撮影監督の祭典! Camerimage 2013 受賞結果!

 第21回Camerimage(11月16日-23日)の各賞が発表になりました。

 Camerimageは、The International Film Festival of the Art of Cinematographyとも言い、今年で21回を迎える、撮影部門に特化した国際映画祭で、毎年、ポーランドで開催されています。

 「映画賞」では、撮影部門に特化したものはいくつかありますが、「映画祭」では、おそらく世界で唯一のもので、メイン・コンペティション、ポーランド・コンペティション、学生コンペティション、長編と短編のドキュメンタリー・コンペティションなど、10のコンペティション部門を持ち、視覚的、美学的、技術的に優れた作品をピックアップし、表彰しています。

 下記では、メイン・コンペティション部門のみ、エントリー作品を書き出していますが、そのほかの部門もなかなかのラインナップで、各国の映画賞レースで上位を争うような作品が数多くエントリーされています。

 近年のメイン・コンペティション部門受賞作は、以下のようになっています。

 【2012年】
 金の蛙賞:『魔女と呼ばれた少女』(カナダ) 監督:キム・グエン 撮影監督:ニコラ・ボルデュク
 銀の蛙賞:『ホーリー・モーターズ』(仏・独) 監督:レオス・カラックス 撮影監督:キャロリーヌ・シャンプティエ
 ブロンズの蛙賞:『サイの季節』(イラク(クルディスタン)・トルコ) 監督:バフマン・ゴバディ 撮影監督:Touraj Aslani

 【2011年】
 金の蛙賞:『ソハの地下水道』(独・ポーランド) 監督:アニエスカ・ホランド 撮影監督:ヨランダ・ディレウスカ
 銀の蛙賞:『別離』(イラン) 監督:アスガー・ファルハディ 撮影監督:マームード・カラリ
 ブロンズの蛙賞:“Wuthering Heights”(英) 監督:アンドレア・アーノルド 撮影監督:ロビー・ライアン

 【2010年】
 金の蛙賞:“Venice(Wenecja)”(ポーランド) 監督:Jan Jakub Kolski 撮影監督:Arthur Reinhart
 銀の蛙賞:“Silent Souls”(ロシア) 監督:アレクセイ・フェドルチェンコ 撮影監督:ミハイル・クリチマン(Mikhail Krichman)
 ブロンズの蛙賞:『[リミット]』(西) 監督:ロドリゴ・コルテス 撮影監督:エドゥアルド・グラウ(Eduard Grau)

 本年度の受賞結果は、以下の通りです。

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 【メイン・コンペティション部門】

 ・『ラッシュ プライドと友情』(英・米・独) 監督:ロン・ハワード 撮影監督:アンソニー・ドッド・マントル
 ・“Home from Home - Chronicle of a Vision”(仏・独) 監督:エドガー・ライツ(Edgar Reitz) 撮影監督:ジャエノ・ロール(Gernot Roll)
 ・“Mary Queen of Scots”(スイス・仏) 監督:トーマス・イムバッハ(Thomas Imbach) 撮影監督:Rainer Klausmann
 ・『シャーリー リアリティーのビジョン』“Shirley - Visions of Reality”(オーストリア) 監督:グスタフ・ドイチュ(Gustav Deutsch) 撮影監督:ジャジー・パラツ(Jerzy Palacz)
 ・“Life feels good”(ポーランド) 監督:Maciej Pieprzyca 撮影監督:Paweł Dyllus
 ・“Burning Bush”(チェコ) 監督:アニエスカ・ホランド 撮影監督:マルティン・ストルバ(Martin Strba)
 ・“Concrete Night”(デンマーク・フィンランド・スウェーデン) 監督:ピルヨ・ホンカサロ 撮影監督:ピーター・フリンケンバリ(Peter Flinckenberg)
 ・『イーダ』“Ida”(ポーランド) 監督:パヴェウ・パウリコフスキ(Paweł Pawlikowski) 撮影監督:Łukasz Żal、リシャルト・レンチェウスキ(Ryszard Lenczewski)
 ・“Inside Llewyn Davis”(米・仏) 監督:ジョエル&イーサン・コーエン 撮影監督:ブリュノ・デルボネル
 ・『大統領の執事の涙』(米) 監督:リー・ダニエルズ 撮影監督:アンドリュー・ダン
 ・『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(米) 監督:アレクサンダー・ペイン 撮影監督:フェドン・パパマイケル
 ・“Twelve Years a Slave”(米) 監督:スティーヴ・マックイーン 撮影監督:ショーン・ボビット
 ・『エリ』“Heli”(メキシコ・仏・オランダ・独) 監督:アマ・エスカランテ(Amat Escalante) 撮影監督:Lorenzo Hagerman
 ・“Paradise for the Damned”(アルゼンチン) 監督:Alejandro Montiel 撮影監督:ソル・ロパーチン(Sol Lopatin)

