ヨーロッパ映画賞2014 オフィシャル・セレクション50作品 その2

 ・“Fair Play”(チェコ・スロヴァキア・独) 監督:Andrea Sedláčková
 物語:1980年代のチェコスロヴァキア。10代のアンナは、トップ・スプリンターで、コーチは、彼女ならオリンピックも狙えると考えていた。彼女の母親の期待も大きく、娘の活躍次第では、鉄のカーテンの向こうに住めるようになるのではないかと考えた。母親は、娘に期待するあまり、薬物を使用させるが、それが娘の体にどんな影響を及ぼすかまでは考えていなかった。
 フランス時代には編集技師として『君を想って海をゆく』や『戦場のアリア』の編集を手がけたAndrea Sedláčkováの第3長編。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 オフィシャル・セレクション出品。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 チェコ代表。


 ・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček
 物語:ドイツ語教師が産休に入って、新しい教師Zupanがやってくる。彼は、学生であるということは間違いを犯すこということであり、学習することで成長する特権を持っているという信念から、授業をラディカルなものに変える。その結果、生徒と教師との間に、緊張感が高まる。ひとりの生徒が自殺したが、それがドイツ語教師が原因だと見なされる。事実はそんなに明確なものではなかったが、何を言ってももう手遅れだった。
 実話に基づく物語。
 ベネチア国際映画祭2013 国際批評家週間出品。FEDEORA賞受賞。
 スロヴェニア映画祭2013 作品賞・主演男優賞・助演女優賞・撮影賞・衣裳デザイン賞・観客賞・アクター オブ ザ イヤー・批評家賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 スロヴェニア代表。
 ヨーテボリ国際映画祭2014 イングマール・ベルイマン賞/新人監督賞コンペティション部門出品。
 ヴィリニュス国際映画祭2014 New Europe-New Namesコンペティション部門出品。男優賞 (Igor Samobor)、CICAE賞受賞。
 「ヴァラエティー」誌批評家による、ヨーロッパ映画ナウ!2014。


 ・“Alienation (Otchuzhdenie)”(ブルガリア) 監督:Milko Lazarov
 出演:Christos Stergioglou、Maria Jikich、Ovanes Torosyan、Iva Ognyanova
 物語:ヨルゴスは、古いタイプの車で、ブルガリアとギリシャの国境を越える。彼がギリシャにやってきたのは、ここで赤ん坊を買うためだった。買った赤ん坊を隠して連れ帰るために、車を改造して、秘密のスペースを作り、ガソリンタンクでカムフラージュしてある。ところが、約束してあった赤ん坊はまだ生まれていない。彼は、人里離れた山の中の家で、臨月の女性と、耳が不自由な彼女の兄と、助産婦と一緒に、赤ん坊が生まれるのを待つことになる。嵐の夜、彼女のお産が始まる……。
 ソフィア国際映画祭2013 最優秀ブルガリア映画賞受賞。
 ベネチア国際映画祭2013 ベネチア・デイズ部門出品。Europa Cinemas Label スペシャル・メンション、FEDEORA賞 ヤング監督賞受賞。
 釜山国際映画祭2013 フラッシュ・フォワード部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 1-2コンペティション部門出品。最優秀作品賞受賞。
 ヴィリニュス国際映画祭2014 New Europe-New Namesコンペティション部門出品。
 ブルガリア・アカデミー賞2014 作品賞・監督賞・編集賞・第1回作品賞受賞、助演男優賞・脚本賞・音響編集賞ノミネート。


