トロント国際映画祭2013 ラインナップ その10 MAVERICS部門、WAVELENGTHS部門

 【MAVERICKS部門】:

 現代の映画界をリードする映画人たちのトーク・イベントをメインにしたトーク&上映プログラム。

 ・“InRealLife”(英) 監督:ビーヴァン・キドロン
 われわれの生活を変えた携帯電話やインターネット・テクノロジーに関するドキュメンタリー。WikipediaやMicrosoft、MITメディア・ラボなどの専門家へのインタビューを交え、こうしたテクノロジーがどのように生み出され、どのように受け入れられていったのかを検証する。


 ・“Our Man In Tehran”(カナダ) 監督:Larry Weinstein、Drew Taylor [ワールド・プレミア]
 『アルゴ』として映画化もされた、1979年のイランのカナダ大使館人質事件についてのドキュメンタリー。元カナダ大使のKen Taylorなどへのインタビューを通して、その真相に迫る。
 Robert Wrightの同名著書に基づく映画化(Robert Wrightは本作の脚本にも参加)。


 ・“12.12.12.”(米/96分) 監督:  [ワールド・プレミア]
 2012年12月12日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行なわれた、ハリケーン・サンディーの犠牲者を支援するためのコンサートのドキュメンタリー。ブルース・スプリングスティーン、ザ・ローリング・ストーンズ、ボン・ジョヴィ、ポール・マッカートニー、ザ・フー、カニエ・ウエスト、アリシア・キーズら出演。
 上映後、このコンサートの共同オーガナイザーであるハーヴェイ・ワインスタインとのディカッションも開催予定。


 ・“For No Good Reason”(米) 監督:Charlie Paul [ワールド・プレミア]
 ハンター・S・トンプソンの『ラスベガスをやっつけろ』などを手がけ、ラディカルなイラストレーターとして知られるラルフ・ステッドラー(Ralph Steadman)に関するドキュメンタリー。
 ジョニー・デップが、彼のスタジオを訪ねて、話を聴くというスタイルで、1974年にキンシャサで行なわれたフォアマン対アリの試合をハンター・S・トンプソンと観戦に行ったことや、ウィリアム・S・バロウズとのガンファイトなど、伝説的なエピソードが語られる。
 豊富なフッテージやアニメーション、テリー・ギリアムや「ローリング・ストーン」誌出版人Jann Wennerらへのインタビューなども盛り込んで、監督Charlie Paulが15年の歳月をかけて完成させた作品。


 ・“Made in America”(米) 監督:ロン・ハワード [ワールド・プレミア]
 Jay Zが、毎年レイバー・デイの週末にフィラデルフィアで行なっているコンサートの2012年版を撮影したドキュメンタリー。
 上映後、ロン・ハワードとのトーク・イベントあり。


 ・“What is Cinema? (Qu'est ce que le cinéma?)”(米) 監督:チャック・ワークマン(Chuck Workman) [ワールド・プレミア]
 映画とは何かということに考えるビジュアル・エッセイ。
 100以上のクリップに加え、マイク・リー、ジョナス・メカス、デイヴィッド・リンチ、ケリー・ライヒャルト、コスタ=ガヴラス、マイケル・ムーアへのインタビュー、さらに、アルフレッド・ヒッチコックや黒澤明、ロベール・ブレッソンらへの過去のインタビューなども紹介される。
 『スクリーンのかなた/アメリカ映画100年史』や『ビートニク』などの監督と知られるチャック・ワークマンの最新作。


 ・イルファーン・カーンとの対話(In Conversation With Irrfan Khan)
 『スラムドッグ$ミリオネア』や『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』などで知られ、今回の映画祭では、“The Lunchbox”と“Qissa”が上映されるインドの俳優イルファーン・カーンのトーク・イベント。

 ・スパイク・ジョーンズとの対話(In Conversation With Spike Jonze)

