完全ガイド! 米国アカデミー賞2014 長編アニメーション賞 エントリー作品19作品!

 第86回米国アカデミー賞 長編アニメーション賞エントリー作品が発表になりました。(11月5日)

 本年度は、前回より2作品少ない19作品です。

 1.『クルードさんちのはじめての冒険』“The Croods”(米) 監督:クリス・サンダース、カーク・デミッコ [ドリームワークス・アニメーション] 3月22日公開

 2.“Epic”(米) 監督:クリス・ウェッジ [Blue Sky] 5月24日公開

 3.『モンスターズ・ユニバーシティ』“Monsters University”(米) 監督:ダン・スカンロン [ディズニー/ピクサー] 6月21日公開

 4.『怪盗グルーのミニオン危機一発』“Despicable Me 2”(米) 監督:ピエール・コフィン、クリス・ルノー [Illumination] 7月3日公開

 5.“Turbo”(米) 監督:David Soren [ドリームワークス・アニメーション] 7月17日公開

 6.『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』“The Smurfs 2”(米) 監督:ラジャ・ゴズネル [ソニー・ピクチャーズ・アニメーション] 7月31日公開

 7.『プレーンズ』“Planes”(米) 監督:クレイ・ホール [ディズニー] 8月9日公開

 8.『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』“Cloudy with a Chance of Meatballs 2”(米) 監督:コディ・キャメロン、クリス・パーン [ソニー・ピクチャーズ・アニメーション] 9月27日公開

 9.“Free Birds”(米) 監督:ジミー・ヘイワード(Jimmy Hayward) [Reel FX/Relativity Media] 11月1日公開

 10.『風立ちぬ』“The Wind Rises”(日)  監督:宮崎駿 [スタジオジブリ/ディズニー] 11月8日公開

 11.『アナと雪の女王』“Frozen”(米) 監督:クリス・バック、ジェニファー・リー [ディズニー] 11月27日公開

 12.『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』“Puella Magi Madoka Magica the Movie – Rebellion”(日) 監督:宮本幸裕 [Aniplex America] 12月3日公開

 13.『アーネストとセレスティーヌ』“Ernest and Celestine”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:バンジャマン・レネール、ヴァンサン・パタール、ステファン・オビエ [GKIDS] 12月6日公開

 14.『ももへの手紙』“A Letter to Momo”(日) 監督:沖浦啓之 [GKIDS] 秋以降公開

 15.“O Apóstolo”(西) 監督:Fernando Cortizo [ ] 未定

 16.“The Fake”(韓) 監督:ヨン・サンホ [ ] 未定

 17.“Khumba”(南ア) 監督:Anthony Silverston [Millennium Entertainment] 未定

 18.“The Legend of Sarila”(カナダ) 監督:Nancy Florence Savard [ ] 未定

 19.『リオ2096』“Rio: 2096 A Story of Love and Fury”(ブラジル) 監督:ルイス・ボロネーズィ(Luiz Bolognesi) [ ] 未定

 エントリー作品は、19作品ありますが、『ももへの手紙』以降の6作品は、ノミネーションの条件である「ロサンゼルス郡での連続した7日間以上の上映」をまだ果たしていないと思われ、年内にそれをクリアすることがノミネートの条件となります。
 上記の、全米での公開、および配給元に関するデータは、IMDbを参照していますが、IMDbが情報をフォローしきれていない可能性もあります(実際には、既に、配給元や公開が決まっていたり、規定の上映が済んでいたりする作品もあるかもしれません)。

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 【米国アカデミー賞 ノミネート&受賞歴】

 今回、作品をエントリーした監督のうち、米国アカデミー賞にノミネートおよび受賞経験がある監督は、以下の通りです。

 ・宮崎駿 2003年『千と千尋の神隠し』受賞、2006年『ハウルの動く城』ノミネート ※2010年『崖の上のポニョ』エントリー(ノミネートされず)

 ・クリス・サンダース 2003年『リロ&スティッチ』ノミネート、2011年『ヒックとドラゴン』ノミネート

 ・クリス・ウェッジ 2003年『アイス・エイジ』ノミネート ※2006年『ロボッツ』エントリー(ノミネートされず)

