ルイ・デリュック賞2014 ノミネーション発表!

 第72回ルイ・デリュック賞のノミネーションが発表になりました。(11月27日)

 【ルイ・デリュック賞】

 ・『さらば、愛の言葉よ』“Adieu au langage(Goodbye To Language)”(仏) 監督:ジャン=リュック・ゴダール
 出演:カメル・アブデリ(Kamel Abdeli)、Dimitri Basil、ゾエ・ブリュノー(Zoé Bruneau)、リシャール・シェヴァリエ(Richard Chevallier)、Jessica Erickson、エロイーズ・ゴデ(Héloise Godet)、Alexandre Païta
 物語:既婚の女性と独身の男性が出会う。彼は、愛し合い、ケンカをする。一匹の犬がうろうろする。そして、季節が過ぎ、第2の映画が始まる……。
 ゴダールの39本目の長編監督作品。3D。
 カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。審査員賞、パルム・ドッグ第2席受賞。
 ロカルノ国際映画祭2014 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2014 MASTERS部門出品。
 釜山国際映画祭2014 ワールド・シネマ部門出品。
 ヨーロッパ映画賞2014 オフィシャル・セレクション。

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 ・“Au bord du monde(On The Edge of The World)”(仏) 監督:Claus Drexel
 ドキュメンタリー。
 ジェニ、ヴェンスラス、クリスティン、パスカルらは、パリのホームレスである。世界の片隅で暮らす彼らを守るものは何もない。彼らは、パリのストリートや橋、地下街をうろつきまわる。華やかな町並みとは対照的なパリのホームレスの窮状が描かれていく。
 バンクーバー国際映画祭2013出品。
 テッサロニキ国際ドキュメンタリー映画祭2014 国際批評家連盟賞 インターナショナル部門受賞。

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 ・“Bird People”(仏) 監督:パスカル・フェラン(Pascale Ferran)
 出演:アナイス・ドゥムースティエ(Anaïs Demoustier)、ジョシュ・チャールズ(Josh Charles)、ロシュディー・ゼム、Camelia Jordana、アケラ・サリ(Akéla Sari)、アン・アズレイ(Anne Azoulay)
 物語:アメリカのコンピューター・エンジニアが、フランスのロワシー近くにある国際的なホテルにチェックインする。彼は、ヘビーな仕事に関わっていて、プレッシャーも大きく、思い切って人生を変えてしまいたいと考えていた。数時間後、超常現象が起こって、彼と若いメイドの体が入れ替わってしまう。
 カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズン部門出品。
 トロント国際映画祭2014 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 ヨーロッパ映画賞2014 オフィシャル・セレクション。

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 ・『イースタン・ボーイズ』“Eastern Boys”(仏) 監督:ロバン・カンピヨ
 物語:ロシアやルーマニアやチェチェンからやってきた少年たちがパリの北駅をうろついている。最も年上でも25歳にはなっていないと思われるが、年齢は問題ではない。彼らは男娼なのかもしれないが、それを確かめる術がない。ある午後、50代後半の目立たない男ミュラーが、ひとりの少年マレクに声をかける。マレクは、次の日にミュラーに会いに彼の家に行くと約束する。そして当日、ミュラーの家のドアベルが鳴るが、ミュラーはこれが罠だとは思ってもみなかった……。
 『奇跡の朝』のロバン・カンピヨ最新作。
 ベネチア国際映画祭2013 Orizzonti部門出品。最優秀作品賞受賞。
 トロント国際映画祭2013 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DARE部門出品。
 ストックホルム映画祭2013 コンペティション部門出品。
 サンタバーバラ国際映画祭2014 インターナショナル長編コンペティション部門出品。最優秀作品賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2014 No Limit部門出品。