 ・Women & Film 40th Anniversary preceded by I Am Somebody
 トロント女性&映画祭(The Toronto Women & Film Festival)の40周年を記念し、創立者・研究者・前プログラマーであるKay Armatageを招いて、トーク・イベントを行なう。
 Kay Armatage の短編“I Am Somebody”も併せて上映。

 【MIDNIGHT MADNESS部門】

 ・“Witching & Bitching(Las brujas de Zugarramurdi)”(西・仏) 監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア [ワールド・プレミア]
 出演:Hugo Silva、Mario Casas、ペポン・ニエト(Pepón Nieto)、カルメン・マウラ、カロリーナ・バング(Carolina Bang)、テレール・パベス(Terele Pávez)、Jaime Ordóñez、サンティアゴ・セグーラ(Santiago Segura)、カルロス・アレセス(Carlos Areces)
 物語:ホセは、妻に棄てられ、運にも見放された男で、仲間とともに、シルバーのボディーペイントを施したイエス・キリストの扮装で、換金ショップを襲い、25000もの結婚指輪を強奪する。しかも、その強盗には、親権的なスケジュールの都合上、8歳の息子も同伴していた。強盗に成功した彼らは、警察から逃げて、バスクの森の中に入り込むが、そこで、魔女の集会に出くわしてしまう。魔女たちによってカエルのスープに入れられることもなく、警察や、激怒している妻からも逃げ延びるためには、ホセたちはない知恵を絞らなければならなかった。


 【WAVELENGTHS部門】

 短編から長編まで、いわゆる実験映画のみならず、新しい映画の地平を切り開こうとするような、大胆で野心的な作品を集めたプログラム。

 [短編作品]

 Wavelengths 1: Variations On...
 ・“Variations on a Cellophane Wrapper”(1970/カナダ) 監督:David Rimmer
 ・“Pop Takes”(米) 監督:Luther Price
 ・“Airship”(米) 監督:ケネス・アンガー
 ・“El Adios Largos”(メキシコ・米) 監督:Andrew Lampert
 ・“The Realist”(米) 監督:Scott Stark

 Wavelengths 2: Now & Then
 ・“Instants”(スイス) 監督:Hannes Schüpbach
 ・“Pepper’s Ghost”(カナダ) 監督:Stephen Broomer
 ・“Man in Motion, 2012 (Homme en mouvement, 2012)”(スイス) 監督:Christophe M. Saber、Ruben Glauser、Max Idje
 ・“Flower”(日・米) 監督:田坂瑞子
 ・“Constellations (Konstellationen)”(独) 監督:Helga Fanderl

 Wavelengths 3: Farther Than the Eye Can See
 ・“Farther Than the Eye Can See”(UAE) 監督:Basma Alsharif
 ・“Main Hall”(オーストリア) 監督:Philipp Fleischmann
 ・“45 7 Broadway”(米) 監督:西川智也
 ・“Bann”(独) 監督:Nina Könnemann
 ・“Dry Standpipe (Suchy Pion)”(ポーランド) 監督:Wojciech Bakowski
 ・“Gowanus Canal”(米) 監督:Sarah J. Christman
 ・“Nefandus”(米・西) 監督:Carlos Motta

 Wavelengths 4: Elysium
 ・“Trissákia 3 ”(米) 監督:Nick Collins
 ・“Brimstone Line”(カナダ) 監督:Chris Kennedy
 ・“Listening to the Space in my Room”(スイス) 監督:Robert Beavers
 ・“Mount Song”(米・インド) 監督:Shambhavi Kaul
 ・“Natpwe, the feast of the spirits”(仏・ミャンマー) 監督:Tiane Doan na Champassak、Jean Dubrel

 [中編作品]

 ・“The King’s Body (O Corpo de Afonso)”(ポルトガル/30分) 監督:ジョアン・ペドロ・ロドリゲス(Jõao Pedro Rodrigues) [北米プレミア]
 ポルトガルには、初代ポルトガル王ドム・アルフォンソ・エンリケが、たくましい肉体の持ち主であったという伝承から、男性の筋肉質の肉体をよしとする伝統的な価値観がある。ジョアン・ペドロ・ロドリゲスは、筋肉系男子を集め、こうした伝統の意味するところを考える。また、映画に特殊効果が使われることが多くなっている現代において、映画と肉体についても考える。