 ・“When Evening Falls On Bucharest Or Metabolism(Când Se Lasă Seara Peste Bucureşti Sau Metabolism)”(ルーマニア・仏) 監督:Corneliu Porumboiu
 物語:撮影の中盤、監督のポールは、助演女優のアリーナと情事にふけっていた。次の日は、アリーナの撮了の日で、彼は、アリーナのヌード・シーンを撮ろうと考える。しかし、朝になって、彼は、疑念にとりつかれ、ヌード・シーンを撮る予定を変更して、プロデューサーに、胃潰瘍にかかっていると告げる。撮影は、次第に、フィクションと現実が交錯し、予想もしていなかった事態に陥る。
 ロカルノ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 サラエボ映画祭2013 長編コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2013 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2013 Open Seas部門出品。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 GOPO賞2014作品賞・監督賞・主演女優賞・助演女優賞・脚本賞・美術賞・録音賞ノミネート。


 ・“Miss Violence”(ギリシャ) 監督:Alexandros Avranas
 出演:Themis Panou、Eleni Roussinou
 物語:Angelikiが11歳の誕生日にバルコニーから飛び降りて死んでしまう。その顔には笑みすら浮かぶ。警察とソーシャル・サービスが、「自殺」の真相の調査に乗り出してくる。しかし、家族は事故だと主張して聞かない。家族はなぜAngelikiのことを“忘れて”、そのまま生活を続けようとするのか。手がかりは、Angelikiの弟から漏れ出してくる。何年もの間、彼らが隠してきたもの、あるいは、見ようとしなかったもの、それが明らかになれば、整理整頓された彼らの世界が崩れてしまうようなもの。家族がこのまま団結して秘密を守っていかなければ、またいつか暴力的な出来事が起こるかもしれない。
 ベネチア国際映画祭2013 コンペティション部門出品。監督賞(銀獅子賞)、男優賞(Themis Panou)、FEDEORA 賞 Best Euro-Mediterranean Film、ArcaCinemaGiovani Award最優秀作品賞受賞。
 トロント国際映画祭2013 CITY TO CITY部門出品。
 釜山国際映画祭2013 フラッシュ・フォワード部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2013 コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 サンパウロ国際映画祭2013出品。
 ストックホルム国際映画祭2013 コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
 ギリシャ・アカデミー賞2014 主演男優賞(Themis Panou)・助演女優賞(Rena Pittaki)受賞、作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・編集賞・衣裳賞・メイキャップ賞ノミネート。


 ・“Stratos(To mikro psari)”(ギリシャ・独・キプロス) 監督:Yannis Economides
 出演:Vangelis Mourikis、Vicky Papadopoulou、Petros Zervos
 物語:ストラトスは、昼はパン工場で働いているが、夜はプロのヒットマンをしている。殺しは、お金のためで、彼は、自分が刑務所に入っている間に助けてくれたレオニダスを釈放するために金を貯めているのだ。彼にとって、それは単に名誉の問題である。彼に殺された者は多いが、彼にだって良心はあり、近所に住む8歳のカタリーナと彼女の母親や叔父の面倒を見たりもしている。そしてレオニダスを釈放させるために十分なお金が貯まる。しかし、レオニダスは、罠にかかり、彼の兄にお金を持ち逃げされてしまう。と同時に、ストラテスは、カタリーナの身に危険が迫っていることを知る。彼は自分の意思で行動を起こす。たとえそれが正しくないとわかっていても……。
 ベルリン国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズンズ部門出品。
 モトヴン映画祭2014 メイン・プログラム出品。


 ・“Life in a Fishbowl (Vonarstræti)”(アイスランド・フィンランド・スウェーデン・チェコ) 監督:Baldvin Zophoníasson
 出演:ヘラ・ヒルマー(Hera Hilmar)、Thorsteinn Bachmann、ソー・クリスチャンソン(Thor Kristjansson)
 物語:全く異なる生き方をしてきた3人の人生が絡み合う。モリは、かつては作家として有名だったが、今はアルコールに溺れている。エリクは、シングルマザーで、生きるために売春をしている。Sölviは、かつてはサッカーのスター選手だったが、国際的な金融の世界に入り、「望む以上のものを残せ」という哲学を持つ独裁的なボスの下で働いていて、家族との時間が持てなくなっている。
 トロント国際映画祭2014 DISCOVERY部門出品。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 アイスランド代表。