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 “Saint Laurent”(仏) 監督:ベルトラン・ボネロ
 出演:ギャスパー・ウニエル、ジェレミー・レニエ、レア・セイドゥ、ルイ・ガレル、オルガ・キュリレンコ、アミラ・カサール(Amira Casar)、エイメリン・バラデ(Aymeline Valade)、ウィレム・デフォー、ヘルムート・バーガー、ドミニク・サンダ、ジャスミン・トリンカ
 物語:イヴ・サン=ローランが、ディオールを去って、自身のレーベル「イヴ・サンローラン(YSL)」を立ち上げた、1967年~1976年にかけての時期に焦点を当てた作品。イヴ・サン=ローランが、いかにして成功したかではなく、イヴ・サン=ローランがいかにしてイヴ・サン=ローランであり続けたのか、その間の仕事、および、Jacques de Bascherとの関係が中心に描かれる。
 脚本は、『預言者』『君と歩く世界』のトーマス・ビデガン。
 ジャリル・レスペール監督、ピエール・ニネ主演で、同時期に製作された『イヴ・サンローラン』との競合もあって、話題となり、注目されていた作品。
 カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。パルム・ドッグ スペシャル・メンション受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2014 Supernova部門出品。
 釜山国際映画祭2014 ワールド・シネマ部門出品。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 フランス代表。

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 ・“Sils Maria (Clouds of Sils Maria)”(仏・米) 監督:オリヴィエ・アサイヤス
 出演:ジュリエット・ビノシュ、クロエ・グレース・モレッツ、クリステン・スチュワート、ブラディー・コルベット(Brady Corbet)、Johnny Flynn、ラース・アイディンガー(Lars Eidinger)
 物語:マリアは、輝かしいキャリアと有能なアシスタントを持つ女優。ある時、20年前に彼女を有名したシグリッド役を、再演しないかという提案を受ける。シグリッドは、若く魅力的で、彼女のボス、エレナを無力にし、自殺に追い込む。マリアは、今ならエレナ役の方がいいのではないかと返事をし、スイスのシルスマリアで、アシスタントとともにリハーサルに取り組む。シグリッド役に抜擢されたのは、スキャンダルを好みすらするハリウッドの若手女優で、マリアは彼女を見ていると、鏡の向こう側の自分を見ているようにも感じる。彼女は、まだ完全には開花していなかったが、それこそまさに当時のマリアそのものだった。
 カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
 パリ映画祭2014 プレミア部門出品。
 ロカルノ国際映画祭2014 ピアッツァ・グランデ部門出品。
 トロント国際映画祭2014 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 釜山国際映画祭2014 ワールド・シネマ部門出品。

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 ・“Timbuktu”(仏・モーリタニア) 監督:アブデラマン・シサコ(Abderrahmane Sissako)
 出演:Abel Jafri、Pino Desperado、ヒシャーム・ヤクビ(Hichem Yacoubi)、Kettly Noël、Toulou Kiki
 物語:マリ北部の小さな町Aguelhokで、若いカップルが2人の子供と幸せに暮らしていた。ところが、2012年7月22日に彼らは投石により惨殺される。この3ヶ月前、イスラム・グループAnsar Dineが、同地にあったマリの軍事基地を掌握したと宣言する。彼らは、その時に、82人の兵士と一般人を殺害し、フランス政府から告発されることになった。一家を殺したのもこのイスラム・グループで、彼らは、イスラムの教え(Sharia Law)に従い、このカップルが結婚せずに子供をもうけたことに対して罰(石打ちの刑)を与えたというのだった。一帯に住んでいたのは、遊牧民が大半だったが、この事件以後、多くがアルジェリアへと避難した。
 実際にあった事件に基づく作品。
 カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
 パリ映画祭2014 プレミア部門出品。
 エルサレム映画祭2014 スピリット・オブ・フリーダム賞受賞。
 トロント国際映画祭2014 MASTERS部門出品。
 釜山国際映画祭2014 ワールド・シネマ部門出品。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 モーリタニア代表。

