完全ガイド! 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表作品!

 10月1日に米国アカデミー賞2014外国語映画賞のエントリーが締め切りになりました。

 本年度、米国アカデミー賞に作品をエントリーした国は、全部で76カ国です。(10月3日時点で判明していたのは70カ国で、10月7日の公式の発表により76カ国で確定。)

画像

--------------------------------

 【各国代表リスト】

 ・アイスランド:『馬々と人間たち』“Hross í oss(Of Horses and Men)”(アイスランド・独) 監督:ベネディクト・エルリングソン(Benedikt Erlingsson)
 ・アゼルバイジャン:“Steppe Man(Çölçü)”(アゼルバイジャン) 監督:Shamil Aliyev
 ・アフガニスタン:“Wajma (An Afghan Love Story)”(アフガニスタン) 監督:Barmak Akram
 ・アルゼンチン:『ワコルダ』“El médico alemán - Wakolda”(アルゼンチン・西・仏・ノルウェー) 監督:ルシア・プエンソ(Lucía Puenzo)
 ・アルバニア:“Agon”(アルバニア・仏・ギリシャ・ルーマニア) 監督:Robert Budina
 ・イギリス:“Metro Manila”(英・フィリピン) 監督:ショーン・エリス
 ・イスラエル:“Bethlehem”(イスラエル) 監督:Yuval Adler
 ・イタリア:“The Great Beauty(La Grande Bellezza) ”(伊・仏) 監督:パオロ・ソレンティーノ
 ・イラン:“The Past (Le Passé)”(仏・伊) 監督:アスガー・ファルハディ
 ・インド:“The Good Road”(インド) 監督:Gyan Correa
 ・インドネシア:“Sang Kiai”(インドネシア) 監督:Rako Prijanto
 ・ウクライナ:Paradjanov(Paradžanov)”(ウクライナ・仏・グルジア・アルメニア) 監督:Serge Avedikian、Olena Fetisova
 ・ウルグアイ:“AninA”(ウルグアイ・コロンビア) 監督:Alfredo Soderguit
 ・エクアドル:“The Porcelain Horse(Mejor no hablar de ciertas cosas)”(エクアドル・米) 監督:Javier Andrade
 ・エジプト:“Winter of Discontent(El sheita elli fat) ”(エジプト) 監督:Ibrahim El Batout
 ・エストニア:“Free Range”(エストニア) 監督:ヴェイコ・オウンプー(Veiko Õunpuu)
 ・オーストラリア:“The Rocket”(オーストラリア) 監督:Kim Mordaunt
 ・オーストリア:“Die Wand(The Wall)”(オーストリア・独) 監督:Julian Roman Pölsler
 ・オランダ:『ボーグマン』“Borgman”(オランダ・ベルギー・デンマーク) 監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
 ・カザフスタン:“The Old Man”(カザフスタン) 監督:Ermek Tursunov
 ・カナダ:“Gabrielle”(カナダ) 監督:Louise Archambault
 ・韓国:『未熟な犯罪者』“범죄소년(Beom-joe-so-nyeon/Juvenile Offender)”(韓) 監督:カン・イグァン
 ・カンボジア:“The Missing Picture (L’image manquante)”(カンボジア・仏) 監督:リティー・パニュ(Rithy Panh)
 ・ギリシャ:“Boy Eating The Bird's Food(Το αγόρι τρώει το φαγητό του πουλιού/To Agori Troei to Fagito tou Pouliou)”(ギリシャ) 監督:Ektoras Lygtizos
 ・グルジア:『花咲くころ』“In Bloom(Grzeli nateli dgeebi)”(グルジア・独・仏) 監督:ナナ・エクチミシヴィリ(Nana Ekvtimishvili)、ジーモン・グロス(Simon Gross)
 ・クロアチア:“Halima’s Path(Halimin put)”(クロアチア・スロヴェニア・ボスニア ヘルツェゴビナ) 監督:Arsen Anton Ostojić
 ・コロンビア:“La Playa DC”(コロンビア・ブラジル・仏) 監督:Juan Andrés Arango
 ・サウジアラビア:『少女は自転車にのって』“Wadjda”(サウジアラビア・独・UAE) 監督:ハイファ・アル=マンスール(Haifaa Al Mansour)
 ・シンガポール:“Ilo Ilo(爸妈不在家)”(シンガポール) 監督:アンソニー・チェン(Anthony Chen)
 ・スイス:“More Than Honey”(独・オーストリア・スイス) 監督:Markus Imhoof
 ・スウェーデン:“Eat Sleep Die (Äta sova dö)”(スウェーデン) 監督:Gabriela Pichler
 ・スペイン:“15 Years + 1 Day(15 años y un día)”(西) 監督:グラシア・ケヘレタ(Gracia Querejeta)
 ・スロヴァキア:“My Dog Killer(Môj pes Killer)”(スロヴァキア・チェコ) 監督:Mira Fornay
 ・スロヴェニア:“Class Enemy (Razredni Sovražnik)”(スロヴェニア) 監督:Rok Biček
 ・セルビア:“Circles (Krugovi/Кругови Krugovi)”(セルビア・独・仏・クロアチア・スロヴェニア) 監督:Srdan Golubović
 ・タイ:“Countdown”(タイ) 監督:Nattawut Poonpiriya
 ・台湾:『失魂』“Soul(失魂)”(台湾) 監督:チョン・モンホン
 ・チェコ:“Donšajni(Don Juan / The Don Juans)”(チェコ) 監督:イジー・メンツェル
