Cialo)”(ポーランド) 監督:マウゴジャタ・シュモフスカ(Małgorzata Szumowska)

 ◆プロダクション・デザイナー賞(European Production Designer 2015) 1988、1990~1992、2005、2010~
 ◎シルヴィー・オリヴェ(Sylvie Olivé) “The Brand New Testament(Le Tout Nouveau Testament)”(ベルギー・仏・ルクセンブルク) 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル

 ◆衣裳デザイナー賞(European Costume Designer 2015) 2013~
 ◎サラ・ブレキンソップ(Sarah Blenkinsop) “The Lobster”(英・アイルランド・ギリシャ・オランダ) 監督:ヨルゴス・ランティモス

 ◆音響デザイナー賞(European Sound Designer 2015) 2013~
 ◎バスコ・ピメンテ(Vasco Pimentel)、ミゲル・マルティンス(Miguel Martins) “Arabian Nights, Vol. 1-3(As Mil E Uma Noites, Vol. 1-3)”(ポルトガル・スイス・独・仏) 監督:ミゲル・ゴメス

 ◆作曲家賞(European Composer 2015) 1989~1992、2004~
 ◎Cat's Eyes “The Duke of Burgundy”(英・ハンガリー) 監督:ピーター・ストリックランド

 【特別賞・名誉賞】 10月6日発表

 ◆ワールド・シネマへの貢献賞(European Achievement in World Cinema)
 ◎クリストフ・ヴァルツ

 ◆生涯貢献賞(Lifetime Achievement Award)
 ◎シャーロット・ランプリング

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 主な作品のノミネート状況は、以下の通りです。

 ・“Youth(Youth – La Giovinezza)”(5):作品・監督・男優・女優・脚本
 ・“The Lobster”(5):作品・監督・男優・脚本・衣裳
 ・『さよなら、人類』(5):作品・監督・脚本・コメディー・ピープルズ
 ・『ヴィクトリア』“Victoria”(4):作品・監督・女優・ピープルズ
 ・“45 Years”(3):男優・女優・脚本
 ・“Mustang”(2):作品・監督
 ・“My Mother(Mia Madre)”(2):監督・女優
 ・『ボディ』“Body(Cialo)”(2):監督・編集
 ・“Ex Machina”(2):女優・脚本
 ・“Goodnight Mommy(Ich Seh Ich She)”(2):ディスカバリー・撮影
 ・“The Brand New Testament(Le Tout Nouveau Testament)”(2):コメディー・プロダクション デザイン

 オフィシャル・セレクションを眺める限りでは、本年度のヨーロッパ映画賞は突出した作品がなくて、ちょっと読めないなという印象を持っていたんですが、こうしてノミネーションが発表されてみると、収まるべきところに収まるべきものが収まった感じで、なんだかすっきりして、妙に納得してしまいました。
 そうか、今年のヨーロッパ映画を代表する作品は、こんな感じかあ~。

 ま、あれが入っていない、これが入っていない、『サウルの息子』はどうした?とか、突っ込みどころはいろいろあるわけですが。

 有力作品がたくさんあったイタリア映画は、『黒い魂』が“Youth(Youth – La Giovinezza)”や“My Mother(Mia Madre)”の後塵を拝する形(結果的にはノミネートなし)になり、“Youth(Youth – La Giovinezza)”では、ハーヴェイ・カイテルではなく、マイケル・ケインが選ばれるとか、ドイツからの男優賞は『顔のないヒトラーたち』からではなく、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』の方だったとか、コリン・ファレルの男優賞は“Miss Julie(Frøken Julie”からではなくて、“The Lobster”からだった、などなど―。

 ハリウッドでも活躍している俳優とか、英語作品とかは、ノミネーション選考にはまるで影響がなかったようです。

 本年度は、オフィシャル・セレクション外からの選出もありませんでした。

 全体的には、最多ノミネートの“Youth(Youth – La Giovinezza)”が最もバランスのいいノミネート内容になっています。

 “Youth(Youth – La Giovinezza)”と、ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワードのノミネーションで最多ノミネートになった“The Lobster”は、ともに最多ノミネートになりましたが、どちらも英語作品だから、優れた「外国映画」だとしても、米国アカデミー賞などでは「外国語映画賞」へのノミネートの資格はありません。外国語映画賞以外の部門で米国アカデミー賞にノミネートされる可能性もあり、実際に“Youth(Youth – La Giovinezza)”はたぶんノミネートを果たすと予想されていますが、“The Lobster”の方はどうでしょうか。

 男優賞は、ヴァンサン・ランドンが本命。女優賞は、シャーロット・ランプリングが本命で、マルゲリータ・ブイが対抗。ドキュメンタリー賞は、『ルック・オブ・サイレンス』が本命で、“Amy”が対抗。アニメーション賞は、『Song of the Sea 〜海の歌』が当確。
 『さよなら、人類』をコメディー賞に落とし込むなら、作品賞と監督賞は“Youth(Youth – La Giovinezza)”か“The Lobster”か(分け合うか、ダブル受賞か)といったところでしょうか。

 突出した作品がなかったこともあり、結果的に、いろんな部門をたくさんの作品で分け合う形になるだろうと思われます。

 受賞結果は、12月12日にベルリンで行われる授賞式で発表されます。

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 *当ブログ記事

 ・ヨーロッパ映画賞2015 技術部門6部門受賞者発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_29.html

 ・ヨーロッパ映画賞2015 短編映画賞ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_25.html

 ・ヨーロッパ映画賞2015 アニメーション賞ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_24.html

 ・ヨーロッパ映画賞2015 ディスカバリー賞ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_23.html

 ・ヨーロッパ映画賞2015 ドキュメンタリー賞 オフィシャル・セレクション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_21.html

 ・ヨーロッパ映画賞2015 オフィシャル・セレクション その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_17.html
 ・ヨーロッパ映画賞2015 オフィシャル・セレクション その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_18.html
 ・ヨーロッパ映画賞2015 オフィシャル・セレクション その3:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_19.html

 ・ヨーロッパ映画賞2015 ピープルズ・チョイス賞ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201510/article_11.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年3月~9月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201503/article_1.html
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月~2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2015 受賞結果::http://umikarahajimaru.at.webry.info/201512/article_27.html

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