釜山国際映画祭2014 受賞結果!

 第19回釜山国際映画祭(10月2日-11日)の受賞結果です。

 ※特定の部門に限定されているわけではない賞もありますが、ここでは便宜的に上映部門ごとに受賞結果を記しています。

 【ニュー・カレント部門】

 ◆ニュー・カレント賞
 ◎“End of Winter”(韓) 監督:Kim Daehwan
 物語:父親がチョルウォン技術高校の教師を退職するに当たって、母親と長男夫婦と弟が中華料理店に集まり、食事をする。食事中に、父親は爆弾を落とす。離婚したいと言うのだ。母親は怒りのあまり言葉を失い、子供たちは困惑する。外では激しい雪が降りしきり、バスが運休となる。家族は、家でぎこちない時間を過ごす。母親は、家計を握っていている。彼女は、長男夫婦のことが嫌いだが、長男の嫁は義母に愛されたいと思っている。しかも、ローンを払うためにお金を貸して欲しいと思っているが、それを言い出せないでいる。次男もまたお金を必要としている。父親は、もう既に新しい住まいを見つけている。彼は、自分が食べて育った蒸かし芋をみんなに出す。雪のためにバスは運休したままで、2晩と3日が過ぎる。その間、家族は、誤解と理解の堂々巡りを繰り返す。
 初監督作品。

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 ◎“13”(イラン) 監督:Hooman Seyedi
 物語:ベマニは、13歳の孤独な少年。彼は、家では父親から虐待され、学校ではクラスメートからいじめられている。彼の孤独や心の傷を気遣う者はいない。ある日、彼が、クラスメートからいじめられているのをサミが救う。ベマニは、サミと彼のギャング仲間と親しくなるが、その結果、犯罪に巻き込まれ、麻薬ディーラー殺人事件に関する容疑で警察につかまってしまう。釈放された後、家族は、彼を気遣い、話も聴くと約束する。それは、彼が待ち望んだはずのものだったが、結局は、すぐにまた孤独に追いやられることになる。
 初監督作品。
 ファジル国際映画祭2014 ニュー・ヴィジョン部門出品。審査員特別賞受賞。

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 ◆観客賞/KNN Audience Award
 ◎“Ghadi”(レバノン・カタール) 監督:Amin Dora
 物語:レバノンの海沿いの伝統的な町。音楽教師のレバは、幼なじみのララと結婚する。第一子は女の子で、第二子も女の子。三番目にようやく男の子を授かる。しかし、診察により、お腹の中の子には障害があることが伝えられる。
 初監督作品。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 レバノン代表。

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 ◆国際批評家連盟賞
 ◎“What's the Time in Your World? ”(イラン) 監督:Safi Yazdanian
 出演:レイラ・ハタミ
 物語:Goliは、20年ぶりに、故郷であるイラン北部の町Rashtに帰る。Farhadは、彼女の古いクラスメートで、彼女の帰郷を歓迎するが、彼女は彼のことを覚えていない。それどころか、彼女は昔のことを全く思い出せなかった。Farhadの助けを借り、他の人々に会ったりして、彼女はゆっくりと昔の記憶を取り戻していく。
 初監督作品。

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 【韓国映画トゥデイ ヴィジョン部門】

 ◆2014 アクター・オブ・ザ・イヤー(2014 Actor of the Year)
 ◎チェ・ウシク(Choi Woo-shik) “Set Me Free”(韓)(監督:Kim Tae-Yong)

 “Set Me Free”(韓) 監督:Kim Tae-Yong
 物語:ヨンジェは高校生。彼には、弟と父親が暮らす家があったが、カトリック教会が運営するイサクの家で暮らしていた。そこで暮らすのには、大きくなりすぎていたが、彼は家には帰りたくなかった。ヨンジェは、管理人夫妻に気に入られようとして、信仰心も正直さも持ち合わせていないのに、神学校に行きたいと言い出す。その一方で、寄付された品物を売ってお金に換えたりしていた。彼は、同居人のペンテが泣いていても無視したが、父が弟もまたここに入れようとしているのを知って、怒りを露わにする。

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 ◆2014アクトレス・オブ・ザ・イヤー(2014 Actress of the Year)
 ◎Cho Soohyang “Wild Flowers”(韓)(監督:Park Suk-Young)

 “Wild Flowers”(韓) 監督:Park Suk-Young
 物語:ウンスとソヒャンは、家出少女で、ストリートで男性から暴行を受けていたもうひとりの少女ハダムを助ける。少女たちを待っていたのは、「おじさん」とその友だちのテスンだったが、彼らは家出少女を集めて、売春をさせていた。狭い部屋に閉じ込められた少女たちは、テスンがスヒャンに好意を持っているのを利用して、逃げ出す。彼らは、思いもかけない事故によって、短期間、新しい家に住めることになって、希望を見出す……。

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 ◆市民批評家賞(Citizen Critics’ Award)
 ◎“Set Me Free”(韓)(監督:Kim Tae-Yong)