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 ・“Trois Coeurs(Three Hearts)”(仏・独・ベルギー) 監督:ブノワ・ジャコー
 出演:ブノワ・ポールヴールド、シャルロット・ゲンズブール、キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ
 物語:夜の田舎町。マークは、パリに行くつもりだったが、列車を逃してしまう。彼は、たまたま出会ったシルヴィーと、一晩中、通りをうろつき、プライベートに踏み込むことは避けながら、さまざまなことをおしゃべりする。朝がやってきて、マークは始発でパリに向かう。別れ際、彼は、シルヴィーに数日後パリで会おうと約束する。2人はお互いのことをほとんど知らない。マークが、そんな約束をしたことすら忘れてしまったのに対して、シルヴィーは、その約束を果たそうとして、結果的にすれ違ってしまう。マークは、パリでソフィーという女性と出会うが、実は彼女はシルヴィーの妹だった……。
 ベネチア国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2014 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

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 【初監督作品賞】(Prix Louis-Delluc du premier film):

 ・“Les combattants(Love At First Fight)”(仏) 監督:Thomas Cailley
 出演:アデル・エネル、Kevin Azaïs
 物語:アルノーは、17歳で、非常に現実的だ。兄や母親、彼らの物置会社、父親の葬式すら、彼は、自分のやり方で対処した。波風が起こることはない。ところが、そんな彼の行く手に、19歳のマドレーヌが登場する。彼女は、硬い筋肉を持ち、言葉巧みで、暗い目をしている。彼女は、戦闘体勢にあり、アルノーはそれをわかっていなかった。彼女はアルノーに何も聞こうとしなかったし、どこに向かっているのかも、彼女しか知らなかった。
 カンヌ国際映画祭2014 監督週間出品。Prix SACD、Art Cinema Award、Label Europa Cinemas、国際批評家連盟賞受賞。
 パリ映画祭2014 コンペティション部門出品。

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 ・“Mercuriales”(仏) 監督:Virgil Vernier
 出演:Philippine Stindel、Ana Neborac、アナベル・レングローヌ(Annabelle Lengronne)、Jad Solesme、Sadio Niakaté
 物語:リサとジョアンヌは、友だち同士で、パリで暮らしている。彼らは、モデルをしているが、そのほかは、ベビーシッターをしたり、ラ・デファンス・ショッピング・モールやLes Mercurialesのツインタワーで過ごしたりして、漫然と日々を生きている。彼らは、踊るのが好きで、特に目的もなく、夜の街に繰り出し、さまよい歩いていく。
 初監督作品。16mmで撮影され、トリノ・フィルム・ラボの協力で、完成した。
 パリ映画祭2014 プレミア部門出品。
 トリノ映画祭2014出品。

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 ・“Mille soleils (A Thousand Suns)”(仏/45分) 監督:マティ・ディオプ(Mati Diop)
 1972年、本作の監督の叔父Djibril Diop Mambetyは、“Touki Bouki”という映画を作った。その中で、モリーとアニタは愛し合い、ダカールからパリへ行くという夢を共有する。しかし、モリーが旅立ったのに対し、モリーは土地のしがらみもあってここにとどまることを選択する。あれから40年。映画の中でモリーを演じたMagaye Niangは、ダカールにとどまっていて、アニタはその後どうしただろうかと考える。Mati Diop監督は、映画の中の登場人物たちが見た夢と、現実のその後を検証する。
 トロント国際映画祭2013 WAVELENDTHS部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 EXPERIMENTA部門出品。
 アミアン国際映画祭2013 最優秀中編映画賞受賞。
 アンアーバー映画祭2014 最優秀インターナショナル賞受賞。
 インディーリスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。短編コンペティション部門出品。グランプリ受賞。