 ・クリス・バック 2008年『サーフズ・アップ』ノミネート

 ・クリス・ルノー 2007年『熱血どんぐりハンター』短編アニメーション賞ノミネート ※2011年『怪盗グルーの月泥棒』エントリー(ノミネートされず) 2013年『ロラックスおじさんの秘密の種』エントリー(ノミネートされず)

 ※クレイ・ホール 2010年『ティンカー・ベルと月の石』エントリー(ノミネートされず)

 ※ラジャ・ゴズネル 2012年『スマーフ』エントリー(ノミネートされず)

 受賞経験者は、宮崎駿のみ。2度以上ノミネートされたことがあるのは、宮崎駿とクリス・サンダースのみです。

 前回は、受賞経験監督が1人もおらず、長編アニメーション賞ノミネート経験者がティム・バートン1人だったことを考えれば、今回はかなり長編アニメーション賞と関わりのある監督が多いということになります。

 本年度は、2003年に長編アニメーション賞にノミネートされた監督が3人も顔を揃えています。

 また、今回は、奇しくも、ノミネート経験のある4人の「クリス」がノミネートを争うことになりました。

 【受賞監督に関するデータ】

 長編アニメーション賞受賞監督は、次に長編アニメーション作品を監督すると、その作品も必ず長編アニメーション賞にノミネートされるというジンクツがあります。

 ・『シュレック』の監督アンドリュー・アダムソンとヴィッキー・ジェンソンは、前者が『シュレック2』でノミネートされ、後者は『シャーク・テイル』でノミネートされています。

 ・『ファインディング・ニモ』の監督アンドリュー・スタントンとリー・アンクリッチは、前者が『ウォーリー』でも受賞し、後者が『トイ・ストーリー3』でも受賞しています。

 例外は、『ハッピー フィート』のジョージ・ミラー監督と『千と千尋の神隠し』の宮崎駿監督で、ジョージ・ミラーは『ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊』をエントリーしたものの、ノミネートされませんでした。宮崎駿は、『崖の上のポニョ』が2009年にアメリカで公開され、アカデミー賞にエントリーしていますが、ノミネートされませんでした。

 そのほかの受賞監督は、実写作品を手がけたりしていて、まだ誰も長編アニメーションの新作を発表していません。

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 【エントリー作品の監督の人物相関図】

 ハリウッドのアニメーション関係者は、最終的にはディズニーやCalArtsを中心とした人脈につながっていくと思われますが、今回エントリーされたハリウッド産のアニメーションの監督たちは、以下のようなグループに分けることができます。

 ◆ディズニー
 ・『リロ&スティッチ』
  監督:クリス・サンダース( → ドリームワークス↓)
 ☆『アナと雪の女王』
  監督:クリス・バック(← ソニー 『サーフズ・アップ』監督 ← ディズニー 『ターザン』監督)
  監督:ジェニファー・リー(『シュガー・ラッシュ』脚本)
 ☆『プレーンズ』
  監督:クレイ・ホール(『ティンカー・ベルと月の石』監督 ← 20世紀フォックスTV『ザ・シンプソンズ』『キング・オブ・ザ・ヒル』監督)

 ◆ピクサー
 ☆『モンスターズ・ユニバーシティ』 監督:ダン・スカンロン
 (ジミー・ヘイワード ピクサー初期~『ポカホンタス』 アニメーター/キャラクター・デザイン → Blue Sky 『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』監督 → Relativity Media “Free Birds”監督)

 ◆ドリームワークス・アニメーション
 ・『シュレック』
  ストーリー・アーチスト:David Soren↓
  ストーリー・アーチスト:コディ・キャメロン(→ ソニー『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』監督))
 ☆『クルードさんちのはじめての冒険』
  監督:クリス・サンダース(『ヒックとドラゴン』監督 ← ディズニー 『リロ&スティッチ』監督)
 ☆“Turbo”
  監督:David Soren(『シュレック』『シャーク・テイル』ストーリー・アーチスト)

