モントリオール世界映画祭2014 ラインナップ その2

 【ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション】(First Films World Competition)

 審査員:広瀬登(毎日新聞)、Bahman Maghsoudlou(イランの映画学者・批評家)、ドナルド・ランヴォ(Donald Ranvaud:映画雑誌編集者・プロデューサー)

 ・“Schimbare”(西) 監督:Álex Sampayo
 物語:ルイスとエルヴィラは、東欧の犯罪組織の命令で、ルーマニアを旅する。目的地に近づいた時、彼らは、ルート変更を求める連絡を受ける。ブダペストにとどまって、「ブツ」をピックアップしろというのだ。難しいことなど全くなさそうに思えた。だが、その「ブツ」というのが、8歳の少女で、これが予想以上にやっかいな仕事であることに彼らはまだ気づいていなかった。

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 ・“Fever”(仏) 監督:Raphaël Neal
 出演:ジュリー=マリー・パルマンティエ(Julie-Marie Parmentier)、マルタン・ロワジヨン(Martin Loizillon)、Pierre Moure、Pascal Cervo、フィリップ・ローデンバック、マリー・ブネル、サブリナ・セヴク(Sabrina Seyvecou)、フランソワーズ・ルブラン(Francoise Lebrun)
 物語:ダミエンとピエールは、裕福な家柄の高校生で、以前に街で見かけたことのある見知らぬ女性を殺す計画を立て、実行に移す。何の動機も見当たらない殺人事件に警察は困惑する。ゾーイは、その近くに住む眼鏡屋で、だんだんとこの事件に興味を持つようになる。ダミエンとピエールに会った時、彼女は奇妙な欲望に取りつかれる。恐ろしいことだが、自分が彼らの犠牲者であっても不思議ではなかった。ゾーイが惹きつけられたのは、事件が持つエロチックなパワーだった……。
 Leslie Kaplanの“Fever”の映画化。
 シャンゼリゼ映画祭2014出品。

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 ・“Nomadic Childhoods”(仏) 監督:Christophe Boula
 物語:敵意ある世界で、夢と希望を抱いて生きようとする3人のアジアの子供たちの物語。Amraaは、モンゴルのティーンエージャーで、恋人に会うために町を離れる。Apoは、シベリアに住む幼児で、雪の中で迷子になる。Lhamoはチベットの子供で、ヤクと一緒に暮らしたいと考える。

 ・“La Vie Pure(Pure Life)”(仏) 監督:Jérémy Banster
 出演:Stany Coppet、オーレリアン・レコン(Aurélien Recoing)、Elli Medeiros、Barbara Cabrita、ダニエル・デュヴァル(Daniel Duval)、アレックス・デカス(Alex Descas)
 物語:1949年。元レジスタンスの闘士で探検家のRaymond Maufraisは、知られざるTumuc Humac山に向けてガイアナのジャングルに入り込む。Cayenneを経由して、Jari川からベレムへ。しかし、その後、Raymond Maufraisの姿を見た者はいない。1950年にひとりのアボリジニ人が、Tamouri川の土手で、日記を見つける。それには、Raymond Maufraisの冒険と現地人との出会いが記録されていた。彼の父Edgar Maufraisは、12年にわたって、18回も遠征して、息子を捜した。その距離は12000キロにも及んだ。

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 ・“L'année Prochaine(Next Year)”(ベルギー・仏) 監督:Vania Leturcq
 出演:コンスタンス・ルソー(Constance Rousseau)、Jenna Thiam
 物語:クロチルドとオードは、18歳で、幼なじみの親友だ。高校を卒業した2人は、これからどうするか決めなければならない。オードは、特にやりたいこともなく、現状に満足していたが、クロチルドの方は、居心地の悪いこの村から早く出て行きたいと考えていた。クロチルドは、パリにある学校に願書を出し、2人でこの村を出て行こうと考える。

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 ・“Nachthelle(Bright Night)”(独) 監督:Florian Gottschick
 出演:Anna Grisebach、Vladimir Burlakov、ベンノ・フュアマン(Benno Fürmann)、Kai Ivo Baulitz
 物語:アンナは、アラフォーで、年下のステファンと、東欧時代に森の奥まったところに建てられた家にやってくる。そこは、アンナが子供時代を過ごした家で、アンナの友人であるベルントとマルクが先に到着していた。他の2人は知らなかったが、アンナとベルントは、クラスメートであるだけでなく、昔の恋人どうしでもあった。秘められた過去が4人の現在の関係に影響し始める。近くで始まった露天掘り採炭のように、彼らを揺さぶり始める。
 ミュンヘン映画祭2014

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 ・“High Performance”(オーストリア) 監督:Johanna Moder
 出演:Marcel Mohab、マヌエル・ルバイ(Manuel Rubey)
 物語:ルディとダニエルは、全く性格の異なる兄弟で、ルディはスーツを着、ダニエルは、バイクに乗った。ところが、2人に協力し合わなくてはならない事態が訪れる。2人はだんだんと親しくなり、全く異なる理由から同じ女性を好きになる。

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 ・“A Berni Követ(The Ambassador To Bern)”(ハンガリー) 監督:Attila Szász
 物語:1958年8月16日。2人のハンガリー人移民が、ベルンのスイス大使館に押し入り、大使を人質に取って、立てこもる。
 実話に基づく物語。

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 ・“The Lesson”(ラトヴィア・ロシア) 監督:Andris Gauja
 物語:Zaneは、献身的な教師で、ラトヴィアにある高校の上級生のクラスの担任している。彼女は、熱心に働き、生徒たちの才能を伸ばすのを助けた。生徒は、彼女の家族のようになった。ところが、彼女は、そんなクラスメートの1人と恋に落ちてしまう。個人としての幸福と社会からのプレッシャーの間で、彼女はひとつの決断を迫られる。

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 ・“Talyn Naadan(Steppe Games)”(ロシア) 監督:Bair Dyshenov
 物語:ステップ地帯のどこか。若い戦士が負傷して死ぬ。彼の愛馬は、主人の死という悪い知らせを抱いて、遠路、故郷の村に戻る。Baatarは、ロシア軍の新兵で、ステップ地帯にある家に戻って、恋人が別の男性と結婚したのを知る。彼は、元カノと話したいと思ったが、兄に止められる。Purbeは、チェチェン戦争の退役軍人であるが、市民生活に自分の居場所を見つけられず、軍隊時代を恋しく思う。3つの物語は、3つのフォークソングと、舞台となるステップ地帯で結びつけられる。

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 ・“Ba Digaran(With Others)”(イラン) 監督:Nasser Zamiri
 物語:ArezooとAmir-Hosseinは、若い夫婦で、家族を持ちたかったが、なかなか子供が授からなかった。2人は、Arezooの親友Taharehに代理母になってもらおうと考える。しかし、イランでは代理母は認められていない。Taharehの元夫であるYaghoubが、刑務所から仮出所で出てきたことで、事態はさらに複雑になる。
 ファジル国際映画祭2014 ニュー・ヴィジョン部門、イスラミック・フィルムメーカー・コンペティション部門出品。審査員特別賞 オナラブル・メンション受賞。

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 ・“Dekala Purudu Kenek(The Strange Familiar)”(スリランカ) 監督:Malith Hegoda
 物語:Dinithiは、夫との仲がうまくいっていない。努力すればするほど夫から無視される。その様子を8歳の娘が悄然とながめる。Dinithiの両親が手を差し伸べるが、彼らも娘と同じ仕打ちを受ける。Dinithiは、夫が、男性が好きなことに気づいていた。ある日、夫が、車で歩行者をひき殺してしまう。Dinithiは、夫のもとへ駆け寄り、彼を助ける。彼は、初めて妻の存在を大切に感じるようになる。

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 ・“Todos Estan Muertos(They Are All Dead)”(西・メキシコ・独) 監督:Beatriz Sanchis
 物語:ルペは35歳。80年代は、兄のディエゴと一緒にロックバンドをして、ファースト・アルバムもヒットしたが、今は、家に閉じこもって、母パキータ(65歳)に頼りきりの生活をしている。彼女には、14歳の息子パンチョがいるが、彼は母親のことを嫌っている。ルペは、広場恐怖症で、料理の材料も買いにいけない。幸いにして、迷信深いメキシコ人女性であるパキータが、買い物をし、時々起こるルペのパニックに対処し、パンチョの母親代わりも務めてくれるので、大きなトラブルにはならずに済んでいる。しかし、そんなパキータもいつまでもそうしていられるわけではない。彼女は、自分がいなくなっても大丈夫なように少しずつ準備を進める。
 短編ドキュメンタリー“La Clase”でゴヤ賞2009ノミネートのBeatriz Martínez Sanchís監督の初監督長編。
 マラガ・スペイン映画祭2014 オフィシャル・セレクション出品。審査員特別賞、主演女優賞(エレナ・アナヤ(Elena Anaya))、ヤング審査員賞受賞。

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 ・“Los Bañistas(Open Cage)”(メキシコ) 監督:Max Zunino
 物語:フラヴィアは、ティーンエージャーで、アーティストになることが夢だったが、大学受験に失敗して、フラストレーションに陥る。そんな彼女が、自分とは対極にあるような、堅固な日常生活を送っている成人男性のマルティンと出会う。
 グアダラハラ国際映画祭2014イベロアメリカ長編フィクション・コンペティション部門出品。Press Warrior Prize, Fiction Feature受賞。


 ・“González”(メキシコ) 監督:Christian Díaz Pardo
 物語:ゴンザレスは、失業中で、毎月、電話をかけてくる母にウソをつかなければならなかった。貧した彼は、メキシコシティーにある名もない教会にたどりつき、そこでカリスマスティックなブラジル人のテレビ伝道師イリアス牧師と出会う。施設のコールセンターで働くことになった彼は、かかってきた電話に答えなければならない。模範回答はいたってシンプルだ。教会を通して、神にお布施をすれば、それはかならずあなたに戻ってくる、と。
 モレリア国際映画祭2013出品。