 ・チャド:“Grigris”(仏・チャド) 監督:マハマット=サレー・ハルーン
 ・中国:“一九四二(Back To 1942/温故1942)”(中) 監督:フォン・シャオガン
 ・チリ:『グロリア』(正式邦題『グロリアの青春』)“Gloria”(チリ・西)  監督:セバスティアン・レリオ(Sebastián Lelio)
 ・デンマーク:『偽りなき者』(デンマーク) 監督:トマス・ヴィンターベア
 ・ドイツ:『ふたつの人生』“Two Lives(Zwei Leben)”(独・ノルウェー) 監督:ユーディット・カウフマン(Judith Kaufmann)、ゲオルク・マース(Georg Maas)
 ・ドミニカ共和国:“Who's the Boss?(¿Quién Manda?)”(ドミニカ共和国) 監督:Ronni Castillo
 ・トルコ:“The Butterfly's Dream(Kelebeğin Rüyası)”(トルコ) 監督:Yılmaz Erdoğan
 ・日本:『舟を編む』“The Great Passage”(日) 監督:石井裕也
 ・ニュージーランド:“White Lies(Tuakiri Huna)”(ニュージーランド) 監督:ダナ・ロットバーグ(Dana Rotberg)
 ・ネパール:“Soongava (Soongava: Dance of the Orchids)”(仏・ネパール) 監督:Subarna Thapa
 ・ノルウェー:“I Am Yours(Jeg Er Din)”(ノルウェー) 監督:Iram Haq
 ・パキスタン:“Zinda Bhaag(Run for Your Life/Escape Alive)”(パキスタン) 監督:Meenu Gaur、Farjad Nabi
 ・パレスチナ:“Omar”(パレスチナ) 監督:ハニ・アブ= アサド
 ・ハンガリー:“The Notebook (A nagy füzet/ Le grand cahier)”(ハンガリー・独・オーストリア・仏) 監督:János Szász
 ・バングラデシュ:“Television”(バングラデシュ) 監督:Mostofa Sarwar Farooki
 ・フィリピン:『トランジット』“Transit”(フィリピン) 監督:ハンナ・エスピア(Hannah Espia)
 ・フィンランド:『灯台守の少年』“Disciple(Lärjungen)”(フィンランド) 監督:ウルリーカ・ベングドゥス(Ulrika Bengts)
 ・ブラジル:“Neighbouring Sounds(O som ao redor)”(2012/ブラジル) 監督:Kleber Mendonça Filho
 ・フランス:『ルノワール 陽だまりの裸婦』“Renoir”(仏) 監督:ジル・ブルドス
 ・ブルガリア:“The Color of the Chameleon(Tsvetat Na Hameleona)”(ブルガリア) 監督:Emil Christov
 ・ベネズエラ:“Breach in the Silence(Brecha en el Silencio)”(ベネズエラ) 監督:Luis & Andrés Rodríguez
 ・ペルー:“The Cleaner (El Limpiador)”(ペルー) 監督:Adrián Saba
 ・ベルギー:“The Broken Circle Breakdown”(ベルギー・オランダ) 監督:ふぇリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン(Felix van Groeningen)
 ・ポーランド:“Walesa. Man of Hope(Walesa. Czlowiek z nadziei.)”(ポーランド) 監督:アンジェイ・ワイダ
 ・ボスニア ヘルツェゴビナ:『鉄くず拾いの物語』“An Episode in the Life of an Iron Picker(Epizoda u zivotu beraca zeljeza)”(ボスニア ヘルツェゴビナ・仏・スロヴェニア) 監督:ダニス・タノヴィッチ
 ・ポルトガル:『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~』(正式邦題『皇帝と公爵』)“Linhas de Wellington(Lines of Wellington)”(ポルトガル・仏) 監督:バレリア・サルミエント(Valeria Sarmiento)
 ・香港:『グランド・マスター』(香港・中・仏) 監督:ウォン・カーウァイ
 ・南アフリカ:“Four Corners(Die Vier Hoeke)”(南アフリカ) 監督:Ian Gabriel
 ・メキシコ:『エリ』“Heli”(メキシコ) 監督:アマ・エスカランテ(Amat Escalante)
 ・モルドバ:“All Gods Children(Toti Copiii Domnului)”(ルーマニア・モルドバ) 監督:Adrian Popovici
 ・モロッコ:“God’s Horses(Les Chevaux de Dieu)”(モロッコ・仏・ベルギー) 監督:Nabil Ayouch
 ・モンテネグロ:“Ace of Spades - Bad Destiny(As pik - loša sudbina)”(モンテネグロ) 監督:Draško Đurović
 ・ラトヴィア:“Mother, I Love You(Mammu, es Tevi mīlu)”(ラトヴィア) 監督:Janis Nords
 ・リトアニア:“Conversations on Serious Topics”(2012/リトアニア) 監督:Giedre Beinoriute
 ・ルクセンブルク:『ミッドナイト・アングル』“Angle Mort(Doudege Wénkel /Blind Spot)”(ルクセンブルク・ベルギー) 監督:クリストフ・ヴァグナー(Christophe Wagner)
 ・ルーマニア:“Child's Pose(Poziţia Copilului)”(ルーマニア) 監督:Călin Peter Netzer
 ・レバノン:“Blind Intersections(Croisements)”(レバノン) 監督:Lara Saba
 ・ロシア:“Stalingrad”(ロシア) 監督:フョードル・ボンダルチュク

