ルイ・デリュック賞2013 結果発表!

 第71回ルイ・デリュック賞の結果が発表になりました。(12月17日)

 【ルイ・デリュック賞】

 ◎『アデル、ブルーは熱い色』“La Vie d'Adèle, chapitre 1&2(Blue Is The Warmest Color)”(仏) 監督:アブデラティシュ・ケシシュ(Abdellatif Kechiche);
 出演:レア・セイドゥ、アデル・エグザルコプロス(Adèle Exarchopoulos)、ジェレミー・ラエルト(Jérémie Laheurte)、カトリーヌ・サレ(Catherine Salée)、オーレリアン・ルコワン(Aurélien Recoing)、Sandor Funtek
 物語:アデルは、教師になることを夢見る15歳の学生で、女の子は男の子とつき合うのが当たり前だと思っていた。ところが、近くの美大に通う、青い髪のエマと出会い、これまで感じたことのなかった感情が自分の中にあることに気づく。アデルは、そうした気持ちを抑えて、ミステリアスだけれどフレンドリーな若者トマとつき合おうとするが、どうしても女性の方により魅力を感じてしまう。彼女は、自分の中の欲望を認め、女性として、大人として、前向きに生きようと決める。
 Julie Marohのコミック“Le bleu est une couleur chaude”の映画化。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。パルムドール、国際批評家連盟賞受賞。
 パリ映画祭2013 プレミア部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノ・スコープ部門出品。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2013 ガラ部門出品。
 バンクーバー国際映画祭2013 スポットライト・オン・フランス部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 国際批評家連盟賞グランプリ。
 レイキャビク国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 釜山国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 チューリヒ映画祭2013 オフィシャル・セレクション。
 ニューヨーク映画祭2013 オフィシャル・セレクション。
 ハンプトンズ映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 ガラ部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 Special Presentation部門出品。
 ムンバイ映画祭2013 ランデヴー部門出品。
 東京国際映画祭2013 特別招待作品。
 ヨーロッパ映画賞2013 作品賞、監督賞ノミネート。
 ニューヨーク映画批評家協会賞2013 外国語映画賞受賞。
 ボストン・オンライン映画批評家協会賞2013外国語映画賞受賞。
 ニューヨーク映画批評家オンライン賞2013外国語映画賞受賞。
 サンフランシスコ映画批評家協会賞2013外国語映画賞受賞。
 カンザスシティ映画批評家協会賞2013外国映画賞受賞。
 セントルイス映画批評家協会賞2013外国語映画賞受賞。
 ダラス・フォートワース映画批評家協会賞2013外国語映画賞受賞。
 インディアナ映画ジャーナリスト協会賞2013外国語映画賞受賞。

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 [その他のノミネート作品]
 ・“9 mois ferme(9 month stretch)”(仏) 監督:アルベール・デュポンテル
 ・“L'inconnu du lac(Stranger by the Lake)”(仏) 監督:アラン・ギロディー(Alain Guiraudie)
 ・“Camille Claudel 1915”(仏) 監督:ブリュノ・デュモン
 ・“Elle s’en va (On My Way)”(仏)  監督:エマニュエル・ベルコ
 ・“Jimmy P. (Psychothérapie d'un Indien des Plaines)(Jimmy P. (Psychotherapy of a Plains Indian))”(仏・米) 監督:アルノー・デプレシャン
 ・『魂を治す男』“Mon âme par toi guérie(My Soul Healed by You)”(仏) 監督:フランソワ・デュペイロン
 ・『ある過去の行方』(仏・伊) 監督:アスガー・ファルハディ

 【初監督作品賞】(Le Prix Louis-Delluc du premier film)