 ※審査員:ドニ・ルノワール(Denis Lenoir:撮影監督)、トム・スターン(撮影監督)、アダム・ホレンダー(Adam Holender:撮影監督)、エド・ラッハマン(Ed Lachman:撮影監督)、ティモ・サルミネン(Timo Salminen:撮影監督)、トッド・マッカーシー(映画批評家/監督)、フランツ・ラスティグ(Franz Lustig:撮影監督)、ジェフリー・キンボール(Jeffrey Kimball:撮影監督)

 ◆金の蛙賞(Golden Frog)
 ◎『イーダ』“Ida”(ポーランド) 監督:パヴェウ・パウリコフスキ(Paweł Pawlikowski) 撮影監督:Łukasz Żal、リシャルト・レンチェウスキ(Ryszard Lenczewski)

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 『イーダ』“Ida(Sister of Mercy)”(ポーランド・デンマーク) 監督:パヴェウ・パヴリコフスキ(Pawel Pawlikowski)
 物語:1962年。アンナには親はなく、修道院で修道女に育てられた。宣誓を行なう前に、彼女は親族の唯一の生き残りであるワンダに会いに行くことに決める。ワンダは、アンナがユダヤ人だと話す。2人は、家族に何があったかを探るべく旅に出て、自分の信念と信仰を確かめる。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 釜山国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 グディニャ国際映画祭2013 最優秀作品賞(Golden Lion)、プロデューサー賞(Golden Lion)、主演女優賞(Silver Lion:Agata Kulesza)、美術賞、ライジング・スター賞(Agata Trzebuchowska)、Apart Special Award(Agata Trzebuchowska)、ドン・キホーテ賞(ポーランド映画デスカッションクラブ連盟賞)、Arthouse Cinemas Network Award、ジャーナリスト賞受賞。
 ロンドン映画祭2013 オフィシェル・コンペティション部門。最優秀作品賞受賞。
 ワルシャワ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。ワルシャワ・グランプリ、エキュメニカル審査員賞受賞。
 アブダビ国際映画祭2013 ナラティヴ長編コンペティション部門出品。
 ヒホン国際映画祭2013 オフィシャル・セレクション出品。最優秀作品賞(Premio Principado de Asturias)、女優賞(Agata Kuleska)、脚本賞、美術賞、ヤング審査員賞受賞。

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 ◆銀の蛙賞(Silver Frog)
 ◎『エリ』“Heli”(メキシコ・仏・オランダ・独) 監督:アマ・エスカランテ(Amat Escalante) 撮影監督:Lorenzo Hagerman

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 ◆ブロンズの蛙賞(Bronze Frog)
 ◎“Inside Llewyn Davis”(米・仏) 監督:ジョエル&イーサン・コーエン 撮影監督:ブリュノ・デルボネル

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 【ポーランド・コンペティション部門】(Polish Films Competition)

 ◆最優秀ポーランド映画(Best Polish Film)
 ◎“The Girl from the Wardrobe”(ポーランド) 監督:Bodo Kox 撮影監督:アルカディウス・トミアク(Arkadiusz Tomiak)

