ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクション 怒涛の46作品発表!

 第26回ヨーロッパ映画賞のロングリストが発表されました。(9月9日)

 この中から、長編アニメーション賞、ドキュメンタリー賞、ディスカバリー賞、短編映画賞を除く、各部門(作品賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞)のノミネーションが投票によって決定され、11月9日にセビリヤ・ヨーロッパ映画祭で発表されます。

 撮影監督賞、編集賞、美術監督賞、衣裳デザイナー賞(新設)、作曲者賞、音響デザイナー賞(新設)もリストの作品の中から選ばれますが、これらの部門は、ノミネーションの過程を経ずに、特別委員会によって、直接、受賞者が決定されます。(本年度から新たに施行されることになった方式です)

 長編アニメーション賞、ドキュメンタリー賞、ディスカバリー賞は、専門の委員会によって、以下のリストとは別にノミネーションが決定され、一方、短編映画賞のノミネーションは、ヨーロッパの15の映画祭からそれぞれの代表作品が決定され、すべてのノミネーションは、セビリヤ・ヨーロッパ映画祭で発表されます。

 ノミネーション発表の4週間後、12月7日にベルリンで行なわれる授賞式ですべての受賞結果が発表されることになっています。

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 【第26回ヨーロッパ映画賞 オフィシャル・セレクション】

 ・『アンナ・カレーニナ』(英) 監督:ジョー・ライト

 ・“Berberian Sound Studio”(英) 監督:ピーター・ストリックランド(Peter Strickland)
 出演:トビー・ジョーンズ、Tonia Sotiropoulou、スザンナ・カッペラーロ(Susanna Cappellaro)、コジモ・ファスコ(Cosimo Fusco)、Eugenia Caruso
 物語:1976年。ギルダーロイは、イタリアのホラー映画の巨匠サンティーニのサウンド・ミックスのために雇われる。時間の経過とともに、彼は、音の洪水と自身の混乱の中で、わけがわからなくなっていまい、自分の中の内なる悪魔と対決しなければならなくなる。
 トロント国際映画祭2012 VANGUARD部門出品。
 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭2012 批評家賞スペシャル・メンション受賞。
 ブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワード2012 監督賞・主演男優賞(トビー・ジョーンズ)・技術貢献賞(ジョーキム・サンドストローム、Stevie Haywood(音響デザイン))・プロダクション賞受賞。
 ロンドン映画批評家協会賞2013 英国映画賞・英国男優賞(トビー・ジョーンズ)受賞。
 ロンドン・イブニング・スタンダード映画賞2013 男優賞(トビー・ジョーンズ)受賞。
 ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭2013 インターナショナル・オフィシャル・セレクション。最優秀作品賞受賞。


 ・“The Selfish Giant”(英) 監督:クリオ・バーナード(Clio Barnard)
 出演:Conner Chapman、Shaun Thomas、ショーン・ギルダー(Sean Gilder)、シヴォーン・フィネラン(Siobhan Finneran)、スティーヴ・イヴェッツ(Steve Evets)、Rebecca Manley
 物語:学校から退学になった13歳のアーバーと親友のスウィフティーは、近所で、スクラップの回収をしているキテンと知り合いになる。彼らは、キテンのために、馬やカートに使えるようなスクラップを集め始める。スウィフティーが、馬に関して得意なところを示すのに対して、アーバーはキテンに学んで、お金もうけの才を示す。キテンが、スウィフティーをかわいがり始めたことで、アーバーは2人から距離を置くようになり、友情にひびが入る。
 オスカー・ワイルドの『わがままな大男』の映画化。
 “The Arbor”で高い評価を受けたクリオ・バーナードの最新作。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。Label Europa Cinemas受賞。
 ラックス賞2013 ノミネート。
 トロント国際映画祭2013 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。


