今年もひと味違うね! アンリ・ラングロワ賞2014 発表!

 第9回アンリ・ラングロワ賞が発表になりました。(2月3日)

 【アンリ・ラングロワ賞】
 アンリ・ラングロワ(1914~77)は、シネマテーク・フランセーズの創設者で、アンリ・ラングロワ賞は、2006年に開催された、映画遺産と映画修復に関する国際ミーティングin ヴァンセーヌ(Rencontres internationales du cinéma de patrimoine et de films restaurés de Vincennes)をきっかけに始まった映画賞です。

 なので、映画の保存と修復に貢献した人に贈られる賞ももちろんありますが、過去だけに目を向けるのではなく、現役の映画人で、近い将来、確実に“映画遺産”の仲間入りをするような人にも贈られています。
 といっても、引退寸前の功労者に名誉賞的に贈るのではなく、まだまだ現役バリバリの人にも贈られています。
 受賞者の顔ぶれを見ると、大きな映画賞ではどうしてもこぼれ落ちてしまいそうな映画人にスポットライトを当てたり、1年やそこらではなく、もっと長いスパンでフランス映画界、あるいは、フランス語映画世界全体を見ていることが感じ取れます。

 本年度の受賞者は以下の通りです。

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 ◆名誉賞 監督賞(Prix Henri Langlois d’Honneur-réalisateur)
 ◎アレクサンドル・アルカディ

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 ◆名誉賞 男優賞(Prix Henri Langlois d’honneur Comédien)
 ◎ロベール・オッセン(Robert Hossein) その全キャリアに対して。

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 ◆名誉賞 女優賞(Prix Henri Langlois d’Honneur Comédienne)
 ◎アンナ・カリーナ

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 ◆ヴァンサンヌ市名誉賞 シナリオ&エクリチュール賞(Prix Henri Langlois d’Honneur - Ville de Vincennes - Scénario & Ecriture)
 ◎ジャン=クロード・カリエール

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 ◆名誉賞 普及&保存賞(Prix Henri Langlois d’Honneur - Promotion et Défense du Cinéma)
 ◎アニエス・ベー

 ◆監督賞(Prix Henri Langlois - Réalisateur 2014)
 ◎オリヴィエ・マルシャル(Olivier Marchal)
 オリヴィエ・マルシャルは、『ギャングスター』『あるいは裏切りという名の犬』『やがて復讐という名の雨』『そして友よ、静かに死ね』で知られる監督。TVシリーズの脚本を手がけることが多く、約20年のキャリアで、長編映画の監督はわずかに4本のみ、

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 ◆男優賞(Prix Henri Langlois - Comédien 2014)
 ◎チェッキー・カリョ

 ◆作曲家賞(Prix Henri Langlois - Compositeur de Musique pour l’Image 2014)
 ◎エリック・セラ

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 ◆ドキュメンタリー賞(Prix Henri Langlois - Film Documentaire)
 ◎『世界の果ての通学路』“Sur le chemin de l'école”

 『世界の果ての通学路』“Sur Le Chemin De L'École”(仏・中・南ア・ブラジル・コロンビア) 監督:パスカル・プリッソン(Pascal Plisson)
 ケニア人のジャクソン、アルゼンチン人のカーリト、モロッコ人のザヒーラ、インド人のサミュエル。彼ら4人の子供たちは、それぞれバラバラに暮らし、会ったこともない。共通しているのは、彼らが学校までの途方もない距離を通学しているということだ。ある者は徒歩で、別の者は馬に乗って、もうひとりは車椅子で……。
 ロカルノ国際映画祭2013 ピアッツァ・グランデ部門出品。
 セザール賞2014 ドキュメンタリー賞ノミネート。

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 ◆アニメーション賞(Prix Henri Langlois- Film d’Animation 2014)
 ◎Laurent Witz “Mr Hublot”

 “Mr. Hublot”(ルクセンブルク・仏) 監督:Laurent Witz
 物語:Hublot氏は、引っ込み思案で、強迫性障害を持ち、変化と外の世界を怖がった。しかし、棄てられていた犬を拾ってきたことで、彼の日常生活は大いにかき乱されることになる……。
 ワルシャワ国際映画祭2013 短編コンペティション部門出品。
 3Dクリエイティヴ・アーツ・アワード2014インターナショナル短編アニメーション賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 短編アニメーション賞ノミネート。

