いいねっ! チューリヒ映画祭2013 受賞結果!

 弟9回チューリヒ国際映画祭(9月26日-10月6日)の各賞が発表されました。

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 【インターナショナル・コンペティション部門】

 ◆最優秀作品賞/Golden Eye for Best Film
 ◎“La Jaula De Oro”(メキシコ) 監督:Diego Quemada-Diez

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 “La Jaula De Oro”(メキシコ) 監督:Diego Quemada-Diez
 物語:JuanとChaukは、よりよい人生を求めて、故郷グアテマラを離れ、メキシコのチアパス、そしてさらに北へと向かう。途中、彼らは、何度も困難に出会って友情を深め、詩の持つ魅力を知る。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。ある才能賞受賞(アンサンブル・キャストに対して)。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 アナザー・ビュー部門出品。
 エルサレム映画祭2013 スピリット・オブ・フリーダム部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2013 ホライズンズ・ラティーノ部門出品。
 レイキャビク国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 シカゴ国際映画祭2013 ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 ディスカバリー部門出品。

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎Michael B. Jordan(男優) “Fruitvale Station”(米)(監督:Ryan Coogler)

 “Fruitvale Station”(米) 監督:Ryan Coogler
 出演:マイケル・B・ジョーダン、オクタヴィア・スペンサー、メロニー・ディアス、Ahna O'Reilly、ケヴィン・デュランド、チャド・マイケル・マーレイ
 物語:オスカー・グラントは、アフリカン・アメリカンの22歳の青年。2008年12月31日。この日、オスカーは、朝目覚めて、いつもとは違う何かを感じる。それが何かはわからなかったが、彼は、それをサインと考えて、その日、誕生日を迎える母親のために、よい息子になり、恋人に対しても素直になって、よりよいパートナーになるように務め、4歳になる彼らのかわいい娘Tにもよい父親になろうと、決心する。しかし、彼は、その「改心」をなかなか実行に移すことができない。その日、彼は、いろんな人と出会う。家族、友人、他人……。そして、最後に、Fruitvale BART駅の警察官と遭遇する。
 2008年の大晦日から2009年の元日かけて実際に起こった事件(オスカーがベイエリア高速通勤鉄道の警察官に射殺された事件)を映画化した作品。
 監督のRyan Cooglerは、26歳で、これが初監督長編。フォレスト・ウィテカーをプロデューサーに、マイケル・B・ジョーダンを主演男優に、“Sound of My Voice”のRachel Morrisonを撮影監督に迎え、さらにオスカー女優のオクタヴィア・スペンサーのサポートも得て、本作を完成させた。
 サンダンス映画祭2013 審査員グランプリ&観客賞受賞。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。フューチャー賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 ナンタケット映画祭2013 最優秀脚本・監督賞受賞。
 ドーヴィル・アメリカン映画祭2013 カルティエ新人賞&観客賞受賞。
 ヒューマニタス賞2013 サンダンス長編映画部門受賞。

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 【インターナショナル・ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ◆最優秀作品賞/Golden Eye for Best Film in the International Documentary Film category
 ◎“Lej En Familie A/S((Rent a family Inc)”(デンマーク) 監督:キャスパー・アスルップ・シュレーデル(Kaspar Astrup Schroeder)

 “Lej En Familie A/S((Rent a family Inc)”(デンマーク) 監督:キャスパー・アスルップ・シュレーデル(Kaspar Astrup Schroeder)
 イチノカワ(市ノ川)リュウイチは、40代半ばで、東京の郊外に、妻と2人の子供と1匹のチワワと一緒に暮らしている。彼の暮らしぶりは、表面上はいたって普通だが、彼が普通の人と違うのは、副業として「はげまし隊」(I Want to Cheer You Up Ltd)という会社をやっていることだ。「はげまし隊」とは、いわゆる「レンタル家族」のことで、お客さんから要望があれば、「夫」や「友人」、「父親」、「親戚」などの派遣を行なう。リュウイチ自身を含め、「はげまし隊」のメンバーは、結婚式や誕生会、お葬式などにでかけていき、求められた役割をパーフェクトに演じる。完璧な夫にもなれば、理解のある父親にもなるのだ。一方で、リュウイチの家族は、彼の副業のことをほとんど知らない。そもそもリュウイチには家族に知られていないたくさんの秘密があった。たとえそれらが無害なものであったとしても、ひとつひとつ注意深くかき集めて、ひとりの人間の日常生活として見た時、実に驚くべきものとなる。
 『ドクター中松の発明』“The Invention of Dr. Nakamats(Opfindelsen at Dr. Nakamats)”を手がけたキャスパー・アスルップ・シュレーデル監督が、自らアプローチして、3年がかりで完成させた作品。
 デンマーク映画批評家協会賞2013 ドキュメンタリー賞ノミネート。
 Hot Docs カナディアン・ドキュメンタリー映画祭2013出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2013 ゴールデンゲート・長編ドキュメンタリー・コンペティション出品。
 *はげまし隊公式HP:http://www.hagemashi-tai.com/
 *はげまし隊のブログ:http://ameblo.jp/hagemashitai/
 *当ブログ記事『ドクター中松の発明』:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_1.html