 ・『馬々と人間たち』(アイスランド・ノルウェー・独) 監督:ベネディクト・エルリングソン

 ・『ニンフォマニアック ディレクターズ・カット Vol. 1&2』(デンマーク・独・仏・ベルギー) 監督:ラース・フォン・トリアー

 ・“Force Majeure(Turist)”(スウェーデン・ノルウェー・仏) 監督:リューベン・オストルンド
 出演:Johannes Bah Kuhnke、Lisa Loven Kongsli、Clara Wettergren、Vincent Wettergren、クリストファー・ヒヴュ(Kristofer Hivju)、Fanni Metelius.
 物語:家族が、フレンチ・アルプスでスキー旅行を楽しんでいる。彼らが、日当たりのいいテラスで昼食を取っている時、突然、後ろで雪崩が起こる。しかし、山の向かい側の出来事であって、自分たちに脅威はないと判断して、父親は家族の安否を確かめることもせずに、ゲレンデに飛び出す。しかし、やがて家族に災難が降りかかったことが明らかになり、父親はパニックに陥る。
 リューベン・オストルンドは、冬の間、アルプスのスキー・リゾートで働いていて、友人がスキーの技を披露するのを撮影しているうちに、映画の道に進むことになったというキャリアの持ち主。
 カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。審査員賞受賞。
 ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション。
 トロント国際映画祭2014 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 リューベン・オストルンドは、“Involuntary”以来、5年ぶり2回目の選出。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 スウェーデン代表。


 ・『ウィ・アー・ザ・ベスト!』“We Are The Best!(Vi är bäst!)”(スウェーデン・デンマーク) 監督:ルーカス・ムーディソン
 物語:1982年のストックホルム。ボボとクラーラとヘドゥィグは、13歳の少女で、強い面と弱い面を持ち、意外にタフ面があるかと思えば、迷って悩んだりもする。彼らは、早くから自分の面倒は自分で見るように仕向けられ、母親がパブに出かけている時は、トースターでフィッシュスティックを焼いて食べたりした。彼らはわけもなくストリートをうろつきまわり、楽器も持っていないのに、パンクバンドを始める。
 Coco Moodyssonのコミック・ブックの映画化。
 ベネチア国際映画祭2013 Orizzonti部門出品。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2013 観客賞受賞。
 BFIロンドン映画祭2013 SONIC部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 特別招待作品。
 フィラデルフィア映画祭2013 オナラブル・メンション受賞。
 東京国際映画祭2013 サクラ・グランプリ受賞。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 スウェーデン・アカデミー賞2014 美術賞・メイキャップ賞受賞、衣裳賞ノミネート。
 ヨーテボリ国際映画祭2014 Lorens Award(最優秀プロデューサー賞)(ラーシュ・イェンソン)受賞。
 ズリーン国際映画祭2014子供向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 プーラ映画祭2014 ユース部門出品。


 ・“Concrete Night(Betoniyö)”(フィンランド・スウェーデン・デンマーク) 監督:ピルヨ・ホンカサロ
 物語:シモは14歳で、まだ自我が芽生えておらず、自分で自分を守る術も知らない。彼は、無力なシングルマザーの母と、年の離れた兄イッカとともに、ヘルシンキで暮らしている。イッカは犯罪を犯して、刑務所に収監されることになっているが、1日だけ自由が与えられ、その1日を兄弟2人きりで過すことになる。2人は、その夜、思いもかけない光景を目撃する。そうしたことに免疫のないシモは、目にしたものをそのままストレートに受け止める。そこにたまたま1人のカメラマンが通りかかり、シモに別の受け止め方を示そうとする……。
 『白夜の時を越えて』のピルヨ・ホンカサロ監督最新作。
 トロント国際映画祭2013 MASTERS部門出品。
 Camerimage 2013 メイン・コンペティション部門出品。
 フィンランド・アカデミー賞2014 作品賞・監督賞・撮影賞・編集賞・美術賞・録音賞受賞。
 ヨーテボリ国際映画祭2014 ノルディック・コンペティション部門出品。
 レッチェ・ヨーロッパ映画祭2014 ヨーロッパ・コンペティション部門出品。助演賞(Jari Virman)受賞。
 プーラ映画祭2014 インターナショナル・プログラム出品。最優秀作品賞受賞。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 フィンランド代表。


