ルイ・デリュック賞2013 ノミネーション発表!

 第71回ルイ・デリュック賞のノミネーションが発表になりました。(10月28日)

 ・『アデル、ブルーは熱い色』“La Vie d'Adèle, chapitre 1&2(Blue Is The Warmest Color)”(仏) 監督:アブデラティシュ・ケシシュ(Abdellatif Kechiche);
 出演:レア・セイドゥ、アデル・エグザルコプロス(Adèle Exarchopoulos)、ジェレミー・ラエルト(Jérémie Laheurte)、カトリーヌ・サレ(Catherine Salée)、オーレリアン・ルコワン(Aurélien Recoing)、Sandor Funtek
 物語:アデルは、教師になることを夢見る15歳の学生で、女の子は男の子とつき合うのが当たり前だと思っていた。ところが、近くの美大に通う、青い髪のエマと出会い、これまで感じたことのなかった感情が自分の中にあることに気づく。アデルは、そうした気持ちを抑えて、ミステリアスだけれどフレンドリーな若者トマとつき合おうとするが、どうしても女性の方により魅力を感じてしまう。彼女は、自分の中の欲望を認め、女性として、大人として、前向きに生きようと決める。
 Julie Marohのコミック“Le bleu est une couleur chaude”の映画化。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。パルムドール、国際批評家連盟賞受賞。
 パリ映画祭2013 プレミア部門出品。
 サラエボ映画祭2013 キノ・スコープ部門出品。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 ヘルシンキ国際映画祭2013 ガラ部門出品。
 バンクーバー国際映画祭2013 スポットライト・オン・フランス部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 国際批評家連盟賞グランプリ。
 レイキャビク国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 釜山国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 チューリヒ映画祭2013 オフィシャル・セレクション。
 ニューヨーク映画祭2013 オフィシャル・セレクション。
 ハンプトンズ映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 ガラ部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 Special Presentation部門出品。
 ムンバイ映画祭2013 ランデヴー部門出品。
 東京国際映画祭2013 特別招待作品。

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 ・“9 mois ferme(9 month stretch)”(仏) 監督:アルベール・デュポンテル
 出演:アルベール・デュポンテル、サンドリーヌ・キベルラン、Nicolas Marié、フィリップ・ウチャン(Philippe Uchan)、フィリップ・デュクズヌ(Philippe Duquesne)、ブーリ・ランネール
 物語:若き判事アリアンヌが妊娠していることがわかる。これがショッキングだったのは、彼女はガチガチの身持ちの堅さで知られていたからで、しかも、父性検査で、父親がボブ以外にありえないことがわかって、さらにショックが広がる。ボブは、アリアンヌに暴行を振るったことで、告発されていて、事件が起きた時のことを、彼女は何も思い出せないのだ。アリアンヌは、自分に何が起こっているのか、そしてこれからどうすればいいのか、まるで思いつかなかった……。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 パールズ部門出品。

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 ・“L'inconnu du lac(Stranger by the Lake)”(仏) 監督:アラン・ギロディー(Alain Guiraudie)
 出演:Pierre de Ladonchamps、Patrick d'Assumçao、Christophe Paou
 物語:夏。湖の上での男たちのクルージング。フランクは、マイケルに恋をする。彼は、ハンサムでパワフルだ。フランクは、この恋が危険なものであることはわかっているが、情熱に身をまかせたいと感じている。
 『勇者に休息はない』『キング・オブ・エスケープ』のアラン・ギロディー監督最新作。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。監督賞、クィア・パルム受賞。
 トロント国際映画祭2013 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション。
 リオ・デ・ジャネイロ国際映画祭2013 ワールド・パノラマ部門出品。
 釜山国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 ガラ部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。