--------------------------------

 【データ】

 【出品国】

 ・出品国数
  2011年:66カ国
  2012年:65カ国
  2013年:71カ国
  2014年:76カ国(史上最多)

 ・前回、外国語映画賞に作品を出品したのに、今回は、出品しなかった国:アルジェリア、アルメニア、キルギスタン、グリーンランド、ケニア、ベトナム、マケドニア、マレーシア

 ・前回は、外国語映画賞出品を見送っていて、今回は、出品を行なった国:イギリス、イラン、エクアドル、エジプト、サウジアラビア、ニュージーランド、ネパール、パキスタン、モンテネグロ、ルクセンブルク、レバノン

 ・2年ぶりの出品:イギリス、イラン、エジプト、ニュージーランド、レバノン

 ・4年ぶりの出品:ルクセンブルク

 ・7年ぶりの出品:ネパール

 ・11年ぶりの出品:チャド

 ・50年ぶりの出品:パキスタン

 ・今回が初出品:サウジアラビア、モルドバ、モンテネグロ
  2013年初出品:ケニア(今回は出品せず)
  2012年初出品:ニュージーランド
  2011年初出品:エチオピア、グリーンランド(ともに今回は出品せず)

 ・今回が2回目の出品:チャド、ニュージーランド

 ・今回が3回目の出品:エクアドル、パキスタン

 【ノミネーション】

 ・ノミネートされたことはあるが、1度も受賞していない国(20カ国):アイスランド、イギリス、イスラエル、インド、ウルグアイ、カザフスタン、ギリシャ、グルジア、中国、チリ、ネパール、ノルウェー、パレスチナ、フィンランド、ブラジル、ペルー、ベルギー、ポーランド、香港、メキシコ