 ・“Blind”(ノルウェー・オランダ) 監督:Eskil Vogt
 出演:エレン・ドリト・ピーターセン(Ellen Dorrit Petersen)、Henrik Rafaelsen、Vera Vitali、Marius Kolbenstvedt
 物語:イングリッドが失明して、アパートに閉じこもるようになる。家だと勝手がわかっているし、夫が助けてくれるから安心なのだ。まもなく彼女は、夫が仕事をしていても彼の存在を感じられるようになる。通りをはさんで向かいには、孤独な隣人が暮らしていて、過激なポルノにも飽きた彼は、イングリッドに関心を示すようになる。彼女もそれに気づいていたが、彼女が恐れていたのは、そんなアパートの外のことではなかった。自分の内面の方がよっぽど心配なのだった。
 “Reprise”、“Oslo, 31. august”で知られるEskil Vogtの第3監督長編。
 サンダンス映画祭2014 脚本賞受賞。
 ベルリン国際映画祭2014 パノラマ部門出品。LABEL EUROPA CINEMAS受賞。
 CPH:PIX2014 New Talent Grand Pix(新人監督賞)受賞。
 イスタンブール国際映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
 「ヴァラエティー」誌批評家による、ヨーロッパ映画ナウ!2014。


 ・“In Order Of Disappearance(Kraftidioten)”(ノルウェー) 監督:ハンス・ペーター・モランド(Hans Petter Moland)
 出演:ステラン・スカルスガルド、ブルーノ・ガンツ、ポール・スヴェーレ・ハーゲン(Pål Sverre Hagen)、ビアギッテ・ヨート・スレンセン(Birgitte Hjort Sørensen)、ヤーコプ・オフテブロ(Jakob Oftebro)、アンダース・バースモー・クリスチャンセン(Anders Baasmo Christiansen)
 物語:ノルウェーの冬。ニルスは、除雪車のドライバーで、その労力が認められて、シチズン・オブ・ザ・イヤーの称号をもらう。しかし、ほぼ時を同じくして、息子がヘロインの過剰摂取で死んだという知らせを受ける。彼は、公式の発表が信じられず、自分で調査を始める。
 ベルリン国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2014 Unirii Square部門出品。
 エジンバラ国際映画祭2014 ディレクターズ・ショーケース部門出品。
 モトヴン映画祭2014 メイン・プログラム出品。
 サラエボ映画祭2014 オープン・エアー部門出品。


 ・“Kertu. Love Is Blind”(エストニア) 監督:イルマル・ラーグ(Ilmar Raag)
 物語:エストニアの小さな村。Kertuは、30年以上にわたって、父親の支配下にあった。父親は、Kertuは、他人に臆病なのだと言う。村人も、彼女のことを、優しく、傷つきやすく、シャイだと考えていた。ところが、ある日、彼女は、何か自分の人生を変えるようなことをしてみようとして、ハンサムだが、酒飲みで、女たらしのVilluにハガキを送る。真夏の日、Kertuは、行方知れずになる。家族は総出で、Kertuを捜し、彼女がVilluのベッドで震えているのを発見する。村人と彼女の家族は、Villuが無理やり彼女に言うことを聞かせようとしたのだと考えて、彼を告発するが、やがて誰も想像していなかったような真実が明らかになってくる……。
 ワルシャワ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 タリン・ブラックナイツ映画祭2013出品。


