2013年は女性が大活躍した年だったという証! 女性映画批評家協会賞2013 発表!

 第10回女性映画批評家協会賞が発表されました。(12月16日)

 【女性映画批評家協会】

 女性映画批評家協会(Women Film Critics Circle)の設立は2004年で、60人以上の会員がいます。
 女性映画批評家協会賞はウーマンリブの流れを汲み、性差別や性的虐待に対し戦う姿勢を見せる映画賞だったのですが、2010年から多少スタンスを変えたようで、攻撃的な姿勢を抑えて、頑張っている女性を評価し、讃える部分を前面に押し出すようになりました。

 設立年:2004 会員数:65
 公式サイト:http://wfcc.wordpress.com/
 Wikipedia(英語):http://en.wikipedia.org/wiki/Women_Film_Critics_Circle

 [賞の特徴]
 ・監督、出演、脚本、イメージ、歌曲、ドキュメンタリー、アニメーション、外国映画賞など、「女性」に特化した数多くの賞を持つ。
 ・アドリエンヌ・シェリー、ジョゼフィン・ベイカー、カレン・モーリーといった女性の名前を冠した特別賞を設けている。
 ・次点を発表している。

 以下、◎印は受賞、○印は次点、×印はワースト、△印はワースト次点です。

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 ◆女性を描いた最優秀映画(Best Movie About Women )
 ○“Mother of George”
 ◎『あなたを抱きしめる日まで』
 ・『ソウルガールズ』
 ・“Winnie Mandela”

 ◆女性が作った最優秀映画(Best Movie By A Woman)
 ◎“Enough Said” 監督:ニコル・ホロフスナー
 ・“Girls in the Band” 監督:Judy Chaikin
 ・『ハンナ・アーレント』(独) 監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
 ○“Inch Allah”(カナダ・仏) 監督:Anaïs Barbeau-Lavalette

 “Enough Said” 監督:ニコル・ホロフスナー
 出演:ジュリア・ルイス=ドレイファス、キャサリン・リーナー、ジェームズ・ガンドルフィニ、トニ・コレット、ベン・ファルコーン、イヴ・ヒューソン、Tavi Gevinson
 物語:エヴァは離婚して独り暮らしになり、これからどうすればいいのか悩む。彼女は、完全に自己実現を果たしている女性マリアンヌに会う。中年のシングル女性として、外見的にも立ち直ったエヴァは、新しいロマンスの相手を、やさしくて、面白くて、志を同じくするアルバートに決める。しかし、驚いたことに、アルバートは、マリアンヌの元夫なのだった。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ボストン映画批評家協会賞2013 助演男優賞 (ジェームズ・ガンドルフィニ)、脚本賞受賞。

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 ◆女性脚本家賞(Best Woman Storyteller (Screenwriting Award))
 ◎ジュリー・デルピー 『ビフォア・ミッドナイト』
 ○ニコル・ホロフスナー “Enough Said”
 ・Darci Picoult “Mother of George”
 ・Alice Winocour “Augustine”

 ジュリー・デルピーは、2年連続受賞です。

 ◆男優賞(Best Actor)
 ◎キウェテル・イジョフォー 『それでも夜は明ける』
 ・ジェームズ・ガンドルフィニ “Enough Said”
 ○マイケル・B・ジョーダン 『フルートベール駅で』
 ・ジョセフ・ゴードン=レヴィット 『ドン・ジョン』

 ◆女優賞(Best Actress)
 ◎ジュディー・デンチ 『あなたを抱きしめる日まで』
 ・Danai Gurira “Mother of George”
 ・Jennifer Hudson “Winnie Mandela”
 ○バーバラ・スコーヴァ 『ハンナ・アーレント』

 ◆コメディエンヌ賞(Best Comedic Actress)
 ・レイク・ベル “In a World…”
 ○グレタ・ガーウィグ “Frances Ha”
 ・スカーレット・ヨハンソン 『ドン・ジョン』
 ◎メリッサ・マッカーシー “The Heat”