 ・一度もノミネートされたことがない国(37カ国):アゼルバイジャン、アフガニスタン、アルバニア、インドネシア、ウクライナ、エクアドル、エジプト、エストニア、オーストラリア、韓国、カンボジア、クロアチア、コロンビア、サウジアラビア、シンガポール、スロヴァキア、スロヴェニア、セルビア、タイ、チャド、ドミニカ、トルコ、ニュージーランド、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ブルガリア、ベネズエラ、ポルトガル、モルドバ、モロッコ、モンテネグロ、ラトヴィア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク、レバノン

 【主な作品の映画祭出品履歴(プレミア上映)】

 ・ロッテルダム国際映画祭2012
  コンペティション部門:ブラジル

 ・ベルリン国際映画祭2012
  パノラマ部門:オーストリア

 ・カンヌ国際映画祭2012
  コンペティション部門:デンマーク
  ある視点部門:コロンビア、フランス、モロッコ

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012
  コンペティション部門:ギリシャ

 ・モントリオール世界映画祭2012
  ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション部門:ネパール
  フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門:レバノン

 ・ベネチア国際映画祭2012
  コンペティション部門:ポルトガル
  Orizzonti部門:エジプト、サウジアラビア
  国際批評家週間:スウェーデン

 ・トロント国際映画祭2012
  韓国、スイス、ブルガリア

 ・サンセバスチャン国際映画祭2012
  ニュー・ディレクターズ部門:ペルー

 ・ローマ国際映画祭2012
  インターナショナル・コンペティション部門:中国

 ・サンダンス映画祭2013
  コンペティション部門:アフガニスタン、イギリス、セルビア

 ・ロッテルダム国際映画祭2013
  コンペティション部門:スロヴァキア

 ・ベルリン国際映画祭2013
  コンペティション部門:チリ、ボスニア ヘルツェゴビナ、ポルトガル、ルーマニア
  アウト・オブ・コンペティション部門:香港
  パノラマ部門:ベルギー
  フォーラム部門:グルジア
  ジェネレーション部門:ウルグアイ、オーストラリア、ラトヴィア

 ・カンヌ国際映画祭2013
  コンペティション部門:イタリア、イラン、オランダ、チャド、メキシコ
  ある視点部門:アルゼンチン、カンボジア、パレスチナ
  監督週間:シンガポール

 ・トランシルヴァニア国際映画祭2013
  Supernova部門:クロアチア

 ・モスクワ国際映画祭2013
  The Third Age部門:カザフスタン

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013
  コンペティション部門:ハンガリー
  イースト・オブ・ウェスト コンペティション部門:ウクライナ

 ・ロカルノ国際映画祭2013
  ピアッツァ・グランデ部門:カナダ

 ・サラエボ映画祭2013
  ティーンエリア部門:スペイン
  モンテネグロ映画祭プレゼンツ:モンテネグロ

 ・モントリオール世界映画祭2013
  フォーカス・オン・ワールド・シネマ:フィンランド
  ワールド・グレイト部門:チェコ

 ・ベネチア国際映画祭2013
  アウト・オブ・コンペティション部門:ポーランド
  ベネチア・デイズ:イスラエル
  国際批評家週間:スロヴェニア

 ・トロント国際映画祭2013
  ニュージーランド、ノルウェー

 ・サンセバスチャン国際映画祭2013
  ニュー・ディレクターズ部門:アイスランド

 【監督別選出歴】

 2回目
 ・ルシア・プエンソ(アルゼンチン):『XXY』以来6年ぶり。
 ・アスガー・ファルハディ(イラン):2年ぶり。『別離』で受賞。
 ・ヴェイコ・オウンプー(エストニア):『聖トニの誘惑』以来3年ぶり。
 ・Ermek Tursunov(カザフスタン):4年ぶり。前回、ショートリスト入り。
 ・リティー・パニュ(カンボジア):20年ぶり。
 ・Srdan Golubović(セルビア):6年ぶり。
 ・マハマット=サレー・ハルーン(チャド):11年ぶり
 ・トマス・ヴィンターベア(デンマーク):『セレブレーション』以来15年ぶり。
 ・ハニ・アブ= アサド(パレスチナ):『パレスチナ・ナウ』以来8年ぶり。前回、ノミネート。
 ・Mostofa Sarwar Farooki(バングラデシュ):3年ぶり。
 ・Felix van Groeningen(ベルギー):4年ぶり。
 ・ウォン・カーウァイ(香港):『花様年華』以来13年ぶり。
 ・フョードル・ボンダルチュク(ロシア):『アフガン』以来7年ぶり。