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 ◆アート&テクニック賞(Prix Henri Langlois 2014 - Arts & Techniques du Cinéma)
 ◎Jean-Marie Lavalou & Alain Masseron(ともにクレーン・オペレーター)
 2005年の米国アカデミー賞受賞とクレーンの共同制作に対して(oscarisés en 2005 et cocréateurs de la louma (une grue de prise de vue))

 ◆アート&テクニック カスケード賞(Prix Henri Langlois 2014 - Arts & Techniques de la Cascade)
 ◎レミ・ジュリアン(Rémy Julienne:スタントマン)

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 ◆アート&テクニック 撮影監督賞(Prix Henri Langlois 2014 - Arts & Techniques du Cinéma – Direction de la Photo)
 ◎リカルド・アロノヴィッチ(Ricardo Aronovich)
 リカルド・アロノヴィッチは、『好奇心』『プロビデンス』『ココ・シャネル』『サンタが殺しにやってくる』『ミッシング』『ル・バル』『ラ・ファミリア』『恋の力学』『娼婦たち』『クリムト』などを手がける撮影監督。

 ◆新人監督賞(Prix Henri Langlois –Révélation 2014 Réalisateur)
 ◎“Paradjanov” 監督:Serge Avédikian

 “Paradjanov(Paradžanov)”(ウクライナ・仏・グルジア・アルメニア) 監督:Serge Avedikian、Olena Fetisova
 物語:映画監督のセルゲイ・パラジャーノフは、多くの偉大な作品を生み出して、国際的に高い評価を得た。しかし、全体主義時代のソ連の社会システムに従おうとせず、何度も当局と衝突し、刑務所に入れられた。彼は、投獄され、映画を作ることを禁じられても、美に対する普遍の愛を貫き、創造力を見失うことはなかった。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 イースト・オブ・ウェスト コンペティション部門出品。
 オデッサ国際映画祭2013 ウクライナ・ナショナル映画賞 最優秀映画賞受賞。
 タリン・ブラックナイツ映画祭2013 審査員特別賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 ウクライナ代表。


 ◆ヒューマニズム賞(Prix Henri Langlois - Humanisme & Engagement 2014)
 ◎イヴ・ボワッセ(Yves Boisset) その全キャリアに対して。
 イヴ・ボワッセは、『別れのスキャット』『汚れた刑事(でか)』『変身する女』などで知られる監督。日本での劇場公開作は少ない。

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 ◆フランス語映画トロフィー(Prix Henri Langlois - Trophée du Cinéma Francophone 2014)
 ◎フェリッド・ブーゲディール(Férid Boughedir)
 フェリッド・ブーゲディールは、『チュニジアの少年』や『ラグレットの夏』などで知られる監督。

 ◆普及&保存賞(Prix Henri Langlois - Promotion & Défense du Cinéma Affiche)
 ◎Benjamin Baltimore
 Benjamin Baltimoreは、『TOKYO EYES』『NOVO/ノボ』などを手がけるタイトル・デザイナー。

 ◆シネマテーク&修復賞(Prix Henri Langlois - Cinémathèque & Restaurations 2014)
 ◎ルクセンブルク国立オーディオヴィジュアル・センター(Centre National de l'Audiovisuel du Luxembourg)
 ◎ルクセンブルク・シネマテーク(Cinémathèque du Luxembourg)

 ◆アンリ・ラングロワ友の協会賞(Prix de l’Association des amis d’Henri Langlois)
 ◎フランソワ・デュペイロン 『魂を治す男』“Mon âme par toi guérie”

 『魂を治す男』“Mon âme par toi guérie(My Soul Healed by You)”(仏) 監督:フランソワ・デュペイロン
 出演:グレゴリー・ガドゥボワ(Grégory Gadebois)、セリーヌ・サレット(Céline Sallette)、ジャン=ピエール・ダルッサン、マリー・パイエン(Marie Payen)、フィリップ・ルボ(Philippe Rebbot)
 物語:フレディは、母が死んだ時、自分にヒーリングの才能を残してくれたことを知る。彼は、自分の不幸にがんじがらめになっていて、その才能を完全に否定するが、大きな事故に遭って、すべてが変わる。彼は、自分の手にヒーリングのパワーがあることを認めざるを得なくなる。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 オフィシャル・セレクション出品。Guipuzcoan Blood-Donors’ Association Corresponding to The Solidarity Award受賞。
 東京国際映画祭2013 ワールド・フォーカス部門出品。
 ルイ・デリュック賞2014 ノミネート。
 セザール賞2014 主演男優賞ノミネート(グレゴリー・ガドゥボワ)。