 ◆若手女優賞(Best Young Actress)
 ・ダイアナ・アグロン “The Family”
 ◎オナタ・アプリール 『メイジーの瞳』
 ・エル・ファニング 『ジンジャーの朝 ~さよなら、わたしが愛した世界』
 ○ワアド・ムハンマド 『少女は自転車にのって』

 ◆ベスト男性像(Best Male Images in a Movie)
 ◎キウェテル・イジョフォー 『それでも夜は明ける』
 ・ジョセフ・ゴードン=レヴィット 『ドン・ジョン』
 ○ジェームズ・ガンドルフィニ “Enough Said”
 ・イドリス・エルバ “Mandela: Long Walk to Freedom”

 ◆ワースト男性像(Worst Female Images in a Movie)
 ×『ブリングリング』
 △“Machete Kills”
 ・シャロン・ストーン “Lovelace”
 ・オプラ・ウィンフリー 『大統領の執事の涙』

 ◆ベスト女性像(Best Female Images in a Movie)
 ○“Girls in the Band”
 ・“Just Like a Woman”
 ◎『あなたを抱きしめる日まで』
 ・“Sunlight Jr.”

 ◆ワースト女性像(Worst Male Images in a Movie)
 ・“The Fifth Estate”
 ・“Oldboy”
 ×『オンリー・ゴッド』
 △“Out of the Furnace”

 ◆女性による、もしくは女性に関する、最優秀ドキュメンタリー(Best Documentary By or About Women)
 ・“Free Angela Davis and All Political Prisoners”
 ○“Girls in the Band”
 ◎『物語る私たち』(カナダ) 監督:サラ・ポーリー
 ・“Sweet Dreams”

 ・『物語る私たち』“Stories We Tell”(カナダ) 監督:サラ・ポーリー
 物語:サラ・ポーリーは、芸能一家の、5人兄弟の末っ子に生まれた。父親はイギリス出身の俳優で、母親はキャスティング・エージェントをしている。サラ自身も4歳で女優デビューし、8歳で主演した。そんな彼女が、第三監督長編の題材として選んだのは、自分の家族で、自ら家族にカメラを向け、現在から過去に関わる問いかけをし、自分でも知らなかった家族の秘密や矛盾を明らかにしようとする。
 ベネチア国際映画祭2012 ベネチア・デイズ出品。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 トロント映画批評家協会賞2012 ドキュメンタリー賞受賞。
 バンクーバー映画批評家協会賞2013 カナダ映画部門 作品賞、監督賞、ドキュメンタリー賞ノミネート。
 カナダ・スクリーン・アワード2013 長編ドキュメンタリー賞受賞。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ドキュメンタリー部門 アウト・オブ・コンペティション部門出品。
 山形国際ドキュメンタリー映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 IDAアワード2013 長編部門ノミネート。
 ニューヨーク映画批評家協会賞2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 ナショナル・ボード・オブ・レビュー2013 ドキュメンタリー賞受賞。
 デトロイト映画批評家協会賞2013 ドキュメンタリー賞受賞。


 ◆最優秀歌曲賞(Best Song)
 ◎“Winnie Mandela”-‘Would You Bleed for Love’ ジェニファー・ハドソン

 ◆アニメーション賞(Best Animated Females)
 ◎『アナと雪の女王』
 ○『クルードさんちのはじめての冒険』

 ◆女性に関する最優秀外国映画(Best Foreign Film About Women)
 ・“Augustine”(仏) 監督:Alice Winocour
 ・『ハンナ・アーレント』(独) 監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
 ○“Inch Allah”(カナダ・仏) 監督:Anaïs Barbeau-Lavalette
 ◎『少女は自転車にのって』(サウジアラビア) 監督:ハイファ=アル・マンスール

 ◆ファミリー映画賞(Best Family Film)
 ◎『風立ちぬ』
 ○“Black Nativity”(米) 監督:Kasi Lemmons

 ◆最優秀未公開映画(Best Theatrically Unreleased Movie By or About Women)
 ・“Fabulous Fasionistas”(英) 監督:Sue Bourne
 ◎“Phil Spector”(米) 監督:デイヴィッド・マメット
 ○“Pussy Riot”(ロシア・米) 監督:Natasha Fissiak
 ・“Raltat”(米) 監督:Alfred Robbins