 3回目
 ・Arsen Anton Ostojić(クロアチア):5年ぶり。
 ・Markus Imhoof(スイス):22年ぶり。32年前、初選出時にノミネート。
 ・フォン・シャオガン(中国):3年ぶり。
 ・János Szász(ハンガリー):16年ぶり。
 ・ダニス・タノヴィッチ(ボスニア ヘルツェゴビナ):3年ぶり。『ノー・マンズ・ランド』で受賞。

 5回目
 ・イジー・メンツェル(チェコ):チェコ代表としては6年ぶり2回目。チェコスロヴァキア代表としては、1968年に『厳重に監視された列車』で受賞、1987年に『スイート・スイート・ビレッジ』でノミネート。

 8回目
 ・アンジェイ・ワイダ(ポーランド):『カティンの森』以来6年ぶり。ノミネートまで進んだのは4回。いまだ受賞なし。

 今回、選出された監督の中で、受賞したことがあるのは、アスガー・ファルハディとダニス・タノヴィッチとイジー・メンツェルだけ、そのほかの監督でノミネートまで進んだことがあるのはハニ・アブ= アサド、Markus Imhoof、アンジェイ・ワイダの3人です。

 【初監督】

 過去のデータを取っているわけではないので、正確なところはわかりませんが、新人監督がやや多いような気がします。なお、ここで言う「新人監督」とは、劇場公開用の長編劇映画を始めて手がけた、という意味合いです。(こちらで把握しきれていない作品が存在している可能性もあります。)

 アイスランド、アルバニア、イスラエル、インド、ウクライナ(Olena Fetisova)、ウルグアイ、エクアドル、オーストリア、ギリシャ、グルジア(ナナ・エクチミシヴィリ)、コロンビア、サウジアラビア、シンガポール、スウェーデン、スロヴェニア、タイ、ドミニカ、ネパール、ノルウェー、パキスタン、ブラジル、ブルガリア、ベネズエラ、ペルー、モルドバ、ルクセンブルク、レバノン

 【女性監督】

 女性監督が多い。全体の約25%。

 アルゼンチン、ウクライナ(Olena Fetisova)、カナダ、グルジア(ナナ・エクチミシヴィリ)、サウジアラビア、スウェーデン、スペイン、スロヴァキア、ドイツ(ユーディット・カウフマン)、ニュージーランド、ノルウェー、パキスタン(Meenu Gaur)、フィリピン、フィンランド、ポルトガル、リトアニア、レバノン

 【二世監督】

 ロシア代表のフョードル・ボンダルチュクは、『戦争と平和』のセルゲイ・ボンダルチュクの息子であり、アルゼンチン代表のルシア・プエンソは『オフィシャル・ストーリー』のルイス・プエンソの娘で、ともに2回目の選出になります。
 どちらの父親も米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞していて、どちらの2世も前回はノミネートまで進むことができませんでした。
 親子2代による代表選出の例はまだほかにもあるかもしれませんが(データが膨大なのでちょっと調べきれません)、2世のどちらかが受賞すればもちろん、ノミネートまで進んだだけでも、外国語映画賞史上初となるはずです。

--------------------------------

 外国語映画賞は、選考委員会の面子が変わったのか、あるいは、セレクトのポイントも変わったのか、ここ数年で傾向性が変わってきているように思います。
 それでも、外国語映画賞にノミネートされやすかったり、アカデミー会員に好まれそうな作品は、確かにあり、ここでは、私が考える米国アカデミー賞外国語映画賞の傾向について書いてみることにします。

 【米国アカデミー賞外国語映画賞に関する6つの傾向】

 Ⅰ.外国語映画賞はヨーロッパ映画がお好き?

