日本人がらみの作品もいくつか ローマ国際映画祭2013 受賞結果!

 第8回ローマ映画祭(11月8日-17日)の各賞が発表されました。

 【ローマ国際映画祭】

 ローマ国際映画祭(Festival Internazionale del Film di Roma)は、トライベッカ映画祭に呼応する形で2002年に単発の映画祭として開催されたのが最初ですが、それが契機となって、2006年より毎年開催される映画祭として正式スタートしたまだ若い映画祭です。
 正式スタート以来まだ8回目ですが、ホストが首都ローマであり、イタリア経済のバックアップもあって、数多くの有名映画人が参加する映画祭となって、メディアの注目も集めています。
 2012年に、元ベネチア国際映画祭のディレクター、マルコ・ミュラーがディレクターに就任し、プログラム編成の思い切った変革を行ない、オフィシャル・セレクションをすべてワールド・プレミア作品に絞るなどして、大いに注目を集めました。
 今回は、マルコ・ミュラーがディレクターに就任して2年目の映画祭になります。

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 【オフィシャル・セレクション】

 ・“A Vida Invisível(The Invisible Life / La Vita Invisibile)”(ポルトガル) 監督:Vítor Gonçalves [ワールド・プレミア][第2回監督作品]
 ・“Another Me”(西・英) 監督:イザベル・コイシェ [ワールド・プレミア]
 ・“I Corpi Estranei(Foreign Bodies)”(伊) 監督:Mirko Locatelli [ワールド・プレミア][第2回監督作品]
 ・“Take Five”(伊) 監督:Guido Lombardi [ワールド・プレミア][第2回監督作品]
 ・“Tir”(クロアチア・伊) 監督:Alberto Fasulo [ワールド・プレミア][第2回監督作品]
 ・“Quod Erat Demonstrandum”(ルーマニア) 監督:Andrei Gruzsniczki [ワールド・プレミア][第2回監督作品]
 ・“Sorg Og Glæde(Sorrow And Joy)”(デンマーク) 監督:Nils Malmros [ワールド・プレミア]
 ・“Ben O Degilim(I Am Not Him)”(トルコ・ギリシャ・仏・独) 監督:Tayfun Pirselimoglu [ワールド・プレミア]
 ・“Gass(Acrid/Acre)”(イラン) 監督:Kiarash Asadizadeh [ワールド・プレミア][第1回監督作品]
 ・“Lanse Gutou(Blue Sky Bones/藍色骨頭)”(中) 監督:ツイ・ジェン(Jian Cui/崔健) [ワールド・プレミア][第1回監督作品]
 ・『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』“The Mole Song-Undercover Agent Reiji”(日) 監督:三池崇史 [ワールド・プレミア]
 ・『Seventh Code』“Seventh Code”(日) 監督:黒沢清 [ワールド・プレミア]
 ・“Out Of The Furnace”(米・英) 監督:スコット・クーパー [インターナショナル・プレミア][第2回監督作品]
 ・『ダラス・バイヤーズクラブ』(米) 監督:ジャン=マルク・ヴァレ [イタリア・プレミア]
 ・“Her”(米) 監督:スパイク・ジョーンズ [インターナショナル・プレミア]
 ・“Manto Acuífero”(メキシコ) 監督:Michael Rowe [インターナショナル・プレミア][第2回監督作品]
 ・“Entre Nós(Sheep's Clothing)”(ブラジル) 監督:Paulo Morelli、Pedro Morelli [インターナショナル・プレミア]
 ・“Volantin Cortao(Cut Down Kite)”(チリ) 監督:Diego Ayala、Anibal Jofré [インターナショナル・プレミア][第1回監督作品]

 ※審査員:ジェームズ・グレイ(審査員長)、Verónica Chen、ルカ・グァダニーノ、Aleksei Guskov、ノエミ・ルヴォフスキー、アミール・ナデリ、チャン・ユアン

 ◆最優秀作品賞/Golden Marc’Aurelio Award for Best Film
 ◎“Tir”(クロアチア・伊) 監督:Alberto Fasulo