 ◎“Vandal”(仏) 監督:Hélier Cisterne
 出演:Zinedine Benchenine、Chloé Lecerf、Emile Berling、ジャン=マルク・バール
 物語:15歳のChérifは、孤独で、反抗的な問題児だ。彼の母親は、彼を、ストラスブールに住む叔父と叔母に預けて、石工の見習いにしようとする。彼にとって、これが最後のチャンスとなるはずだった。ところが、ある夜、彼は、グラフィティ・アーティストたちが壁に落書きをしているのを見て、新しい世界が開けるのを感じる。
 Festival du Film Francophone de Namur 2013 第1回作品コンペティション部門出品。
 トリノ映画祭2013 Torino31部門出品。

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 本年度のルイ・デリュック賞は、『アデル、ブルーは熱い色』が受賞しました。

 『アデル、ブルーは熱い色』は、現在、全米映画賞レースで、外国語映画賞を独占するほどの勢いがあり、アデル・エグザルコプロスが主演女優賞に、レア・セイドゥが助演女優賞にノミネートされたりもしています。
 ということからすると、『アデル、ブルーは熱い色』は、全世界的な絶賛を背景にして、ルイ・デリュック賞を受賞するのも当然、という印象を持ちますが、いろんな情報を重ね合わせると、必ずしも絶対的な評価を得ているわけではないらしい、ということが見えてきます。

 ・パルムドールを受賞したカンヌ国際映画祭では、最高の評価を与える媒体が最も多かったが、その一方で、「ル・フィガロ」は星1つの評価しか与えていない。

 ・カンヌ国際映画祭でのパルムドールは、監督のアブデラティフ・ケシシュに対してだけでなく、2人の主演女優に対しても贈られたものである、と伝えられるほど、2人の女優の演技は高く評価されているが、その一方で、少女時代はともかく、ひとりの女性の半生を演じるにはあまりにも未熟だ、という酷評もある。

 ・国際批評家連盟賞年間グランプリを受賞するような作品でありながら、米国アカデミー賞外国語映画賞フランス代表には選ばれない。(『アデル、ブルーは熱い色』は、米国アカデミー賞外国語映画賞の条件を満たすような調整をしておらず、そもそもエントリーさせる意思はなかったのではないか、とも言われるが、何か釈然としない。)

 ・ヨーロッパ映画賞では、オフィシャル・セレクション46作品に漏れ、なんとか理事会の推薦によって作品賞と監督賞にピックアップされるが、結局は、無冠に終わる。

 ・女性映画ジャーナリスト同盟映画賞(Alliance for Women Film Journalist)では、外国語映画賞や「最優秀ヌードまたはセックス描写」の候補に選ばれているのにも拘わらず、その一方で、「好きになりたかったけど無理でした作品賞」(Movie You Wanted To Love But Just Couldn't Award)の候補にも挙がっている。

 どうも、『アデル、ブルーは熱い色』(および2人の主演女優)に対しては、絶賛の嵐の中で、そうした評価を否定し、無視してしまおうとする目に見えない「力」のようなものが感じられるんですね。

 傑作とされるどんな作品に対しても、批判する声が出てくるのはわかっていますが、今回の『アデル、ブルーは熱い色』に関する反応は、単なる賛否両論とはちょっと違うもののような気がします。批判があっても、それを超える強い支持があれば、ヨーロッパ映画賞や米国アカデミー賞外国語映画賞に選ばれるのが普通だし、フランスなら特にそうした「好み」を押し通すものだと思いますが。

 まあ、ルイ・デリュック賞のチョイスには、昔から賛否のあるものが多かったりしますが、今回も順当のように見えて、案外、そうではなかったかもしれない、ということですね。
 少なくともルイ・デリュック賞は『アデル、ブルーは熱い色』を支持する立場を表明したことになります。

 日本での来春の劇場公開に向けて、もうすぐレビューが出始めると思いますが、この作品に対する何かもやもやしたことに対して、しっくりと納得させてくれるようなものが出ますかどうか……。

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 *当ブログ記事

 ・ルイ・デリュック賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_38.html
 ・ルイ・デリュック賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_34.html
 ・ルイ・デリュック賞2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_29.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_22.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_31.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_39.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_18.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_5.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_22.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年12月~2014年4月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_1.html

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