 ◆Daemyung Culture Wave Award
 ◎“The Liar”(韓) 監督:Kim Dong-Myung
 物語:アヨンは、皮膚科のクリニックのアシスタントをしている。彼女は、着飾って高級なアパートにでかけて、不動産屋にここに引っ越すつもりだと話したり、デパートでボーイフレンドから何でも買ってもらえるふりをしたりしている。同僚には、金持ちのボーイフレンドと結婚するのを自慢し、近々、結婚式の招待状を送ると言ったりもする。彼女には、確かにボーイフレンドがいるが、決してリッチではない。車のディーラーをしていて、展示用の外車に彼女を乗せて喜ばせようとしたりする慎ましい青年だ。アヨンの給料も、決して高くはないが、普通に生活するのに不十分ではないはずだ。しかし、アヨンのウソは止まらず、彼女の信用は失われていく。彼女を信じてくれるのはもはやボーイフレンドだけになる……。

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 ◆NETPAC賞
 ◎“Socialphobia”(韓) 監督:Hong Seok-Jae
 物語:ソーシャル・ネットワークは、人と人を結びつけたりもするが、一方で、人を精神的に追い詰めたりもする。ひとりの女性が、ネット上に書いたことから、攻撃されるようになる。彼女は、どこの誰かを特定され、あげくに家までやってくる者まで現われる。そして、彼女、ミン・ハヨンが首を吊って死んでいるのが発見される。警察学校生ジウンとヨンミンが、この事件に巻き込まれる。事件は、明らかに自殺と思われていたが、他殺の可能性が浮かんでくる。

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 ◆DGK (韓国監督組合)賞
 ◎『ひと夏のファンタジア』“A Midsummer's Fantasia”(韓・日) 監督:チャン・ゴンジェ(Jang Kun-Jae)
 出演:キム・セビョク、岩瀬亮、イム・ヒュングク、康すおん
 物語:白黒のパート1とカラーとパート2で構成される。パート1では、映画の脚本を書くために奈良県五條市にやってきた韓国の監督と、彼の通訳を務めるアシスタント・ディレクターの旅が描かれる。彼らは、以前は大都市でセールスマンをしていたが、今は故郷に帰って公務員をしている中年男性や、五條の郊外に住んでいる年輩の女性と出会う。パート2は、パート1を通して作られた物語が語られる。演じるのは、アシスタント・ディレクターの女性と公務員の男性で、それぞれ旅行者と柿作り農家の男性という設定となっている。彼らは出会い、歩き、語らって、親しくなっていく。
 なら国際映画祭による「奈良を世界へ発信するべく企画された映画製作プロジェクト、NARAtive(ナラティブ)」から生まれた作品で、河瀬直美がプロデューサーを務める。
 なら国際映画祭2014 オープニング作品。

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 ◎“Socialphobia”(韓) 監督:Hong Seok-Jae

 ◆CGV Movie Collage Award
 ◎“A Matter of Interpretation”(韓) 監督:Lee Kwang-Kuk
 出演:シン・ドンミ、キム・ガンヒョン、ユ・ジュンサン
 物語:ひとりの女優が、劇団員に当たり散らかした後、興奮して劇場を飛び出す。というのも、誰も彼女の演技を見てくれていなかったからだ。彼女は、公園まで来て、ボーイフレンドに電話し、もう少しで映画に出演できたのにと話す。彼は、彼女を慰めようとするが、彼女には通じず、彼女は唐突に彼に別れようと言い出す。彼女は、禁煙区域でタバコを吸っていたとして、警察官に注意を受ける。警察官は、近くで自殺騒ぎがあって、出動してきていたのだ。自殺者は、車で窒息死したらしく、彼女も同じようにして死んでしまおうかと考える。ところが、彼女は、車のトランクに警察官が閉じ込められているのを発見し、物語は思いもかけない展開を見せる……。

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 【フラッシュ・フォワード部門】

 ◆観客賞/Busan Bank Award
 ◎“The Boss, Anatomy of A Crime”(アルゼンチン・ベネズエラ) 監督:Sebastian Schindel
 物語:Hermogenesは、田舎出身で、読み書きができない。彼は、都会に出て、肉屋で仕事を得る。店の主人は、廃れかけた店を彼に任せると言い出す。彼は、妻とともに、狭い空間の中で懸命に働く。ところが、売れ行きは伸びず、店の主人は、古い肉に水をかけて新しく見せて売れと命じる。純粋だったHermogenesの心は病んでいく。

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 【ワイルド・アングル部門】

 ◆Sonje Award 韓国短編コンペティション部門
 ◎“The Night”(韓) 監督:Choi Kiyun

 ◆Sonje Award アジア短編コンペティション部門
 ◎“Stairway”(台湾) 監督:Matt Wu

 ◆BIFF Mecenat Award ドキュメンタリー・コンペティション部門
 ◎“The Storm Makers”(カンボジア・仏) 監督:Guillaume Suon
 カンボジアでの人身売買のシステムを暴いたドキュメンタリー。カンボジアでは、多くの若い女性が、マレーシアや台湾やタイなどに売られている。本作では、3つのポジションから、カンボジアで人身売買のシステムをとらえる。Ayaは、マレーシアに売られて、2年が過ぎた。その間、レイプされて妊娠し、赤ん坊を生んだ。彼女は、赤ん坊を虐待するが、それは赤ん坊が彼女のトラウマを思い出させるからだ。Ming Dyは、自分の娘を人身売買に売った。Pou Houyは、プロのディーラーで、これまで500人以上の女性を売り飛ばし、地獄に突き落とした。彼は、仕事の後で、教会にでかけ、自分の罪が購われることを祈る。