 ・“Leviathan”(ロシア) 監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
 出演:Alexey Serebryakov、Elena Lyadova、ヴラディミール・ヴドヴィチェンコフ(Vladimir Vdovichenkov)
 物語:ニコライは、若い妻リリヤと、10代の息子ロムカとともに、時々クジラがやってくるような、ロシア北部のバレンツ海に面した小さな町に住んでいる。悪徳の町長が、ニコライ自動車修理店と家と土地を差し押さえようとする。ニコライは、軍隊時代の仲間で、今はやり手の弁護士になっている友人に相談し、町長を負かすには、ヤツの汚職の証拠をつかむしかないと覚悟を決める。
 カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。脚本賞(アンドレイ・ズビャギンツェフ、Oleg Negin)受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズンズ部門出品。
 サラエボ映画祭2014 キノスコープ部門出品。
 トロント国際映画祭2014 MASTERS部門出品。


 ・“The Tribe(Plemya)”(ウクライナ) 監督:Myroslav Slaboshpytshiy
 物語:セルゲイは、耳と口が不自由なため、専門の学校に入る。その学校では、生徒間にはっきりした上下関係が形成されていたが、そのどこに入るかは、どれだけワルであるか、すなわち、犯罪や売春への経験によって決められていた。セルゲイは、何回か泥棒の一味に加わることによって、組織の中でより高いポジションを得る。それから彼は、族のリーダーの愛人のひとりアンナと出会い、意図的にではなかったが、族における、暗黙のルールを破っていく。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2014 批評家週間出品。グランプリ、ヴィジョナリー賞、配給支援賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 スペシャル・イベント出品。
 ロカルノ国際映画祭2014出品。
 サラエボ映画祭2014 キノスコープ部門出品。
 モトヴン映画祭2014 メイン・プログラム出品。グランプリ受賞。
 サンセバスチャン国際映画祭2014 パールズ部門出品。


 ・『ブラインド・デート』“Blind Dates”(グルジア) 監督:レヴァン・コグアシュヴィリ(Levan Koguashvili)
 物語:サンドロは、トビリシに住む40代の歴史教師。いまだに独身で、両親とともに暮らし、母親からは、いかげんに結婚しろと言われ続けている。といって、彼に女性と出会う機会は乏しく、デート・サイトと通じてやりとりするくらいしかない。そんな彼が、ヘアドレッサーで、教え子の母親であるマナナに恋してしまう。彼は、気性の荒い彼女の夫テンゴがまもなく刑務所から出所すると聞き、刑務所まで彼女を車で送ると約束する。彼女を刑務所まで連れて行ったその日、彼は、そのまま帰らずに、彼女と夫が出てくるのを待って、彼らを彼らの家まで送り届けることにする。
 カルヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 Work in Progress賞受賞。
 トロント国際映画祭2013 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 東京国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 アブダビ国際映画祭2013 ニュー・ホライズンズ・コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。
 ソフィア国際映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。グランプリ、監督賞、国際批評家連盟賞受賞。
 ヴィリニュス国際映画祭2014 New Europe-New Namesコンペティション部門出品。監督賞受賞。
 レッチェ・ヨーロッパ映画祭2014 グランプリ(ゴールデン・オリーブ賞)受賞。
 「ヴァラエティー」誌批評家による、ヨーロッパ映画ナウ!2014。


 ・“That Lovely Girl(Harcheck Mi Headro /Away From His Absence)”(イスラエル) 監督:Keren Yedaya
 物語:60歳の父親と22歳の娘と暮らしている。彼らの関係は、複雑で、痛みを伴う。娘は、鬱で、父親がいないと何もできないが、彼と一緒にいることで刑務所に閉じ込められたように感じている。
 カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。
 エルサレム映画祭2014 長編コンペティション部門出品。