 “Phil Spector”(米) 監督:デイヴィッド・マメット
 出演:アル・パチーノ、ヘレン・ミレン、レベッカ・ピジョン、キウェテル・イジョフォー
 物語:音楽プロデューサー、フィル・スペクターが、2003年に彼の自宅で死んだ女優ラナ・クラークソンに対して殺人罪で起訴された事件に関し、彼と彼の弁護人となったLinda Kenney Badenとの関係を中心に描く。
 サテライト・アワード2014 テレビ映画/ミニシリーズ部門作品賞、主演男優賞、主演女優賞ノミネート。
 俳優組合賞(SAG)2014 男優賞、女優賞ノミネート。
 ゴールデン・グローブ賞2014 主演男優賞、主演女優賞ノミネート。

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 ◆性の平等賞(Best Equality of the Sexes)
 ◎『ビフォア・ミッドナイト』
 ○“Enough Said”
 ・“The Hot Flashes”
 ・『少女は自転車にのって』

 ◆女性たちの仕事:最優秀アンサンブル(Women's Work (Best Ensemble))
 ◎『ジンジャーの朝 ~さよなら、わたしが愛した世界』
 ・“The Hot Flashes”
 ・“Just Like a Woman”
 ・『ソウルガールズ』
 ○“Winnie Mandela”
 ○『8月の家族たち』

 ◆ベスト・カップル賞(Best Screen Couple)
 ◎ジュリー・デルピー、イーサン・ホーク 『ビフォア・ミッドナイト』

 ◆親愛なるワースト・ママ・オブ・ザ・イヤー賞(Mommie Dearest Worst Screen Mom Of The Year Award)
 ◎クリスティン・スコット・トーマス 『オンリー・ゴッド』

 【スペシャル・メンション・アワード】(special mention awards)

 ◆アドリエンヌ・シェリー賞:女性に対する暴力に最も闘った作品に贈られる(ADRIENNE SHELLY AWARD: For A Film That Most Passionately Opposes Violence Against Women)
 ◎“Augustine”
 ○“Lovelace”
 ・『少女は自転車にのって』

 “Augustine”(仏) 監督:Alice Winocour
 出演:Soko、ヴァンサン・ランドン、キアラ・マストロヤンニ
 物語:1885年冬。Pitié-Salpêtriere病院の医師シャルコー教授は、奇妙な病気ヒステリーについて研究していた。19歳のオーギュスティーヌは、彼のお気に入りのモルモットで、彼の催眠術の実験台になった。彼の研究の対象は、やがて彼の欲望の対象に変わる。
 カンヌ国際映画祭2012 批評家週間特別上映作品。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。
 リュミエール賞2013 新人女優賞ノミネート(Soko)。
 アンリ・ラングロワ賞2013アンリ・ラングロワの友協会賞受賞。
 セザール賞2013 衣裳賞・第1回作品賞ノミネート。
 Camerimage 2013 新人監督賞受賞。

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 ◆ジョゼフィン・ベイカー賞:アメリカの有色人種の女性を最も優れて表現した作品に贈られる(Josephine Baker Award: For Best Expressing The Woman Of Color Experience In America)
 ○“Go for Sisters”
 ◎『それでも夜は明ける』

 ◆カレン・モーリー賞:歴史や社会における女性の立場を最もよく表わし、勇気を持って調査した作品に贈られる(Karen Morley Award: For best exemplifying a woman’s place in history or society, and a courageous search for identity)
 ・“Augustine”
 ○『少女は自転車にのって』
 ◎“Winnie Mandela”

 “Winnie Mandela”(南ア・カナダ) 監督:Darell D. Roodt
 出演:ジェニファー・ハドソン、テレンス・ハワード、イライアス・コティーズ、ウェンディ・クルーソン
 物語:ネルソン・マンデラと結婚し、夫の投獄を経験した(元)妻ウィニー・マンデラの半生を子供時代から描く。
 トロント国際映画祭2011 GALA PRESENTATIONS部門出品。

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 ◆勇気ある演技賞(Courage In Acting)
 ◎Soko “Augustine”

