ズリーン国際映画祭2014 受賞結果!

 第54回ズリーン国際映画祭(5月30日-6月5日)の各賞が発表になりました。

 【ズリーン国際映画祭】

 ズリーン国際映画祭は、チェコの東部ズリーンで開催される映画祭で、正式名称をZlín International Film Festival for Children and Youth(Film Festval Zlin. mezinárodní festival filmů pro děti a mládež)と言い、児童向け映画に特化した映画祭としては世界最古のものの1つであり、今年で第54回を迎えます。

 ズリーン国際映画祭と言っても、あまりなじみがありませんが、その手の作品が数多く制作されている日本からも頻繁に作品が招待されています。(検索してみると、けっこういろんな作品が招待されていることがわかります。)

 ただ名前が長いこともあって、日本では呼称が一定せず、「ズリーン国際映画祭」「ズリーン国際子供映画祭」「ズリーン青少年映画祭」「ズリーン青少年のための国際映画祭」などと様々に訳されています。

 「児童映画祭」と銘打たれてはいますが、上映作品は、必ずしも「子供のために作られた、子供向けの映画」ではなく、青少年を主人公とし、彼らの目を通して、家族や社会、時代を描くといったスタイルの映画(つまり一般の観客を対象とした一般的な映画)であることも多いようです。
 また、「児童向け映画」といっても、幼児を対象としたものから、20歳前後の年齢層を対象としたものまで、対象年齢も実に幅広く、内容面でも様々なタイプの作品が選ばれているようです。
 部門によっては、特に「児童映画」というくくりにこだわらずに作品のセレクションが行なわれていたりもするようです。

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 【コンペティション部門】 (Competitive Sections

 【子供向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International competition of Films for Children)

 ◆最優秀作品賞/金のスリッパ賞
 ◎“The Nightingale”(2014/仏・中) 監督:フィリップ・ミュイル(Philippe Muyl)

 “The Nightingale(Ye Ying - Le promeneur d'oiseau)”(2014/仏・中) 監督:フィリップ・ミュイル(Philippe Muyl)
 物語:Zhigen一家は、息子の大学入学のために中国の山間の村から北京に引っ越してきて、20年経つ。だが、今では、Zhigenと息子は、4年間も会話のない状態が続いている。Zhigenは、亡き妻との約束を果たすために、村に帰って、鳥を放してやろうと決める。彼は、その道行きに、孫娘のRenxingを誘う。Renxingは、甘やかされて贅沢に育っていて、森や田園をトレッキングするよりは、iPodの方に親しみを感じている。一方、息子夫婦の方も人生にとって何が大切かを考え始める……。
 『パピヨンの贈りもの』のフィリップ・ミュイル監督最新作。
 釜山国際映画祭2014 アジア映画の窓部門出品。
 ドーヴィル・アジアン映画祭2014 出品。
 シアトル国際映画祭2014出品。

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 ◆最優秀演技賞/ズリーン市賞
 ◎Petr Šimčák “To See the Sea(Pojedeme k mori)”(2014/チェコ)(監督:Jiří Mádl)

 “To See the Sea(Pojedeme k mori)”(2014/チェコ) 監督:Jiří Mádl
 物語:Thomasは、映画監督になりたいと考えていて、16歳の誕生日に手に入れたカメラで、最初の映画を撮り始める。それは、家族や友人に関する映画で、それによりThomasは彼らのことをより深く知るようになる。しかし、その一方で、撮影は、思いがけない事実をも明らかにする。それは、クラスで彼が気になっていた女の子のことだったり、家族の秘密だったりした。特にショックだったのは、父が家族に内緒で、2週間に一度どこかにでかけていることだった。彼は、真実を知ってしまうことが怖かったが、父の秘密を探ることに決める。それは、彼が想像した以上に深く、ショッキングなものだった……。

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 ◆児童審査員賞
 ◎“To See the Sea”(2014/チェコ) 監督:Jiří Mádl

 【青少年向け長編映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Films for Youth)

 ◆作品賞/金のスリッパ賞
 ◎“The Kings of Summer”(2013/米) 監督:Jordan Vogt-Roberts

 “The Kings Of Summer” 監督:Jordan Vogt-Roberts
 出演:ニック・ロビンソン(Nick Robinson)、ガブリエル・バッソ(Gabriel Basso)、モイセス・アリアス(Moises Arias)
 物語:ジョーは、思春期で、自分を管理しようとするシングル・ファーザーの父親に抵抗して、家を飛び出す。彼は、親友のパトリックと、変わり者のビアッジオと一緒に、森の中に入って、そこに家を建て、親からも責任からも解き放たれて自由に過ごそうとする。しかし、その場しのぎの家ができあがったところで、彼らは、森の中で孤独で、自分たちの運命がほかならぬ自分自身に委ねられていることに気づく。
 フェニックス映画批評家協会賞2013 ブレイクスルー監督賞ノミネート。