 ・“The Kindergarten Teacher(L'Institutrice/Haganenet))”(イスラエル・仏) 監督:Nadav Lapid
 物語:幼稚園の先生が、5歳の子供の中に類稀な詩人の才能を発見し、この才能を守ってあげたいと考える。
 第2回監督作品。
 カンヌ国際映画祭2014 批評家週間出品。
 パリ映画祭2014 コンペティション部門出品。
 エルサレム映画祭2014 長編コンペティション部門出品。


 ・“The Lamb(Kazu)”(トルコ・独) 監督:Kutlug Ataman
 物語:東アナトリアの高地にある村。ここでは、古い伝統が守られていて、割礼を行なう時には、宴を催すことが慣わしになっている。Mertが割礼を行なう年齢になった時、彼の父親İsmailには、宴を催すためのお金がなかった。母親のMedineも、柳の枝を集めて、ささやかながら生活を補っていた。宴には、招待客のためにラムの肉が必要だったが、Mertの家族のためにラムを用意してくれる者はいなかった。Mertの姉は、もし父親がラムを用意できなければ、Mertを殺さなければならないと言われて、ひどく怯えてしまう。
 ベルリン国際映画祭2014 パノラマ部門出品。CICAE Art Cinema Award受賞。
 サラエボ映画祭2014 長編コンペティション部門出品。


 ・“Winter Sleep(Kış Uykusu)”(トルコ・仏・独) 監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
 物語:Aydinは、元俳優だが、今はアナトリアで小さなホテルを経営している。彼には、若い妻と妹があり、妻のNihalとは精神的な距離感が生じていて、妹のNeclaは離婚の後遺症に苦しんでいた。冬が来て、雪がステップを覆う。退屈は、彼の鬱積した怒りを蘇えらせる。
 物語:元俳優のAydinは、カッパドキアで、若い妻Nihalとともに、小さな洞窟ホテルを経営している。妻との関係はうまくいっておらず、また、最近離婚した姉のNeclaは、離婚の後遺症に苦しんでいて、ちょっとしたことでAydinともめる。彼は、ホテルのほかに、周辺の村で、いくつかのビジネスを営んでいるが、これもあまりしっくりいっていない。冬が来て、雪が舞い、滞在客がいなくなる。押さえつけられていた鬱積が、ホテルとその周辺を覆い始める。
 カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。パルムドール,国際批評家連盟賞受賞。
 シドニー映画祭2014 ナラティヴ部門 観客賞受賞。
 モスクワ国際映画祭2014 特別上映作品。
 サラエボ映画祭2014 イン・フォーカス2014部門出品。
 パリ映画祭2014 プレミア部門出品。
 トロント国際映画祭2014 MASTERS部門出品。
 米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 トルコ代表。


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 【ヨーロッパ映画賞の選出方法】

 ヨーロッパ映画賞の選出の仕方は、ちょっと変わっています。

 ヨーロッパ映画賞は、ヨーロッパで活躍する映画制作関係者約3000名(昨年より100名増)を会員とするヨーロッパ映画アカデミーが年に一度選出している、ヨーロッパ映画に特化した映画賞です。
 会員は、ヨーロッパ各国で映画製作を手がける、監督やプロデューサー、制作スタッフが中心で、俳優もいることはいますが、あまり多くはありません。
 ヨーロッパ映画アカデミーは、会員、理事会、理事と専門家で構成される委員会(Committie)という階層を構成していて、理事会と委員会には、一般会員よりも大きな権限が与えられています。
 理事会には、現在、理事(Board)が16名、チェアマンが1名、副チェアマンが2名、プレジデントが1名いて、理事にはクシシュトフ・ザヌーシやゴラン・パスカリェーヴィチがいて、チェアマンはアニエスカ・ホランドが務め、プレジデントは、創立者のイングマール・ベルイマンからヴィム・ヴェンダースが2代目を引き継いでいます。