 ノミネーション5作品に入る国のバランスは―
 ヨーロッパ:1~4
 南北アメリカ:0~2
 中東:0~2
 その他:0~4
 という風になっています。

 ノミネート国は、意識的に前年とはなるべく重ならないようにしているのではないかとも考えられます。前年と重なったとしても最大で3カ国ですが、3カ国も重なることは稀で、全く重ならない場合もあります。

 過去10年間で、前年と連続して同じ国が選ばれているのは―
 2013年:1カ国(カナダ)
 2012年:1カ国(カナダ)
 2011年:なし
 2010年:3カ国(フランス、ドイツ、イスラエル)
 2009年:2カ国(イスラエル、オーストリア)
 2008年:なし
 2007年:1カ国(ドイツ)
 2006年:3カ国(フランス・ドイツ・南アフリカ)
 2005年:1カ国(スウェーデン)
 2004年:1カ国(オランダ)

 2013年のノミネート国は、オーストリア、デンマーク、ノルウェー、カナダ、チリであり、今回、連続ノミネートが有望なのは、まずデンマーク、次にチリ、そしてカナダ、というところでしょうか。
 この3カ国がすべて前年に引き続き選ばれるとは考えにくいので、選ばれるとしてもせいぜいこの中から1カ国ではないでしょうか。2カ国選ばれるとしてもその可能性はかなり低いと考えられます。すべて入れ替わる可能性も案外高いかもしれません。

 Ⅱ.近年のノミネート人気国

 過去10年で外国語映画賞にノミネートされた国は、全部で23カ国あります。
 このうち―
 5回ノミネート:カナダ、ドイツ
 4回ノミネート:イスラエル、フランス
 3回ノミネート:オーストリア、デンマーク
 2回ノミネート:アルジェリア、スウェーデン、日本、ポーランド、南アフリカ、メキシコ
 1回ノミネート:アルゼンチン、イタリア、イラン、オランダ、カザフスタン、ギリシャ、スペイン、チェコ、チリ、ノルウェー、パレスチナ、ペルー、ベルギー、ロシア

 単純な確率論では、たとえば、カナダとドイツは50%の確率で、イスラエルとフランスは40%の確率で、それぞれノミネートされることになります。

 Ⅲ.ノミネート5作品のうち、1本は、まだノミネートされたことのない国から選出される

 受賞作は、長らくヨーロッパ偏重だったのが、近年は、世界の各地域に順繰りにオスカーを贈っている(ように見えます)。

 できるだけいろんな国の作品をピックアップしていこうというスタンスは、90年代から明確になってきていて――

 a) これまで1回だけ受賞した国は11カ国ありますが、そのうち7カ国は1995年以降に受賞しています。ロシア、チェコ、台湾、ボスニア ヘルツェゴビナ、カナダ、南ア、イラン

 b)これまで1回だけノミネートされたことのある国は17カ国ありますが、そのうち90年代以降が14カ国あります。
 1990年:プエルトリコ
 1992年:アイスランド
 1993年:ウルグアイ (台湾 初ノミネート)
 1994年:ベトナム
 1995年:キューバ、マケドニア (台湾 2度目のノミネート)
 1997年:グルジア (チェコ(となってから) 初ノミネートで初受賞)
 (1999年:イラン 初ノミネート)
 2000年:ネパール
 (2001年:台湾、3度目のノミネートで初受賞)
 2002年:ボスニア ヘルツェゴビナ 初ノミネートで初受賞
 2003年:フィンランド
 (2005年:南アフリカ 初ノミネート)
 2006年:パレスチナ (南アフリカ 2度目のノミネートで初受賞)
 2008年:カザフスタン
 2010年:ペルー
 (2012年:イラン 2度目のノミネートで初受賞)
 2013年:チリ

 以上から考えると、ノミネート5作品のうち、1本は、まだノミネートされたことのない国から選出される可能性が非常に高いことがわかります。

 ※ アカデミー賞サイドが「できるだけいろんな国の作品をピックアップしていこう」としているのではなく、むしろ、世界各国の映画のクオリティーが上がった、もしくは、「新しい物語」は、これまで外国語映画賞を出してきた国々以外の地域から生まれるようになった、とも考えられます。

 ちなみに、初めてアカデミー賞に作品を送った国で、その作品がノミネーションを果たした国は5カ国(グルジア、マケドニア、ネパール、ニカラグア、ベトナム)あります。

 Ⅳ.外国語映画賞ノミネート作品は、ベルリン国際映画祭かカンヌ国際映画祭の出品作から4本選ばれる

 米国アカデミー賞のカンヌ嫌いは有名で、1994年の『さらば、わが愛/覇王別姫』以降、パルムドール受賞作品が、外国語映画賞にノミネートされることは長らく途絶えていましたが、2009年の『パリ20区、僕たちのクラス』で15年ぶりのノミネートを果たし、翌年も『白いリボン』がノミネートを果たしました。「カンヌ嫌い」の傾向は弱まったのかもしれません。