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 “Tir”(クロアチア・伊) 監督:Alberto Fasulo
 物語:ブランコは、かつてはクロアチアのリエカで、教師をしていたが、今は、イタリアの会社のためにトラックの運転手をしている。教師より、トラックの運転手の方が3倍も稼げる。子供時代に、仕事が人間を気高くすると聞いたが、その逆もあるのではないかと思う。効率性、意地、善意。何でも値段がつけられているのはわかっているが、すべてがお金で測れるわけではない。しかし、この仕事をしていると、お金に使われているような気がして、不条理で、人間疎外を味わうのだ。

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 ◆監督賞(Best Director Award)
 ◎黒沢清 『Seventh Code』“Seventh Code”(日)

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 『Seventh Code』“Seventh Code”(日) 監督:黒沢清
 物語:「ロシア・ウラジオストク。高山秋子(前田敦子)は、東京で知り合い食事をした松永(鈴木亮平)が忘れられず、この街にやってきた。再会した松永は秋子のことを覚えていなかったが、「外国では絶対に人を信じてはいけない」と諭して、秋子の前から姿を消す。秋子は松永を探すが、その途中、マフィアに襲われ、郊外の荒れ地にボロボロにされて捨てられる。荷物もお金もすべて盗まれてしまった秋子は、何とかして街に戻り、空腹を満たすために日本人の斉藤(山本浩司)が経営する食堂に入る。秋子は斉藤に頼み込み、食堂で働きながら再び松永を探し始める。そんなある日、松永の車が店の前を通り過ぎ、秋子と斉藤は車の後をついて追いかけていくが…。」

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 ◆審査員特別賞(Special Jury Prize)
 ◎“Quod Erat Demonstrandum”(ルーマニア) 監督:Andrei Gruzsniczki

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 “Quod Erat Demonstrandum”(ルーマニア) 監督:Andrei Gruzsniczki
 物語:1984年のルーマニア。数学者が、当局の許可なしで、アメリカの雑誌に論文を発表する。それは、彼の友人の人生を変えてしまうほどの事態を巻き起こす。

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 ◆男優賞
 ◎マシュー・マコノヒー 『ダラス・バイヤーズクラブ』(米)

 『ダラス・バイヤーズクラブ』(米) 監督:ジャン=マルク・ヴァレ
 出演:マシュー・マコノヒー、ジェニファー・ガーナー、ジャレッド・レト
 物語:ロン・ウッドラフの実話に基づく物語。1986年、ロン・ウッドラフは、静脈注射薬物乱用で、HIVに感染し、余命いくばくもないと宣告される。しかし、自分と仲間のために、Dallas Buyer Clubを結成して、アメリカでは禁止されている代替薬を手に入れて、生き延びようとする。それは、やがてアメリカ食品医薬品局(FDA)に目をつけられることになり、1992年9月12日に彼が死ぬまで、闘いが繰り広げられる。

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 ◆女優賞
 ◎スカーレット・ヨハンソン “Her”(米)

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 “Her”(米) 監督:スパイク・ジョーンズ
 出演:スカーレット・ヨハンソン、エイミー・アダムス、オリヴィア・ワイルド、ルーニー・マーラ、クリス・プラット、ホアキン・フェニックス
 物語:近未来のロサンゼルス。セオドアは、傷ついた心を慰めるため、個人的な手紙を書いては他人に送っている。ある日、彼は、ユーザーの要求を満たしてくれる最新型のオペレーション・システムを買う。それは、明るい女性の声でしゃべるので、彼は、「彼女」にサマンサと名前をつける。サマンサは、洞察力に優れ、敏感で、ファニーだ。セオドアのサマンサへの想いは深まっていき、やがて「愛」としかいいようのないものに変わる……。

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 ◆エマージング俳優賞(Award for Emerging Actor or Actress)
 “Gass(Acrid/Acre)”(イラン)の全キャスト。