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 ◆最優秀女優賞/ミロシュ・マコーレク(Milos Macourek)賞
 ◎Gijs Blom “Boys”(2013/オランダ)(監督:Mischa Kamp)

 “Boys(Jongens)”(2013/オランダ) 監督:Mischa Kamp
 物語:夏休み。Siegerは、15歳で、リレーのナショナル・チームでトレーニングを積んでいる。Siegerは、思いがけない行動を取るMarcと出会い、彼に対し、単なる友情以上の気持ちを抱くが、その気持ちを自分の胸の中にしまう。やがてMarcもまた彼と同じ気持ちを抱いていることを知るが、Siegerの孤独な葛藤は続く。一方、村の郊外には、モトクロスのサーキットがあり、Siegerは、そこで兄のEddyが誰にも内緒でバイクを走らせていることを知る。母の死後、父と反抗的な兄はしょっちゅうケンカをしていて、そのことを気に病んでいたSiegerは、兄の秘密を父にだまっていることにする。そして、リレーの大会の日が近づいてくる……。

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 ◆ECFA賞
 ◎“Sitting Next to Zoe”(2013/スイス) 監督:Ivana Lalović

 “Sitting Next to Zoe”(2013/スイス) 監督:Ivana Lalović
 物語:ZoeとAsalは、15歳で、親友どうし。中学も終わって、夏休みに突入したが、これが終わると新しい生活が始まる。Zoeは、メイクアップ・アーティストになるのが夢だが、この夏は食料品店で働かなければならない。Asalは、高校進学が決まっているが、この夏はボーイフレンドを作って、処女を卒業したいと思っている。町に18歳のバックパッカーSwede Kaiがやってきて、ZoeとAsalは、Swede Kaiと一緒に湖へとでかける。ロマンチックなハイキングは、少女たちの友情に試練を与える……。
 マックス・オフュルス映画祭2014 脚本賞受賞。

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 ◆エキュメニカル審査員賞
 ◎“Boys”(2013/オランダ) 監督:Mischa Kamp

 ◆エキュメニカル審査員賞 オナラブル・メンション
 ◎“Vandal”(2013/仏) 監督:Hélier Cisterne

 “Vandal”(仏) 監督:Hélier Cisterne
 出演:Zinedine Benchenine、Chloé Lecerf、Emile Berling、ジャン=マルク・バール
 物語:15歳のChérifは、孤独で、反抗的な問題児だ。彼の母親は、彼を、ストラスブールに住む叔父と叔母に預けて、石工の見習いにしようとする。彼にとって、これが最後のチャンスとなるはずだった。ところが、ある夜、彼は、グラフィティ・アーティストたちが壁に落書きをしているのを見て、新しい世界が開けるのを感じる。
 Festival du Film Francophone de Namur 2013 第1回作品コンペティション部門出品。
 トリノ映画祭2013 Torino31部門出品。
 ルイ・デリュック賞2013 初監督作品賞受賞。

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 ◆青少年審査員賞
 ◎“Boys”(2013/オランダ) 監督:Mischa Kamp

 ◆観客賞/金のリンゴ賞
 ◎“Boys”(2013/オランダ) 監督:Mischa Kamp

 【子供向けアニメーション映画 インターナショナル・コンペティション部門】(The International Competition of Animated Films for Children)

 ◆最優秀作品賞/金のスリッパ賞
 ◎“Mythopolis”(チェコ) 監督:Alexandra Hetmerová

 “Mythopolis”(チェコ) 監督:Alexandra Hetmerová
 物語:小さなミノタウロス、そのママのメデューサ、サイクロプスの配達人、グライアイ姉妹……。ギリシャ神話の伝説のキャラクターたちが、現代に暮らし、それぞれの問題に立ち向かう。

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 ◆ヘルミーナ・ティールローヴァ賞(35歳までのヤング・アーティスト賞)
 ◎『ウサギとシカ』“Rabbit and Deer(Nyuszi és Öz )”(ハンガリー) 監督:ペーター・ヴァーツ(Péter Vácz)