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 ・“Mouton(Sheep)”(仏) 監督:Gilles Deroo、Marianne Pistone
 物語:Aurélien Bouvier は、17歳で、Mouton(羊)と呼ばれている。彼は、3年間シーサイドのレストランで働きながら、シンプルな生活をしていた。ところが、ある夜、悲劇が彼を襲い、すべてが奪い去られる。これは、彼の友人たちの物語で、彼らは、今もここに住み、犬と暮らし、ささやかな希望を胸に生きている。
 ロカルノ国際映画祭2013フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。審査員特別賞、第1回作品賞受賞。
 テッサロニキ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 インディーリスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。大学生審査員賞受賞。

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 ・“Party Girl”(仏) 監督:Marie Amachoukeli、Claire Burger、Samuel Theis
 物語:アンジェリクは、ドイツとの国境に近い町で、キャバレーのホステスをしている。彼女は挑発的な気性の持ち主で、それが夜の生活にマッチしていた。酒とパーティーに明け暮れる日々。ところが、仲間は、どんどんいなくなり、気づくと彼女も60歳になり、遊び仲間の中で最年長になった。ちょうどその頃、彼女は、なじみの客ミシェルにプロポーズされる。結婚は、少女時代からの夢でもあった。結婚するなら、これが最後のチャンスかもしれなかった。
 Fémis出身で、これまで短編でキャリアを積んできた3人組による初監督長編。
 カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門 オープニング作品。アンサンブル賞、カメラドール受賞。
 パリ映画祭2014 コンペティション部門出品。

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 ・『やさしい人』“Tonnerre”(仏) 監督:ギョーム・ブラック(Guillaume Brac)
 ロカルノ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。Premio FICC/IFFS スペシャル・メンション受賞。
 BFIロンドン映画祭2013 JOURNEY部門出品。
 ムンバイ映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。男優賞受賞(ヴァンサン・マケーニュ)。

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 ルイ・デリュック賞では、ニコラ・フィリベールやレイモン・ドゥパルドンのようなドキュメンタリーが選ばれることがあると思えば、イオセリアーニやアキ・カウリスマキのような外国人監督が選ばれることもあり、必ずしも映画作家としての成熟度で受賞が決まったりするのでもないようで、その審査基準ははっきりとは定まっていません。いい意味で毎年フレキシブルであり、悪く言うとブレまくりなんですが、どうも「われわれはこういう作品も評価してますよ」とアピールしたい(だけな)のだ、と思わされるようなところもあります。

 フランス映画界では既に実力派として認められながら、ルイ・デリュック賞には縁がない監督は何人もいて、今回のノミニーでは、オリヴィエ・アサイヤスもそのひとりということになります。
 今回のノミニーで、受賞経験があるのは、ゴダール(1987年 『右側に気をつけろ』)、パスカル・フェラン(2006年 『レディ・チャタレイ』)、ブノワ・ジャコー(2012年 『マリー・アントワネットに別れをつげて』)の3人です。

 本年度は、ルイ・デリュック賞のことはひとまず置いておくことにしても、年度を代表するフランス映画が何になるのか、まだはっきりしないようなところがあり、賞レース予想を難しくしています。
 実際のところは何がルイ・デリュック賞を受賞してもおかしくない気はしますが、これまでの受賞者の名前に連なる新しい名前はと考えると、オリヴィエ・アサイヤスかアブデラマン・シサコあたりが似合うように思います。さて、どうでしょうか。

 初監督作品部門は、順当であれば、“Les combattants(Love At First Fight)”か“Party Girl”が受賞するのではないかと思いますが、これも確実ではありません。

 受賞結果の発表は、12月15日です。

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 *当ブログ記事

 ・ルイ・デリュック賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_38.html
 ・ルイ・デリュック賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_51.html
 ・ルイ・デリュック賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_34.html
 ・ルイ・デリュック賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_29.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_22.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_31.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_39.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_18.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_5.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_22.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年10月~2015年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201410/article_1.html

 追記:
 ・ルイ・デリュック賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_21.html

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