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 ・“Dziewczyna z szafy(The Girl from the Wardrobe)”(ポーランド) 監督:Bodo Kox
 物語:TomekとJecekの兄弟と、隣人のMagdaの物語。3人はそれぞれ孤独と疎外感を味わっている。Magdaは猜疑心が強くて自分から孤立し、Tomekは、サヴァン症候群で孤立し、Jecekは、ウェブの管理人をしつつ、病気のTomekの面倒を見ているが、インターネットを通してしか世界と向き合えていなかった。Jecekは、でかける時は、いつも隣人にTomekの世話を頼むが、ある時、いつも頼んでいる人に頼めなくて、最近やってきたばかりのMagdaに助けを求めることになる。
 ポーランド人俳優Bodo Koxの初監督長編。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 イースト・オブ・ウェスト コンペティション部門出品。
 レインダンス映画祭2013 第1回作品コンペティション部門出品。

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 【学生コンペティション部門】(Student Etudes Competition)

 ◆金のおたまじゃくし賞(Laszlo Kovacs Student Award – The Golden Tadpole
 ◎“Such a Landscape”(ポーランド) 監督:Jagoda Szelc 撮影監督:Zuzanna Pyda 学校:Państwowa Wyższa Szkoła Filmowa, Telewizyjna i Teatralna im. L.Schillera w Łodzi (PWSFTviT)

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 ◆銀のおたまじゃくし賞(Silver Tadpole)
 ◎“Zinneke”(ポーランド) 監督:Rémi Allier 撮影監督:Erika Meda 学校:Institut des Arts de Diffusion (IAD)

 ◆ブロンズのおたまじゃくし賞(Bronze Tadpole)
 ◎“Funeral of Harald Kramer”(ポーランド) 監督:Marc Schlegel 撮影監督:Anselm Hartmann 学校:Institut für Film und Fernsehen FILMAKADEMIE WIEN

 ◆特別賞(Polish Film Institute and Mastershot Special Award for Best Cinematography in the Student Etudes Competition)
 ◎“Magnesium”(ポーランド) 監督:Sam De Jong 撮影監督:Paul Özgür 学校:Nederlandse Filmacademie - Netherlands Film Academy

 【長編ドキュメンタリー・コンペティション部門】(Feature Length Documentary Films Competition)

 ◆金の蛙賞(Golden Frog — Grand Prix)
 ◎『冬の遊牧民』“Winter Nomads”(スイス) 監督:マニュエル・フォン・ストゥーラー(Manuel von Stürler) 撮影監督:Camille Cottagnoud

 ◆スペシャル・メンション(Special Mention)
 ◎“Matthew's Laws”(オランダ) 監督:Marc Schmidt 撮影監督:Aage Hollander、Marc Schmidt

 【短編ドキュメンタリー・コンペティション部門】(Short Documentary Films Competition)

 ◆金の蛙賞(Golden Frog — Grand Prix)
 ◎“Grandpa and Me and a Helicopter to Heaven”(スウェーデン) 監督:Åsa Blanck、Johan Palmgren 撮影監督:Johan Palmgren

 ◆スペシャル・メンション(Special Mention)
 ◎“Not Anymore: A Story of Revolution”(米) 監督:Matthew VanDyke 撮影監督:Matthew VanDyke

 【新人監督コンペティション部門】(Directors’ Debuts Competition)

 ◆新人監督賞(Best Directorial Debut)
 ◎“Augustine”(仏) 監督:Alice Winocour 撮影監督:ジョルジュ・ルシャプトワ(Georges Lechaptois)

 【新人撮影監督コンペティション部門】(Cinematographers’ Debuts Competition)

 ◆新人撮影監督賞(Best Cinematography Debut)
 ◎“Medeas”(メキシコ・伊・米) 監督:Andrea Pallaoro 撮影監督:Chayse Irvin

 【3D映画コンペティション部門】(3D Films Competition)

