コム・チャット・ルック映画賞(タイ)2014 結果発表!

 タイの日刊紙コム・チャット・ルック紙が発表している映画賞、第11回コム・チャット・ルック映画賞の結果が発表されました(5月7日)。

 タイの主な映画賞には、このコム・チャット・ルック映画賞と、タイの映画雑誌が発表するスターピクス・アワード、それからバンコク映画批評家協会賞、タイ・アカデミー賞であるSuphanahongse Awardがあり、さらに2011年にはタイ映画監督協会賞が創設されています。

 コム・チャット・ルック映画賞(The Kom Chad Luek Awards)は、日刊紙「コム・チャット・ルック」紙(2001年創刊)が発表している映画賞で、作品賞と監督賞と脚本賞とキャスト4部門しかなく、新聞が発表する賞だけあって、ノミネーションと受賞結果は比較的スタンダードです。

 これまでは、タイの映画賞の中で、最も早い時期に発表されていたのですが、今回は、政情不安のためか、2ヶ月半遅れで、最も遅い発表になってしまいました。

 今年の結果は以下の通りです。

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 ◆作品賞
 ・『マリー・イズ・ハッピー』“Mary is Happy, Mary is Happy”(タイ) 監督:ナワポン・タムロンラタナリット
 ◎“Tang Wong”(タイ) 監督:コンデート・チャトゥランラッサミー(Kongdej Jaturanrasmee)
 ・“Grean Fiction”(タイ) 監督:チューキアット・サックヴィーラクル(Chookiat Sakveerakul)
 ・“Love Syndrome(rak ngo ngo)”(タイ) 監督:パンタム・トンサン(Pantham Thongsangl)
 ・“Last Summer”(タイ) 監督:Kittithat Tangsirikit、Sittisiri Mongkolsiri、Saranyoo Jiralak

 スターピクス・アワードもタイ・アカデミー賞もバンコク映画批評家協会賞もタイ映画監督協会賞も、すべて“Tang Wong”が受賞。

 ◆監督賞
 ◎ナワポン・タムロンラタナリット 『マリー・イズ・ハッピー』“Mary is Happy, Mary is Happy”
 ・コンデート・チャトゥランラッサミー(Kongdej Jaturanrasmee) “Tang Wong”
 ・チューキアット・サックヴィーラクル(Chookiat Sakveerakul) “Grean Fiction”
 ・パンタム・トンサン(Pantham Thongsangl) “Love Syndrome(rak ngo ngo)”(タイ)
 ・バンジョン・ピサヤタナクーン(Banjong Pisanthanakun) 『Pee Mak』“Pee Mak Phrakanong”

 タイ・アカデミー賞とバンコク映画批評家協会賞は、コンデート・チャトゥランラッサミーが受賞。
 スターピクス・アワードは、『マリー・イズ・ハッピー』が受賞。
 タイ映画監督協会賞は、『Pee Mak』が受賞。

 ◆主演男優賞
 ◎Nadech Kugimiya “Sunset at Chaophraya(Khu Kam/ Koo Kam)”(タイ)(監督:キッティコーン・リアシリクン(Kittikorn Liasirikun))
 ・Pattadon Jan-ngern “Grean Fiction”
 ・クリサダ・スコソル・クラップ(Krissada Sukosol Clapp) “Pawnshop”(タイ)(監督:Parm Rangsi)
 ・Chinawut Indracusin “Long Weekend(Thongsuk 13)”(タイ)(監督:Taweewat Wantha)
 ・Alexander Rendell “Hashima Project”(タイ) 監督:ピヤポン・チューペッチ(Piyapan Choopetch)

 スターピクス・アワードもタイ・アカデミー賞もバンコク映画批評家協会賞もNadech Kugimiyaが受賞。

 ◆主演女優賞
 ・Lalita Panyopas “Present Perfect Continuous Tense(Prayok sanya rak)”(タイ)(監督:Platphol Mingpornpichit)
 ・アピニャ・サクジャロエンスク(Apinya Sakuljaroensuk)  “Hashima Project”
 ・Sa Sitthijan 『カラオケ・ガール』(タイ・米)(監督:ウィッサラー・ウィチットワータカーン)
 ・チャラット・ナ・ ソンクラー(Chalad Na Songkhla) “Angels(Nan Fa)”(タイ)(監督:ボンコット・コンマライ(Bongkoj Khongmalai))
 ◎パッチャヤー・プーンピリヤ 『マリー・イズ・ハッピー』“Mary is Happy, Mary is Happy”