 ・“Camille Claudel 1915”(仏) 監督:ブリュノ・デュモン
 出演:ジュリエット・ビノシュ、Jean-Luc Vincent
 物語:1915年の冬。カミーユ・クローデルは、1つの石を取り上げ、じっと見つめる。彼女は、その石によって創作意欲を刺激され、それを使って何か彫刻でも始めるのかと思いきや、あっさりその石を捨ててしまう。彼女は、彼女の才能をうらやむ人々や、彼女の愛人であったロダンなどから精神的な苦痛を受けて苦しみ、家族から精神病院に入るよう仕向けられていた。しかし、彼女のことを愛し、心から心配してくれているのは、作家であり、外交官の弟ポール・クローデルだけであった。
 ブリュノ・デュモンが、クローデル姉弟がやりとりしていた手紙からインスパイアされて、制作した作品。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 イスタンブール国際映画祭2013 インターナショナル・ゴールデン・チューリップ・コンペティション部門出品。審査員賞、国際批評家連盟賞出品。
 シドニー映画祭2013 フィーチャーズ部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 ブリュッセル映画祭2013 審査員賞受賞。
 モントリオール世界映画祭2013 ワールド・グレイト部門出品。
 バンクーバー国際映画祭2013 スポットライト・オン・フランス部門出品。
 ハンプトンズ国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 DARE部門出品。

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 ・“Elle s'en va (On My Way)”(仏)  監督:エマニュエル・ベルコ
 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、Nemo Schiffman、Gérard Garouste、Camille、Claude Gensac
 物語:ベティーは60代初めで、レストランを営んでいる。ある時、彼女は、タバコを切らしていることに気づいて、彼女の顧客も従業員も気難しい母親も放って、タバコを買いに出かける。しかし、タバコ屋のシャッターは閉まっていて、タバコを手に入れることができない。彼女の愛人は若い娘の元に走ってしまっていたし、職場や母のところに戻る気も起きない。彼女はドライブを続け、タバコをくれた年配の男性の悲しいラブストーリーを聞く。その夜、彼女は羽目を外して、パーティーで騒ぐ。翌朝、彼女はホテルで目覚めるが、隣には見知らぬ男が眠っている……。
 エマニュエル・ベルコが、カトリーヌ・ドヌーヴをイメージして脚本を書いた作品。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 パリ映画祭2013 プレミア部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 LOVE部門出品。

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 ・“Jimmy P. (Psychothérapie d'un Indien des Plaines)(Jimmy P. (Psychotherapy of a Plains Indian))”(仏・米) 監督:アルノー・デプレシャン
 出演:ベニチオ・デル・トロ、マチュー・アマルリック、ジーナ・マッキー
 物語:ブラックフット族のインディアン、ジミー・ピカードは、第二次世界大戦でフランスで戦った後、帰国し、カンザスの病院で療養する。彼は、頭痛を抱え、幻聴を聞いたり、幻覚を見たりもしていたが、その病院の医者では原因を見つけられなかった。彼は、フランス人文化人類学者で、ネイティブ・アメリカンのことにも詳しいジョルジュ・デヴローに診てもらうことにする。2人の関係は、最初から良好で、互いに信頼しあい、セッションを通して、ジミーは快方に向かっていく。
 ジョルジュ・デヴローの著書“Psychothérapie d'un Indien des plaines”の映画
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 ニューヨーク映画祭2013 オフィシャル・セレクション。
 ハンプトンズ国際映画祭2013 ワールド・シネマ部門出品。

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 ・『魂を治す男』“Mon âme par toi guérie(My Soul Healed by You)”(仏) 監督:フランソワ・デュペイロン
 出演:Grégory Gadebois、セリーヌ・サレット(Céline Sallette)、ジャン=ピエール・ダルッサン、マリー・パイエン(Marie Payen)、Philippe Rebbot
 物語:フレディは、母が死んだ時、自分にヒーリングの才能を残してくれたことを知る。彼は、自分の不幸にがんじがらめになっていて、その才能を完全に否定するが、大きな事故に遭って、すべてが変わる。彼は、自分の手にヒーリングのパワーがあることを認めざるを得なくなる。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 オフィシャル・セレクション。Guipuzcoan Blood-Donors’ Association Corresponding to The Solidarity Award受賞。
 東京国際映画祭2013 ワールド・フォーカス部門出品。