 ・“Redemption”(ポルトガル・仏・独・伊/26分) 監督:ミゲル・ゴメス [北米プレミア]
 物語:1975年1月21日、ポルトガル北部の村に住む子供がアンゴラにいる両親に手紙を書いて、ポルトガルがいかに哀しいのか伝える。2011年7月13日、ミラノで、老人が初恋について語る。2012年5月6日、パリで、ひとりの男が、赤ん坊に自分は本当の父親にはなれないだろうと話しかける。1977年9月3日、ライプチヒで、ワーグナーが頭から離れないと言って花嫁が騒ぐ。
 ベネチア国際映画祭2013 アウト・オブ・コンペティション部門出品。


 ・“A Thousand Suns(Mille soleils)”(仏/45分) 監督:Mati Diop [インターナショナル・プレミア]
 1972年、本作の監督の叔父Djibril Diop Mambetyは、“Touki Bouki”という映画を作った。その中で、モリーとアニタは愛し合い、ダカールからパリへ行くという夢を共有する。しかし、モリーが旅立ったのに対し、モリーは土地のしがらみもあってここにとどまることを選択する。あれから40年。映画の中でモリーを演じたMagaye Niangは、ダカールにとどまっていて、アニタはその後どうしただろうかと考える。Mati Diop監督は、映画の中の登場人物たちが見た夢と、現実のその後を検証する。

 ・“Un conte de Michel de Montaigne”(仏・スイス/35分) 監督:ジャン=マリー・ストローブ [北米プレミア]
 われわれが当たり前のように受け入れている睡眠というものについて考える。

 ・“Letter to a Refusing Pilot”(レバノン/34分) 監督:Akram Zaatari [北米プレミア]
 1982年夏。イスラエル軍のパイロットが、レバノンに爆弾を落とすという噂が広まる。しかし、パイロットは、ターゲットが学校であることを知って、海に爆弾を落として帰還したという。
 監督のAkram Zaatariの個人的な記憶をたどっていて、発掘された物語。

 ・“Song”(米/18分) 監督:Nathaniel Dorsky [カナダ・プレミア]
 2012年10月の初めから12月末にかけてサンフランシスコで撮影された作品。

 ・“Spring”(米/23分) 監督:Nathaniel Dorsky [ワールド・プレミア]
 春。日差しがきらめき、草木が芽吹き、自然は色彩を取り戻していく。

 ・“Three Landscapes”(米/47分) 監督:Peter Hutton [ワールド・プレミア]
 デトロイト、ハドソン渓谷、エチオピア北東部のダロル盆地。3つの風景と、それぞれの地の人々。

 [長編部門]

 ・“A Field in England”(英) 監督:ベン・ウィートリー(Ben Wheatley) [北米プレミア]
 出演:マイケル・スマイリー(Michael Smiley)、Peter Ferdinando、リース・シェアスミス(Reece Shearsmith)、ジュリアン・バラット(Julian Barratt)、リチャード・グローヴァー(Richard Glover)、Ryan Pope
 物語:市民戦争時代のイギリス。戦闘の激しさから何人かの脱走兵が出る。それを、オニールとカトラーという2人組がつかまえる。錬金術師のオニールは、隠されたお宝を彼らに掘り起こさせようとする。彼らは、一面に生えていたキノコを口にし、言い争いとケンカとパラノイアで、たちまちカオスになる。やがて、隠されたお宝というのが金ではないらしいことがわかってきて、彼らは、その恐るべきパワーの影響を受け始める。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・“Story of My Death(Historia de la meva mort)”(仏・西) 監督:Albert Serra [北米プレミア]
 物語:性の征服者として知られるカサノヴァが、人生の最期の時を過ごすために、自分を看取らせるための下僕を連れ、フランスの城を離れて、貧しく、陰気なヨーロッパ北部へと向かう。彼は、深い森に囲まれた小さな農村にやってくるが、やがて彼の軽薄でハイソな世界観や啓蒙的な合理主義は脆くも崩れ去ってしまう。彼はここでミステリアスなドラキュラ伯爵と出会い、伯爵の、暴力的、かつロマンチックな謎の力と、永遠の生命力を目の当たりにする。
 ロカルノ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。金豹賞受賞。