 スターピクス・アワードはKeerati Mahaprukpongが“Love Syndrome(rak ngo ngo)”で受賞。
 タイ・アカデミー賞は、パッチャヤー・プーンピリヤが受賞。
 バンコク映画批評家協会賞は、Keerati Mahaprukpongとパッチャヤー・プーンピリヤが受賞。

 ◆助演男優賞
 ・Jirayu La-ongmanee “Last Summer”
 ・Auttarut Kongrasri 『Pee Mak』“Pee Mak Phrakanong”
 ・Arak Amornsupasiri “Young Bao the Movie”(タイ)(監督:Yuthakorn Sukmuktapha)
 ◎Kittisak Patomburana “Grean Fictions”
 ・Nutthasit Kotimanuswanich “Tang Wong”

 タイ・アカデミー賞とバンコク映画批評家協会賞は、Nutthasit Kotimanuswanichが受賞。
 スターピクス・アワードは、Kittisak Patomburanaが受賞。

 ◆助演女優賞
 ◎Titirat Rojsangrat “Love Syndrome”
 ・Keerati Mahaprukpong “Love Syndrome”
 ・パンパン=スタター ウドムシン(Punpun-Suthatta Udomsilp) “Last Summer”
 ・Wanida Termthanaporn “Grean Fictions”
 ・チョンニカーン・ネートジュイ 『マリー・イズ・ハッピー』“Mary is Happy, Mary is Happy”

 スターピクス・アワードは、Keerati Mahaprukpongが受賞。
 タイ・アカデミー賞は、チョンニカーン・ネートジュイが受賞。
 バンコク映画批評家協会賞は、Wanida Termthanapornが受賞。

 ◆脚本賞
 ・『マリー・イズ・ハッピー』“Mary is Happy, Mary is Happy” ナワポン・タムロンラタナリット
 ◎“Tang Wong” コンデート・チャトゥランラッサミー(Kongdej Jaturanrasmee)
 ・“Love Syndrome(rak ngo ngo)” Manachaya Panitsarn、Worakorn Virakun、Virasinee Raungprchaubkun、Kimhan Kanchanasomjai、Ratchapoom Boonbunchachoke
 ・“Grean Fiction” チューキアット・サックヴィーラクル(Chookiat Sakveerakul)、Niwaruj Teekapowan
 ・“Last Summer” コンデート・チャトゥランラッサミー(Kongdej Jaturanrasmee)

 スターピクス・アワードもタイ・アカデミー賞もバンコク映画批評家協会賞も、“Tang Wong”が受賞。

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 主な作品のノミネート&受賞状況は以下の通り。

 ・“Grean Fiction”(1/6):作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優・脚本
 ・『マリー・イズ・ハッピー』(2/5):作品・監督・主演女優・助演女優・脚本
 ・“Love Syndrome(rak ngo ngo)”(1/5):作品・監督・助演女優・助演女優・脚本
 ・“Tang Wong”(2/4):作品・監督・助演男優・脚本
 ・“Last Summer”(0/4):作品・助演男優・助演女優・脚本
 ・『Pee Mak』(0/2):作品・助演男優・助演女優・脚本
 ・“Hashima Project”(0/2):主演男優・主演女優