 ◆ソニー・ピクチャーズ・アニメーション
 ・『サーフズ・アップ』
  監督:クリス・バック(→ ディズニー『アナと雪の女王』監督)
  ストーリー・アーチスト:コディ・キャメロン、クリス・パーン(↓)
 ☆『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』
  監督:コディ・キャメロン(← 『オープン・シーズン3』監督 ← 『サーフズ・アップ』ストーリー・アーチスト ← ドリームワークス 『シュレック』『マダガスカル』ストーリー・アーチスト ← 『チキン・ラン』 アディショナル・ストーリー・アーチスト)
  監督:クリス・パーン(『オープン・シーズン』『サーフズ・アップ』『くもりときどきミートボール』ストーリー・アーチスト← Fox Animation『タイタンA.E.』キャラクター・レイアウト・アーチスト)
 ☆『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』
  監督:ラジャ・ゴズネル(『スマーフ』監督 ←『スクービー・ドゥ』『ビバリーヒルズ・チワワ』監督 ← その他 実写映画監督

 ◆Blue Sky Studioes
 ・『アイス・エイジ』 監督:クリス・ウェッジ
 ・『ロボッツ』 監督:クリス・ウェッジ
 ・『熱血どんぐりハンター』
  監督:クリス・ルノー(→Illumination Entertainment『怪盗グルーのミニオン危機一発』)
 ・『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』
  監督:ジミー・ヘイワード(→ Relativity Media “Free Birds”監督)
 ☆“Epic”(米) 監督:クリス・ウェッジ

 ◆Illumination Entertainment
 ・『怪盗グルーの月泥棒』 監督:ピエール・コフィン、クリス・ルノー
 ・『ロラックスおじさんの秘密の種』 監督:クリス・ルノー
 ☆『怪盗グルーのミニオン危機一発』 監督:ピエール・コフィン、クリス・ルノー

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 【ノミネーションの傾向】

 本年度は5作品がノミネートされることになりますが、必ずしも高評価の作品を上から5本チョイスされるとは限らず、映画会社の力関係や作品のバランスも考慮されるはずで、とすると、以下のようなことが考えられます。(16本以上の作品がエントリーされたので、本年度は「最大で」5本の作品がノミネートされることになりますが、採点方式から言って、規定の点数に達する作品が5本以下になるとは考えにくいので、ノミネーションはまず間違いなく5本になると思われます。)

 [同一映画会社からの複数ノミネート]

 2003年(ノミネート数5):ディズニー作品-3(『千と千尋の神隠し』含む。ピクサー作品のノミネートはなし)
 2004年(ノミネート数3):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2005年(ノミネート数3):ドリームワークス作品-2
 2008年(ノミネート数3):ソニー・ピクチャーズの作品-1、ソニー・ピクチャーズ・クラシックの作品-1(『ペルセポリス』)
 2009年(ノミネート数3):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2010年(ノミネート数5):ディズニー作品-2(ピクサー作品含む)
 2012年(ノミネート数5):ドリームワークス作品-2
 2013年(ノミネート数5):ディズニー作品-3(ピクサー作品含む)

 今回は、ディズニー作品が4本(ピクサー作品、スタジオジブリ作品含む)、ドリームワークス作品が2本、ソニー・ピクチャーズ作品が2本あり、エントリー作品の比率と映画会社としてのパワー・バランスを考慮すると、ノミネーションは、ディズニー作品が3本、ドリームワークス作品が1本、その他が1本という内訳になりそうです。

 [外国映画のノミネート]

 外国映画に関しては、『ハッピーフィート』をオーストラリア映画とし、“The Pirates! Band of Misfits”をイギリス映画として勘定するとして、過去12回で、外国映画がノミネートされたのは、9回あり、そのうち、2作品の外国映画がノミネートされた年が2回あります(2006年と2012年)。

 国別では、これまで、フランスが4作品、日本が2作品(どちらも宮崎駿作品)、イギリス(アードマン作品)が2作品、オーストラリアとアイルランドとスペインが1作品ずつでノミネートされていて、日本とイギリスとオーストラリアが受賞を果たしています。ノミネート本数の割には、受賞の確率は高いということになります。

 過去4回あったノミネート5作品の年のうち、外国映画が2作品ノミネートされたのは2012年の1回だけです。

 本年度はエントリー作品の割合から言えば、2作品くらいはノミネートされてもよさそうですが、1本にとどまる可能性もあります。

 [シリーズ作品のノミネート]

 シリーズものがノミネートされたことは、過去に『シュレック2』と『トイ・ストーリー3』と『カンフー・パンダ2』しかなく、かなり強力な作品でない限り、シリーズものがノミネートされる可能性は低いようです。
 今回は、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』まで含めて、続編・シリーズものが、5本もあります。