 過去5年のノミネート作品は――

 2013年
 ◎『愛、アムール』(オーストリア):カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞
 ・『魔女と呼ばれた少女』(カナダ):ベルリン国際映画祭 女優賞受賞
 ・『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(デンマーク):ベルリン国際映画祭 男優賞・脚本賞受賞
 ・『NO』(チリ):カンヌ国際映画祭 監督週間
 ・『コン・ティキ』(ノルウェー):トロント国際映画祭

 2012年
 ◎『別離』(イラン):ベルリン国際映画祭 金熊賞・男優賞・女優賞受賞
 ・『闇を生きる男』(ベルギー):ベルリン国際映画祭 パノラマ部門
 ・“Footnote”(イスラエル):カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞
 ・『ソハの地下水道』(ポーランド):ヴァリャドリッド国際映画祭 監督賞受賞
 ・『ぼくたちのムッシュ・ラザール』(カナダ):トロント国際映画祭 最優秀カナダ映画賞受賞

 2011年
 ◎『未来を生きる君たちへ』(デンマーク):(トロント国際映画祭)
 ・『BUITIFUL ビューティフル』(メキシコ):カンヌ国際映画祭 男優賞受賞
 ・『籠の中の乙女』(ギリシャ):カンヌ国際映画祭 ある視点部門 ある視点賞受賞
 ・『灼熱の魂』(カナダ):(テルライド国際映画祭、トロント国際映画祭)
 ・“Hors La Loi(無法者)”(アルジェリア):カンヌ国際映画祭 コンペティション部門

 2010年
 ◎『瞳の奥の秘密』(アルゼンチン):(トロント国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭)
 ・『アジャミ』(イスラエル):カンヌ国際映画祭 監督週間 カメラドール受賞
 ・『悲しみのミルク』(ペルー):ベルリン国際映画祭 金熊賞受賞
 ・『預言者』(フランス):カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞
 ・『白いリボン』(ドイツ):カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞

 2009年
 ◎『おくりびと』(日本):モントリオール世界映画祭 グランプリ受賞
 ・『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(独):
 ・『パリ20区、僕たちのクラス』(仏):カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞
 ・“Revanche”(オーストリア):ベルリン国際映画祭 パノラマ部門
 ・『戦場でワルツを』(イスラエル):カンヌ国際映画祭 コンペティション部門

 これらを見ると、近年は、国際的にあまり知られていない作品がノミネートされるということはなく、ベルリン+カンヌで4本、その他1本という組み合わせでノミネートされ、4年のうち3回「その他」が外国語映画賞受賞を果たしている、ということがわかります。

 Ⅴ.やっぱり実力派は強い!

 前項にも関連してきますが、ノミネート作品や受賞作品のリストを眺めてみると、実力派の監督作品が選ばれていることが多いようです。

 今回、選出された監督の中で、受賞したことがあるのは、アスガー・ファルハディとダニス・タノヴィッチとイジー・メンツェルだけ、そのほかの監督でノミネートまで進んだことがあるのはハニ・アブ= アサド、Markus Imhoof、アンジェイ・ワイダの3人です。

 Ⅵ.外国語映画賞が好むストーリー

 以前は、外国語映画賞受賞作品には内容的にある傾向性があるように思っていましたが、近年は、『瞳の奥の秘密』や『未来を生きる君たちへ』、『別離』など、ちょっとシノプシスを読んだだけでは、どうしてこの作品がそんなに評価が高いのだろうというようなことも多くなり、「内容」(シノプシス)で判断することは難しくなりました。

 それでもアカデミー会員に好まれるタイプの作品を書き出してみると―

 ・戦争や貧困など過酷な状況の中で、生き方を問われる主人公の物語

 ・老いや死を見つめた作品(『おくりびと』『みなさん、さようなら』『海を飛ぶ夢』『愛、アムール』)

