2014年を代表するヨーロッパ映画10作品! ラックス賞2014 オフィシャル・セレクション!
第8回ラックス賞(Lux Prize)のオフィシャル・セレクション10作品が開催中のカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭にて発表になりました。(7月6日)
【ラックス賞】
ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。
内容から言うと、①ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、②物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、③ヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。
投票資格があるのは、欧州議会の議員約800名のみで、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。
ノミネート作品は3本という規定になっていて、前年の5月1日から当年の6月1日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会のメンバー16名がセレクションを行ない、まずオフィシャル・セレクション10本を選び(発表し)、そこからさらに3本に絞り込むというプロセスが取られています。(※「前年の5月1日から当年の6月1日までに劇場公開された作品の中から」という部分は、今年の公式サイトには明記されていませんでした。特にルールは変わっていないはずなので、単に記載するのを忘れただけだと思いますが。)
過去7回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。
◆2007年
◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
◆2008年
・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký
◆2009年
・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ
◆2010年
・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:Feo Aladag
・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)
◆2011年
・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:Athina Rachel Tsangari
◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド
◆2012年
・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf
◆2013年
・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
2013年のラックス賞では、ヨーロッパ各国で、一般の観客にもオンラインによる投票を募っていましたが、今回、ようやくその結果(The Public Audience Mention)が発表になりました。一般の観客から最も支持された作品は、ラックス賞と同じく、『オーバー・ザ・ブルースカイ』でした。1000人以上の投票があり、その中からランダムに選ばれた2名がカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭に招待されています。
本年度のオフィシャル10作品は、以下の通りですが、これから、ベネチア国際映画祭 ベネチア・デイズのプレス会見でノミネート3作品が発表され(7月末)、その後、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたってノミネート作品の上映会が実施され(そのために、24の言語による字幕が用意される)、投票が行なわれる予定になっています。受賞作品の発表は、12月7日です。
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【第8回ラックス賞 オフィシャル・セレクション】
・“Hermosa Juventud(Beautiful Youth)”(西) 監督:ハイメ・ロサレス(Jaime Rosales)
物語:経済的危機にある現在のスペイン。ナタリアとカルロスは、20歳のカップルで、現代のスペインで生き抜こうと必死だ。彼らの限られた収入では、自分たちの望むような生活をするのは難しい。彼らには、大金を稼げるような希望もなく、それゆえ大きな野心もなかった。彼らは、アマチュアのポルノ映画を撮って金を稼ごうとするが、彼らの間に娘フリアが生まれたことで、変化のチャンスが訪れる。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞。
・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
出演:Tatiana Rojo、Diabate Idrissa、ラバ・ナイト・ウフェラ(Rabah Nait Oufella)
物語:Mariemeは、16年間、家でも、学校でも、地域社会でも、あらゆることにダメ出しをされてきた。しかし、自由に、踊り、ケンカをし、おしゃべりし、大声で笑う3人組の女たちと出会い、すべてが変わる。Mariemeは、名前もVicと変え、服装も一新して、ギャングの一味に加わる。そうすることが、彼女にとって自由への道だったのだ。