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 【下馬評】

 ◆Awards Daily ノミネート予想
 ・『クルードさんちのはじめての冒険』
 ・『怪盗グルーのミニオン危機一発』
 ・『モンスターズ・ユニバーシティ』

 ◆IndieWire ノミネート予想(10月27日)
 [当確](The Lock)
 1.『風立ちぬ』
 [対抗](It Has The Buzz and Is In Position To Challenge (Once We See It, At Least))
 2.『アナと雪の女王』
 [強い作品がない年であれば、たとえ賛否両論があっても、有力作品となるかもしれない](Given The Weak Year, They Are Strong Bets Despite Mixed Reviews)
 3.『モンスターズ・ユニバーシティ』
 4.『怪盗グルーのミニオン危機一発』
 [GKIDS枠の作品](The GKIDS options)
 5.『アーネストとセレスティーヌ』
 6.『ももへの手紙』
 [可能性あり](Possibilities)
 7.『クルードさんちのはじめての冒険』
 8.“Epic”
 ×9.『ウォーキングwithダイナソー』“Walking With Dinosaurs”(英・米・オーストラリア) 監督:バリー・クック、ニール・ナイチンゲイル
 10. 『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』

 ◆IMDbでの採点(11月5日現在)

 ・『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』“Puella Magi Madoka Magica the Movie – Rebellion”(日):8.0
 ・『風立ちぬ』“The Wind Rises”(日):7.9
 ・『アーネストとセレスティーヌ』“Ernest and Celestine”(仏・ベルギー・ルクセンブルク):7.7
 ・『怪盗グルーのミニオン危機一発』“Despicable Me 2”(米):7.6
 ・『モンスターズ・ユニバーシティ』“Monsters University”(米):7.5
 ・『クルードさんちのはじめての冒険』“The Croods”(米):7.3
 ・『ももへの手紙』“A Letter to Momo”(日):7.1
 ・“Epic”(米):6.6
 ・『くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密』“Cloudy with a Chance of Meatballs 2”(米):6.5
 ・『リオ2096』“Rio: 2096 A Story of Love and Fury”(ブラジル):6.5
 ・“Turbo”(米):6.3
 ・“O Apóstolo”(西):6.1
 ・“The Fake”(韓):6.1
 ・『プレーンズ』“Planes”(米):5.3
 ・“Free Birds”(米):5.1
 ・“The Legend of Sarila”(カナダ):5.1
 ・『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』“The Smurfs 2”(米):5.0
 ・“Khumba”(南ア):4.9
 ・『アナと雪の女王』“Frozen”(米):-

 『ランゴ』(7.3)と『メリダとおそろしの森』(7.1)を別にすれば、過去の受賞作である『トイ・ストーリー3』(8.4)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(8.3)、『ウォーリー』(8.4)、『レミーのおいしいレストラン』(8.0)と比べて、概して評価の低い作品ばかりということになります。

 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』の評価が最上位になっていますが、他の作品と比べて、投票者がケタ違いに少ないので、残念ながら、あまり比較対照の参考にはなりません。

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 【ノミネート予想】

 本年度は、ずば抜けて強い作品はなくて、現時点で、最も無難な選択は、『モンスターズ・ユニバーシティ』です。
 来年度はピクサーの公開作品がないということもあって、ピクサーが『モンスターズ・ユニバーシティ』を強力にプッシュしてくる可能性があり、「今年は、特にこれという作品がないな」とアカデミー会員が考えた場合、無難な選択として、ピクサーいち推しの『モンスターズ・ユニバーシティ』を選んでしまう、ということは十分に考えられます。

 「長編アニメーション賞受賞監督が、新たに長編アニメーション作品を監督すると、その作品は長編アニメーション賞にノミネートされる」というジンクツと、下馬評を加味すると、『風立ちぬ』はほぼ当確とみなしてよさそうです。

 IMDbの採点とノミネーションを見比べると、前回は、1位~4位の作品と(なぜか)11位の“The Pirates! Band of Misfits”がノミネーションまで進んでいることがわかります。
 本年度も、同様の結果になると推測すると、(『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』はひとまず置いておくとして)『風立ちぬ』以下数本がノミネート有力候補、ということになります。
 『風立ちぬ』から『モンスターズ・ユニバーシティ』までの4本を一応の有力候補とみなすと、残すノミネート枠は、あと1本となります。
 その1本は、現時点では未採点ですが、ディズニーの『アナと雪の女王』あたりが順当なところ、ではないでしょうか。

 というわけで、現時点のノミネート予想は―

 ・『風立ちぬ』
 ・『アーネストとセレスティーヌ』
 ・『怪盗グルーのミニオン危機一発』
 ・『モンスターズ・ユニバーシティ』
 ・『アナと雪の女王』
 です。

 ドリームワークスがどうしても1本、作品をねじ込むとすれば、『怪盗グルーのミニオン危機一発』が『クルードさんちのはじめての冒険』にかわる可能性もあります。

 映画批評家協会系映画賞で、いずれかの作品が他の作品を圧倒して、アカデミー賞への流れを作ったりすれば違ってくるかもしれませんが、今のところ、そうした様子もなさそうなので、受賞予想は、「無難」に『モンスターズ・ユニバーシティ』です。

 『風立ちぬ』は、宮崎駿が、公開に合わせて全米でプロモーション・ツアーをしたり、アメリカの映画賞のどこかで授賞式に出席してPRしたりすればわかりませんが、そうした可能性はほぼなさそうなので、ノミネートはともかく、受賞は難しそうです。
 ちなみに、受賞すれば、宮崎駿は、ブラッド・バード、アンドリュー・スタントンに続き、2度目の長編アニメーション賞受賞となります。(リー・アンクリッチも、監督を手がけた『ファインディング・ニモ』と『トイ・ストーリー3』という2作品が長編アニメーション賞受賞を果たしていますが、『ファインディング・ニモ』は共同監督扱いで、米国アカデミー賞受賞対象者とはなっていません。)

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 米国と日本以外のエントリー作品について簡単に内容を紹介しておきます。

 ・『アーネストとセレスティーヌ』“Ernest and Celestine”(仏・ベルギー・ルクセンブルク) 監督:バンジャマン・レネール、ヴァンサン・パタール、ステファン・オビエ
 物語:「アーネストおじさんは、大きくて無愛想なクマ。腹ぺこでゴミ箱をあさり、最初に見つけたものを口に詰めこもうとしたそのとき、金切り声があがった。「わたしを食べないで!」。飲み込まれようとしていたのは、小さなネズミのセレスティーヌ。「わたしを食べなければ、かわりにあなたがこの世で一番欲しいものをあげるわ」。こうしてセレスティーヌは一命をとりとめた。この奇妙な出会いから、クマの世界とネズミ世界のどちらにもない、ふしぎであたたかい友情が花開く。」
 ガブリエル・ヴァンサンの絵本シリーズ「アーネストとセレスティーヌ」をアニメーション化した作品。
 『パニック・イン・ザ・ヴィレッジ』のヴァンサン・パタールら3人の監督による最新作。
 カンヌ国際映画祭2012 監督週間出品。
 フランス映画祭2012にて上映。
 ドバイ国際映画祭2013 観客賞受賞。
 セザール賞2013 アニメーション賞受賞。

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 ・“O Apóstolo(The Apostle)”(西) 監督:Fernando Cortizo
 声の出演:Carlos Blanco、ルイス・トサル、Xose Manuel Oliveira “Pico”、ジェラルディン・チャプリン
 物語:ラモンとグザヴィエが刑務所を脱獄する。ラモンは、数年前に隠した戦利品を隠した場所に向かおうとしていて、グザヴィエとはそこで別れるが、グザヴィエは、彼にその村までの行き方を教え、欲をかき過ぎてはいけないと警告を加える。目的地は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にある小さな村で、彼は、巡礼者ではなく、たまたまやってきた旅行者のふりをして村に入る。村は、霧が漂い、見るからに、不吉な雰囲気を醸し出している。彼をもてなしてくれた老女ドリンダ、村の聖職者ドン・セサレオなど、村には、怪しい人も多い。特に、ドン・セサレオは、大きな鼻を持っていて、まさに人並み外れた嗅覚で、人の秘密を嗅ぎ出す才能を持っていた……。
 スペイン初の長編ストップ・モーション・アニメーション。
 モスクワ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2012 アニメーション部門出品。
 アルゼンチンExpotoons Fetival 2012 グランプリ受賞。
 ゴヤ賞2013 長編アニメーション賞ノミネート。
 ザグレブ国際アニメーションフェスティバル2013 ワールド・パノラマ部門。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2013 長編コンペティション部門出品。観客賞受賞。