 ・個性的な生き方を描いた人間賛歌(『オール・アバウト・マイ・マザー』『アントニア』など)

 ・特定の個人や家族のドラマチックな生き方を描いた作品(『ファニーとアレクサンデル』『バベットの晩餐会』『インドシナ』)

 ・映画愛を描いた作品(『映画に愛をこめて アメリカの夜』『ニュー・シネマ・パラダイス』)

 こんな傾向とは無関係に『グリーン・デスティニー』のような活劇が賞をさらっていくこともあります

--------------------------------

 【米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 ノミネート予想】

 以上を踏まえて、米国アカデミー賞2014外国語映画賞ノミネーションを予想してみると―

 1.外国語映画賞に強い監督の作品(ノミネートの可能性50%以上?)
 イラン、チェコ、ボスニア ヘルツェゴビナ、パレスチナ、ポーランド

 2.近年の常連国(ノミネートの可能性は40~50%。ただし、今回はいずれも作品が弱い)
 カナダ、ドイツ、フランス、イスラエル

 3.連続ノミネートの可能性
 デンマーク、チリ、カナダ

 4.地域枠(ヨーロッパ以外で)
 中東:イラン、パレスチナ、サウジアラビア
 アジア:グルジア、香港
 南米アメリカ:カナダ、メキシコ、チリ、アルゼンチン

 5.初ノミネート枠
 セルビア、サウジアラビア、オーストラリア

 以上に、イタリアとベルギーを加え、「2」で挙げたフランス、ドイツを除いて、全部で18カ国となります。
 ショートリスト9作品の候補としては、ざっとこんな感じでしょうか。

 これをさらに5作品まで絞り込むと―
 イラン、ボスニア ヘルツェゴビナ、デンマーク、サウジアラビア、チリ
 となります。

 と書いてはみましたが、実はノミネーション5作品にはもうそんなに重きを置いていなくて、個人的には既に1本に絞り込んでいます。

 ・ボスニア ヘルツェゴビナ:『鉄くず拾いの物語』(ボスニア ヘルツェゴビナ・仏・スロヴェニア) 監督:ダニス・タノヴィッチ

 いろいろ考えると、この作品がいろんな条件にも合うし、米国アカデミー賞外国語映画賞に一番しっくりくるような気がしますね。

 昨年、一昨年は、前哨戦を制してきた本命が、米国アカデミー賞でも受賞を果たしましたが、本年度はそういうことになりにくいように思います。

 現時点の下馬評では、“The Past (Le Passé)”が本命視されていますが、2年前に獲ったばかりでまた同じ監督にオスカーを贈るかということもあるし、昨年の騒動でイランとイラン映画界に対してあまりよくない心象もある。そしてその前に、そもそもこの作品が、米国アカデミー賞外国語映画賞の規定に照らして、イラン代表として認められるかという問題もあります。

 “The Past (Le Passé)”が、米国アカデミー賞の審査をクリアして、ノミネートまで進み、前哨戦でも本命になれば、そのままの流れでアカデミー賞も獲ってしまうかもしれませんが、難しいような気がしますね。
 映画批評家協会系映画賞は、米国アカデミー賞外国語映画賞にはエントリーされていない『鑑定士と顔のない依頼人』や『アデル、ブルーは熱い色』が強いのではないかと私は考えますが、どうでしょうか。

 なお、下馬評では、チリの『グロリア』も評判が高いようです。

 今後、9作品まで絞り込まれた「ショートリスト」が、12月下旬に発表されることになっています。(本年度も、昨年と同じであれば、ですが。)

 まあ、作品を観ないで、傾向性だけの予想が当たってしまうのもつまらないので、「おっ、これが来たか」と驚かせてくれるような、そしてそれでいて「これもアリかな」と納得できるような、そんな意外性のあるノミネーションや受賞結果が出るといいですね。

--------------------------------

 *この記事がなかなかよかった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 応援してね!

 *当ブログ記事

 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その1(~クロアチア):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_8.html

 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その2(コロンビア~フィンランド):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_24.html

 ・米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 各国代表リスト その3(ブラジル~):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_42.html

 ・米国アカデミー賞外国語映画賞 歴代各国代表 監督別データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_32.html

 ・『舟を編む』、または、米国アカデミー賞 外国語映画賞 日本代表作品 データ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_10.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック