ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション リスト その2!

 ・“The Colour of the Chameleon(ЦВЕТЬТ НА ХАМЕЛЕОНА/Cvetat na hameleona)”(ブルガリア) 監督:Emil Christov
 出演:Ruscen Vidinliev、Irena Milyankova、Rousy Chanev、Deyan Donkov、Svetlana Yancheva、Samuel Finzi
 物語:熱狂的な情報提供者が、自分で勝手に、秘密の警察組織を作り上げる。彼は、知識人を登用して、お互いを監視させ、秘密の情報を得て、政府を大混乱に陥れる。この秘密警察のおかげで、人々は、心の奥底に封じ込められていた悪意をさらけ出すようになっただけでなく、それを楽しみにすらし始めていた。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。
 テッサロニキ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。スペシャル・メンション2位。
 ストックホルム国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 ソフィア国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 ブカレスト国際映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 ブルガリア・アカデミー賞2013 作品賞・主演男優賞・助演女優賞・脚本賞・美術賞・衣裳賞・録音賞・第1回作品賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013〈「ヴァラエティー」誌による、観るべきヨーロッパの10人の監督たち〉出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 ブルガリア代表。


 ・“Child's Pose(Poziţia Copilului)”(ルーマニア) 監督:Călin Peter Netzer
 物語:3月の寒い夕べ。バルブは、時速50キロで車を走らせていた。彼は、子供をはね、その子はまもなく死んでしまう。彼には、3年から15年の刑が予想された。ここで、彼の母親コルネリアが介入してくる。ベテランの建築家で、ルーマニアの上流階級の一員である彼女は、読んでもいない本が詰まった美しい本棚が自慢で、財布にはクレジットカードがぎっしり詰まっている。思いつめ、生きる気力を失った息子を救うための、コルネリアのキャンペーンが始まる。彼女は、賄賂を使って、目撃者にウソの証言をさせることもできたし、死んだ子供の両親にお金をつかませて、懐柔することすらできそうだった。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。金熊賞、国際批評家連盟賞受賞
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 ルーマニア代表。


 ・“Boy Eating The Bird's Food(Το αγόρι τρώει το φαγητό του πουλιού/To Agori Troei to Fagito tou Pouliou)”(ギリシャ) 監督:Ektoras Lygtizos
 物語:主人公は、現代のアテネに暮らす若者ヨルゴス。彼は、教育も受け、教養もあるが、家族や友人とも疎遠で、おんぼろアパートで餓死寸前の暮らしをしている。ペットのカナリアのエサにまで手をつけることはしないが、年輩の隣人から盗みを働いたり、街を徘徊しては、ビンに残った飲み残しを集めてまわったりしている。それだけ切羽詰ってしまえば、もう死者から盗みを働くことに何の呵責も覚えない……。
 ブレッソンやカミュ、ドストエフスキーを彷彿とさせると言われる作品で、Ektoras Lygizosの監督デビュー作にして、ギリシャ・ニューウェーブに付け加えられる1本。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 男優賞受賞。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。
 テッサロニキ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。男優賞受賞。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 オフィシャル・セレクション出品。銀賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 フォーカス・ギリシャ部門出品。
 ブリュッセル映画祭2013 コンペティション部門出品。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 ギリシャ代表。


 ・“The Eternal Return of Antonis Paraskevas(Η αιώνια επιστροφή του Αντώνη Παρασκευά/I aionia epistrofi tou Antoni Paraskeva)”(ギリシャ) 監督:Elina Psykou
 物語:Antonis Paraskevasが海沿いのリゾートホテルにやってくる。しかし、いまは冬でホテルは閉まっている。テニスコートは薄汚れ、プールは濁っている。彼はあたりをフラフラする。時間はたくさんあるのだ。ニュースで彼が失踪したことが報じられる。彼は、20年間、ギリシャの朝をリードしてきたTV番組のホストだ。人気絶頂の頃を思い出す。いまも人気があるが、かつてほどではない。誰だってずっと同じ人気を維持することはできないし、借金したり、個人的な問題を抱えたりすることからは逃れられない。くだらないお遊びはもうやめた方がいいかもしれない。しかし、彼にはまだ帰る準備ができていない。戻らなければ、これ以上落ちぶれて、醜態をさらすこともないかもしれない。
 初監督作品。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 「フォーカス:ギリシャ」選出。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013〈「ヴァラエティー」誌による、観るべきヨーロッパの10人の監督たち」〉出品。
 トロント国際映画祭2013 CITY TO CITY部門出品。


 ・『ザ・ディープ』“The Deep(Djúpið”(アイスランド・ノルウェー) 監督:バルタザール・コルマウクル

 ・『シージャック』“A Hijacking(Kapringen)”(デンマーク) 監督:トビアス・リンホルム(Tobias Lindholm)
 物語:インド洋で、貨物船MV Rosen号が海賊に乗っ取られる。船員は人質にされ、海賊は船舶会社に身代金を要求する。そこから、海賊と船舶会社の経営者との生と死を賭けた心理戦が始まる。
 ベネチア国際映画祭2012 Orizzonti部門出品。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 インターナショナル長編コンペティション部門出品。
 AFIフェスト2012 観客賞New Auteurs部門受賞。
 テッサロニキ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。最優秀作品賞受賞。
 ヨーテボリ国際映画祭2013 ノルディック映画部門 観客賞受賞。
 デンマーク・アカデミー賞2013 作品賞・主演男優賞(ソーレン・マリン)・脚本賞・編集賞・録音賞受賞。
 デンマーク映画批評家協会賞2013 作品賞受賞。


 ・“Only God Forgives”(デンマーク・仏) 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
 出演:クリスティン・スコット・トーマス、ライアン・ゴスリング、Vithaya Pansringarm、 Gordon Brown、トム・バーク
 物語:10年前、ジュリアンは、バンコクで殺人を犯して、逃亡し、今は、ムエタイ・クラブを隠れ蓑にして、麻薬の売買をしている。彼は、闇の世界ではあがめられる存在だったが、心は空疎だった。ある時、彼の弟が娼婦を殺してしまう。警察は、復讐の天使と呼ばれる元刑事チャンにたどりつく。チャンは、殺された娘の父親を手助けして、復讐を果たさせ、その代わりに、彼の右腕を切り落とすことで落とし前をつけさせる。怒りが収まらないのは、ジュリアンの母で、闇の世界のボスである彼女は、どんな手段を使っても復讐しようとする。一方、ジュリアンは、チャンを倒すことで、精神的な安らぎが得られるのではないかと考え、チャンとムエタイのリングで戦うことに決める。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。


 ・“Eat Sleep Die (Äta sova dö)”(スウェーデン) 監督:Gabriela Pichler
 物語:Rašaは、バルカン半島出身のスウェーデン人だ。彼女は、高校も卒業しておらず、イスラム教徒ということも手伝って、なかなかよい仕事は見つけられない。彼女は、レタスのパック詰めをしている工場をクビになり、新しい仕事を探さなければならなくなる。その一方で、父の面倒もみなければならない。厳しい状況の中、彼女はなぜ政府はすべての人に就職機会の均等を保証してくれないのかと考える。
 ベネチア国際映画祭2012 批評家週間出品。観客賞受賞。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2012 ディスカバリーズ部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 インターナショナル長編コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 レイキャビク国際映画祭2012 New Visionコンペティション部門出品。
 AFIフェスト2012 審査員グランプリ受賞。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 グランプリ受賞。
 ストックホルム国際映画祭2012 ライジング・スター賞受賞(Nermina Lukač)。
 スウェーデン・アカデミー賞2013 作品賞・監督賞・主演女優賞(Nermina Lukač)受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013〈「ヴァラエティー」誌による、観るべきヨーロッパの10人の監督たち〉出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 スウェーデン代表。


 ・“The Last Sentence(Dom över död man)”(スウェーデン) 監督:ヤン・トロエル
 出演:ペルニラ・アウグスト、ピーター・アンダーション
 物語:Torgny Segerstedt(1876-1945)は、スウェーデンの新聞Göteborgs Handels- och Sjöfartstidningの編集長で、第二次世界大戦中に反ナチの記事を書いて、物議を醸した。それらのいくつかは翻訳され、その日のうちにイギリスのラジオで紹介されたりした。ノルウェーでは、彼は英雄として扱われたが、スウェーデンの王や政府関係者は、反響を恐れた。スウェーデンは中立国であり、戦争に巻き込まれたくはなかったのだ。彼は、また、情熱的な愛に生きた人物で、3人の異なる女性との間に複雑にからみあい、矛盾した関係を持った。最後には、政治的にも個人的にも、彼は、自分の行為に対して、責任を取らなければならなかった。ナチスが倒れた時、彼は役割を終え、あとは死ぬしかなかった。
 モントリオール世界映画祭2012 ワールド・コンペティション部門出品。監督賞受賞。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 シカゴ国際映画祭2012 女優賞受賞。
 スウェーデン・アカデミー賞2013 助演女優賞受賞(Ulla Skoog)。


 ・“8-BALL(8-Pallo)”(フィンランド) 監督:アク・ロウヒミエス(Aku Louhimies)
 物語:Pikeは、刑務所を釈放になり、今は新しい町に引越し、かわいい赤ん坊と一緒に人生を再スタートさせようとしていた。もう過ちを犯すわけにはいかない。しかし、元カレのLalliが彼女の新しい生活に入り込んでくる。2人の関係はまだ切れてはいなかったのだ。一方、犯罪捜査官のEliasもまた彼女の動向を気にかけていて、彼女がまた何かやらかさないかと目を向けていた。彼には、Olliというパートナーがあり、仕事中に負ったケガから復帰したばかりで、妻とも別れて、自力で再出発しようとしていた。
 ヨーテボリ国際映画祭2013 出品。
 ブリュッセル映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・“I Belong(Som du ser meg)”(ノルウェー) 監督:Dag Joham Haugerud
 物語:ある看護婦は、ナーバスになると言葉が英語なるので、それがきっかけとなって言い争いが始まる。ある翻訳家は、自分が納得できない本の翻訳を依頼されて、いぶしぶ自分の主義を曲げることにする。親戚から100万クローネをもらえることになって、老女とその娘の間にトラブルが発生する。
 ヨーテボリ国際映画祭2013 ノルディック・コンペティション部門出品。


 ・『コン・ティキ』(ノルウェー・デンマーク・英・独・スウェーデン) 監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ

 ・“Betrayal(ИЗМЕНА/Izmena)”(ロシア) 監督:キリル・セレブレンニコフ(Kirill Serebrennikov)
 物語:知人の間柄の男女が、それぞれの配偶者どうしが浮気をしていることを知る。嫉妬か、怒りか。復讐か、許しか。彼らは、新たに生活を立て直そうとするが、なかなかうまくいかない。何をやろうとしても、不信感に囚われてしまうのだ。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 Supernova部門出品。


 ・“A Long and Happy Life(ДОЛГАЯ СЧАСТЛИВАЯ ЖИЗНЬ/Dolgaya schastlivaya zhizn)”(ロシア) 監督:Boris Khlebnikov
 出演:Alexander Yatsenko、Eugene Sitiy、Anna Kotova
 物語:サーシャは、ロシア北部のコラ半島で、集団農場を引継いだ古い農場を営んでいる。使用人たちは彼を信頼していて、彼は、地元の役所で秘書をしているアーニャとの情事を楽しんで、それなりに満足していた。そこに、欲深い地区の行政官がやってきて、農場を売って、ひと儲けしないかと話を持ちかけてくる。農場は、金銭的なやりとりなしで引き継いだもので、法的には彼に売買の権利はない。かといって、行政官に楯突くこともできない。もし農場が売られてしまったら、立ち退かなければならなくなる使用人たちからも反対されて、彼は窮地に追い込まれる。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・“In Bloom(Grzeli nateli dgeebi)”(グルジア・独・仏) 監督:Nana Ekvtimishvili、Simon Gross
 物語:ソ連が崩壊して数年経ったグルジアのトビリシ。エカとナティアは、仲良しの10代の少女。ナティアの家は、父親が刑務所に入っていて、母と姉とで暮らしている。母の戸棚には、大切にしまわれている箱があって、その中には、手紙とソ連時代のパスポートと意味ありげなタバコが入っている。一方、エカの家は、アル中で口うるさい父親がいて、いつも騒々しい。エカには、彼女のことが好きな男の子が2人いて、1人はハンサムなラドで、もう1人は、悪い仲間とつるんでいるコテ(Kote)だ。コテは、エカをさらい、強引に妻にしようとする。コテがラドを殺した時、エカとナティアは、運命の選択を迫られる。エカには、ラドから預かった1発の銃弾が入った銃があった……。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。C.I.C.A.E.賞受賞。
 香港国際映画祭2013 ヤング・シネマ・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 パリ映画祭2013 Graziaマガジン賞受賞。
 オデッサ国際映画祭2013 演技賞受賞。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 サラエボ映画祭2013 長編コンペティション部門出品。グランプリ・女優賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 グルジア代表。

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 ・『天と地の間のどこか』“Araf - Somewhere In Between(Araf)”(トルコ・仏・独) 監督:イェスィム・ウスタオウル
 物語:ゼーラとオルグンは、毎日、24時間シフト制でガソリンスタンドで働いている。無意味で単調な日々。彼らは、自由時間をテレビを観て過ごす。ふと、夢と現実の間で、バラバラになりそうな自分を感じる。そんな時、貨物自動車に乗った男性マフールが現れて、恋のトライアングルが生まれる。しかし、うっとりするような情熱と本物の愛との違いに気づかされ、幻想は打ち砕かれる。彼らは、痛みを通して、現実に立ち返り、新たな希望を見出す。子供のような無邪気さはもう取り戻せない。
 ベネチア国際映画祭2012 Orizzonti部門出品。
 東京国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 トルコ映画批評家協会賞2013 作品賞・主演女優賞・美術賞受賞。
 ソフィア国際映画祭2013 バルカン・コンペティション部門出品。批評家賞受賞。
 サラエボ映画祭2013 イン・フォーカス部門出品。


 ・“The Congress”(イスラエル・独・ポーランド・ルクセンブルク・仏・ベルギー) 監督:アリ・フォルマン
 声の出演:ロビン・ライト、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ハム、ポール・ジアマッティー、コーディ・スミット=マクフィー、ダニー・ヒューストン
 物語:ロビン・ライト(ロビン・ライト本人)は、女優だが、年も取り、障害を持つ子供を抱えて、自分の肉体のデジタル化とその使用権をハリウッド・メジャーのミラマウントに売ることにする。その契約には大金が支払われるが、彼女本人は、今後一切、女優として活動しないと約束させられる。20年後、彼女は、デジタルの出席者たちにまじって、ミラマウント-ナガサキ・コンベンションの席に、スペシャル・ゲストとして姿を見せる。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 プチョン国際ファンタスティック映画祭2013 オープニング作品。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品。


 ・“Fill the Void(החלל את לאםל/Lemale et Ha’halal)”(イスラエル) 監督:Rama Burshtein
 物語:テルアビブからやってきたユダヤ教敬虔主義の家族の物語。シーラは、18歳で、メンデルマン一家の末っ子である。彼女は、同じ年で同じ育ちの男性と結婚したいと願い、それが叶って、結婚の準備を進めていた。しかし、長女のエステルが、初めての子供モルデカイを生んで、死んでしまい、状況はがらっと変わってしまう。シーラの結婚も延期される。エステルの夫だったヨカイに、ベルギーからやってきた未亡人との再婚話が持ち上がる。ヨカイは、再婚するには早すぎると思ったが、いずれは再婚しなければならない。シーラの母は、それを聞き、ヨカイと未亡人が再婚すれば、モルデカイを連れて、3人でベルギーに去るのだと考えて、ヨカイとシーラを結婚させようと考える。シーラは自分の気持ちと家族の思いの間で悩むことになる。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。女優賞(Hadas Yaron)、SIGNIS賞スペシャル・メンション受賞。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。
 パームスプリングス国際映画祭2013 国際批評家連盟賞受賞。
 インディペンデント・スピリット・アワード2013 第1回作品賞、第1回脚本賞ノミネート。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 イスラエル代表。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 Supernova部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。


 ・“A Strange Course of Events(מעל הגבעה /Mehal Hagiva)”(イスラエル・仏) 監督:Raphael Nadjari
 出演:Ori Pfeffer、Moni Moshonov、Michaela Eshet、Maya Kenig、Bethany Gorenberg、Maya Dagan
 物語:サウルは、離婚して以来孤独な日々が続いていた。職場の診療所で、孤独を忘れようとするが無理だった。彼は、彼は、自分が不運なのはすべて父のせいだと考え、これ魔で父とは疎遠にしていたが、思い切ってハイファにある父の家を訪ね、自分の苦境を打ち明ける。父は、新しいパートナー、ベティーと暮らし、家にはマジカルなお守りを置いていた。父は、アート・セラピーと、不思議な力を持つ石を使って、息子を助けてくれようとする。サウルは、最初は父のそういうやり方に否定的だったが、やがてこれが幸福への第一ステップであることを知る。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。


 ・『悲しみを聴く石』“The Patience Stone(Syngué Sabour, Pierre de patience)”(仏・独・アフガニスタン)  監督:アティグ・ラヒム(Atiq Rahimi)
 物語:激しい戦禍を蒙った国。老朽化した部屋で、ひとりの女性が夫を見守っている。夫は首に被弾して、植物人間になってしまったのだ。彼女は、もの言わぬ夫に向って、子ども時代のことや自分のフラストレーション、孤独、願いについて語り始める。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ヒホン国際映画祭2012 オフィシャル・セレクション長編部門出品。女優賞受賞(ゴルシフテ・ファラハニ)。
 米国アカデミー賞2013 外国語映画賞 アフガニスタン代表。
 アジア映画賞2013 主演女優賞ノミネート。
 香港国際映画祭2013 SIGNIS賞受賞。
 イスタンブール国際映画祭2013 FACE賞受賞。
 アジア・フォーカス福岡国際映画祭2013にて上映。


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 【ヨーロッパ映画賞の選出方法】

 ヨーロッパ映画賞の選出の仕方は、ちょっと変わっています。

 ヨーロッパ映画賞は、ヨーロッパで活躍する映画制作関係者約2900名(昨年より300名増)を会員とするヨーロッパ映画アカデミーが年に一度選出している、ヨーロッパ映画に特化した映画賞です。
 会員は、ヨーロッパ各国で映画製作を手がける、監督やプロデューサー、制作スタッフが中心で、俳優もいることはいますが、あまり多くはありません。
 ヨーロッパ映画アカデミーは、会員、理事会、理事と専門家で構成される委員会(Committie)という階層を構成していて、理事会と委員会には、一般会員よりも大きな権限が与えられています。
 理事会には、現在、理事(Board)が16名、チェアマンが1名、副チェアマンが2名、プレジデントが1名いて、理事にはクシシュトフ・ザヌーシやゴラン・パスカリェーヴィチがいて、副チェアマンの一方はフォルカー・シューレンドルフが務め、プレジデントは、創立者のイングマール・ベルイマンからヴィム・ヴェンダースが2代目を引き継いでいます。

 ヨーロッパ映画賞候補、つまり、ロングリスト(オフィシャル・セレクション)の候補は、2通りのやり方で選出されます。

 まず、(3月15日の時点で)会員数が多い上位20カ国で、前年の7月1日からの1年間に劇場公開したか、映画祭で上映された自国の作品の中から、会員がそれぞれ1作品を選んで投票します。
 投票された作品の中で、投票率が25%を超える作品が1つだけあれば、その作品がエントリー作品となり、複数あれば最高得票を得た作品がエントリー作品として選ばれます。
 投票率25%を超える作品がない場合は、決定は、理事会に委ねられます。

 また、理事と専門家によって構成される委員会で、約20本の作品が独自にセレクトされます。

 こうして集まった各国代表作品20本と委員会のセレクトした約20本、あわせて約40本がヨーロッパ映画賞候補のロングリストとなるわけです。

 とてもおかしなやり方ですが、
 1.1つの国に優れた作品が2本以上ある場合、各国に公平に、これを誰がどう選ぶのかと考えて、第2の候補、第3の候補をピックアップするための苦肉の策として、
 2.会員数上位20カ国以外のヨーロッパ諸国からもピックアップしたい作品がある場合に備えて、
 こういうやり方が考案されたのだろうと考えられます。

 今回、自国の代表を選ぶことができた20カ国がどこだったのかは発表されていませんが、現在の会員数を上位から並べると、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、デンマーク、ポーランド、オランダ、ベルギー、スウェーデン、イスラエル、スイス、オーストリア、アイルランド、フィンランド、ノルウェー、チェコ、ハンガリーまでで18カ国で、ロシアとギリシャとアイスランドが45名で同率19位で並んでいます。
 今回、ハンガリーからのエントリーがないことを考えると、ひょっとすると、3月15日時点ではハンガリーが「ハズレ」となる21位だったのかもしれません。

 ロングリストに選ばれた作品には、DVDまたはVODが制作されて、ノミネーションの投票のために会員が利用できるようになります。
 ノミネーションは、作品賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞の4部門に関しては、プロデューサーたちによるセレクション・リストに従って、会員によって投票が行なわれ、上位4つがノミニーに選ばれます。もう1つのノミニーは、理事会が独自に選ぶことになっていて、それはセレクション・リストにあってもなくてもよい、ということになっています。

 そして、授賞式の4週間前に、ノミネーションが発表され、そこから、さらにもう一度会員による投票が行なわれることになります。

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 【エントリー作品の傾向】

 【国別内訳】

 上記のうち、3作品ずつ選ばれているのは、イギリス、スペイン、イスラエル。
 2作品ずつ選ばれているのは、フランス、イタリア、ドイツ、オーストリア、ポーランド、ギリシャ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ロシア。
 他の国は、1作品ずつです。

 今回は、ポルトガルやハンガリー、マケドニア、バルト3国からのエントリー/セレクトはありませんでした。

 ヨーロッパ映画賞のヨーロッパは、EU加盟国とは関係がなく、単に「地域」を指し、イスラエルやパレスチナも含まれる、と説明されています。
 トルコも「含まれる」とはあえて書かれてはいませんが、毎年選ばれているところ見ると、トルコも「ヨーロッパ」という認識なのでしょう。

 『悲しみを聴く石』がエントリーされているのがよくわかりませんが、おそらく、共同製作にヨーロッパが大きくからんでいる作品は、「ヨーロッパ映画」と見なされるということなのでしょう。

 今回は、前回エントリーがなかったアイルランド、キプロス、クロアチア、アイスランド、グルジア、アフガニスタンからのエントリーがあり、前回エントリーがあったポルトガル、ハンガリー、マケドニアからのエントリーがなく、全体では前回より1作品少なくなっています。

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 【プレミア上映】

 主な作品のプレミア上映は以下になっています。

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012
  コンペティション部門:“Boy Eating The Bird's Food”
  フォーラム・オブ・インディペンデント部門:『OH BOY』

 ・モントリオール世界映画祭2012
  コンペティション部門:“The Last Sentence”

 ・ベネチア国際映画祭2012
  コンペティション部門:“Paradise: Faith”、“Betrayal”、“Fill the Void”
  Orizzonti部門:『シージャック』、『天と地の間のどこか』
  批評家週間:“Eat Sleep Die”

 ・トロント国際映画祭2012
 ワールド・プレミア作品:“What Richard Did”、『インポッシブル』、『ブランカニエベス』、『危険なプロット』、『ハンナ・アーレント』、“Imagine”、“The Colour of the Chameleon”、『ザ・ディープ』、『悲しみを聴く石』

 ・サンセバスチャン国際映画祭2012
  コンペティション部門:『ブランカニエベス』、『危険なプロット』

 ・サンダンス映画祭2013
 “Circles”

 ・ヨーテボリ国際映画祭2013
 コンペティション部門:“8-BALL”、“I Belong”

 ・ロッテルダム国際映画祭2013
 コンペティション部門:“My Dog Killer”

 ・ベルリン国際映画祭2013
  コンペティション部門:“In the Name of”、“An Episode in the Life of an Iron Picker”、“Child's Pose”、“A Long and Happy Life”
  ベルリナーレ・スペシャル部門:『鑑定士と顔のない依頼人』
  パノラマ部門:“The Broken Circle Breakdown”
  フォーラム部門:(“Circles”)、“The Eternal Return of Antonis Paraskevas”、“In Bloom”

 ・カンヌ国際映画祭2013
  コンペティション部門:“Borgman”、“The Great Beauty”、“Only God Forgives”
  ある視点部門:“Stranger by the Lake”
  監督週間:“The Selfish Giant”、“The Congress”、“A Strange Course of Events”

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013
  コンペティション部門:“The Priest's Children”

 【米国アカデミー賞 外国語映画賞】

 上記の作品のうち、米国アカデミー賞外国語映画賞に選ばれているのは以下の通り。今後、さらに増えることが予想されます。

 2013年:アイスランド、ノルウェー、イスラエル、アフガニスタン
 2014年:スペイン、セルビア、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャ、スウェーデン、グルジア

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 【ノミネーション予想】

 ◆作品賞
 ・『アンナ・カレーニナ』
 ・『インポッシブル』
 ・『鑑定士と顔のない依頼人』
 ・“The Great Beauty”
 ・『ハンナ・アーレント』

 ◆監督賞
 ・ファン・アントニオ・バヨナ 『インポッシブル』
 ・ジュゼッペ・トルナトーレ 『鑑定士と顔のない依頼人』
 ・パオロ・ソレンティーノ “The Great Beauty”
 ・マルガレーテ・フォン・トロッタ 『ハンナ・アーレント』
 ・ウルリッヒ・ザイドル “Paradise: Faith”

 ◆男優賞
 ・トビー・ジョーンズ “Berberian Sound Studio”
 ・ジェフリー・ラッシュ 『鑑定士と顔のない依頼人』
 ・トニ・セルヴィッロ “The Great Beauty”
 ・トム・シリング 『OH BOY』
 ・ソーレン・マリン 『シージャック』

 ◆女優賞
 ・キーラ・ナイトレイ 『アンナ・カレーニナ』
 ・ナオミ・ワッツ 『インポッシブル』
 ・マリベル・ベルドゥ 『ブランカニーヴス』
 ・シルビア・ホークス 『鑑定士と顔のない依頼人』
 ・Sibylle Brunner “Rosie”
 ・マリア・ホーフステッター “Paradise: Faith”
 ・バーバラ・スコーヴァ 『ハンナ・アーレント』
 ・ルミニツァ・ゲオルギウ “Child's Pose”
 ・ペルニラ・アウグスト “The Last Sentence”
 ・ゴルシフテ・ファラハニ 『悲しみを聴く石』

 ◆脚本賞
 ・『インポッシブル』
 ・『危険なプロット』
 ・『鑑定士と顔のない依頼人』
 ・“The Broken Circle Breakdown”
 ・『シージャック』

 人気投票ということもあってか、けっこうメジャーどころが並ぶ傾向があるので、大雑把に上記のように予想してみました。
 ヨーロッパ映画賞は、受賞作品がバラける場合と、「1強」になる場合がありますが、今回は、『鑑定士と顔のない依頼人』の1強になるような気がしますね。

 今回は、部門や選考方法に変更もあって、それが結果にどう反映されるかはわかりませんが、とりあえず、11月9日のノミネーションの発表を楽しみに待ちたいと思います。

 
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 *当ブログ記事

 ・ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション その1:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_19.html

 ・ヨーロッパ映画賞2013 ピープルズ・チョイス賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_4.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_14.html
 ・ヨーロッパ映画賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_16.html

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