アカデミー賞名誉賞(Governorsアワード)2015 授賞式!

 米国アカデミー賞の第7回Governorsアワードの授賞式が行なわれました。(11月14日)

 米国アカデミー賞を発表している映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は、俳優部会や監督部会など17の部会で構成されていますが(それぞれの部会はそれぞれの会員と各賞に対応)、各部会の代表が集まって理事会(Board of Governors)を作り、役員とともに映画芸術科学アカデミーを運営しています。(2014年よりキャスティング・ディレクターズ部会が新設され、アカデミー賞にもキャスティング部門の創設を切望していますが、それはまだ実現していません。)

 2015-2016年の役員は8人で、理事会のメンバーは51人ですが、2015-2016年の映画芸術科学アカデミーの理事会の実質的活動は、このGovernorsアワードの授賞式からスタートすることになっていて、Governorsアワードが、理事、および、アカデミー会員、さらには、本年度のアカデミー賞候補の顔見せの場になっています。

 映画芸術科学アカデミーの理事会といっても、どっかの知らないおじさんやおばさんではなく、アメリカの現役の映画人たちで、具体的には公式サイトを見てもらいたいと思いますが、たとえば、監督部会からはキャスリン・ビグローとマイケル・マンとエドワード・ズウィック、プロデューサー部会からはキャスリーン・ケネディーとアルバート・バーガーとマーク・ジョンソン、俳優部会からはアネット・ベニングとトム・ハンクスとエド・ベグリー・ジュニア、脚本家部会からはフィル・ロビンソンとロビン・スウィコードとビリー・レイ、撮影者部会からはジョン・ベイリーとキャレブ・デシャネルとダリン・オカダ、ドキュメンタリー部会からはアレックス・ギブニーとケイト・アマンドとロリー・ケネディー、短編&長編アニメーション部会からはビル・クロイヤーらがそれぞれ選ばれて出席しています。このうち、ジョン・ベイリーとビル・クロイヤーとキャスリーン・ケネディーとフィル・ロビンソンら、および、会長のシェリル・ブーン・アイザックスは、役員も兼任しています。
 理事は、2012年まではメイキャップ・アーティスト&ヘア・スタイリスト部会のみ1名の選出だったのが2013年より3名になり、また、2014年より新たに創設されたキャスティング・ディレクターズ部会を含め、全17部門すべて3名ずつ選出されることになって、2014年から理事は48名から51名に増えています。
 理事の任期は3年で、各部会の3人のうち毎年1人が改選され、本年度は、トム・ハンクス、キャスリーン・ケネディー、ビル・クロイヤー、マイケル・マンらを含む現職9人が再選、脚本家部会のビリー・レイ、撮影者部会のダリン・オカダ、メイキャップ・アーティスト&ヘア・スタイリスト部会のロイス・バーウェルの4人は初選出で、ダリン・オカダはアジア系アメリカ人として初めての理事となっています。これで全理事51人中、女性が17人になりましたが、これは2013-2014年の15人を抜いて、史上最多記録となっています。
 理事は、立候補制で、公表はされていませんが、今回、立候補して当選しなかったメンバーには、エイミー・マディガン、エドワード・ジェームズ・オルモス、エヴァ・デュヴァネイ、リサ・チョロデンコ、デイヴィス・グッゲンハイムらの名前が挙がっています。

 ちなみに、明文化(公表)はされていませんが、理事は理事である期間、米国アカデミー賞のノミネーションを辞退するというのがならわしになっているようで(例外はあります)、2012年度、キャスリン・ビグローが『ゼロ・ダーク・サーティ』で監督賞にノミネートされなかったのも、2013年度、トム・ハンクスが『キャプテン・フィリップス』でも『ウォルト・ディズニーの約束』でもノミネートされなかったのも、彼らが理事を務めていたから、と考えられます。(『ゼロ・ダーク・サーティ』は作品賞にノミネートされているので、キャスリン・ビグローはプロデューサーとしてはノミネートされています。)

 前置きが長くなりましたが、ここからが本題のGovernorsアワードについて――
 Governorsアワードと言っても聞きなじみがないかもしれませんが、1948年から始まるアカデミー名誉賞もこの中に含まれています。

 今年の受賞者は以下の通りです。

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 【第7回Governorsアワード】(受賞者発表は8月27日)