 ヨーロッパ映画賞候補、つまり、オフィシャル・セレクション(ロングリスト)の候補は、2通りのやり方で選出されます。

 まず、(3月15日の時点で)会員数が多い上位20カ国で、前年の7月1日からの1年間に劇場公開したか、映画祭で上映された自国の作品の中から、会員がそれぞれ1作品を選んで投票します。
 投票された作品の中で、投票率が25%を超える作品が1つだけあれば、その作品がエントリー作品となり、複数あれば最高得票を得た作品がエントリー作品として選ばれます。
 投票率25%を超える作品がない場合は、決定は、理事会に委ねられます。

 また、理事と専門家によって構成される委員会で、約20本の作品が独自にセレクトされます。

 こうして集まった各国代表作品20本と委員会のセレクトした約20本、あわせて約40本(今年は50本)がヨーロッパ映画賞候補のオフィシャル・セレクションとなるわけです。

 とてもおかしなやり方ですが、
 1.1つの国に優れた作品が2本以上ある場合、各国に公平に、これを誰がどう選ぶのかと考えて、第2の候補、第3の候補をピックアップするための苦肉の策として、
 2.会員数上位20カ国以外のヨーロッパ諸国からもピックアップしたい作品がある場合に備えて、
 こういうやり方が考案されたのだろうと考えられます。

 今回、自国の代表を選ぶことができた20カ国がどこだったのかは発表されていませんが、現在の会員数を上位から並べると、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、デンマーク、ポーランド、オランダ、スウェーデン、ベルギー、スイス、イスラエル、オーストリア、フィンランド、アイルランド、ノルウェー、チェコ、ハンガリー、ギリシャ、アイスランドまでで20カ国となり、ロシア、ブルガリアがこれに続いています。

 オフィシャル・セレクションに選ばれた作品には、DVDまたはVODが制作されて、ノミネーションの投票のために会員が利用できるようになります。
 ノミネーションは、作品賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本家賞の4部門に関しては、プロデューサーたちによるセレクション・リストに従って、会員によって投票が行なわれ、上位4つがノミニーに選ばれます。もう1つのノミニーは、理事会が独自に選ぶことになっていて、それはセレクション・リストにあってもなくてもよい、ということになっています。

 そして、授賞式の4週間前に(今年は5週間前)、ノミネーションが発表され、そこから、さらにもう一度会員による投票が行なわれることになります。

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 【セレクションの傾向】

 ◆主なセレクション作品のプレミア上映

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013:2本(コンペティション)

 ・ロカルノ国際映画祭2013:1本(コンペティション)

 ・トロント国際映画祭2013:3本

 ・サンセバスチャン国際映画祭2013:4本(コンペティション:3本、ニュー・ディレクターズ:1本)

 ・ベネチア国際映画祭2013:9本(コンペティション:2本、アウト・オブ・コンペティション:3本、Orizzonti:2本、ベネチア・デイズ:2本)

 ・サンダンス映画祭2014:3本

 ・ベルリン国際映画祭2014:7本(コンペティション:3本、アウト・オブ・コンペティション:1本、ベルリナーレ・スペシャル:1本、パノラマ:2本)

 ・カンヌ国際映画祭2014:15本(コンペティション:6本、ある視点:6本、監督週間:1本、批評家週間:2本)

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014:1本(コンペティション)

 ・トロント国際映画祭2014:2本

 ◆他のセレクションとの関係

 ・「ヴァラエティー」誌批評家による、ヨーロッパ映画ナウ!2014:10本中5本
 “Calvary”、“Macondo”、“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”、“Blind”、『ブラインド・デート』

 ・ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション:10本中7本
 “Beautiful Youth(Hermosa Juventud)”、“Girlhood(Bande De Files)”、“The Wonders(Le Meraviglie /Quando nascesti te)”、“Macondo”、“White God(Fehér isten)”、『イーダ』、“Force Majeure(Turist)”

 ・米国アカデミー賞2015 外国語映画賞 各国代表:11本
 スペイン、ベルギー、イタリア、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、チェコ、アイスランド、スウェーデン、フィンランド、トルコ
 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表:2本
 ポーランド、スロヴェニア