 『ウサギとシカ』“Rabbit and Deer(Nyuszi és Öz )”(ハンガリー) 監督:ペーター・ヴァーツ(Péter Vácz)
 物語:ウサギとシカは友だちだったが、3次元を求めるシカの強迫観念が、2人の友情に試練を与える。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2013 卒業制作部門出品。ヤング審査員賞受賞。
 バリャドリッド国際映画祭2013 オフィシャル・セレクション出品。
 東京アニメアワードフェスティバル2014にて上映。
 インディーリスボア/リスボン国際インディペンデント映画祭2014 IndieJúnior部門 ツリー・オブ・ライフ賞受賞。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2014 児童映画コンペティション部門出品。
 エジンバラ国際映画祭2014 フォー・ザ・ファミリー部門出品。

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 ◆観客賞/金のリンゴ賞
 ◎“You Are So Lucky!( Ty se máš!)”(チェコ) 監督:Zuzana Brachaczková

 “You Are So Lucky!(Ty se máš!)”(チェコ) 監督:Zuzana Brachaczková
 物語:メンドリは不満を抱いている。いつもオンドリに指図されてばかりだし、卵を温めていることにも疲れた。まわりのメンドリの鳴き声もうるさくて仕方がない。これが犬だったらどうだろう。犬は、一日中、犬小屋をうろつきまわって、エサを食べていればいい。メンドリは、犬と役割を交換したらどうだろうかと考える。

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 【ヨーロッパ初監督長編作品 インターナショナル・コンペティション部門】(The International of Competition of European First Films)

 ◆最優秀作品賞
 ◎“Broken Hill Blues(Ömheten)”(2013/スウェーデン) 監督:Sofia Norlin

 “Broken Hill Blues(Ömheten)”(2013/スウェーデン) 監督:Sofia Norlin
 物語:北緯80度にある、スウェーデン最北の町キルナ。ここは、鉄鉱石の採掘に依存していて、鉱業は町の生命線であり、また、穴を掘り、発破をかけることで、大地を破壊し、文字通り町を揺るがせている。住人は、近いうちにこの町を立ち退かなければならない日がやってくることはわかっているが、かといってどこへ行けばいいのかはわからない。本作の主人公は、思春期から大人へと変わろうとしている若者たち。Markusは、車以外に興味はなく、彼にアドバイスしようとしている親に歯向かっている。Danielの父は、アル中だ。季節は、厳しい冬から緑のまぶしい夏へと移り、彼らは、自分たち自身や世界と闘い、夢を見、恋をし、生きることを学ぶ。そして、彼らの人生は節目を迎えるが、町もまた大きな転機を迎える。
 ストックホルム国際映画祭2013出品。
 ベルリン国際映画祭2014ジェネレーション14plus部門出品。
 スウェーデン・アカデミー賞2014 撮影賞受賞。
 トライベッカ映画祭2014出品。

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 ◆審査員特別賞
 ◎“Leave to Remain”(2013/英) 監督:ブルース・グディソン(Bruce Goodison)

 “Leave to Remain”(2013/英) 監督:ブルース・グディソン(Bruce Goodison)
 出演:Jake Davies、アレックス・ハーヴェイ(Alex Harvey)、トビー・ジョーンズ(Toby Jones)
 物語:イギリスの青少年向け難民収容所。ここには、粗暴だが、まだ希望が持てるギニア人少女のZizidiや、自信家のアフガン人オマールが暮らしている。ここに、新たにアフガン人のアブドゥルが入ってくる。アブドゥルの存在は、オマールを脅かす。ここから追い出されることは、生死を分けるほどの違いがある。彼にとって残された道は、耐え難い真実を話すか、それとも「よくできた話」を話すかだ。そんな彼らを教師のナイジェルが父親のような視線で見つめる。
 実話に基づく物語。
 TV&ドキュメンタリーの世界で活躍するブルース・グディソンの初のドラマ作品。
 BFIロンドン映画祭2013 DEBATE部門出品。

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 【学生作品 コンペティション部門】(The International Competition of Student Films Zlín Dog)

 ◆最優秀作品賞
 ◎“The Little Cousteau(Cousteau Small)”(チェコ) 監督:Jakub Kouřil

 “The Little Cousteau(Malý Cousteau)”(チェコ) 監督:Jakub Kouřil
 物語:雪深い町に暮らし、深海での冒険に憧れる少年の物語。
 ジャック=イヴ・クストーへのオマージュ作品。
 チェコ・ライオン2014 学生映画賞受賞。

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 *当ブログ記事

 ・ズリーン国際映画祭2014 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_27.html
 ・ズリーン国際映画祭2013 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_40.html
 ・ズリーン国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201306/article_5.html
 ・ズリーン国際映画祭2012 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201205/article_21.html
 ・ズリーン国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_8.html
 ・ズリーン国際映画祭2011 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_27.html
 ・ズリーン国際映画祭2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_10.html
 ・ズリーン国際映画祭2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201005/article_28.html
 ・ズリーン国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html

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