カンヌ国際映画祭2014 監督週間出品。
・“Le Meraviglie(Quando nascesti te)”(伊) 監督:アリーチェ・ロルヴァケル(Alice Rohrwacher)
出演:Maria Alexandra Lungu、サム・ルーウィック(Sam Louwyck)、アルバ・ロルヴァケル、Sabine Timoteo、Agnese Graziani、モニカ・ベルッチ
物語:ジェルソミーナの家には特別なルールがある。それは、まず第一に、12歳のジェルソミーナが一家の頭で、3人の妹たちは、彼女に従って、彼女の監視下で働き、彼女が寝ていいという時に眠るということだ。彼女の父親ヴォルガングは外国人で、ジェルソミーナがこの奇妙な王国の女王になるように、彼らのためにここを作り上げていった。もちろん、男の跡取りがいたなら、それに越したことはなかったが、それはかなわなかった。ジェルソミーナは、養蜂の才能に優れ、蜂蜜作りもうまかった。ところが、地帯に農薬が撒かれ、田舎にも変化が訪れる。ちょうどその頃、TVクルーがやってきて、伝統的な農家に、コンテストに参加して、豪華なクルーズを目指さないかという話を持ちかけてくる。TV番組に参加するということは、仕事を疎かにすることに他ならない。懸命に働いて、蜂のコロニーを増やし、養蜂場の水準を保つのが彼らの務めだ。父は、TV出演など考えてもみなかったが、ジェルソミーナにはその話は魅力的に感じられた。時を同じくして、ドイツ政府のリハビリ・プログラムでマルティンという少年が働きにやってくる。ヴォルガングは、マルティンを見て、男の跡取りが欲しかったという思いを強くし、ジェルソミーナは、TV出演への夢に心惑わされる……。
カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
ナストロ・ダルジェント賞2014監督賞・脚本賞・編集賞・プロデューサー賞ノミネート。特別賞受賞。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズンズ部門出品。

・“Kreuzweg(Chemin De Croix / Stations of the Cross)”(独・仏) 監督:Dietrich Brüggemann
出演:Lea van Acken、Franziska Weisz、フロリアン・シュテッター(Florian Stetter)
物語:マリアは、学校では、普通の14歳だが、家では、カトリックの原理主義に支配され、いつも罪を犯すことがないように恐れて暮らしている。彼女の母は、娘に正道を守らせようとし、父親は寡黙で、外部からの非難を浴びても静かに耐えている。しかし、医者や教師との対立が強まる。マリアは、どうすれば、神の愛の中で純真を守り、誓いを立てた人々と心穏やかでいられるのか、そして、神はなぜ病気の弟を苦しめるのか、と悩み始める。
ベルリン国際映画祭2014 コンペティション部門出品。脚本賞(Dietrich & Anna Brüggemann)、エキュメニカル審査員賞受賞。
トランシルヴァニア国際映画祭2014 Supernova部門出品。
エジンバラ国際映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。学生批評家賞受賞。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズンズ部門出品。
パリ映画祭2014 コンペティション部門出品。
・“Macondo”(オーストリア) 監督:Sudabeh Mortezai
出演:Ramasan Minkailov、Aslan Elbiev、Kheda Gazieva
物語:マコンドは、ウィーン郊外にあり、22カ国から来た3000人の難民が暮らしている。そのひとりラマサンは、11歳の少年で、チェチェンから、母と妹と一緒にここにやってきた。父親は、ロシアとの紛争で殺された。少なくとも彼はそう教えられている。彼は、父親の代わりにならなければならないと考え、妹の面倒を見たりして頑張っている。ある日、そこに、父の友人だというイサという名の陰気な男が訪ねてきて、彼らの生活をかき乱し始める。
初監督作品。
ベルリン国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
香港国際映画祭2014 ヤング・シネマ・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
レッチェ・ヨーロッパ映画祭2014 ヨーロッパ・コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014。
・“White God (Fehér Isten)”(ハンガリー・独・スウェーデン) 監督:コーネル・ムンドルッツォ(Kornél Mundruczó)
物語:血統書つきの犬に対する優遇策が打ち出され、雑種には厳しい税が課せられることが決まる。飼い主たちは犬を棄て始め、ストリートは犬であふれてしまう。13歳のリリもハーゲンという犬を飼っていたが、父親に棄てるように命じられる。懇願も聞き入れられず、棄てることになって、ハーゲンからは、人間には親友はいないのだと思われる。棄てられたハーゲンは、野良犬たちのギャング団に仲間入りする。しかし、たちまちつかまって、動物収容所に送られる。ここでは助かる見込みは少ない。犬たちは反乱と逃げ出す機会を窺う。彼らの復讐は非情だ。一方、リリは、家を飛び出して、ハーゲンの行方を追う。
この作品のために、200頭の犬が集められ、トレーニングされた。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。ある視点賞、パルム・ドッグ受賞。