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 ・“La Hora Azul(The Blue Hour)”(ペルー) 監督:Evelyne Pegot-Ogier
 物語:Adrian Ormacheは、成功した弁護士で、彼にとっては成功してリッチになることだけが重要だった。ある日、彼は、父の人生に関する秘密を見つける。父は、海兵隊の将校で、ほとんどテロリストに支配されていたアヤクーチョ地区を担当していた。父の在任時代、多くの人が拷問され、レイプされ、殺された。それはテロリストとは無関係の人も多く、特に犠牲になったのは女性だった。その中で、父が命を救ったひとりの女性がいて、彼女は父の愛人になったが、のちに逃げ出した。Adrianは、父の悪事の目撃者であるその女性を捜し出そうとする。
 アロンソ・クエトの小説の映画化。

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 ・“Aya Arcos”(独・ブラジル) 監督:Maximilian Moll
 物語:グレーで雨がちなリオ・デ・ジャネイロの古い街。エドゥは成功した作家で、エイズを恐れながらも、若い男娼であるファビオに惹かれる。ファビオの方も、才能があって、世界から独立しているエドゥに魅せられ、彼の愛に応えようとする。2人は衝突しながらも、理解し合い、互いを受け入れあうようになる。ファビオは孤独と不安を抱え、エドゥはエイズが怖くてHIVの検査を受けることができなかった。エドゥにはもうファビオしかいなかった……。

 ・“New Territories(新界)”(仏・チュニジア) 監督:Fabianny Deschamps
 出演:Eve Bitoun、Yilin Yang、Dimitri Sani
 物語:イヴは、フランス人女性で、ホテルにチェックインして、スーツに着替える。彼女は、新しい火葬のやりかた“aquamation”を中国市場に広めようと考えていた。Li Yuは、貧しい中国人女性で、織物工場で働いていたが、フィアンセとともに持参金を持って逃げようとしていた。そのお金を使って、国境を越えるのだ。よりよい生活を求め、彼女は興奮し、神経質になっていた。ところが、列車に乗り、トラックの荷台に乗って移動するうち、何が間違っている気がして、それが彼女が先に進むのを止める。そして、全く異なる世界からやってきたイヴとLi Yuが出会う……。
 カンヌ国際映画祭2014 ACIDプログラム出品。

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 【ワールド・グレイト部門】(Hors Concours/World Greats)

 ・“Aimer, Boire Et Chanter(Life Of Riley)”(仏) 監督:アラン・レネ

 ・“Au Fil D'ariane(Ariane's Thread)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン

 ・“Salaud, On T'aime(We Love You, You Bastard)”(仏) 監督:クロード・ルルーシュ

 ・“Der Kreis(The Circle)”(スイス) 監督:Stefan Haupt

 ・“Auf Das Leben!(To Life! )”(独) 監督:ウヴェ・ヤンソン(Uwe Janson)

 ・“Psie Pole(Field Of Dogs)”(ポーランド) 監督:レヒ・マジュースキー(Lech Majewski)

 ・“Jack Strong”(ポーランド) 監督:ヴワディスワフ・ パシコフスキ(Wladyslaw Pasikowski)

 ・“Mikra Anglia(Little England)”(ギリシャ) 監督:Pantelis Voulgaris

 ・“Chagall - Malevich”(ロシア) 監督:Alexandre Mitta

 ・“Bai Ri Yan Huo(Black Coal, Thin Ice/白日烟火)”(中・香港) 監督:ディアオ・イーナン(Diao Yinan)

 ・“Wu Ren Qu(No Man's Land/無人区)”(中) 監督:ニン・ハオ

 ・“Cui Mian Da Shi(The Great Hypnotist/催眠大師)”(中) 監督:レスト・チェン(Leste Chen)

 ・『ぼくたちの家族』“Bokutachi No Kazuko(Our Family)”(日) 監督:石井裕也

 ・『ぶどうのなみだ』“Budo No Namida(A Drop Of The Grapevine)”(日) 監督:三島有紀子

 ・『花宵道中』“Hanayoi Dochu(A Courtesan With Flowered Skin)”(日) 監督:豊島圭介

 ・“Healing”(オーストラリア) 監督:Craig Monahan

 ・“Ciudad Delirio”(コロンビア・西) 監督:チャス・グティエレス(Chus Gutiérrez)

 ※ モントリオール世界映画祭2014のラインナップはまだまだ続きます。

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 *当ブログ記事

 ・モントリオール世界映画祭2014 ワールド・コンペティション部門 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201408/article_10.html
 ・モントリオール世界映画祭2014 ラインナップ その3:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201408/article_12.html

 ・モントリオール世界映画祭は米国アカデミー賞外国語映画賞に直結している、というデータ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_12.html
 ・モントリオール世界映画祭での日本映画/日本の映画人の受賞データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_13.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html

 追記:
 ・モントリオール世界映画祭2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201409/article_3.html

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