『そして父になる』 脚本賞受賞! アブダビ国際映画祭2013 受賞結果(続き)

 アブダビ国際映画祭2013の受賞結果の続きです。

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 【ショーケース部門】 (Showcase)

 ◆観客賞/The 2013 Abu Dhabi Film Festival Audience Choice Award ($40,000)
 ◎“Enough Said”(米) 監督:ニコル・ホロフスナー(Nicole Holofcener)
 出演:ジュリア・ルイス=ドレイファス、キャサリン・リーナー、ジェームズ・ガンドルフィニ、トニ・コレット、ベン・ファルコーン、イヴ・ヒューソン、Tavi Gevinson
 物語:エヴァは離婚して独り暮らしになり、これからどうすればいいのか悩む。彼女は、完全に自己実現を果たしている女性マリアンヌに会う。中年のシングル女性として、外見的にも立ち直ったエヴァは、新しいロマンスの相手を、やさしくて、面白くて、志を同じくするアルバートに決める。しかし、驚いたことに、アルバートは、マリアンヌの元夫なのだった。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ◆Child Protection Award 脚本賞
 ◎『そして父になる』(日) 監督:是枝裕和

 ◆NETPAC賞
 ◎『ハーモニー・レッスン』“Harmony Lessons(Uroki garmonii)”(カザフスタン・仏・独) 監督:エミール・バイガジン(Emir Baigazin)
 出演:Timur Aidarbekov、Aslan Anarbayev、Mukhtar Anadassov、Anelya Adilbekova、Beibitzhan Muslimov
 物語:13歳のアルスランは、健康診断で、みんなの前で恥をかかされて、それがその後の彼の性格に影を落とすことになった。彼は、潔癖症で、完璧主義になり、自分の身の回りのことをすべてコントロールしないではいられなくなった。彼は。カザフスタンの村におばあちゃんと一緒に暮らしていたが、そうした生活も限界に近づいていた。アルスランのいじめっ子の1人、ボラットは、年少者を恐喝し、彼らを守るためと称して、彼らからお金を巻き上げていたが、アルスランのことは侮蔑し、仲間はずれにしていた。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。芸術貢献賞(銀熊賞:Aziz Zhambakiyev(撮影))、ベルリナー・モルゲンポスト紙読者賞受賞。
 トライベッカ映画祭2013 新人監督コンペティション ナラティヴ部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品。
 モントリオール世界映画祭2013 ワールド・グレイト部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 Zabaltegi部門出品。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DARE部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 東京フィルメックス2013 コンペティション部門出品。

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 【短編コンペティション部門】

 ※審査員:Mohamad Malas(シリア/審査員長)、Hala Khalil(エジプト)、Jenle Hallund(デンマーク)、Khalid Al Mahmood(UAE)、Matthieu Darras(仏)

 ◆最優秀ナラティヴ作品賞/Best Narrative (USD 25’000)
 ◎“The Wound(Obida)”(ロシア) 監督:Anna Budanova

 ◆最優秀アラブ作品賞/Best Film from the Arab World (USD 20,000)
 ◎“Though I Know The River Is Dry”(パレスチナ・エジプト・カタール) 監督:Omar Robert Hamilton

 ◆最優秀ドキュメンタリー賞/Best Documentary (USD 20,000)
 ◎“Le Jour A Vaincu La Nuit”(仏) 監督:Jean-Gabriel Periot

 ◆最優秀アニメーション賞/Best Animated Short Film (USD 20,000)
 ◎“Reality 2.0”(独・メキシコ) 監督:Victor Orozco Ramirez

 ◆最優秀プロデューサー賞/Best Producer (USD 10,000)
 ◎Saïd Hamish “Zakaria”(仏・チュニジア)(監督:Leyla Bouzid)

 ◆最優秀プロデューサー賞 アラブ部門/Best Producer from the Arab World (USD 10,000)
 ◎Djaber Debzi “The Days Before”(アルジェリア) 監督:Karim Moussaoui

 ◆Child Protection Award スペシャル・メンション
 ◎“The Queen”(アルゼンチン) 監督:Manuel Abramovich
 ◎“Agri And The Mountain”(トルコ) 監督:Hasan Serin

 【The Emirates Film Competition】

 ※UAE、アラビア半島諸国で製作された短編のコンペティション部門。

 ※審査員:Ahmed Rachedi(アルジェリア/審査員長)、Oday Rasheed(イラク)、Taleb Al-Refai(クウェート)、Hafiz Abdulla(カタール)、Fadel Al Muhairi(UAE)

 [短編ナラティヴ・コンペティション](Short Narrative Competition)

 ◆第1席/First Prize(AED 30,000)
 ◎“Bidoon”( ) 監督:Mohammed Al Ibrahim

 ◆第2席/Second Prize (AED 25,000)
 ◎“With Time”(UAE・サウジアラビア) 監督:Malak Quota

 ◆審査員特別賞/Special Jury Award (AED 25,000)
 ◎“Daddy ABC”(UAE) 監督:Hamad Al Awar

 ◆Best Emirati Film (AED 25’000)
 ◎“Daddy ABC”(UAE) 監督:Hamad Al Awar

 ◆脚本賞/Best Script Award (AED 10’000)
 ◎Mohammed Al Ibrahim “Bidoon”( )

 [学生短編ナラティヴ・コンペティション](Student Short Narrative Competition)

