ティブロン国際映画祭2014 受賞結果!

 第13回ティブロン国際映画祭(4月10日-18日)の受賞結果です。

 ティブロン国際映画祭(Tiburon International Film Festival)は、映画祭情報や受賞歴などをチェックしていると見かけることの多い映画祭で、サンフランシスコのベイ・エリアにある町ティブロンで開催されている映画祭です。

 ティブロンと、カリブ・インディアンの言葉でサメを意味する言葉で、映画祭のイメージ・ロゴにもサメが使われています。

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 映画祭には、ドキュメンタリー賞、アニメーション賞、実験映画賞、学生作品賞、ミュージック・ビデオ賞など、数多くの賞がありますが、それら全部の対象作品を含めても60本程度にしかならず、映画祭としてもとてもコンパクトなものになっています。

 各賞の対象作品も少なく、審査員の発表もありませんが、上映作品として選ばれただけで、十分にクオリティーが高いということなのかもしれません。

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 【Golden Reel Awards】

 ◆作品賞(Best Film)
 ◎“The Ferry”(中) 監督:Shi Wei

 “The Ferry(我的渡口)”(中) 監督:Shi Wei(石偉)
 物語:チャン一家は、恩施大峡谷の古い渡しのそばで暮らしている。彼らは、祖先からの言い伝えに従って、河を渡ろうとする者を助け、決してお金は取らない。一家は、村の外からやってきて、渡しをやるようになって、三代目になる。しかし、息子は村を去り、妻も亡くなり、今は、60代のチャンしかいない。父の病気を心配して、息子が仕事を休んで帰ってくる。ただでこんな仕事をする父を息子は理解できない。そんな息子に、チャンは、一家が渡し舟をすることになったいきさつを話す。チャンの祖先は、難を逃れてこの村にやってきた時、村人に匿われて、命を救われたのだった……。
 モントリオール世界映画祭2013 ワールド・コンペティション部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。

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 ◆監督賞(Best Director)
 ◎Jacek Bromski “One Way Ticket to the Moon”(ポーランド)

 “One Way Ticket to the Moon”(ポーランド) 監督:Jacek Bromski
 物語:アダムは、ポーランドの軍隊に入隊し、海軍潜水艦部隊への配属が決まっている。彼の兄は、シフィノウイシチェの基地に向かうアダムを見送っていくことにする。それは、ポーランドを横断する数日間の旅で、その間、2人は古い友人や新しい知人に挨拶をしてまわる。兄には、弟に秘密の計画があった。それは、軍隊に入っても弟がバカにされないように、入隊前に童貞を棄てさせることだった。

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 ◆男優賞(Best Actor)
 ◎Ercan Kesal “Yozgat Blues”(トルコ・独)

 “Yozgat Blues”(トルコ・独) 監督:マフムト・ファジル・ジョシュクン(Mahmut Fazil Coskun)
 物語:Yavuzは、イスタンブールで音楽の教師をする一方、ショッピング・モールでシャンソンを歌ったりしている。Neşeは、彼の教え子のひとりで、スーパーで実演販売をしたりしながら、Yavuzを手伝いをしたりもしている。Yavuzは、アナトリアにある小さな町ヤズガトで歌うことになり、Neşeとともにヤズガトに向かう。友人であるラジオの司会者がプロモーションに協力してくれたり、床屋のSabriがはげかかった彼にカツラを用意してくれたりしたが、結局、大衆の関心を得ることには失敗する。Yavuzの心は折れ、Neşeがケアしなければならなくなるが、そんな大人たちの様子を見て、Neşeは、大人たちは、仕事と本当にやりたいことが違っていたりするらしいことを知って興味を持つ。やがて、彼らの関係は複雑になり、事態は思わぬ方向に向かう。
 『二つのロザリオ』のマフムト・ファジル・ジョシュクン監督最新作。
 イスタンブール国際映画祭2013ナショナル・ゴールデン・チューリップ・コンペティション部門出品。男優賞受賞。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 ニュー・ディレクターズ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 国際批評家連盟賞受賞。
 トルコ映画批評家協会賞2014 助演男優賞受賞。
 ソフィア国際映画祭2014 バルカン・コンペティション部門出品。Domaine Boyar Award for Best Balkan Film受賞。


 ◆女優賞(Best Actress)
 ◎Simona Stasova “The Self Lover”(チェコ)(監督:Filip Renč)

 “The Self Lover(Sebemilenec)”(チェコ) 監督:Filip Renč
 物語:Libuseは、中年だが、仕事で成功を収めていて、美しさも頂点にあった。彼女は、誕生日に友人から思いがけないプレゼントをもらう。その結果、彼女は、チャーミングな“カウボーイ”のOtaと出会い、愛と幸福を得る。ところが、それは長くは続かず、ストレスと苦しみの日々が始まる。
 チェコの小説家Simona Monyovaの実人生に基づく小説“Sebemilenec”の映画化。(原作者は、2011年に夫によって殺害された。)

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 ◆脚本賞(Best Screenplay)
 ◎Abdelilah Hamdouchi “Behind Closed Doors”(モロッコ)(監督:Mohammed Ahed Bensouda)

 “Behind Closed Doors”(モロッコ) 監督:Mohammed Ahed Bensouda
 物語:サミラは、若く、チャーミングなモロッコ人女性で、銀行員と幸せな結婚をする。彼女が働く会社に新しい監督が来て、彼女の生活が大きく変わる。というのも、新しい監督が彼女にセクハラを始めたからだ。彼女は、監督に、自分には夫も子もいると言ってもわかってもらえない。サミラが断固とした拒否を続けた後、監督のセクハラは、復讐に転じる。彼女は、会社の上層部に何度か訴えたが、結局、彼女は、女性団体に駆け込むことになる。彼らの目的は、女性の権利を守って、セクハラに対する法律を成立させることで、そのためには、法廷で通用する証拠が必要になる。しかし、具体的な証拠を提出することは難しい。一方、会社の方では、会社に「害」を与えたとして、サミラの方が解雇されることになる。彼女は、仕事を失う前に、独創的なやりかたでセクハラの証拠を手に入れようとする。