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 “Gass(Acrid/Acre)”(イラン) 監督:Kiarash Asadizadeh
 物語:ソヘイラとジャラルは中年の夫婦だが、ジャラルの無責任な行動のせいで、トラブルに陥っている。アザルは、ジャラルの医院の秘書で、子供が2人いるが、離婚を考えている。彼女の夫コスロは、自動車教習所の教師で、彼より2つ年上の生徒シミンとデートをする。シミンは、大学で化学を教えていて、彼女のクラスには、マーサという学生がいる。マーサもまたフィアンセに裏切られている……。

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 ◆脚本賞(Award for Best Screenplay)
 ◎Tayfun Pirselimoğlu “Ben O Degilim(I Am Not Him)”(トルコ・ギリシャ・仏・独)

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 “Ben O Degilim(I Am Not Him)”(トルコ・ギリシャ・仏・独) 監督:Tayfun Pirselimoglu
 物語:Nihatは、病院の食堂で働いている内気な従業員である。彼の職場に、皿洗いとしてミステリアスな女性Ayşeが働き始める。彼女は、明らかに彼に誘ってきていて、彼を戸惑わせる。しかも、彼女には、何年も刑務所に入っている夫がいるという噂があった。彼女からディナーに誘われた彼は、結局、その誘いを受け入れる。彼女は、夫の写真を見せてくれるが、写真に写っている男性は彼とうりふたつであった。そこから2人の関係は、奇妙で危険なものになる……。

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 ◆技術貢献賞(Award for Best Technical Contribution)
 ◎高橋幸一(編集) 『Seventh Code』“Seventh Code”(日)

 ◆スペシャル・メンション(Special Mention)
 ◎ツイ・ジェン(Jian Cui/崔健) “Lanse Gutou(Blue Sky Bones/藍色骨頭)”(中)

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 “Lanse Gutou(Blue Sky Bones/藍色骨頭)”(中) 監督:ツイ・ジェン(Jian Cui/崔健)
 物語:文化大革命時代、その女性は、美人として誉れ高かった。しかし、彼女が書いた「ロスト・シーズン」という詩が当局に目をつけられ、彼女は、田舎の村に下放される。彼女は、そこでひとりの男性と出会い、結婚し、チョンファという息子をもうける。しかし、その後、夫がスパイであったことを知る。彼女は、夫を撃って、国を去る。夫は、友人のおかげで一命を取り留めるが、やがて癌になる。彼は、死ぬ前に、息子に自分のことを話そうと決める……。
 『北京バスターズ』や『再見 また逢う日まで』などへの出演でも知られる歌手ツイ・ジェンの初監督長編。
 撮影は、クリストファー・ドイル。

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 ◇第1回/第2回作品賞(Taodue Golden Camera Award for Best First/Second Film)
 ◎“Out Of The Furnace”(米・英) 監督:スコット・クーパー

 “Out Of The Furnace”(米・英) 監督:スコット・クーパー
 出演:クリスチャン・ベール、ゾーイ・サルダナ、ウディ・ハレルソン、ウィレム・デフォー、サム・シェパード、フォレスト・ウィテカー、ケイシー・アフレック
 物語:ラッセルは、荒んだ生活をしている。昼は、地元の鉄工所でどん底の仕事をし、夜は死の病で伏している父の面倒を見ている。ある日、イラクで軍務に就いていた兄ロドニーが帰ってくる。彼は、ノースイーストで違法のレスリング・マッチをしている冷酷なグループに誘われて出て行き、そのまま行方不明になる。警察は満足に動いてくれない。失うものなんて何もない。そう考えたラッセルは、兄のために、独力で真相を探ろうとする。
 『クレイジー・ハート』のスコット・クーパー監督の第2作。

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 ◇観客賞(BNL Audience Award for Best Film)
 ◎『ダラス・バイヤーズクラブ』(米) 監督:ジャン=マルク・ヴァレ

 ◇Farfalla d’oro Prize – Agiscuola
 ◎『ダラス・バイヤーズクラブ』(米) 監督:ジャン=マルク・ヴァレ

 ◇撮影賞(AIC Prize for Best Cinematography)
 ◎イヴ・ベランジェ(Yves Belanger) 『ダラス・バイヤーズクラブ』(米)

 ◇編集賞(AMC Best Editing)
 ◎Johannes Hiroshi Nakajima “Tir”(クロアチア・伊)