 ◆第1席/First Prize (AED 20,000)
 ◎“I Don’t Understand”( ) 監督:Noura Al Zarouni

 ◆第2席/Second Prize (AED 15,000)
 ◎“Mirror”(UAE) 監督:Ameera Madhi

 ◆第3席/Third Prize (AED 10,000)
 ◎“Grief”(UAE) 監督:Omnia Al Afifi

 ◆撮影賞/Best Cinematography Award (AED 10’000)
 ◎Hamda Al Qubaisi “Mirror”(UAE)

 [短編ドキュメンタリー・コンペティション](Short Documentary Competition)

 ◆第1席/First Prize (AED 30,000)
 ◎“Feeding Five-Hundred”( ) 監督:Rafed Al Harthi、Ray Haddad

 ◆第2席/Second Prize (AED 25,000)
 ◎“Temsa7”(カタール) 監督:Latifa Al Darwish、Rouda Al Meghaiseeb

 ◆審査員特別賞/Special Jury Award (AED 25,000)
 ◎“Bader”(カタール) 監督:Latifa Al Darwish、Sara Al Saadi、Maaria Assami

 [学生短編ドキュメンタリー・コンペティション](Student Short Documentary Competition)

 ◆第1席/First Prize (AED 20,000)
 ◎“Oops!”( ) 監督:Reem Al Meqbali

 ◆第2席/Second Prize (AED 15,000)
 ◎“Silent Art”(UAE) 監督:Hana Mire

 ◆第3席/Third Prize (AED 10’000)
 ◎“Against The Wind”(UAE) 監督:Aisha Abdulla

 【Our World Competition】

 ※環境問題を扱った作品を対象とする。

 ◎“Fatal Assistance(Assistance mortelle)”(仏・ハイチ・米・ベルギー) 監督:ラウル・ペック [UAEプレミア]
 ハイチ大地震から2年。国際的な開発や人道的支援がいかに間違ったものであったか、「再建」の痛ましい裏側が描かれる。約束されたお金は届かない。国際的な機関やNGO団体、ビル・クリントン、そしてハリウッド・スターまでが押しかけて、どんちゃん騒ぎを繰り広げる。「援助」が最優先され、ハイチの機関や、政府、大統領、一般市民の生活がままならなくなる……。
 バリャドリッド国際映画祭2013 タイム・オブ・ヒストリー部門出品。

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 【特別賞・名誉賞】

 ◆キャリア貢献賞/Black Pearl Career Achievement Award
 ◎ヒアム・アッバス

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 ◆中東フィルムメーカー・オブ・ザ・イヤー(The Variety Middle East Filmmaker of the Year Award)
 ◎メルザック・アルアッシュ(Merzak Allouache)

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 後発の映画祭が注目され、「よい作品」を集めるのはなかなか大変で、マイナーでもいいから、ワールド・プレミア作品を中心に集めるとか、国際的に作品をアピールしたいと考える新人監督の作品を中心にラインナップを組むとか、特定のジャンルに絞って作品を集めるとか、国や地域の作品の紹介に積極的に力を入れるとか、いろいろやり方はあると思いますが、どうもアブダビ国際映画祭はちょっと趣向が違うようです。

 3大映画祭のコンペ作品は、後続の映画祭では、コンペ部門に入れる(入れられる)としても1~2本がせいぜいで、そのほかは上映するとしても、ガラ部門や特別招待作品というのが、普通ですが、アブダビ国際映画祭では、ナラティヴ長編コンペティション部門に、ベルリン国際映画祭のコンペ作品が1本、カンヌ国際映画祭のコンペ作品が1本、さらにベネチア国際映画祭のコンペ作品が4本も入っています(あとドキュメンタリー部門にもベネチアのコンペ作品が1本あります)。世界に映画祭はたくさんありますが、他にこんな映画祭は例がありません。

 3大映画祭のコンペティション部門に出品することで、作品としては世界に向けて大いにアピールできているはずで、あえて後発の映画祭のコンペティション部門に入れて、(マイナーな映画祭で)何も獲れないで終わるかもしれないという危険を冒すこともないと思いますが、アブダビ国際映画祭に限って、こぞってコンペ入りさせたいと考えるというのは、やっぱり賞金が魅力だから、でしょうか。

 一般的には、映画祭で大きな賞を受賞しても、与えられるのは名誉だけで、賞金はなしか、ごくわずかにとどまるというのが普通らしいのですが、アブダビ国際映画祭は、ナラティヴ長編コンペティション部門の最優秀作品賞で10万ドル(約1000万円近く)ももらうことができます。

 映画祭の公式サイトを見ても、賞金について記してあるところは多くはないので、これが全世界的に見てどのくらいのレベルなのかはよくわかりませんが、試しに東京国際映画祭と釜山国際映画祭の賞金を調べてみると―

 東京国際映画祭
 サクラグランプリ:5万USドル
 審査員特別賞:2万USドル
 監督賞、男優賞、女優賞、芸術貢献賞:5000USドル

 釜山国際映画祭
 ニュー・カレント賞:3万USドル

 となっています。

 東京国際映画祭の賞金すべて足しても、アブダビ国際映画祭の1つの賞金にすらかないません。

 アブダビ国際映画祭は、賞金総額では、東京国際映画祭の6倍以上となる賞金(60万USドル以上)を使っていることになります。
 これだけお金をくれるのであれば、積極的にコンペ部門に出品しようという気にもなりますよね。

 アブダビ国際映画祭での受賞といったって、フィルモグラフィーとしては、受賞歴に1行加わるだけで、今のところ作品の格を上げるようなものにはなっていませんが、次につなげるものとして、この賞金は大きいですね。

 ちなみに、Screen Dailyが、上映作品のレビューをせっせとHPにアップしてるみたいですね。

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 *当ブログ記事

 ・アブダビ国際映画祭2013 受賞結果 その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_4.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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