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“These Birds Walk”(パキスタン) 監督:Omar Mullick、Bassam Tariq

 “These Birds Walk”(パキスタン) 監督:Omar Mullick、Bassam Tariq
 パキスタンのカラチにある、The Edhi Homeと救急センターは、貧困や虐待、家庭における無視などから家を飛び出した子供たちを保護し、食べ物や寝床を与え、教育を施す施設である。ある者は、まもなく親たちが迎えにくるが、そうではない者たちもいる。3年以上にわたって、The Edhi Homeと救急センターを追ったドキュメンタリー。
 Hot Docs カナディアン・ドキュメンタリー映画祭2013 フィルムマーカー賞受賞。

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 【ドイツ語長編作品コンペティション部門】

 ◆最優秀作品賞/Golden Eye for Best Film in the German-Language Feature Film Competition category
 ◎“Finsterworld”(独) 監督:Frauke Finsterwalder

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 “Finsterworld”(独) 監督:Frauke Finsterwalder
 物語:相互につながりがあり、それぞれになんらかの問題を抱えている12人の物語。クラウデ・ペテルスドルフ医師は、足の専門医で、特に女性の足を偏愛していて、それを老人ホームで暮らすミズ・サントベルクに打ち明ける。学校の旅行で、強制収容所のメモリアル施設を訪れた際、人気者のマクシミリアンは、のけ者のドミニクとナタリーをへこませ、教師のニッケルに残酷な罠をかける……。
 モントリオール世界映画祭2013 ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション部門出品。ブロンズ賞受賞。

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“Die Frau, Die Sich Traut”(独) 監督:Marc Rensing

 “Die Frau, Die Sich Traut”(独) 監督:Marc Rensing
 物語:ベアテは、かつて有能な水泳の選手だったが、それを突き詰めることなく、終わらせていた。今、彼女は、もうすぐ50歳になろうとしていて、ランドリーで働き、家族を支えている。大切ではあるが、満たされない日常。そんな彼女に頚椎の癌が発見される。その時、彼女は、忘れかけていた夢を思い出す。イギリス海峡を泳いで横断すること。家族のために奉仕することより、ランドリーの従業員として働くことより、自分自身に正直でありたい。彼女は、トレーニングを開始し、冷たいバルト海で泳ぎ、氷の入ったバスタブでの訓練も始める。職場のボスは厳しい。しかし、彼女を押しとどめるものは、イギリス海峡の潮流でもなければ、家族の抵抗でもなかった。残された時間なのだ。
 出演:シュテフィ・キューネルト(Steffi Kühnert)、ジェニー・シリー(Jenny Schily)、クリスティーナ・ヘッケ(Christina Hecke)、Lena Oderich

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 ◆The SVFJ Critics Choice Award(第1回作品賞)
 ◎“Finsterworld”(独) 監督:Frauke Finsterwalder

 【ドイツ、オーストリア、スイス ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ◆最優秀作品賞/Golden Eye for Best Film in the Documentary Film Germany, Austria, Switzerland Competition category

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 ◎“Neuland”(スイス) 監督:Anna Thommen
 バーゼルの、Zingg先生の「統合教室」を2年にわたって追ったドキュメンタリー。Zingg先生の「統合教室」とは、アフガニスタンやカメルーン、セルビア、ベネズエラなどから、飛行機や列車やバスやゴムボートでバーゼルにやってきた移民たちを教える、Zingg先生の教室のことだ。Zingg先生の仕事は、過酷な運命を背負い、心にトラウマを負った彼らに、スイス文化の基本と特異性を教えることだ。2年が過ぎ、カリキュラムが終わりかけた頃、生徒の1人が先生に質問する。「スイスに私の居場所はありますか?」と。

