アミアン国際映画祭2013 受賞結果!

 第33回アミアン国際映画祭(11月8日-16日)の受賞結果です。)

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 【長編コンペティション部門】

 ・“Bobô”(ポルトガル) 監督:Inês Oliveira
 ・“Les Rencontres d’après minuit”(仏) 監督:Yann Gonzalez
 ・『馬々と人間たち』“Of Horses and Men(Hross I oss)”(アイスランド) 監督:ベネディクト・エルリングソン
 ・“When I Saw You (Lamma Shoftak)”(パレスチナ・ヨルダン・UAE・ギリシャ) 監督:Annemarie Jacir
 ・『ハーモニー・レッスン』“Leçons d’harmonie(Uroki garmoni)”(カザフスタン・仏) 監督:エミール・バイガジン
 ・“El Condor Pasa”(韓) 監督:チョン・スイル(Jeon Soo-Il)
 ・“La vida después(The Life After)”(メキシコ) 監督:David Pablos
 ・“A gente”(ブラジル) 監督:Aly Muritiba

 ※審査員:ステファーヌ・ブリゼ、ジェラール・ドゥ・バティスタ(Gérard de Battista:撮影監督)、Hélène Ruault (脚本家)、ニコラ・サルキシアン(Nicolas Sarkissian:監督・脚本家・編集)、Sonia Rolland(女優)

 ◆グランプリ/ゴールデン・ユニコーン賞(Prix du long métrage (Licorne d'Or))
 ◎『ハーモニー・レッスン』“Leçons d’harmonie(Uroki garmoni)”(カザフスタン・仏) 監督:エミール・バイガジン

 『ハーモニー・レッスン』“Harmony Lessons(Uroki garmonii)”(カザフスタン・仏・独) 監督:エミール・バイガジン(Emir Baigazin)
 出演:Timur Aidarbekov、Aslan Anarbayev、Mukhtar Anadassov、Anelya Adilbekova、Beibitzhan Muslimov
 物語:13歳のアルスランは、健康診断で、みんなの前で恥をかかされて、それがその後の彼の性格に影を落とすことになった。彼は、潔癖症で、完璧主義になり、自分の身の回りのことをすべてコントロールしないではいられなくなった。彼は。カザフスタンの村におばあちゃんと一緒に暮らしていたが、そうした生活も限界に近づいていた。アルスランのいじめっ子の1人、ボラットは、年少者を恐喝し、彼らを守るためと称して、彼らからお金を巻き上げていたが、アルスランのことは侮蔑し、仲間はずれにしていた。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。芸術貢献賞(銀熊賞:Aziz Zhambakiyev(撮影))、ベルリナー・モルゲンポスト紙読者賞受賞。
 トライベッカ映画祭2013 新人監督コンペティション ナラティヴ部門出品。審査員スペシャル・メンション受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品。
 モントリオール世界映画祭2013 ワールド・グレイト部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 Zabaltegi部門出品。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DARE部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 フィルムズ・フロム・ザ・サウス映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 ディスカバリー部門出品。NETPAC賞受賞。
 アブダビ国際映画祭2013 NETPAC賞受賞。
 アジア太平洋スクリーン・アワード2013 監督賞ノミネート。
 東京フィルメックス2013 コンペティション部門出品。

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 ◆アミアン市賞(Prix de la Ville d'Amiens)
 ◎『馬々と人間たち』“Of Horses and Men(Hross I oss)”(アイスランド) 監督:ベネディクト・エルリングソン

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 『馬々と人間たち』“Of Horses and Men(Hross í oss)”(アイスランド・独) 監督:ベネディクト・エルリングソン(Benedikt Erlingsson)
 物語:人と馬のアンサンブル映画。
 コルベイン(Kolbeinn)はソルヴェイグ(Solveig)を愛し、ソルヴェイグはコルベインを愛している。一方で、Kolbeinn は自分の勝ち馬でメスのGránaを愛し、Gránaは種馬のBrúnnを愛している。春が来て、人々は話に花を咲かせる。2人と2頭は四角関係になる。
 ヴェレンハルズル(Vernhardur)はウオッカを愛し、馬のJarpurは主人のヴェレンハルズルを愛している。Gengis という男が、ロシアのトロール漁船に乗って、ヴェレンハルズルのところに働きにやってくる。彼は、ウオッカは好まないが、Jarpurと同じく馬を愛している。2人の関係はうまくいきそうにない。
 Grimurは、1頭の馬を持ち、昔の馬道で馬を走らせるのが好きだ。エギル(Egill)は、馬派ではなく、トラクター派で、土地に鉄条網を張り巡らせる。馬を傷つける鉄条網に対し、Grimurはやっとこを用意する。2人の関係はうまくいきそうにない。
 Johannaは雌馬のRaudkaを愛しているが、Raudkaは自由を愛している。夏用の古いコテージが建つヒースにケガをした男が倒れている。この物語はハッピーエンドを迎えそうだ。
 Juan Camilloは人生と自然を愛し、アイスランド高地に神を捜している。老馬のPiebald はくたびれて、休ませて欲しいと感じている。この物語はどんな結末を迎えるだろうか。
 秋にはすべての物語が終わる。馬が集められ、人馬ともに興奮が最高頂に達する。テーマ、場所、物、登場人物がここに収斂する。
 アイスランド出身の舞台演出家で、2本の短編が多くの映画祭で高い評価を受けたベネディクト・エルリングソンの初監督長編。プロデューサーは、フリドリック・トール・フリドリクソン。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 ニュー・ディレクターズ部門出品。最優秀作品賞受賞。
 東京国際映画祭2013 コンペティション部門出品。最優秀監督賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 アイスランド代表。