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 受賞したJohannes Hiroshi Nakajimaは、名前からして、日本人、もしくは日系人のようですが、詳しい経歴はわかりませんでした。映画編集者としてのキャリアは、イタリアのドキュメンタリーを中心に10年以上あるようで、本年度ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したジャンフランコ・ロージ監督の“Below Sea Level”(2008)にもスタッフとして参加しています。

 【CINEMAXXI部門】

 ワールドシネマの長編・中短編のコンペティションとアウト・オブ・コンペティション部門。

 ※審査員:ラリー・クラーク(審査員長)、Ashim Ahluwalia、Yuri Ancarani、Laila Pakalnina、Michael Wahrmann

 ◆最優秀作品賞
 ◎“Nepal Forever”(ロシア) 監督:Aliona Polunina [ワールド・プレミア]

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 “Nepal Forever”(ロシア) 監督:Aliona Polunina
 物語:セント・ペテルスブルグの評議会のメンバーで、共産党の政治家である2人が、共産主義のグローバルな未来について心配している。彼らは、デリケートなミッションのためにチベットに向かう。彼らの目的は、「平等と友愛」の時代の夜明けを早めるために、対立する2つの党派を和解させることだった。しかし、共産主義の未来は依然として不透明なままだった……。

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 ◆審査員特別賞
 ◎“Birmingemskij ornament 2 (Birmingham Ornament 2)”(ロシア) 監督:Andrey Silvestrov、Yury Leiderman [ワールド・プレミア]

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 “Birmingemskij ornament 2 (Birmingham Ornament 2)”(ロシア) 監督:Andrey Silvestrov、Yury Leiderman
 出演:渡部真一(渋さ知らズ)ほか
 物語:伝統的な曲に乗せてサダム・フセインの死について歌うグルジア人コーラス、海辺のサムライ、ロシア詩人のマンデリシュタームとクリューエフとGorodezky、1930年代のモスクワ、釣りをするプーチンを描くロシア人画家……。
 2011年にベネチア国際映画祭 Orizzonti部門で上映されたアヴァンギャルド映画“Birmingemskij ornament”のパート2。

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 ◆最優秀短編映画賞
 ◎“Der Unfertige (The Incomplete)”(独) 監督:Jan Soldat [ワールド・プレミア]

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 ◆短編映画賞 スペシャル・メンション
 ◎“The Buried Alive Videos”(イスラエル) 監督:Roee Rosen [ワールド・プレミア]

 【プロスペクティヴ・ドック・イタリア部門】(Prospettive Doc Italia)

 ※審査員:Marco Visalberghi(審査員長)、Christian Carmosino、Gerardo Panichi、Giusi Santoro、Sabrina Varani

 ◆最優秀イタリアン・ドキュメンタリー賞(Premio Doc It - Prospettive Italia Doc for the Best Italian Documentary)
 ◎“Dal profondo”(伊) 監督:Valentina Pedicini [ワールド・プレミア][第1回監督作品]

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 “Dal profondo”(伊) 監督:Valentina Pedicini
 地下500メートルで働く鉱夫たちと彼らの世界をとらえたドキュメンタリー。長く続くトンネル、終わることのない夜、黒ずんだ顔、百年も変わることなく続いた労働形態、仕事への誇りと恨み。150人の鉱夫。決して埋められない記憶、死んだ父のことを語る、イタリアで唯一の女鉱夫パトリツィア。そして、この鉱山も閉鎖が迫っている……。

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“Fuoristrada”(伊) 監督:Elisa Amoruso [ワールド・プレミア][第1回監督作品]

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 ◆Maurizio Poggiali Award for Best Documentary
 ◎“The Stone River”(伊・仏) 監督:Giovanni Donfrancesco [ワールド・プレミア]

 【アウト・オブ・コンペティション部門】

 ◆最優秀イタリア俳優賞(L.A.R.A. (Libera Associazione Rappresentanza Di Artisti) for the Best Italian Actor)
 ◎ヴァレリア・ゴリーノ “Come il vento(Like the Wind)”(伊)(監督:Marco Simon Puccioni) [ワールド・プレミア]