 ◆勇気あるフィルムメイキング賞(Courage in Filmmaking)
 ◎ローラ・ポイトラス(Laura Poitras)
 エドアード・スノードンによるNSAの暴露を明るみに出して、彼をドイツに亡命させ、それに関するドキュメンタリーを製作中であることに対して(For bringing the Edward Snowden NSA revelations to light and driven into exile in Germany for doing so. And currently making a documentary about it.)。

 ◆見えない女優賞(ドラマ的、社会的、歴史的に無視されても、スクリーンの中では際立った存在感を見せている女性のパフォーマンスに贈られる)(The Invisible Woman Award)
 ◎サンドラ・ブロック 『ゼロ・グラビティ』

 ・ジャスト・キディング賞:映画における最優秀男性像(Just Kidding Award: Best Male Images in a Movie)
 ◎“Last Vegas”(米) 監督:ジョン・タートルトーブ

 “Last Vegas”(米) 監督:ジョン・タートルトーブ
 出演:マイケル・ダグラス、ロバート・デニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン、メアリー・スティーンバーゲン
 物語:60代後半の仲間4人、ビリー、サム、パディー、アーチーが、最後の独身男ビリーを結婚させようとして、彼をラスベガスのバチェラー・パーティーに放り込もうとする。旅の途上で、日常から解放された彼らは、クレイジーな騒ぎを繰り広げ、最後に大爆発を起こす。

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 ◆演技と社会活動賞(Acting And Activism)
 ◎シャーリーズ・セロン
 グローバル・ファンドと、若い世代にHIV/AIDSを知らしめるシャーリーズ・セロン アフリカ・アウトリーチ・プロジェクトを始めたことに対して(For her work for The Global Fund, and for starting the Charlize Theron Africa Outreach Project. Which educates young people about HIV/AIDS.)。

 ◆生涯貢献賞(Lifetime Achievement Award)
 ◎エマ・トンプソン
 時代劇からファンタジー、現代劇と自在に演じわけ、多く女性像をリアルでピュアに体現していることに対して(For her eclecticism in switching from period films to fantasy genre, to contemporary settings. And embodying all kinds of women with raw and pure interpretations.)。

 ※ 公式サイトに受賞結果はまだアップされておらず、ノミネーション&受賞結果は、HitFixなどの二次情報に頼っています。ノミネーションのリストと受賞結果には、一部、不一致が見られました。

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 昨年度はいくつかの賞がなくなっていたので、全体的な部門の見直しをしたのかと思っていたら、単に該当者がなかっただけだったようで、前回なかった賞も、今回、復活を果たしています。

 2013年の映画界のトピックは、なんといっても黒人と女性の躍進で、黒人に関しては、物語、演技、監督、女性に関しては、物語、演技、監督、脚本、外国映画、アニメーションと、幅広い分野で目覚しい活躍を見せています。

 キャスリン・ビグローが、『ハート・ロッカー』で、女性として初めての米国アカデミー賞監督賞を受賞した2008年度も女性の活躍が際立った年でしたが、2013年はそれを遥かに上回る活躍ぶりで、米国アカデミー賞外国語映画賞各国代表作品に女性監督が多いことでもそれが窺われます。

 女性監督・脚本作品の“Enough Said”、女性監督ドキュメンタリーの『物語る私たち』、女性監督アニメーションの『アナと雪の女王』、女性監督外国映画の『少女は自転車にのって』や『ハンナ・アーレント』、2年連続脚本賞受賞のジュリー・デルピー、そして、サンドラ・ブロック、などなど……。

 一般の映画賞では、キャスリン・ビグローのようなわかりやすいアイコンが出てこないと「女性が活躍した年」であることはわかりにくいのですが、女性映画批評家協会賞のノミネーション&受賞結果を見ると、それがよりはっきりしますね。

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 *当ブログ記事

 ・女性映画批評家協会賞2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_59.html
 ・女性映画批評家協会賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_48.html
 ・女性映画批評家協会賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_47.html
 ・女性映画批評家協会賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_22.html
 ・女性映画批評家協会賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_26.html

 ・全米映画賞レース2013の受賞結果をまとめてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_23.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年12月~2014年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_1.html

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