・『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček
物語:ドイツ語教師が産休に入って、新しい教師Zupanがやってくる。彼は、学生であるということは間違いを犯すこということであり、学習することで成長する特権を持っているという信念から、授業をラディカルなものに変える。その結果、生徒と教師との間に、緊張感が高まる。ひとりの生徒が自殺したが、それがドイツ語教師が原因だと見なされる。事実はそんなに明確なものではなかったが、何を言ってももう手遅れだった。
実話に基づく物語。
初監督作品。
ベネチア国際映画祭2013 国際批評家週間出品。FEDEORA賞受賞。
スロヴェニア映画祭2013 作品賞・主演男優賞・助演女優賞・撮影賞・衣裳デザイン賞・観客賞・アクター オブ ザ イヤー・批評家賞受賞。
米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 スロヴェニア代表。
ヨーテボリ国際映画祭2014 イングマール・ベルイマン賞/新人監督賞コンペティション部門出品。
ヴィリニュス国際映画祭2014 New Europe-New Namesコンペティション部門出品。男優賞 (Igor Samobor)、CICAE賞受賞。
「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014。

・“Xenia”(ギリシャ・仏・ベルギー) 監督:Panos Koutras
物語:アテネで暮らす16歳のダニーと18歳のオデッセウスは、アルバニア人の母親が死んだ後、ギリシャ人の父親を捜して国中をさまよう。彼らは、父親に会ったことはなかったが、自分たちのことを認めてもらいたかったのだ。テッサロニキにやってきた時、ちょうど「グリーク・スター」というコンテストに出くわす。ダニーは、兄が歌の才能があり、彼らを受け入れてはくれない国で、スターになってくれればいいのにと考える。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 アナザー・ビュー部門出品。
・“Turist (Force Majeure)”(ノルウェー・スウェーデン) 監督:リューベン・オストルンド(Ruben Östlund)
物語:家族が、フレンチ・アルプスでスキー旅行を楽しんでいる。彼らが、日当たりのいいテラスで昼食を取っている時、突然、後ろで雪崩が起こる。しかし、山の向かい側の出来事であって、自分たちに脅威はないと判断して、父親は家族の安否を確かめることもせずに、ゲレンデに飛び出す。しかし、やがて家族に災難が降りかかったことが明らかになり、父親はパニックに陥る。
リューベン・オストルンドは、冬の間、アルプスのスキー・リゾートで働いていて、友人がスキーの技を披露するのを撮影しているうちに、映画の道に進むことになったというキャリアの持ち主。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。審査員賞受賞。
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公式サイトには、オフィシャル・セレクションに関する分析・解説も行なわれています。
・初監督が2人いる。:Sudabeh Mortezai、Rok Biček
・女性監督が3人いる。:セリーヌ・シアマ、アリーチェ・ロルヴァケル、Sudabeh Mortezai
・以前にラックス賞に選出されたことのある監督が2人いる。:コーネル・ムンドルッツォ、リューベン・オストルンド
・「価値観と歴史」(values and history)に焦点を当てた作品が2つある。:“Kreuzweg”、『イーダ』
・「若者と危機意識」(youngsters and the crisis)に商店を当てた作品が5つある。:“Hermosa Juventud(Beautiful Youth)”、“Bande De Files(Girlhood)”、“Le Meraviglie(Quando nascesti te)”、“Class Enemy”、“Xenia”
新鋭監督が続々と登場している一方、女性監督の中に有望な監督が多く、また、「価値観と歴史」や「若者と危機意識」に目が向けられている、という現代ヨーロッパ映画の特徴が非常によくとらえられた分析になっています。
そのほか、10作品の内訳は、
カンヌ国際映画祭でプレミア上映された作品が6本あり、そのうち、コンペティション部門出品作が1本、ある視点部門出品作が4本、監督週間出品作が1本あります。他は、ベネチア国際映画祭でプレミア上映された作品が1本、トロント国際映画祭でプレミア上映された作品が1本(『イーダ』)、ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作が3本あります。
ここでも、カンヌ国際映画祭ある視点部門が非常に充実していたことがわかります。
また、同じく、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表されている、〈「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014〉と2作品が重なっていて、「2014年を代表するヨーロッパ映画」に関する認識で、両者に通じる部分があることがわかります。まあ、セレクションの基準が違う (「ヴァラエティー」の方は新鋭監督のセレクション) ので、単純に比較はできませんが。
現時点で、ヨーロッパ映画2014を概観するセレクションとしては、〈「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014〉とこのラックス賞 オフィシャル・セレクションのほか、