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 ◆音響編集賞(Best Sound Editing Award - A.I.T.S.)
 ◎“Border”(伊) 監督:Alessio Cremonini [イタリア・プレミア]

 ◆メイキャップ賞(La Chioma di Berenice” Award for Best Make up)
 ◎Nadia Ferrari “La luna su Torino(45th Parallel)”(伊)(監督:Davide Ferrario) [ワールド・プレミア]

 ◆ヘアスタリング賞(La Chioma di Berenice” Award for Best Hairstyling in international movies)
 ◎Pablo J Cabello “La luna su Torino”(伊)

 【都会のアリス部門】(Alice Nella Città)

 外部団体が主催する児童映画の上映部門。

 ◆エマージング・プロデューサー賞(Taodue Award for the Best Emerging Producer)
 ◎Jean Denis Le Dinahet 、Sébastien Msika “Il sud è niente(South Is Nothing)”(伊・仏)(監督:Fabio Mollo)

 【その他の賞】

 ◆Studio Universal Short Film Award
 ◎“Na pravakh reklamy” 監督:Ivan Vyrypaev [Promotional]

 ◆Centenario BNL Award: #100sec per il futuro
 ◎“Premonizione” 監督:Salvatore Centoducati
 ◎“Futuro” 監督:Accursio Graffeo

 ◆Prize Sorridendo Onlus
 ◎アンナ・フォリエッタ(Anna Foglietta)(女優)

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 ◆Maverick Director Award
 ◎ツイ・ハーク

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 2年目のマルコ・ミュラーは、プログラミングの路線変更を余儀なくされたようで、前回はワールド・プレミア作品に絞っていたオフィシャル・セレクションを、南北アメリカ作品に限っては(?)ワールド・プレミアでなくてもよいことにし、また、長編コンペティションは、70分以上の作品というのが国際映画祭の通例なのに、60分以上の作品を可にして、61分の『Seventh Code』をエントリーさせ、何とかコンペティション部門の数合わせをしています。
 そこまでしておいて、そのほかのエントリー作品は、大半が、ほぼ無名の第1回または第2回監督作品だというのですから、厳しいですね。

 前回は、オフィシャル・セレクションの2/3が、国際的にも名の知られたキャリアのある監督の作品で占められ、さすがにマルコ・ミュラーの作品集めの手腕は凄いと思われてくれたのですが、その後の、各作品の評価を見ると、フォン・シャオガンの“一九四二”を除けば、国際的にも国内的にも高い評価を受けた作品は皆無で、大半の作品は他の映画祭に呼ばれることすらありませんでした。結果的に見れば、前回は、監督の名前に頼るあまり、見劣りのする作品ばかりが並ぶラインナップになってしまっていた、ということになります。

 とすると、今回の路線変更は、有名な監督の凡庸な作品よりは、無名でも意欲的な監督の作品を選ぼうという決意の現われ、ということになるでしょうか。
 ただし、完全に「無名な監督の作品ばかり」にすることは憚られたため、エントリー基準を緩めて、『ダラス・バイヤーズクラブ』や“Out Of The Furnace”や“Her”や『Seventh Code』をエントリーできるようにしたと、おそらくそういうことなのでしょう。

 でも、わざわざエントリー基準を緩めて、エントリーさせた作品ばかりが、賞をさらっていくようでは、やっぱり困りますよね。

 後発の映画祭を、国際的にも一目置かれるような一級の映画祭にまでランクアップさせるというのはなかなか難しく、ローマ国際映画祭もまだまだ前途多難ですが、とりあえず、今回、受賞した作品の動きと、来年以降のローマ国際映画祭に注目したいと思います。

 【Facts & Figures】

 ・上映本数:163本(30カ国)
 ・総上映回数:402回
 ・ゲスト(talents):250人
 ・入場者数:15万人(推定)
 ・チケット発行枚数:20%アップ
 ・劇場占有率:70%
 ・スクリーン数:7

 
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 *当ブログ記事

 ・ローマ国際映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_20.html
 ・ローマ国際映画祭2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_13.html
 ・ローマ国際映画祭2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_30.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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