 ・“Le Passé(The Past)”(仏・伊) 監督:アスガー・ファルハディ
 出演:タハール・ラヒム、ベレニス・ベジョ、サブリーナ・ウアザニ、ババク・カリミ
 物語:フランス人女性と結婚したイラン人の男性がいて、長らく家庭内にトラブルを抱えている。彼は、4年間、テヘランで過ごした後、結婚生活にけじめをつけるために、パリに戻るが、短い滞在の間に、妻と娘に相反する感情があることに気づく。彼は、夫婦関係を修復しようとするが、そこで隠されていた過去の秘密が明らかになる。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。女優賞(ベレニス・ベジョ)、エキュメニカル審査員賞受賞。
 シドニー映画祭2013 Special Presentations部門出品。
 ミュンヘン映画祭2013 シネマスターズ部門出品。
 テルライド映画祭2013 出品。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 釜山国際映画祭2013 アジア映画の窓部門出品。
 バンクーバー国際映画祭2013 Special Presentations部門出品。
 ハンプトンズ国際映画祭2013 スポットライト・フィルムズ部門出品。
 BFIロンドン映画祭2013 LOVE部門出品。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 イラン代表。


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 上記以外で、候補になり得たかもしれない2013年の主だったフランス映画を洗い出してみると、ざっと以下のような作品があります。

 ・“Les Beaux jours (Bright Days Ahead)”(仏) 監督:マリオン・ヴェルヌー(Marion Vernoux)
 ・“Jeune & Jolie”(仏) 監督:フランソワ・オゾン
 ・“Un Voyageur (Ain't Misbehavin')”(仏) 監督:マルセル・オフュルス(Marcel Ophüls)
 ・“Blood Ties”(仏・米) 監督:ギョーム・カネ
 ・“Me, Myself And Mum”(仏) 監督:ギョーム・ガリエンヌ(Guillaume Gallienne)
 ・“Il est parti dimanche Going Away)”(仏) 監督:ニコール・ガルシア
 ・“La Jalousie”(仏) 監督:フィリップ・ガレル
 ・“Eastern Boys”(仏) 監督:ロバン・カンピヨ
 ・“Suzanne”(仏) 監督:カテル・キレヴェレ(Katell Quillévéré)
 ・“Chinese Puzzle”(仏) 監督:セドリック・クラピッシュ
 ・“11.6”(仏) 監督:フィリップ・ゴドー(Philippe Godeau)
 ・『ムード・インディゴ うたかたの日々』(仏・ベルギー) 監督:ミシェル・ゴンドリー
 ・“Zulu (H.C.)”(仏) 監督:ジェローム・サル(Jérôme Salle)
 ・“My Sweet Pepper Land”(仏・独) 監督:ヒネル・サレーム(Hiner Saleem)
 ・“Attila Marcel”(仏) 監督:シルヴァン・ショメ

 ・“Grand Central”(仏・オーストリア) 監督:レベッカ・ズトヴスキ
 ・“Quai d'Orsay”(仏) 監督:ベルトラン・タヴェルニエ
 ・“Les Salauds (Bastards)”(仏) 監督:クレール・ドゥニ
 ・『わたしの名前は…』“Je m'appelle Hmmm”(仏) 監督:アニエス・トゥルブレ(Agnès Troublé/アニエス・ベー)
 ・“Mes séances de lutte”(仏) 監督:ジャック・ドワイヨン
 ・“The Missing Picture”(仏・カンボジア) 監督:リティー・パニュ
 ・“La Maison De La Radio”(仏) 監督:ニコラ・フィリベール
 ・“Tonnerre”(仏) 監督:ギョーム・ブラック(Guillaume Brac)
 ・“Un Château en Italie”(仏) 監督:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ
 ・“Abuse Of Weakness”(仏) 監督:カトリーヌ・ブレイヤ
 ・“Violette”(仏) 監督:マルタン・プロヴォスト(Martin Provost)
 ・“The Apaches(Les Apaches)”(仏) 監督:ティエリー・ド・ペレッティ(Thierry De Peretti)
 ・“The Love Punch”(仏) 監督:ジョエル・ホプキンス
 ・『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』“Love is the Perfect Crime(Amour Crime Parfait)”(仏・スイス) 監督:アルノー&ジャン=マリー・ラリユー
 ・“The Last Of The Unjust”(仏) 監督:クロード・ランズマン(Claude Lanzmann)