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のホライズンズ部門とアナザー・ビュー部門があります。
これら2部門は、ヨーロッパ映画限定ではありませんが、現時点までで2014年に高い評価を受けた実力派監督と新鋭監督に関する、優れたセレクションになっています。
9月に発表されるヨーロッパ映画賞のオフィシャル・セレクションも、おそらくこれら2部門での上映作品を中心に選ばれることになるはずです。要注目ですね。
・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_5.html
*当ブログ記事
・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html
追記:
・ラックス賞2014 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
【ラックス賞】
ラックス賞というのは、欧州議会(European Parliament)によって贈られる映画賞で、ヨーロッパの現状(拡大と交流)を示すような題材の映画を通して公衆に議論を呼び起こすことと、EU加盟国での映画の普及とを目的として、2007年からスタートしたものです。
内容から言うと、①ローカルで、ドメスティックな内容のものではなく、いろんな出自(出身国や民族)のバックグラウンドを持つ登場人物が出てくる現代劇で、しかもそのことが物語の根幹に関わってくるような作品、あるいは、②物語が複数のヨーロッパ諸国にまたがっていて、物語の展開に従って、それぞれの国の実情(現状)が映画の中に映し出されていくような作品、といったインターナショナル、トランスナショナルなヨーロッパ映画がピックアップされるという印象だったのですが、最近では、ヨーロッパ各国固有の事情を描いていても、それがそのまま「ヨーロッパのいま」と見なされ、共通の問題意識をもって受け止められるようになってきたようで、よりシンプルに、③ヨーロッパの現状を示していると思われるような、優れた現代ヨーロッパ映画、がピックアップされるようになってきたようです。
投票資格があるのは、欧州議会の議員約800名のみで、議員には、ノミネート発表後、作品の無料の上映会が行なわれることになっています。
ノミネート作品は3本という規定になっていて、前年の5月1日から当年の6月1日までに劇場公開された作品の中から、欧州議会の文化教育委員会のメンバー16名がセレクションを行ない、まずオフィシャル・セレクション10本を選び(発表し)、そこからさらに3本に絞り込むというプロセスが取られています。(※「前年の5月1日から当年の6月1日までに劇場公開された作品の中から」という部分は、今年の公式サイトには明記されていませんでした。特にルールは変わっていないはずなので、単に記載するのを忘れただけだと思いますが。)
過去7回のノミネート&受賞作品は以下の通りです。
◆2007年
◎『そして、私たちは愛に帰る』(独・トルコ) 監督:ファティ・アキン
・『4ヶ月、3週と2日』(ルーマニア) 監督:クリスティアン・ムンジウ
・『夜顔』(西・仏) 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
◆2008年
・『デルタ』(ハンガリー・独) 監督:コーネル・ムンドルッツォ
◎『ロルナの祈り』(ベルギー・仏・伊) 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
・“Občan Havel”(チェコ) 監督:Miroslav Janek、Pavel Koutecký
◆2009年
・『ソフィアの夜明け』(映画祭上映題:『イースタン・プレイ』)(ブルガリア) 監督:カメン・カレフ
・“Sturm”(独・デンマーク・オランダ) 監督:ハンス=クリスチャン・シュミット
◎『君を想って海をゆく』(仏) 監督:フィリップ・リオレ
◆2010年
・“Plato's Academy(Akadimia Platonos)”(ギリシャ・独) 監督:Filippos Tsitos
◎“When We Leave (Die Fremde)”(独) 監督:Feo Aladag
・『イリーガル』“Illégal”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:オリヴィエ・マッセ=ドパス(Olivier Masset-Depasse)
◆2011年
・“Attenberg”(ギリシャ) 監督:Athina Rachel Tsangari
◎『キリマンジャロの雪』“Les neiges du Kilimanjaro (The Snows Of Kilimanjaro)”(仏) 監督:ロベール・ゲディギャン
・『プレイ』“Play”(スウェーデン・仏・デンマーク) 監督:リューベン・オストルンド
◆2012年
・『熱波』(ポルトガル・独・仏・ブラジル) 監督:ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)
◎『ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-』“Io sono Li (Shun Li and the Poet)”(伊・仏) 監督:アンドレア・セグレ
・“Csak a szél (Just the Wind)”(ハンガリー・独・仏) 監督:Bence Fliegauf
◆2013年
・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