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 ◎“Collapse”(韓) 監督:Lee Wonwoo、ムン・ジョンヒョン(Mun Jeonghyun)
 建物の倒壊が、映像と録音で時間をかけて記録され、それは、同時に、個人的な記録や韓国社会の公的な記録と結びつけられる。
 『龍山(ヨンサン)』(2010)のムン・ジョンヒョン監督最新作。

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 ◆Busan Cinephile Award ドキュメンタリー・ショーケース部門
 ◎“The Look of Silence”(デンマーク・インドネシア・ノルウェー・フィンランド・英) 監督:ジョシュア・オッペンハイマー
 『アクト・オブ・キリング』のフォローアップ作品。『アクト・オブ・キリング』撮影の過程で、撮影クルーはある犠牲者の家族と出会う。この一家は、息子を殺されていて、末っ子が兄を殺した男たちに対面しようと考え、カメラがその様子を追う。
 前作に続き、ヴェルナー・ヘルツォークがプロデューサーを務める。
 ベネチア国際映画祭2014 コンペティション部門出品。審査員グランプリ、国際批評家連盟賞、Human Rights Nights Award、オンライン批評家賞 Mouse d'Oro、FEDEORA Award 最優秀ユーロ-地中海映画賞受賞。
 トロント国際映画祭2014 TIFF DOCS部門出品。

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 【名誉賞・特別賞】

 ◆アジア・フィルムメーカー・オブ・ザ・イヤー(The Asian Filmmaker of the Year)
 ◎アン・ホイ

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 ◆韓国シネマ賞(Korean Cinema Award)
 ◎Corinne Siegrist-Oboussier(スイスのFilmpodiumのディレクター)

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 【アジア・プロジェクト・マーケット】(Asian Project Market 2014 Award)

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 ◆釜山賞(Busan Award)  20,000 USD
 ◎“Full-Moon Party”(ベトナム) 監督:Phan Dang Di

 ◆Heyi Film & Youku Tudou Award 30,000 US
 ◎“The Killer”(中) 監督:ペマ・ツェデン(Pema Tseden)

 ◆CJ Entertainment Award 10,000 USD
 ◎“A Copy of My Mind”(インドネシア) 監督:Joko Anwar

 ◆LOTTE Award 10,000,000 KRW
 ◎“Dora”(韓) 監督:July Jung

 ◆KOCCA Award 10,000,000 KRW
 ◎“Blue Sunset”(韓・オーストラリア・仏) 監督:Shin Suwon

 ◆ARTE International Prize 6,000 EUR
 ◎“Diamond Island”(カンボジア・仏) 監督:Davy Chou

 ◆Funding21 Award  collected crowd funding
 ◎“Unexchangeable”(韓) 監督:Roh Gyeong-tae、Lee Woo

 ◆Moneff Award 30,000 USD
 ◎“Sixty Nine”(中) 監督:Zhang Chi

 ◆Creative Director Award 10,000,000 KRW
 ◎“Clair-obscur”(トルコ・仏・独) 監督:イェスィム・ウスタオウル

 【その他の賞】

 ◆AND Taskovski Films Asian Talent Fund Award
 ◎”Weaving”(中) 監督:Wang Yang プロデューサー:Huang Jiaqing

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 【Facts & Figures】

 [入場者数](Visitors)

 劇場入場者総数(Total amount of theater visits):226,473人

 公式ゲスト(Accredited Guests):7,882人
 ・国内(Domestic):3,362人
 ・国外(Foreign):775人
 ・シネフィル(Cinephiles):1,429人
 ・アジア・フィルム・マーケット(Asian Film Market):1,566人
 ・カンファレンス&フォーラム(BC&F):750人

 プレス関係者(Press):2,291人
 ・国内(Domestic):1,971人
 ・国外(Foreign):320人

 [スクリーニング](Screenings)

 映画本数(Number of Films):79カ国から312本
 ワールド・プレミア:96本
 インターナショナル・プレミア:36本
 その他(アジア・プレミア、韓国プレミア):180本

 [アジア・フィルム・マーケット](Asian Film Market)

 セールス・ブース(Sales Booth(BIFCOMを含む)):24カ国195社109ブース
 映画本数:84本(マーケット・プレミア:67本)
 上映本数:96本
 オンライン・スクリーニング:297本(映画祭上映作品からの202本を含む)

 ※受賞結果は、公式サイトにはアップされないようなので、アジア・プロジェクト・マーケット以外の、上記の情報は外部サイトによる発表に基づいています。

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 *当ブログ記事

 ・釜山国際映画祭2014 ラインナップ その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201410/article_4.html
 ・釜山国際映画祭2014 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201410/article_5.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年10月~2015年2月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201410/article_1.html

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