 ◆男優賞(Prix d'interprétation masculine)
 ◎Timour Aidarbekov 『ハーモニー・レッスン』“Leçons d’harmonie(Uroki garmoni)”(カザフスタン・仏)

 ◆女優賞(Prix d'interprétation feminine)
 ◎シャーロッテ・ボーヴィング(Charlotte Boving)  『馬々と人間たち』“Of Horses and Men(Hross I oss)”(アイスランド)

 ◆SIGNIS賞
 ◎“When I Saw You (Lamma Shoftak)”(パレスチナ・ヨルダン・UAE・ギリシャ) 監督:Annemarie Jacir

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 “When I Saw You (Lamma Shoftak)”(パレスチナ・ヨルダン・UAE・ギリシャ) 監督:Annemarie Jacir
 物語:1967年のヨルダン。西岸の村が占領されて、11歳の少年Tarekとその母親Ghaydaaが難民キャンプに逃れてくる。彼らは、1948年にこの地にやってきたパレスチナ人たちの世代のようにまともな生活ができるようになるまでは、テントやプレハブでの生活を余儀なくされる。そうした生活は厳しく、また、Tarekは戦争の混乱の中ではぐれてしまった父親を見つけ、再び一緒に暮らしたいと考える。そんな彼は、やがて、自由を望む気持ちと持ち前の好奇心から、自分たちの生活を変えようと旅しているグループに惹かれていく。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 アブダビ国際映画祭2012 最優秀アラブ映画賞受賞。
 カイロ国際映画祭2012 審査員特別賞受賞。
 米国アカデミー賞2013外国語映画賞 パレスチナ代表。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。NETPAC賞受賞。
 サラエボ映画祭2013 イン・フォーカス部門出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2013 観客賞ノミネート。
 アジア太平洋スクリーン・アワード2013 児童映画賞ノミネート。

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 ◆観客賞(Prix Du Public)
 ◎“When I Saw You (Lamma Shoftak)”(パレスチナ・ヨルダン・UAE・ギリシャ) 監督:Annemarie Jacir

 【ヨーロッパ短編映画コンペティション部門】(compétition courts métrages européens)

 ◆男性審査員賞(Prix du quartier homes)
 ◎“Vikingar”(仏・アイスランド) 監督:Magali Magistry

 ◆女性審査員賞(Prix du quartier femmes)
 ◎“Le Maillot De Bain”(仏) 監督:Mathilde Bayle

 ◆スペシャル・メンション(Mention spéciale au film)
 ◎“Vikingar”(仏・アイスランド) 監督:Magali Magistry
 ◎“Le Maillot De Bain”(仏) 監督:Mathilde Bayle

 ◆ヤング・ユニコーン賞(Prix des Enfants de la Licorne)
 ◎“The Ballad Of Billy The Kid”(仏) 監督:Rodolphe Pauly

 ◆Fémis賞(Prix Fémis)
 La fémisの現役学生もしくは卒業生の短編作品に贈られる。
 ◎“Buenos Aires”(西) 監督:Daniel Gil Suarez

 【中編コンペティション部門】

 ◆最優秀中編映画賞(Prix du Moyen métrage)
 ◎“Mille Soleils”(仏) 監督:Mati Diop

 【製作助成】(18e Fonds d'aide au développement du scenario)

 ◎10000 €:“La Famille”(ベネズエラ) 監督:Gustavo Rondon Cordova

 ◎10000 €:“La Cour De Ma Mere”(コートジボワール) 監督:Idriss Diabaté

 ◎10000 €:“Mon Tissu Prefere”(シリア) 監督:Gaya Jiji

 ◎10000 €:“Territoria”(アルメニア) 監督:Nora Martirosyan

 ◎7 000 €:“Danse Silencieuse”(仏) 監督:Pradeepan Raveendran

 【特別賞・名誉賞】

 ◆キャリア・ユニコーン賞(Licorne d'or pour l'ensemble de sa carrière)
 ◎アソカ・ハンダガマ(Asoka Handagama:スリランカの監督)

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 ◎ドニ・ルノワール(デニス・レノア)(Denis Lenoir:フランスの撮影監督)

 ◎マイク・ホッジス

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 ◎Lam Lê(ベトナムの監督)