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 ◆スペシャル・メンション
 ◎“Nan Goldin – I Remember Your Face”(独) 監督:Sabine Lidl
 「私と私の撮った作品は切り離すことができない」とナン・ゴールディンは言う。この世界的に有名な写真家は、出会った人々や、人生をともにしてきた人々を写真に撮り、彼らの親密で率直な姿を写し出してきた。それらには、愛と人生があり、挑発的で、エキサイティングで、ショッキングでもある。監督のSabine Lidlは、パリからベルリンに向かうナン・ゴールディンに同行し、彼女が懐かしい人々と会い、過去を回想する姿を、豊かな感受性とユーモアをもってとらえていく。

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 ◆観客賞
 ◎“Journey to Jah”(独) 監督:Noël Dernesch、Moritz Springer
 ケルン出身の「ジェントルマン」とシチリア出身のアルボロジーは、ヨーロッパではよく知られたレゲー・ミュージシャンだ。彼らは、新たなる精神的な故郷と音楽的インスピレーションを求めて、レゲーのルーツであるジャマイカに向かう。その過程で、友人であるルシアーノや、ラップで社会批判を行なっている女性ラッパー、テリー・リンらも紹介される。音楽は、文化や、社会的な変化、貧しさや腐敗、政治による国の分断などと結びついていて、政治やスピリチュアリティーと道義であり、区別と相克を促す。ジャマイカの文学教授キャロライン・クーパーによって、ラスタ文化が解説される。ここでは、カリブの楽園や旅行者のあこがれの地といったイメージは排除され、ジャマイカに関する嘘偽りのないビジョンが示される。

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 【その他の賞】

 ◆児童映画観客賞(The Children’s Film Audience Award)
 ◎“Believe”(英) 監督:David Scheinmann [ZFF for Kids部門]
 物語:ジョージーは、マンチェスターからやってきた11歳の少年で、サッカーに燃えていて、自分のチームをジュニア・トーナメントに入れたいと考えている。彼は、高いエントリー料を払えずに、盗みを働いて、現行犯でつかまえられる。ところが、彼をつかまえたのは、マンチェスター・ユナイテッドの伝説的なマネージャーであるサー・マット・バスビーであった。まもなくマットはジョージーのチームの指導を行なうことになる。しかし、ジョージー本人はどんどん蜘蛛の巣にからまるように身動きができなくなり、ある日、ついに、母親からレッドカードをつきつけられてしまう。
 出演:ブライアン・コックス、Jack Smith、ナターシャ・マケルホーン、トビー・スティーヴンス(Toby Stephens)、Phillip Jackson

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 ◆弟1回Treatment Competition Award
 ◎Dave Tucker プロジェクト“Stürm – Bis Ich Tot Bin Oder Frei”

 ◆第2回国際映画音楽コンペティション
 ◎Laurant Courbier

 【特別賞・名誉賞】

 ◎生涯貢献賞(Lifetime Achievement Award):ハリソン・フォード

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 ◎キャリア貢献賞(Carrer Achievement Award):トム・ビーヴァン、エリック・フェルナー

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 ◎ゴールデン・アイコン(Golden Icon):ヒュー・ジャックマン

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 ◎トリビュート賞(Tribute to…Award):ミヒャエル・ハネケ

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 チューリヒ映画祭は、押さえるべき作品はきっちり押さえる一方で、取りこぼしてしまうには惜しい作品を、絶妙なセンスで掬い上げて、われわれの前に示してくれるので、なかなか侮れませんね。毎年、審査員が変わるはずなのに、そうした特徴は変わらないのですから、それこそこのチューリヒ映画祭の個性とも言うべきものでしょうか。

 ◆Facts & Figures
 ・入場者数:71000人(前回:58000人)
 ・上映作品数:122本(前回:111本)
 ・上映本数:345(前回:250)
 ・ゲスト:450人(前回:350人)

 
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 *当ブログ記事

 ・チューリヒ映画祭2013 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_43.html
 ・チューリヒ映画祭2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_2.html
 ・チューリヒ映画祭2010 ラインナップ&受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201010/article_8.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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