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 ◆撮影賞(Best Cinematography)
 ◎Dave Mossop & Eric Crosland “Into the Mind”(カナダ)(監督:Dave Mossop & Eric Crosland)

 “Into the Mind”(カナダ) 監督:Dave Mossop & Eric Crosland [ドキュメンタリー]
 アラスカ、ボリビア、ヒマラヤと世界をまわり、肉体的、精神的な困難を乗り越えて、究極のチャレンジをする山岳スキーヤーを追ったドキュメンタリー。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 Savage Cinema部門出品。

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 ◆最優秀ミュージカル(Best Musical)
 ◎“The White Horse Inn”(独) 監督:Christian Theede

 ◆最優秀コメディー賞(Best Comedy)
 ◎“Jake Squared”(米) 監督:Howard Goldberg

 ◆最優秀児童映画賞(Best Children’s Film)
 ◎“Little Brother”(カザフスタン) 監督:セリック・アプリモフ(Serik Aprymov)

 “Little Brother(Bauyr)”(カザフスタン) 監督:セリック・アプリモフ(Serik Aprymov)
 物語:Yerkenは、9歳で、山の中の小さな村で暮らしている。ある日、兄が家に帰ってくる。Yerkenは、兄のことが好きで、幸せでいっぱいだが、兄の方はそうではない。兄はクールで無情な人間に変わってしまっている。しかし、Yerkenは、盲目的に兄が好きなためにそれに気づかない。やがてまた兄が去り、Yerkenは独りで取り残される。Yerkenは、まわりの現実と闘うにはあまりにも幼い。彼は、自己完結し、自分の内なる世界に閉じこもってしまう。
 ベネチア国際映画祭2013 Orizzonti部門出品。
 サンタバーバラ国際映画祭2014 最優秀東欧映画賞受賞。

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 ◆オーソン・ウェルズ賞(第1回作品賞US部門/Orson Welles Award)
 ◎Sophie Le Neveu “America”(米)

 “America”(米/4分) 監督:Sophie Le Neveu
 アレン・ギンズバーグが読み上げる詩“America”をバックに展開する、古今の映像のコラージュ。

 ◆フェデリコ・フェリーニ賞(第1回作品賞インターナショナル部門/Federico Fellini Award)
 ◎Ali Jaberansari “Falling Leaves”(イラン・英)

 “Falling Leaves(Barg Rizan)”(イラン・英) 監督:Ali Jaberansari
 物語:アミールは、テヘランで、カリフォルニアに行っている息子が戻って、家業を継いでくれるのを待っている。しかし、息子は、父の期待に沿わず、自分の進みたい道に進む。アミールは、息子の選択が理解できない。彼は、父に反対されなければ結婚したいと考えていた女性と久しぶりに連絡を取ってみることにする。
 モントリオール世界映画祭2013 フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門出品。

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 ◆ヒューマニタリアン賞(Humanitarian Award)
 ◎“Welcome Yankee”(カナダ/27分) 監督:Benoit Desjardins

 “Welcome Yankee”(カナダ/30分) 監督:Benoit Desjardins
 物語:モントリオールの税関に、チェチェン人の夫婦とその息子がやってくる。彼らは、国で迫害され、身の危険を感じて、閉ざされたコンテナに入ってモントリオールまでたどり着いたのだ。しかも母親のお腹の中には新しい生命が宿っていた。

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 ◆ドキュメンタリー賞(Best Documentary)
 ◎“Healing a Solder’s Heart”(米) 監督:Stephen Olsson

 “Healing a Solder’s Heart”(米) 監督:Stephen Olsson
 ベトナム戦争から40年経って、いまだにPTSDに苦しめられている4人の退役軍人がいる。彼らは、エドワード・ティック医師の指導の下、かつて自分たちが敵を殺し、仲間を失った地へと足を運ぶ。

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 ◆最優秀アニメーション賞(Best Animation)
 ◎“Monkey Rag”(米/4分) 監督:Joanna Davidovich

 ◆最優秀短編映画賞(Best Short)
 ◎“Haleema”(スーダン/18分) 監督:Boris Schaarschmidt

 ◆最優秀短編児童映画賞(Best Short Children’s Film)
 ◎“Practice Makes Perfect”(英) 監督:Devon Avery

 ◆最優秀実験映画賞(Best Experimental Film)
 ◎“This is Shanghai”(中/3分) 監督:Robert Whitworth

 ◆最優秀学生映画賞(Best Student Film)
 ◎Joo Hyun Lee “Sweet Corn”(韓/20分)

 ◆最優秀ミュージック・ビデオ(Best Music Video)
 ◎“Moving Out”(米) 監督:Sean McCarthy

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 これまでの実績を調べてみると、ここでの受賞作品が、その後、受賞を重ねていって、その年を代表するような作品になった、ということは、あまりないようですが、個々の受賞作品自体は、悪くはなさそうで、観てみたいと思うような作品がいくつもあります。

 今年の受賞作にたまたま面白そうな作品が揃っただけという可能性もありますが、さて、どうでしょうか。

 受賞作の中には2013年度の作品もありますが、優れた作品であれば、今後またいろんなところで上映されたり、受賞したりすると思われます。ちょっと期待してもいいかもしれません。

 
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 *当ブログ記事

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2014年3月~11月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201403/article_4.html

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