 ・“Pays Barbare”(仏) 監督: Yvervant Gianikian、Angela Ricci Lucchi [北米プレミア]
 プロパガンダ用のフィルムや、植民地主義的なエロティックなポートレート、プライベートなフィルム、匿名のアーカイブまで、ムッソリーニの侵略下にあった時代のエチオピアで撮影された映像を集めて、再構成した作品。
 ロカルノ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。


 ・“I’m the same, I’m an other”(ベルギー) 監督:Caroline Strubbe [ワールド・プレミア]
 物語:30代のSzabolcsが車で高速道路を飛ばしている。後部座席には、9歳の少女テスが乗っている。2人の関係はすぐには明らかにされないが、やがて2人が何かから逃げているらしいことがわかる。2人は、イギリスへ向かうフェリーに乗り込む。その時、Szabolcsは、できるだけテスの存在を隠そうとする。イギリスで、2人は海に面したコテージを借りて、住む。Szabolcsは、何かにとりつかれたような衝動的なテスを守る父親のような役割を演じる。2人は、互いにどこまで相手の気持ちの中に踏み込んでいいのか探り合う。2人の過去には、喪失と悲しみがあふれている。


 ・“The Police Officer's Wife(Die Frau Des Polizisten)”(独) 監督:Philip Gröning [北米プレミア]
 出演:Alexandra Finder、David Zimmerschied、Pia Kleemann、Chiara Kleemann、Horst Rehberg、Katharina Susewind、ラルス・ルドルフ(Lars Rudolph)
 物語:若い夫婦が4歳の娘とともにドイツの小さな町に引っ越してくる。彼らは少しずつ新しい町のことを知っていくが、その一方で、警察官になった夫は、妻と娘にとって、次第に別人のように感じられてくる。 もはやなんらかの衝突は時間の問題のように思える……。
 物語は、4歳の娘クララ(実際には双子を使って撮影された)の視点で描かれ、大人が変わっていく様子が子供の目にどう映るか、そして子供の心がどのように成長していくか、が示される。撮影は、脚本なしで進められた。
 ベルイマンやハネケ作品に通じるものがあると語られる作品。175分。
 ベネチア国際映画祭2013 コンペティション部門出品。審査員特別賞受賞。


 ・“The Strange Little Cat(Das merkwürdige Kätzchen)”(独) 監督:Ramon Zürcher [カナダ・プレミア]
 物語:2人の姉妹がベルリンのアパートに帰ってくる。彼女たちは、夕食の準備をしている家族に加わる。玉ねぎを刻み、蛾を追い払い、衝動的に叫び、遠くでヘリコプターの音がする。そうしたごく普通の日常が淡々と映し出されていく。
 72分。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。
 サンフランシスコ国際映画祭2013 ニュー・ディレクターズ コンペティション部門出品。
 カフカの『変身』にインスパイアされて制作された作品と言われ、ジャック・タチやブレッソン、シャンタル・アケルマンなどと比較され、批評されている作品。


 ・“Three Interpretation Exercises(Trois Exercises d’Interprétation)”(ルーマニア・仏) 監督:Cristi Puiu [北米プレミア]
 物語:ロシアの作家で哲学者の“Three Conversations”に基づく、3幕ものの作品で、2011年にトゥールーズで行なわれたCristi Puiuによる3週間の演劇のワークショップから生まれた。
 ‘The Mouse is Under the Table’:教師が、古い友人と再会し、ランチに誘われる。そこには、ブルジョワの夫婦が同席していて、4人で、ジェンダーや階級についての会話を交わす。
 ‘The Cat is on the Chair’:信念と政治的平和主義の関連性の話から、アート系映画の気取りに関するジョークめいた話まで、4人の登場人物によって語られる。
 ‘The Monkey’:愛や人生や死について、女の子だけで語られる。
 最後にこれまで登場した人物がすべて集まって降霊会に参加する。


 ・“A Spell to Ward off the Darkness”(エストニア・仏) 監督:Ben Rivers、Ben Russell [北米プレミア]
 2人の映画作家のコラボ作品で、ミュージシャンのRobert AA Loweが異なる3つの物語で主役を演じる。1つ目は、エストニアの小さな島のコミューンのメンバー、2つ目は、フィンランド北部の厳しい自然の中で孤独に暮らす人物、3つ目は、異教系のブラックメタルのシンガー。
 ロカルノ国際映画祭2013 サインズ・オブ・ライフ特集出品。


 ・“The Disquiet”(仏・レバノン/20分) 監督:Ali Cherri [ワールド・プレミア]
 地震国であるレバノンに関する分析的なアプローチと、カタストロフィーに関する誌的な瞑想。
 この作品は短編で、映画祭では“The Battle of Tabatô (A batalha de Tabatô)”とセットで上映されます。

 ・“MANAKAMANA”(米・ネパール) 監督:Stephanie Spray、Pacho Velez [北米プレミア]
 ネパールのジャングルの上空。巡礼者たちは、ロープウェーをつかって旅をし、マナカマナ寺院へとたどりつく。
 聖なるものと世俗的なもの。激しい近代化の波とスピリチュアルな体験の対比。フィクションとドキュメンタリーの限界へのチャレンジ。
 ほとんどの撮影は、空中のゴンドラから行なわれた。
 ロカルノ国際映画祭2013フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント コンペティション部門出品。金豹賞受賞。

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 ・“The Missing Picture (L’image manquante)”(カンボジア・仏) 監督:リティー・パニュ(Rithy Panh) [北米プレミア]
 “L'image Manquante(失われたイメージ)”とは、クメール・ルージュ時代に撮られた写真のこと。リティー・パニュは、クメール・ルージュ時代の1975年から1979年に撮られた写真を求めて、カンボジアの田舎をまわってアーカイブや古い文書を探した。それが見つかったからといって、クメール・ルージュの大虐殺の証拠とはならないかもしれない。しかし、それを見て、考え、瞑想し、歴史について記述することはできるはずだ。だが、試みはことごとく徒労に終わった。本作は、その探求の過程を撮影したドキュメンタリーである。こうした過程を見せることは、1枚の写真そのものより意義があるかもしれない。そう考えた。それがこの映画の使命であり、映画だからこそできることだ。
 『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』などで知られるリティー・パニュ監督の最新作。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。ある視点賞受賞。
 エルサレム国際映画祭2013 スピリット・オブ・フリーダム部門出品。The Ostrovsky Family Foundation Award受賞。


 ・“La ultíma película”(カナダ・デンマーク・メキシコ・フィリピン) 監督:ラヤ・マーティン(Raya Martin)、Mark Peranson [ワールド・プレミア]
 アメリカの有名な監督が、ユカタン半島で、サイケデリックな西部劇を撮影すべく、ロケハンを行なう。ちょうどその頃、マヤの黙示録が告げる世界の終わりが近づいてくる……。
 フィリピンのラヤ・マルティン監督と、カナダの映画批評家で監督のMark Peransonのコラボレーション。
 デニス・ホッパーの『ラストムービー』を意識したと思われる作品で、タイトルを英訳するとそのものズバリ“The Last Movie”。