 ◎アカデミー賞名誉賞:スパイク・リー プレゼンター:サミュエル・L・ジャクソン
 スパイク・リーは、1983年に、NYUで制作したデビュー作『ジョーズ・バーバーショップ』で学生アカデミー賞を受賞。
 1990年に『ドゥ・ザ・ライト・シング』で米国アカデミー賞オリジナル脚本賞ノミネート。
 1998年に“4 Little Girls”で米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート。


 ◎アカデミー賞名誉賞:ジーナ・ローランズ プレゼンター:ニック・カサヴェテス
 1975年に『こわれゆく女』で、1981年に『グロリア』で、それぞれ米国アカデミー賞主演女優賞ノミネート。
 ジーナ・ローランズは、これまでゴールデン・グローブ賞で2回の受賞(うち1回は『こわれゆく女』で主演女優賞(初ノミネート初受賞))、プライムタイム・エミー賞3回受賞、『こわれゆく女』でナショナル・ボード・オブ・レビュー女優賞受賞など、受賞歴は少なくないが、米国アカデミー賞や米・俳優組合賞(SAG)(2回ノミネート)では受賞を果たしていなかった。
 近年は、名誉賞的な賞の授与が多く、1994年にサンダンス映画祭からTribute to Independent Vision Award、1996年にナショナル・ボード・オブ・レビューからキャリア貢献賞、2004年にハンプトンズ国際映画祭からキャリア貢献賞(Golden Starfish Award for Career Achievement)、2005年にサテライト・アワードからメアリー・ピックフォード賞、2014年にロサンゼルス映画批評家協会賞からキャリア貢献賞、2015年にElle Women in Hollywood Awards レジェンド賞などを贈られている。

 今回の名誉賞は、カサヴェテス一家に贈られた初めてのオスカーとなった。

 1993年にデボラ・カーがアカデミー賞名誉賞を受賞してから、2009年にローレン・バコールが同賞を受賞するまで、女性のアカデミー賞名誉賞受賞者はなく、アメリカの映画界では「次に女性にアカデミー賞名誉賞が贈られるのはいつになるのか」と囁かれていましたが、前々回、アンジェラ・ランズベリーが受賞を果たし、前回、モーリン・オハラが受賞し、今回、ジーナ・ローランズが受賞となりました。
 長らく女性の受賞者が出なかったのに、ここに来て連続で与えるのは、アカデミーの会長が3人目の女性であるシェリル・ブーン・アイザックスになったことと無関係ではないかもしれません。
 ちなみに、これで、「次にアカデミー名誉賞を贈るべき10人の女たち2013」から3年連続で受賞者が出たことになりました。


 ◎ヒューマニタリアン賞/ジーン・ハーショルト博愛賞(The Jean Hersholt Humanitarian Award):デビー・レイノルズ
 1952年に『雨に唄えば』で一躍スターになった後、1965年に『不沈のモリー・ブラウン』で米国アカデミー賞主演女優賞ノミネート。
 1957年に“Tammy and the Bachelor”で、彼女が歌った主題歌“Tammy”は、米国アカデミー賞オリジナル歌曲賞にノミネートされた。(デビー・レイノルズはノミネート対象外。)

 今回、ヒューマニタリアン賞を贈られたのは、長年のThe Thaliansにおける活動に対して。
 The Thaliansは、1955年に設立された非営利団体で、精神衛生問題の世間一般への認知と治療に対するチャリティー活動を行なう。デビー・レイノルズは、創設メンバーのひとりで、1957年から2011年までプレジデントを務めた。The Thaliansは、ハリウッド・スターの多くが利用していることで知られるThe Mental Health Center at Cedars-Sinaiに大きく貢献していて、The Thalians自体もその中に置かれている。2007年に設立されたUCLA Operation Mendにも寄与し、戦争で精神的肉体的後遺症を持った退役兵士の治療を後押ししている。

 デビー・レイノルズは、米国アカデミー賞でも無冠、ゴールデン・グローブ賞でも無冠、米・俳優組合賞(SAG)でも無冠で、女優としてはあまり賞には恵まれていなかったが、1997年にウォーク・オブ・フェイムを贈られ、2015年に米・俳優組合賞(SAG)から生涯貢献賞を贈られている。

 デビー・レイノルズは、キャリー・フィッシャーの母親としても知られている。(最初の夫である歌手エディー・フィッシャーとの間にできた娘)。キャリー・フィッシャーと、キャスティング・エージェントであるブライアン・ラードとの間にできた娘ビリー・ラード(Billie Lourd)の女優デビューし、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で母キャリー・フィッシャーが演じたレイア姫(の若い頃)を演じている。

 今回の授賞式では、孫娘のビリー・ラードが祖母に代わって、賞の授与を受けた。プレゼンターは、メリル・ストリープ。


 ネット上には、授賞式と同じドレスのビリー・ラードがデビー・レイノルズと並んで、会場にいる写真もアップされています。ビリー・ラードは、「病気のためにセレモニーに出席できないのを残念に思う」という祖母の言葉を述べていますから、デビー・レイノルズ(83歳)は会場まで来て具合が悪くなったのか、あるいは、会場までは来たけれど、ステージに上がれるような体調ではない、ということなのかもしれません。


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 *参考記事
 ・The Wrap:https://www.thewrap.com/academy-elects-michael-giacchino-rory-kennedy-to-board-of-governors/

 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー Governorsアワード2014 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201411/article_6.html
 ・米国アカデミー賞 Governorsアワード(アカデミー名誉賞)2013 発表!:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_12.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2013 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_27.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2012 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_7.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2011 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_4.html
 ・米国アカデミー Governorsアワード2010 授賞式:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_22.html

 ・次にアカデミー名誉賞を贈るべき10人の女たち2013:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_7.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2015年9月~2016年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201509/article_2.html

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 【PHOTO GALLERY】

 ※この授賞式は、米国アカデミー賞2016に向けた最初のイベントでもあって、普段あまりこういうところに顔を出さない面々も数多く顔を見せています。本年度は確実に狙っていて、アピールしていきたいということなのでしょう。以下に、文字数の上限まで写真をアップします。

 ・F・ゲイリー・グレイ

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 ・アーロン・ソーキン

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 ・アイス・キューブ、キンバリー・ウッドラフ

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 ・アンドリュー・ヘイ、トム・コートネイ、マイケル・ラナン(プロデューサー)

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 ・イアン・マッケラン

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 ・イドリス・エルバ、エイブラハム・アッター、キャリー・フクナガ

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 ・ヴァージニア・マドセン

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 ・ウィル・スミス

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 ・エイミー・シューマー

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 ・エリザベス・シュー、デイヴィス・グッゲンハイム

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 ・キャリー・マリガン

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 ・ググ・バサ=ロー

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 ・ケイト・ブランシェット

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 ・コモン

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 ・サム・エリオット

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 ・サンライズ・コイグニー、マーク・ラファロ

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 ・シアーシャ・ローナン

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 ・ジェイ・ローチ

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 ・ジェーン・フォンダ

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 ・ジェニファー・ジェイソン・リー

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 ・ジョアン・アレン

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 ・ジョエル・エドガートン

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 ・ジョシュア・オッペンハイマー

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 ・スティーヴ・カレル

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 ・スパイク・リー ファミリー

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 ・ゾーイ・デシャネル

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 ・ダイアン・ウォーレン、カーター・バーウェル

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 ・ダニー・ボイル

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 ・ダニエル・クレイグ、レイチェル・ワイズ

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 ・デンゼル・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン、ウェズリー・スナイプス

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 ・トム・コートネイ、シャーロット・ランプリング

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 ・トム・フーパー

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 ・パトリシア・クラークソン

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 ・フィリス・ナジー

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 ・ブリー・ラーソン

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 ・ブレット・ラトナー

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 ・ベニチオ・デル・トロ

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 ・ヘレン・ミレン、ブライアン・クランストン

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 ・ポール・ダノ、ビル・ポーラッド、ジョン・キューザック

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 ・ポール・フェイグ

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 ・マーガレット・デヴォジェレール、ピーター・フォンダ

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 ・マイケル・キートン

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 ・マイケル・ケイン

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 ・マリサ・トメイ

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 ・リドリー・スコット

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 ・リリー・トムリン

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 ・ルー・フィリップス・ダイアモンド

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 ・ルーニー・マーラ

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 ・ローラ・リニー

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