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 【ノミネート予想】

 ◆作品賞
 ・『みおくりの作法』
 ・“Two Days, One Night (Deux jours, une nuit)”
 ・“Human Capital (Il capitale umano)”
 ・『イーダ』
 ・“Force Majeure(Turist)”
 ・“Winter Sleep(Kış Uykusu)”

 ◆監督賞
 ・ウベルト・パゾリーニ 『みおくりの作法』
 ・リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ “Two Days, One Night (Deux jours, une nuit)”
 ・パオロ・ヴィルツィ  “Human Capital (Il capitale umano)”
 ・パヴェウ・パヴリコフスキ 『イーダ』
 ・リューベン・オストルンド “Force Majeure(Turist)”
 ・アンドレイ・ズビャギンツェフ “Leviathan”
 ・ヌリ・ビルゲ・ジェイラン “Winter Sleep(Kış Uykusu)”

 ◆男優賞
 ・エディー・マーサン 『みおくりの作法』
 ・ティモシー・スポール “Mr. Turner”
 ・ブレンダン・グリーソン “Calvary”
 ・ファブリツィオ・ジフーニ “Human Capital (Il capitale umano)”
 ・ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ 『ワレサ-連帯の男-』
 ・ステラン・スカルスガルド “In Order Of Disappearance(Kraftidioten)”

 ◆女優賞
 ・エマニュエル・ドゥヴォス “Violette”
 ・マリオン・コティヤール “Two Days, One Night (Deux jours, une nuit)”
 ・ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ “Human Capital (Il capitale umano)”
 ・アガタ・チュシェブホフスカ 『イーダ』
 ・エレン・ドリト・ピーターセン “Blind”

 ◆脚本家賞
 ・“Locke”
 ・『みおくりの作法』
 ・“Two Days, One Night (Deux jours, une nuit)”
 ・“Human Capital (Il capitale umano)”
 ・“Blind”
 ・“Winter Sleep(Kış Uykusu)”

 今年は、飛びぬけて強い作品は見当たらないようですが、その中では、マリオン・コティヤールの女優賞受賞はかなり有力で、カンヌへの異議申し立て(の意)もあって、“Two Days, One Night (Deux jours, une nuit)”が最多受賞になるかも?という気がしますね。

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 *当ブログ記事

 ・ヨーロッパ映画賞2014 ピープルズ・チョイス賞ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201409/article_13.html

 ・ヨーロッパ映画賞2014 オフィシャル・セレクション その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201409/article_25.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_20.html

この記事へのコメント

2014年09月28日 22:31
カンヌへの異議申し立てがあったんですか?
詳しく知りたいです。
2014年09月28日 22:52
ゆのさん さま
私の書き方が悪かったかもしれません。
上に書いたのは―
“Two Days, One Night (Deux jours, une nuit)”は、カンヌでの評判もよく、上位入賞が期待され、特にマリオン・コティヤールの受賞が確実視されていながら、結果的に無冠に終わりましたが、それに対し、ヨーロッパ映画賞では、カンヌの審査員の下した結果への「異議申し立てとして」、カンヌとは違う結果を出してくるのではないか、というような意味合いです。
まあ、どんな受賞結果が出ても、「納得がいかない」というような非難や批判はあるわけですが、今年は、女優賞がマリオン・コティヤールではなかったことに対し、意外だという感想(?)が特に多かったように思いました。
2014年09月28日 23:37
返信ありがとうございます。

確かに、
今年のカンヌは去年と比べると結果に対する不評が海外のメディアでも多かったように思いました。
特に女優賞はどこもマリオン・コティヤールさんを予想していました。
個人的にもマリオン・コティヤールさんをずっと応援していたので、予想外の結果に驚きました…。

なので、カンヌが終わった直後は、ヨーロッパ映画賞がある!と思って切り替えました。笑

ぜひノミネートされて欲しいです。

ありがとうございました。

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