 作品賞、主演男優賞、脚本賞は、タイの国内の賞(少なくとも当ブログでチェックしている5つの映画賞)で、すべて同じ結果になりました。

 タイの映画賞は、それぞれに傾向性が異なるので、これだけ受賞者が重ねるのは、ちょっと珍しいですね。

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 主な作品を簡単に紹介しておきます。

 “Tang Wong”(タイ) 監督:コンデート・チャトゥランラッサミー(Kongdej Jaturanrasmee)
 物語:クールなKポップ・ダンサーのエムはガールフレンドに翻弄されている。ヨンとジェイは最終試験を落としてしまいそうになっている。ベストは、卓球で奨学金を得るために得点を稼がなければならない。彼ら4人は、それぞれの願い事は違うが、いずれも精神の力を信じている。彼らは、通りにあるごく普通の神社で、祈りを捧げる。ところが、それがきっかけとなって、彼らは、願いをかなえるために、タイの伝統的なダンスを覚えて人前で披露しなければならなくなる。奇妙な成り行きだったが、迷っている暇はない……。
 『レター 僕を忘れないで』の脚本家で、『P-047』や『手あつく、ハグして』の監督として知られるコンデート・チャトゥランラッサミー監督の最新作。
 ベルリン国際映画祭2013 ジェネレーション14plus部門出品。
 スターピクス・アワード2014 作品賞・脚本賞・編集賞受賞。
 タイ・アカデミー賞2014 作品賞・監督賞・助演男優賞・脚本賞受賞。
 バンコク映画批評家協会賞2014 作品賞・監督賞・助演男優賞(Nutthasit Kotimanuswanich)・脚本賞受賞。
 タイ映画監督協会賞2014 作品賞受賞、監督賞次点。

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 『マリー・イズ・ハッピー』“Mary is Happy, Mary is Happy”(タイ) 監督:ナワポン・タムロンラタナリット
 物語:マリーは、高校3年生。彼女の日常には、いろんなことが起こるがどれも平凡だ。新しいボーイフレンドができたり、中国製の携帯電話が爆発したり、親友とちょっとした諍いをしたり……。そんなできごとを彼女は、ツイッターにツイートしていく。そして、卒業を控え、卒業アルバムの制作にとりかかることになる。
 『ワンダフル・タウン』『ハイソ』で知られるアーティット・アッサラット監督が、プロデューサーを務める。
 ベネチア国際映画祭2013ビエンナーレ・カレッジ-シネマ部門出品。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 香港アジア映画祭2013 アジア・ワイド・アングル部門出品。
 東京国際映画祭2013にて上映。
 スターピクス・アワード2014 監督賞・美術賞受賞。
 タイ・アカデミー賞2014 主演女優賞(パッチャヤー・プーンピリヤ)・助演女優賞(チョンニカーン・ネートジュイ)・撮影賞・編集賞受賞。
 バンコク映画批評家協会賞2014 主演女優賞(パッチャヤー・プーンピリヤ)・編集賞・美術賞受賞。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2014 インターナショナル・コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。

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 “Grean Fiction”(タイ) 監督:チューキアット・サックヴィーラクル(Chookiat Sakveerakul)
 物語:ティは、10学年で、演劇部に所属している。彼は、人気ナンバーワンの女生徒プロイダオの相手役に選ばれるが、どぎまぎしてしまって、舞台をぶち壊しにし、役を下ろされてしまう。進級して第11学年。ティは仲間と映画部に入部して、短編映画で賞を獲ったりしている。新しい芝居に参加しないかと誘われるが、一緒に暮らしている姉が精神的に参っていて、芝居から抜けなければならなくなる。第12学年。演劇部の顧問が替わり、演劇部と映画部でコラボをすることになる。しかし、ティは姉とケンカして、家を飛び出すハメになる……。
 チューキアット・サックヴィーラクルは、『チョコレート・ファイター』の脚本家で、『ミウの歌』や『レベル・サーティーン』の監督。
 スターピクス・アワード2014 助演男優賞(Kittisak Patomburana)・音楽賞受賞。
 バンコク映画批評家協会賞2014 助演女優賞受賞(Wanida Termthanaporn)。

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 “Love Syndrome(rak ngo ngo)”(タイ) 監督:パンタム・トンサン(Pantham Thongsangl)
 物語:4組の「愚かな恋」の物語。ひとりの若者は初恋の相手が忘れられない。彼女が彼の元を去って外国に留学しても、そして彼女が帰国して人妻になっても。OLがハンサムな男性に恋をするが、まわりの人間からは彼はゲイじゃないかと疑われている。恋なんてつまらないものだと考えていた女子大生が恋に落ちるが、相手の男性は、彼女の友人に言い寄っている。男子高校生が女友だちとの恋を夢想するが、彼女はレズビアンであることがわかる。
 バンコク映画批評家協会賞2014 主演女優賞受賞(Keerati Mahaprukpong)。