 ・“Stray Dogs(Jiao You/郊遊)”(台湾・仏) 監督:ツァイミンリャン [北米プレミア]
 出演:リー・カンション、ルー・イーチン、Lee Yi-Cheng、Lee Yi-Chieh、チェン・シャンチー
 物語:主人公は、台北に暮らす無職の四十男で、妻に出て行かれ、10歳の息子と6歳の娘が残される。もう何ヶ月も家賃が払えず、家を追い出されてしまう。幸いにして仕事が見つかる。それは不動産のサンドイッチマンのような仕事で、近年、台北では大企業が土地を買い上げて、贅沢なコンドミニアムを建てるというのが流行っていて、そこからそんな仕事も派生してできたのだ。実際に彼がやることは、普通の人が休みになる週末に8時間、不動産の広告ボードを持って、立ちんぼをすることで、それで30ドルもらい、そこから斡旋業者に6ドル支払うのだ。昼間、子供たちは、スーパーマーケットやモールをうろつき、試食品で糊口をしのぐ。夜は、家族で集まって、廃墟となったビルを避難所代わりに使う。父親は、その場しのぎの家の壁に描かれている眠気を催すような壁画に、妙に惹かれるものを感じる。父親の誕生日会が開かれた日、ひとりの女性が参加してくる。ひょっとすると彼女がこれまで抑えつけてきた感情を解放してくれるかもしれない。
 ベネチア国際映画祭2013 コンペティション部門出品。審査員グランプリ、オンライン批評家賞 スペシャル・メンション受賞。


 ・“‘Til Madness Do Us Apart(瘋愛)”(香港・中・仏・日) 監督:ワン・ビン [北米プレミア]
 中国南西部の隔絶した場所にある、古い精神病院。ここには約100人の受刑者が入れられている。罪状や病状はさまざまだ。人を殺した者もいれば、地元の法律を犯した者もいる。彼らのほとんどは、親族からも見捨てられ、会いに来る者もいない。彼らは、人の温もりや慰めを求めている。彼らは、キスやボディータッチに飢え、夜になると、一緒に寝てくれる相手を探す者もいる。
 220分。
 ベネチア国際映画祭2013 アウト・オブ・コンペティション部門出品。


 ・“RP31”(米/5分) 監督:Lucy Raven [カナダ・プレミア]
 映画を上映する前に焦点などを合わせるために使われる31のテスト・パターンやキャリブレーション・チャートを使って、作ったアニメーション。
 この作品は短編で、映画祭では“La ultíma película”で上映。


 ・“The Battle of Tabatô (A batalha de Tabatô)”(ギニア ビサウ・ポルトガル) 監督:João Viana [北米プレミア]
 グリオと伝統音楽で知られるギニア・ビサウの村。ファトゥとイドリッサが、結婚式を挙げるための準備をしている。ここに30年ぶりにファトゥの父親バイオが、娘の結婚を祝うために帰ってくる。バイオは、独立戦争で戦った戦士で、国を追われて、それ以来、故郷には戻っていなかった。彼の帰郷は、悲しい記憶を甦らせ、結婚式に不吉な空気をもたらす。邪気を払うためには、まず、バイオの過去に対する禊を行なわなければならない。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。第1回作品賞スペシャル・メンション


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 メイン・プログラムは以上です。

 このほかに、ギャラリーなどとの連携プログラムであるFUTURE PROJECTIONSや、他の部門からのセレクションであるNEXTWAVE部門やMANIFESTO部門、SPECIAL EVENTSなどの部門があります。

 
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 *当ブログ記事

 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その1.GALA、SPECIAL PRESENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_21.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その2.SPECIAL PRESENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_22.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その3.CITY TO CITY、MIDNIGHT MADNESS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_25.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その4.TIFF DOCS、VANGUARD:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201308/article_1.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その5.カナダ作品:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201308/article_11.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その6.GALA、SPECIAL PRESENTATIONS、TIFF KIDS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201308/article_14.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その7.CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_13.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その8.CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門(続き):http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_15.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その9.DISCOVERY部門、MASTERS部門:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_21.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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