◎『オーバー・ザ・ブルースカイ』(オランダ・ベルギー) 監督:フェリックス・ファン・ヒュルーニンゲン
・『ミエーレ』“Miele (Honey)”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
2013年のラックス賞では、ヨーロッパ各国で、一般の観客にもオンラインによる投票を募っていましたが、今回、ようやくその結果(The Public Audience Mention)が発表になりました。一般の観客から最も支持された作品は、ラックス賞と同じく、『オーバー・ザ・ブルースカイ』でした。1000人以上の投票があり、その中からランダムに選ばれた2名がカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭に招待されています。
本年度のオフィシャル10作品は、以下の通りですが、これから、ベネチア国際映画祭 ベネチア・デイズのプレス会見でノミネート3作品が発表され(7月末)、その後、ヨーロッパ28ヵ国で3ヶ月にわたってノミネート作品の上映会が実施され(そのために、24の言語による字幕が用意される)、投票が行なわれる予定になっています。受賞作品の発表は、12月7日です。
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【第8回ラックス賞 オフィシャル・セレクション】
・“Hermosa Juventud(Beautiful Youth)”(西) 監督:ハイメ・ロサレス(Jaime Rosales)
物語:経済的危機にある現在のスペイン。ナタリアとカルロスは、20歳のカップルで、現代のスペインで生き抜こうと必死だ。彼らの限られた収入では、自分たちの望むような生活をするのは難しい。彼らには、大金を稼げるような希望もなく、それゆえ大きな野心もなかった。彼らは、アマチュアのポルノ映画を撮って金を稼ごうとするが、彼らの間に娘フリアが生まれたことで、変化のチャンスが訪れる。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞。
・“Bande De Files(Girlhood)”(仏) 監督:セリーヌ・シアマ
出演:Tatiana Rojo、Diabate Idrissa、ラバ・ナイト・ウフェラ(Rabah Nait Oufella)
物語:Mariemeは、16年間、家でも、学校でも、地域社会でも、あらゆることにダメ出しをされてきた。しかし、自由に、踊り、ケンカをし、おしゃべりし、大声で笑う3人組の女たちと出会い、すべてが変わる。Mariemeは、名前もVicと変え、服装も一新して、ギャングの一味に加わる。そうすることが、彼女にとって自由への道だったのだ。
カンヌ国際映画祭2014 監督週間出品。
・“Le Meraviglie(Quando nascesti te)”(伊) 監督:アリーチェ・ロルヴァケル(Alice Rohrwacher)
出演:Maria Alexandra Lungu、サム・ルーウィック(Sam Louwyck)、アルバ・ロルヴァケル、Sabine Timoteo、Agnese Graziani、モニカ・ベルッチ
物語:ジェルソミーナの家には特別なルールがある。それは、まず第一に、12歳のジェルソミーナが一家の頭で、3人の妹たちは、彼女に従って、彼女の監視下で働き、彼女が寝ていいという時に眠るということだ。彼女の父親ヴォルガングは外国人で、ジェルソミーナがこの奇妙な王国の女王になるように、彼らのためにここを作り上げていった。もちろん、男の跡取りがいたなら、それに越したことはなかったが、それはかなわなかった。ジェルソミーナは、養蜂の才能に優れ、蜂蜜作りもうまかった。ところが、地帯に農薬が撒かれ、田舎にも変化が訪れる。ちょうどその頃、TVクルーがやってきて、伝統的な農家に、コンテストに参加して、豪華なクルーズを目指さないかという話を持ちかけてくる。TV番組に参加するということは、仕事を疎かにすることに他ならない。懸命に働いて、蜂のコロニーを増やし、養蜂場の水準を保つのが彼らの務めだ。父は、TV出演など考えてもみなかったが、ジェルソミーナにはその話は魅力的に感じられた。時を同じくして、ドイツ政府のリハビリ・プログラムでマルティンという少年が働きにやってくる。ヴォルガングは、マルティンを見て、男の跡取りが欲しかったという思いを強くし、ジェルソミーナは、TV出演への夢に心惑わされる……。
カンヌ国際映画祭2014 コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
ナストロ・ダルジェント賞2014監督賞・脚本賞・編集賞・プロデューサー賞ノミネート。特別賞受賞。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズンズ部門出品。

・“Kreuzweg(Chemin De Croix / Stations of the Cross)”(独・仏) 監督:Dietrich Brüggemann
出演:Lea van Acken、Franziska Weisz、フロリアン・シュテッター(Florian Stetter)
物語:マリアは、学校では、普通の14歳だが、家では、カトリックの原理主義に支配され、いつも罪を犯すことがないように恐れて暮らしている。彼女の母は、娘に正道を守らせようとし、父親は寡黙で、外部からの非難を浴びても静かに耐えている。しかし、医者や教師との対立が強まる。マリアは、どうすれば、神の愛の中で純真を守り、誓いを立てた人々と心穏やかでいられるのか、そして、神はなぜ病気の弟を苦しめるのか、と悩み始める。
ベルリン国際映画祭2014 コンペティション部門出品。脚本賞(Dietrich & Anna Brüggemann)、エキュメニカル審査員賞受賞。
トランシルヴァニア国際映画祭2014 Supernova部門出品。
エジンバラ国際映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。学生批評家賞受賞。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ホライズンズ部門出品。
パリ映画祭2014 コンペティション部門出品。
・“Macondo”(オーストリア) 監督:Sudabeh Mortezai
出演:Ramasan Minkailov、Aslan Elbiev、Kheda Gazieva
物語:マコンドは、ウィーン郊外にあり、22カ国から来た3000人の難民が暮らしている。そのひとりラマサンは、11歳の少年で、チェチェンから、母と妹と一緒にここにやってきた。父親は、ロシアとの紛争で殺された。少なくとも彼はそう教えられている。彼は、父親の代わりにならなければならないと考え、妹の面倒を見たりして頑張っている。ある日、そこに、父の友人だというイサという名の陰気な男が訪ねてきて、彼らの生活をかき乱し始める。
初監督作品。
ベルリン国際映画祭2014 コンペティション部門出品。
香港国際映画祭2014 ヤング・シネマ・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
レッチェ・ヨーロッパ映画祭2014 ヨーロッパ・コンペティション部門出品。脚本賞受賞。
「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014。
・“White God (Fehér Isten)”(ハンガリー・独・スウェーデン) 監督:コーネル・ムンドルッツォ(Kornél Mundruczó)
物語:血統書つきの犬に対する優遇策が打ち出され、雑種には厳しい税が課せられることが決まる。飼い主たちは犬を棄て始め、ストリートは犬であふれてしまう。13歳のリリもハーゲンという犬を飼っていたが、父親に棄てるように命じられる。懇願も聞き入れられず、棄てることになって、ハーゲンからは、人間には親友はいないのだと思われる。棄てられたハーゲンは、野良犬たちのギャング団に仲間入りする。しかし、たちまちつかまって、動物収容所に送られる。ここでは助かる見込みは少ない。犬たちは反乱と逃げ出す機会を窺う。彼らの復讐は非情だ。一方、リリは、家を飛び出して、ハーゲンの行方を追う。
この作品のために、200頭の犬が集められ、トレーニングされた。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。ある視点賞、パルム・ドッグ受賞。
・『イーダ』(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
・“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček
物語:ドイツ語教師が産休に入って、新しい教師Zupanがやってくる。彼は、学生であるということは間違いを犯すこということであり、学習することで成長する特権を持っているという信念から、授業をラディカルなものに変える。その結果、生徒と教師との間に、緊張感が高まる。ひとりの生徒が自殺したが、それがドイツ語教師が原因だと見なされる。事実はそんなに明確なものではなかったが、何を言ってももう手遅れだった。
実話に基づく物語。
初監督作品。
ベネチア国際映画祭2013 国際批評家週間出品。FEDEORA賞受賞。
スロヴェニア映画祭2013 作品賞・主演男優賞・助演女優賞・撮影賞・衣裳デザイン賞・観客賞・アクター オブ ザ イヤー・批評家賞受賞。
米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 スロヴェニア代表。
ヨーテボリ国際映画祭2014 イングマール・ベルイマン賞/新人監督賞コンペティション部門出品。
ヴィリニュス国際映画祭2014 New Europe-New Namesコンペティション部門出品。男優賞 (Igor Samobor)、CICAE賞受賞。
「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014。

・“Xenia”(ギリシャ・仏・ベルギー) 監督:Panos Koutras
物語:アテネで暮らす16歳のダニーと18歳のオデッセウスは、アルバニア人の母親が死んだ後、ギリシャ人の父親を捜して国中をさまよう。彼らは、父親に会ったことはなかったが、自分たちのことを認めてもらいたかったのだ。テッサロニキにやってきた時、ちょうど「グリーク・スター」というコンテストに出くわす。ダニーは、兄が歌の才能があり、彼らを受け入れてはくれない国で、スターになってくれればいいのにと考える。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 アナザー・ビュー部門出品。
・“Turist (Force Majeure)”(ノルウェー・スウェーデン) 監督:リューベン・オストルンド(Ruben Östlund)
物語:家族が、フレンチ・アルプスでスキー旅行を楽しんでいる。彼らが、日当たりのいいテラスで昼食を取っている時、突然、後ろで雪崩が起こる。しかし、山の向かい側の出来事であって、自分たちに脅威はないと判断して、父親は家族の安否を確かめることもせずに、ゲレンデに飛び出す。しかし、やがて家族に災難が降りかかったことが明らかになり、父親はパニックに陥る。
リューベン・オストルンドは、冬の間、アルプスのスキー・リゾートで働いていて、友人がスキーの技を披露するのを撮影しているうちに、映画の道に進むことになったというキャリアの持ち主。
カンヌ国際映画祭2014 ある視点部門出品。審査員賞受賞。
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公式サイトには、オフィシャル・セレクションに関する分析・解説も行なわれています。
・初監督が2人いる。:Sudabeh Mortezai、Rok Biček
・女性監督が3人いる。:セリーヌ・シアマ、アリーチェ・ロルヴァケル、Sudabeh Mortezai
・以前にラックス賞に選出されたことのある監督が2人いる。:コーネル・ムンドルッツォ、リューベン・オストルンド
・「価値観と歴史」(values and history)に焦点を当てた作品が2つある。:“Kreuzweg”、『イーダ』
・「若者と危機意識」(youngsters and the crisis)に商店を当てた作品が5つある。:“Hermosa Juventud(Beautiful Youth)”、“Bande De Files(Girlhood)”、“Le Meraviglie(Quando nascesti te)”、“Class Enemy”、“Xenia”
新鋭監督が続々と登場している一方、女性監督の中に有望な監督が多く、また、「価値観と歴史」や「若者と危機意識」に目が向けられている、という現代ヨーロッパ映画の特徴が非常によくとらえられた分析になっています。
そのほか、10作品の内訳は、
カンヌ国際映画祭でプレミア上映された作品が6本あり、そのうち、コンペティション部門出品作が1本、ある視点部門出品作が4本、監督週間出品作が1本あります。他は、ベネチア国際映画祭でプレミア上映された作品が1本、トロント国際映画祭でプレミア上映された作品が1本(『イーダ』)、ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作が3本あります。
ここでも、カンヌ国際映画祭ある視点部門が非常に充実していたことがわかります。
また、同じく、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で発表されている、〈「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014〉と2作品が重なっていて、「2014年を代表するヨーロッパ映画」に関する認識で、両者に通じる部分があることがわかります。まあ、セレクションの基準が違う (「ヴァラエティー」の方は新鋭監督のセレクション) ので、単純に比較はできませんが。
現時点で、ヨーロッパ映画2014を概観するセレクションとしては、〈「ヴァラエティー」が選ぶヨーロッパの監督たち2014〉とこのラックス賞 オフィシャル・セレクションのほか、
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のホライズンズ部門とアナザー・ビュー部門があります。
これら2部門は、ヨーロッパ映画限定ではありませんが、現時点までで2014年に高い評価を受けた実力派監督と新鋭監督に関する、優れたセレクションになっています。
9月に発表されるヨーロッパ映画賞のオフィシャル・セレクションも、おそらくこれら2部門での上映作品を中心に選ばれることになるはずです。要注目ですね。
・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2014 ラインナップ その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_5.html
*当ブログ記事
・ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_1.html
・ラックス賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_18.html
・ラックス賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_29.html
・ラックス賞2012 オフィシャル・セレクション10作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_3.html
・ラックス賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_16.html
・ラックス賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_21.html
・ラックス賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_2.html
・ラックス賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_27.html
・ラックス賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_43.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html
追記:
・ラックス賞2014 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201407/article_22.html
・ラックス賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201412/article_28.html
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