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 “Sunset at Chaophraya(Khu Kam/ Koo Kam)”(タイ) 監督:キッティコーン・リアシリクン(Kittikorn Liasirikun)
 出演:Nadech Kugimiya、Oranate D Caballes
 物語:第二次世界大戦中のタイ。日本人将校のコボリは、水浴していたマンスマーリンを見て、一目ぼれする。なんとか自己紹介しようとするが、いい反応は返ってくない。彼女の家をつきとめ、彼女を親しみを込めて、「秀子」と呼び、彼女と彼女の母親に「照り焼き」をプレゼントしたりする。一方、マンスマーリンの父親は、政府関係の仕事をしていて、2人を結婚させれば、きっと役に立つに違いないと考える。結局、マンスマーリンは、無理やりコボリと結婚させられるが、やがて彼のことを愛し始めていることに気づく……。
 タイのTVや映画で何度も映像化されている『メナムの残照』“Koo Kam”の最新版。日本には、ルット・ロンナポップ監督の1988年版が紹介されている。
 スターピクス・アワード2014 主演男優賞受賞。
 タイ・アカデミー賞2014 主演男優賞・衣裳賞受賞。
 バンコク映画批評家協会賞2014 主演男優賞受賞。

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 “Last Summer”(タイ) 監督:Kittithat Tangsirikit、Sittisiri Mongkolsiri、Saranyoo Jiralak
 出演:Jirayu La-ongmanee、Sutatta Udomsilp、Pimpakan Phraekhunnatham、Krit Sathapanapitakkij、Ekkawat Ekatchariya
 物語:3人の監督による3部構成の作品で、それぞれ異なる主人公が、連続した物語を引き継いでいく。第1話:10代のSinghaは、父親の車を盗み、仲間とともに、海辺の別荘へ行き、パーティーを開く。そこでジョイを死なせてしまい、彼らは死体を始末しようとする。第2話:ミーンは、学校で人気者ナンバーワンに選ばれる。誰もが彼女にFacebookでお友達申請をしてくる。しかし、彼女はジョイの亡霊に怯えている。第3話:ジョイには、弟がいたが、彼はいつも姉の陰に隠れた存在だった。母親は、娘を失った悲しみを彼にぶつけてくる。
 タイ・アカデミー賞2014 歌曲賞受賞。

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 『Pee Mak』“Pee Mak Phrakanong”(タイ) 監督:バンジョン・ピサヤタナクーン(Banjong Pisanthanakun)
 物語:「身重の妻を残し、戦争に召集された夫。死線を乗り越え、愛する妻のもとに帰り、遂に我が子を抱きあげる。しかし、村人が言うには妻子はすでに死んでいる…!?タイで歴代最高興行収入を記録したメガヒット・ホラー・コメディ。恐怖と笑い、だけじゃない!異色の愛の物語。」
 タイではよく知られた怪談「メーナーク・プラカノーン」の何度目かの映画化。
 『心霊写真』や『ABC・オブ・デス』で知られるバンジョン・ピサヤタナクーン監督の最新作。
 アジアフォーカス福岡国際映画祭2013にて上映。
 スターピクス・アワード2014 人気映画賞受賞。
 タイ・アカデミー賞2014 美術賞受賞。
 バンコク映画批評家協会賞2014 作曲賞受賞。
 タイ映画監督協会賞2014 監督賞受賞、作品賞次点。

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 “Hashima Project”(タイ) 監督:ピヤポン・チューペッチ(Piyapan Choopetch)
 物語:端島(軍艦島)は、かつては海底炭鉱で栄えたが、今は閉鎖されて、無人島になっている。ティーンエージャーのグループが、超常現象をテープに収めようとしてやってくる。しかし、彼らは、何か忌まわしいものが自分たちに迫ってきていることに気づく……。

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 タイ映画が日本で紹介される機会は非常に限られていますが、2013年のタイ映画で最も評価の高かった“Tang Wong”と、日本がらみの作品“Sunset at Chaophraya(Khu Kam/ Koo Kam)”くらいは、何とか紹介してもらいたいものですね。

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 *当ブログ記事

 ・コム・チャット・ルック映画賞2014ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_8.html
 ・コム・チャット・ルック映画賞2013:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201304/article_22.html
 ・コム・チャット・ルック映画賞2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201205/article_5.html
 ・コム・チャット・ルック映画賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201103/article_5.html
 ・コム・チャット・ルック映画賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_35.html

 ・タイ映画監督協会賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201405/article_7.html

 ・バンコク映画批評家協会賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_10.html
 ・バンコク映画批評家協会賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_22.html

 ・タイ・アカデミー賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_20.html
 ・タイ・アカデミー賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_46.html

 ・スターピクス・アワード2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_70.html
 ・スターピクス・アワード2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_35.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html

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