 ・“The Fake”(韓) 監督:ヨン・サンホ
 物語:ある田舎の村が、水の下に沈むことになり、村人たちは引越しするための補償を受ける。チェという名の詐欺師が、貧しい村人をだまして、教会のお布施として補償金を吐き出させる。ミンチョルは、評判のよくない遊び人で、真実に気づいているが、誰も説得できない。特に人々から尊敬されているソン牧師が手ごわかったが、彼こそは、チェが詐欺の片棒を稼がせるためにスカウトした人物だった。ミンチョルは、信心深い彼の娘が、この詐欺にだまされて売春させられるにおよんで、復讐を決意する。
 『豚の王』のヨン・サンホ監督最新作。
 トロント国際映画祭2013 VANGUARD部門出品。
 釜山国際映画祭2013 韓国映画トゥデイ パノラマ部門出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2013 アニメーション部門出品。最優秀作品賞受賞。

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 ・“Khumba”(南ア) 監督:Anthony Silverston
 声の出演:アナソフィア・ロブ、リアム・ニーソン、スティーヴ・ブシェーミ、ローレンス・フィッシュバーン、ジェイク・T・オースティン
 物語:クンバは、体の半分だけがゼブラ模様のシマウマとして生まれ、迷信深いシマウマたちから、群れの存続を脅かす忌まわしい存在として、忌み嫌われる。彼は、自分に足りないゼブラ模様を手に入れるための旅に出かけることになるが、旅の途上で、水牛やダチョウたちと出会い、彼らと一緒に、ヒョウにさらわれた仲間を救いに向かう。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2013 長編コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2013 TIFF KIDS部門出品。


 ・“The Legend of Sarila”(カナダ) 監督:Nancy Florence Savard
 声の出演:クリストファー・プラマー、レイチェル・レフィヴレ(Rachelle Lefevre)、ダスティン・ミリガン(Dustin Milligan)、ティム・ロゾン(Tim Rozon)、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド
 物語:北極圏のツンドラ地帯。突然、動物たちが姿を消し、イヌイットたちに飢餓の危険が迫る。勇敢な若者Markussiは、シャーマンであるKiliqの反対にも関わらず、仲間のPutulikとApik、そしてレミングのKimiとともに、Sarilaを目指す。Sarilaこそは、魚や獲物、果物が豊富な伝説の土地だった。彼らは、いくつもの危険と出会い、また、嫉妬深いシャーマンが彼らの後を追っていた……。
 カナダ初の長編3Dアニメーション。
 ズリーン国際映画祭2013出品。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2013 アウト・オブ・コンペティション部門出品。

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 ・『リオ2096』“Rio: 2096 A Story of Love and Fury(Uma História De Amor E Fúria)”(ブラジル) 監督:ルイス・ボロネーズィ(Luiz Bolognesi)
 物語:愛するジャナイナと彼女の生まれ変わりを求めて、600年の時を越えて、生き続ける戦士の物語で、その機会は、ブラジル史における4つの時代に、それぞれ一度ずつ訪れる。1500年、ポルトガル人がブラジルを発見した時代。1800年、奴隷制が支配的だった時代。1970年、独裁制が敷かれていた時代。2096年、水上での戦いが繰り広げられる。主人公は、死ぬと鳥に姿を変える。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2013 長編コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 ラテンビート映画祭2013にて上映。


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 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2013 長編アニメーション賞 エントリー作品21作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_1.html
 ・米国アカデミー賞2012 長編アニメーション賞 エントリー作品18作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_12.html
 ・米国アカデミー賞2011 長編アニメーション賞 エントリー作品15作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_24.html
 ・米国アカデミー賞2010 長編アニメーション エントリー作品20作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_21.html

 ・米国アカデミー賞2014 長編ドキュメンタリー賞候補 151作品一覧:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_1.html

 ・米国アカデミー賞2014 短編ドキュメンタリー賞ショートリスト発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_23.html

 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その1(~クロアチア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_8.html
 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その2(コロンビア~フィンランド):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_24.html
 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その3(ブラジル~):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_42.html
 ・『舟を編む』、または、米国アカデミー賞 外国語映画賞 日本代表作品 データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_10.html
 ・完全ガイド! 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201310/article_3.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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