 ◆外国人記者審査員賞(Trophée Coup de Cœur de la Presse Etrangère)
 ◎“Only in New York”(米・仏・トルコ) 監督:Ghazi Albuliwi

 “Only in New York(Peace After Marriage”(米・仏・トルコ) 監督:Ghazi Albuliwi
 物語:アラファトは、30代のパレスチナ人ニューヨーカーで、両親と一緒に暮らしている。彼は、結婚相手としてムスリムの女性を探すが、ニューヨークではなかなか見つけられない。彼は、ポルノ中毒を解消するために、SCA(性的強迫症者の匿名の会)に参加し、そこでケニーと出会う。ケニーは、とても話しやすく、彼のよき相談相手となる。ある夜、2人は、ナンパして、南部娘をひっかけ、アラファトは、そのうちの1人を家に連れ帰る。ところが、セックスをしている最中に、父親にみつかり、とてもバツが悪い思いをする。ケニーは、彼に家を出た方がいいとアドバイスするが、仕事もお金もなくては、それはかなわない。そこで、ケニーは、グリーンカードを欲しがっているイスラエル人女性との結婚を勧める……。
 トライベッカ映画祭2010 Tribeca All Access Creative Promise Award受賞。
 モンペリエ地中海映画祭2013 長編コンペティション部門出品。男優賞スペシャル・メンション(Ghazi Albuliwi)、Filmgoers’ Award受賞。

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 ◆映画学生審査員賞(Trophée Coup de Cœur des Etudiants de Cinéma)
 ◎“Un p'tit gars de Ménilmontant”(仏) 監督:Alain Minier

 “Un p'tit gars de Ménilmontant”(仏) 監督:Alain Minier
 出演:オリヴィエ・マルシャル、Smain、カトリーヌ・マルシャル
 物語:ジョーは、強盗をしてつかまり、15年後、刑務所暮らしを終えて、シャバに戻ってくる。彼が育ったパリの地域はすっかり変わってしまっていて、とまどうが、彼はまた自分に息子がいることを知って驚く。刑務所にいる彼には息子ができたことなど知らされなかったのだ。彼は新しい生活を始めたかったが、トラブルの最中にいる旧友と会ったことで、昔の道に引きずり込まれそうになる。

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 ◆観客賞(Prix du Public)
 ◎“Ceci est mon corps”(仏) 監督:Jérôme Soubeyrand
 ◎“Macadam Baby”(仏) 監督:Patrick Bossard

 “Ceci est mon corps”(仏) 監督:Jérôme Soubeyrand
 出演:Marina Tomé、Christophe Aleveque、Michel Onfray
 物語:司祭が、神経症の女優のセラピーをしていて、彼女に恋してしまう。彼は、彼女に会いに行き、愛と性に目覚める。

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 “Macadam Baby”(仏) 監督:Patrick Bossard
 物語:トマは、作家志望だが、インスピレーションがわかず、書くべき題材を見つけることができない。そんな彼がパリに出てきて、ジュリーと出会い、恋に落ちる。彼は、これで退屈から脱出できると考えるが、彼女の方はそうではなかった。トマは、親友のジェレミーの助けを借りることにする。

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 *当ブログ記事

 ・アンリ・ラングロワ賞2013:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201302/article_21.html
 ・アンリ・ラングロワ賞2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_17.html
 ・アンリ・ラングロワ賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_7.html

 ・フランス映画トロフィー2014 発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_13.html

 ・セザール賞2014 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201402/article_1.html

 ・リュミエール賞2014ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_58.html
 ・リュミエール賞2014 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201401/article_63.html

 ・ルイ・デリュック賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_38.html
 ・ルイ・デリュック賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_51.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年12月~2014年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_1.html

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