 ヨーロッパ映画賞のオフィシャル・セレクションを見ても、米国アカデミー賞2014外国語映画賞フランス代表を見ても、『アデル、ブルーは熱い色』と“Le Passé(The Past)”を除けば、2013年のフランス映画にはあまり見るべき作品はなかったという印象でしたが、こうして書き出してみると、案外そうでもなかったかもしれません。ま、ミヒャエル・ハネケとジャック・オディアールとレオス・カラックスとオリヴィエ・アサイヤスの新作が揃っていた2012年と比べると若干見劣りはしますが。

 改めて、本年度のルイ・デリュック賞のノミネーションを見てみると、いくつかの作品は入れ替え可能な気もしますが、ルイ・デリュック賞のノミネーションは、ベルリン国際映画祭とカンヌ国際映画祭の出品作から選ばれるというのが通例になっているということもあり、概ね順当、というところでしょうか。

 ノミニーの中では、アルノー・デプレシャンが『キングス&クイーン』で2004年に、アブデラティフ・ケシシュが『クスクス粒の秘密』で2007年に受賞したことがあるほかは受賞経験者はいません。

 受賞傾向としては、ルイ・デリュック賞は、若手監督の作品を選んでみたり、意表を突いてアニメーションやドキュメンタリーを選んでみたり、あるいは、外国人監督の作品を選んだり、思い出したかのようにベテラン監督の作品を選んだりして、多種多様な映画に対する「豊かな見識」を誇るようなところがあり、わざと「外し」て来たりもするので、何が受賞するかは予想がつきません。昨年度も、本命でも対抗でもない作品を受賞させましたし。
 フランス映画界が誇る批評家たちの見識というよりは、予定調和を嫌うあまり、ただ単にフラフラしているだけのようにも見えます。
 また、振り返ってみると、その監督の代表作でも何でもない作品で受賞していることも多いようです。

 本年度の本命は、『アデル、ブルーは熱い色』で、対抗は“Le Passé(The Past)”ですが、過去の結果から見ると、他の何が来ても不思議ではありません。ブリュノ・デュモンが待望の受賞、というのも十分に考えられることです。(フランスの他の映画賞では、順当であれば、作品賞と監督賞が『アデル、ブルーは熱い色』、脚本賞と主演女優賞が『アデル、ブルーは熱い色』もしくは“Le Passé(The Past)”という風になるだろうと予想されます。)

 ルイ・デリュック賞には、このほかに、新人監督部門がありますが、そちらの方は現時点では何も発表されていません。昨年は、「新人監督部門は後日発表する」と言いながら、結局、ノミネーションの発表はないまま、受賞作の発表だけになったという経緯があり、本年度は「新人監督部門は後日発表する」という告知すらないので、おそらく昨年同様受賞作のみの発表になるだろうと思われます。

 受賞結果の発表は、12月17日です。

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 *当ブログ記事

 ・ルイ・デリュック賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_34.html
 ・ルイ・デリュック賞2012 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_29.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201111/article_22.html
 ・ルイ・デリュック賞2011 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201011/article_31.html
 ・ルイ・デリュック賞2010 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_36.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200911/article_39.html
 ・ルイ・デリュック賞2009 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_18.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200811/article_5.html
 ・ルイ・デリュック賞2008 結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_22.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・ルイ・デリュック賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_51.html

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