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 今年で33回目となるアミアン国際映画祭。

 受賞したような作品があったおかげで、コンペティション部門もなんとか形にはなっていますが、映画祭のメイン・プログラムとしてはちょっと物足りないですよね。

 フランスの一地方都市の映画祭だし、仕方がないのかなと思ったりもします。

 まあ、当の映画祭事務局はどう思っているかは知りませんが、実は、この映画祭は、コンペティション部門に比して、その他の部門が圧倒的に充実した映画祭になっています。

 本年度のプログラムは、ざっと以下のような構成になっています。

 1.コンペティション部門(3部門)

 2.レトロスペクティヴ

 3.オマージュ
 ・アソカ・ハンダガマ(Asoka Handagama:スリランカの監督):『マイ・ムーン』『この翼で飛べたら』『レター・オブ・ファイヤー』『兵士、その後』など6作品

 ・ドニ・ルノワール(デニス・レノア)(Denis Lenoir:フランスの撮影監督):『タンデム』『仕立て屋の恋』『キャリントン』『DEMONLOVER デーモンラヴァー』『エンジェル』『カルロス』など9作品と『ミラノ、愛に生きる』などヨリック・ル・ソーの2作品

 ・マイク・ホッジス:『狙撃者』『悪の紳士録』『電子頭脳人間』『フラッシュ・ゴードン』『死にゆく者への祈り』『ルール・オブ・デス/カジノの死角』『ブラザー・ハート』など、10プログラム(TV作品を含む)

 ・Lam Lê(ベトナムの監督):5作品

 4.Plein Sud(中南米映画特集):“La Jaula de oro”など 7作品

 5.スペシャル・プログラム:6プログラム(オープニング&クロージングを含む)

 6.プレビュー:4プログラム

 7.Parents/Children(児童映画プログラム):6作品

 8.イベント

 9.ミーティング/ワークショップ

 10.エキシビジョン

 「レトロスペクティヴ」には、5つの部門があります。

 ①タルサ オクラホマ シネマ(Tulsa Oklahoma Cinema)

 ②南アフリカのシネアスト
 ・オリヴァー・シュミッツ(Oliver Schmitz):2作品
 ・Ramadan Suleman:3作品
 ・Oliver Hermanus:2作品
 ・Pia Marais:1作品
 ・Cap au Sud:5作品

 ③メキシコSF(Mexico SF):5作品
 ・“El sexo fuerte”(1945) 監督:Emilio Gómez Muriel
 ・“La momia azteca vs el robot humano”(1957) 監督:Rafael Portillo
 ・“La nave de los monstrous”(1959) 監督:Rogelio A. González
 ・“El planeta de las mujeres invasoras”(1965) 監督:Alfredo B. Crevenna
 ・“Santo el enmascarado de plata vs la invasión de los marcianos”(1966) 監督:Alfredo B. Crevenna

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 ④その他のネオレアリズモ作品(L’Autre Neorealism):ヴィスコンティも参加しているオムニバス映画“Giorni di Gloria”(1945)など、9プログラム

 ⑤シネアスト ジェラール・ブラン(Gerard Blain Gerard Blain):『あこがれ』『いとこ同志』『汚れた英雄』『ハタリ!』の出演作品4作品+監督作品8作品

 「タルサ オクラホマ シネマ(Tulsa Oklahoma Cinema)」は、さらに9つの部門に細分化されています。
 西部劇から、ジョン・フォード、ウィル・ロジャース、ガス・ヴァン・サント、ラリー・クラーク、『ツイスター』までの一大特集で、全部で40作品もあります。

 ・「オクラホマ、約束の地」(Oklahoma, terre promise):『大列車強盗』『オクラホマ・キッド』『ブーム・タウン』『タルサ』『早射ち無宿』『オクラホマ!』など11作品

 ・「トム・ジョードの亡霊」(Les Fantômes de Tom Joad):『家なき少年群』『怒りの葡萄』『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』など5作品

 ・「タルサの子供たち」(Les Enfants de « Tulsa »):『アウトサイダー』『ドラッグストア・カウボーイ』『マイ・プライベート・アイダホ』『KIDS/キッズ』『BULLY ブリー』など8作品

 ・「ウィル・ロジャース ザ・オクラホマン」“Will Rogers The Oklahoman”:『ドクター・ブル』『プリースト判事』『周遊する蒸気船』

 ・「ザ・オキー・インサイド・ミー」“The Okie Inside Me”:『ゲッタウェイ』『キラー・インサイド・ミー』など4作品

 ・「彼らはタルサで生まれた」(Ils sont nés à Tulsa):『白昼の決闘』『ティファニーで朝食を』

 ・『ツイスター』
 など。

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 コンペティション部門以外の部門を書き出していたら、その内容に圧倒されてしまい、コンペティション部門はすっかり霞んでしまいました。

 特集にここまで力を入れる映画祭は、世界的に見てもそうは多くはないはずで、たぶん、アミアン映画祭は、フランス国内では「特集に力を入れている映画祭」として認識されているのではないかと思われます。

 個人的には、上記の中でも、メキシコのクラシックSFが気になりました。おそらくB級映画に違いありませんが(AIPのSF映画みたいな?)、ちょっと見てみたいですね。

 
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 *当ブログ記事

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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