 ◆最優秀3Dドキュメンタリー賞(Best 3D Documentary Film)
 ◎『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(独・仏・英) 監督:ヴィム・ヴェンダース 撮影監督:エレーヌ・ルヴァール(Hélene Louvart)

 ◆最優秀3D映画賞(Best 3D Feature Film)
 ◎『ゼロ・グラビティ』(米) 監督:アルフォンソ・キュアロン 撮影監督:エマニュエル・ルベツキ

 【ミュージック・ビデオ コンペティション部門】(Music Videos Competition)

 ◆最優秀ミュージック・ビデオ賞(Best Music Video)
 ◎Gesaffelstein 'Pursuit'(仏) 監督:Fleur & Manu 撮影監督:Nicolas Loir

 ◆最優秀撮影賞(Best Cinematography In A Music Video)
 ◎Ghostpoet 'Cold Win'(仏) 監督:Cyrille de Vignemont 撮影監督:Nicolas Loir

 【広告スポット コンペティション部門】(Advertising Spots Competition „European Funds In Focus… New Perspective)

 ◆メイン賞(Main Award)
 該当作なし

 ◆スペシャル・メンション(The Special Mention)
 ◎The Ministry of Regional Development for a series of commercials „Każdy korzysta, nie każdy widzi” (Everyone benefits, not everyone sees).

 【特別賞・名誉賞】

 ◆生涯貢献賞(Lifetime Achievement Award)
 ◎スワヴォミール・イジャック(Sławomir Idziak)
 スワヴォミール・イジャックは、『傷跡』『殺人に関する短いフィルム』『ふたりのベロニカ』『トリコロール/青の愛』などクシシュトフ・キェシロフスキ作品を手がけたポーランド出身の撮影監督で、そのほか、『太陽の年』『悲愴』『ガタカ』『アイ ウォント ユー』『プルーフ・オブ・ライフ』『ブラックホーク・ダウン』『キング・アーサー』『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』などを手がけています。

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 ◆最優秀デュオ賞(Cinematographer - Director Duo Award)
 ◎マーク・フォスター、ロベルト・シェイファー(Roberto Schaefer)
 監督のマーク・フォスターと撮影監督のロベルト・シェイファーは、『チョコレート』『ネバーランド』『ステイ』『主人公は僕だった』『君のためなら千回でも』『007/慰めの報酬』『マシンガン・プリーチャー』でコンビを組んでいます。

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 ◆最優秀ドキュメンタリー・フィルムメイキング賞(Outstanding Achievements in Documentary Filmmaking)
 ◎ジョーン・チャーチル(Joan Churchill)
 ジョーン・チャーチルは、『ザ・ヒストリー・オブ・アメリカン・コミックス』や『カート&コートニー』、『ビギー&トゥパック』などの撮影を手がける撮影監督で、『シリアル・キラー アイリーン 「モンスター」と呼ばれた女』の監督。

 ◆俳優-監督 特別賞(Special Award for Actor-Director)
 ◎ジョン・タトゥーロ

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 ◆プロダクション・デザイナー賞(Award for Production Designer with Unique Visual Sensivity)
 ◎リック・カーター

 ◆編集賞(Award for Editor with Unique Visual Sensivity)
 ◎ジョエル・コックス(Joel Cox)
 ジョエル・コックスは、クリント・イーストウッド作品を多く手がける映画編集技師。

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 ◆ミュージック・ビデオ貢献賞(Award for Outstanding Achievements in the Field of Music Videos)
 ◎サミュエル・ベイヤー(Samuel Bayer)
 サミュエル・ベイヤーは、Green Dayやマリリン・マンソンなど数多くのミュージック・ビデオを手がける映像作家で、『エルム街の悪夢』(2010)の監督。

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 忙しいはずの撮影監督たちがこれだけ一堂に会するのは、この映画祭がそれだけ権威のある映画祭である証拠であり、また、普段はねぎらわれることの少ない撮影監督たちの晴れの舞台のために、他の映画スタッフもスケージュールを空けて、彼らがこの映画祭に出席できるようにしてくれているのだろうと思われます。

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 *当ブログ記事

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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