 ・“What Richard Did”(アイルランド) 監督:レニー・アブラハムソン(Lenny Abrahamson)
 物語:無意識にやってしまった暴力的な行為がショッキングな悲劇を巻き起こしてしまい、高校のラグビーのスター選手の運命が永遠に変わってしまう。
 『ジョジーの修理工場』(2007)でカンヌ国際映画祭2007監督週間 芸術・実験映画賞(The Prix Art et Essai)受賞のレニー・アブラハムソン監督最新作。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 ダブリン映画批評家協会賞2012 アイルランド映画賞受賞。
 ロンドン・イブニング・スタンダード映画賞2013 脚本賞
 アイルランド・アカデミー賞2013 作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞・編集賞受賞。
 イスタンブール国際映画祭2013インターナショナル・ゴールデン・チューリップ・コンペティション出品。グランプリ(ゴールデン・チューリップ賞)受賞。


 ・ “I'm So Excited!(Los Amantes Pasajeros)”(西) 監督:ペドロ・アルモドバル
 出演:ハヴィエル・カマラ(Javier Cámara)、セシリア・ロス(Cecilia Roth)、ロラ・ドゥエニャス(Lola Dueñas)、ラウル・アレバロ(Raúl Arévalo)、カルロス・アレセス(Carlos Areces)、アントニオ・デ・ラ・トレ(Antonio de la Torre)、Hugo Silva、Miguel Ángel Silvestre、 ホセ・マリア・ヤスピク(José María Yazpik)
 物語:マドリッドからメキシコシティーに向かう航空機に、離陸後まもなく、機体の異常が発覚する。乗務員は、乗客がパニックに陥るのを防ぐべく、エコノミークラスの乗客は眠り薬で眠らせ、ビジネスクラスの乗客にはドラッグ入りの飲み物を与える。ドラッグの効果もあり、人々は内なる欲望をむき出し始め、機内は、バイの機長、ゲイの乗務員、そして一癖も二癖もある乗客たちが入り乱れる乱痴気騒ぎとなる。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 オープニング作品。
 ラテンビート映画祭2013にて上映。


 ・『インポッシブル』(西) 監督:フアン・アントニオ・バヨナ

 ・『ブランカニーヴス』“Blancanieves”(西・仏) 監督:パブロ・ベルヘール(Pablo Berger)
 出演:マリベル・ベルドゥ、ダニエル・ヒメネス・カチョ、Macarena García、ホセ・マリア・ポウ(Jose María Pou)
 物語:1920年代のスペイン南部。「人気闘牛士の娘カルメン。彼女が生まれると同時に母は亡くなり、父は意地悪な継母と再婚。カルメンは邪悪な継母に虐げられる幼少を過ごす。ある日、継母の策略で命を奪われかけた彼女は、“こびと闘牛士団”の小人たちに救われ、「白雪姫(ブランカニエベス)」という名で彼らとともに見世物巡業の旅に出る。そんな中、女性闘牛士として頭角を現したカルメンは、行く先々で圧倒的な人気を得るようになるのだが……。」
 『白雪姫』の物語を、1920年代のスペイン南部を舞台に置き換えて、映画化した作品。
 サイレント映画へのオマージュ作品。
 トロント国際映画祭2012 DISCOVERY部門出品。
 サンセバスチャン国際映画祭2012 オフィシャル・セレクション出品。審査員特別賞&女優賞(Macarena García)受賞。
 米国アカデミー賞2013外国語映画賞 スペイン代表。
 ゴヤ賞2013 作品賞・主演女優賞・脚本賞・撮影賞・衣裳賞・メイキャップ賞・作曲賞・歌曲賞・新人女優賞受賞。
 ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭2013 「第七軌道」コンペティション部門出品。最優秀作品賞受賞。
 ブカレスト国際映画祭2013 最優秀作品賞受賞。
 ラテンビート映画祭2013にて上映。


 ・『危険なプロット』“In the House(Dans la maison)”(仏) 監督:フランソワ・オゾン
 物語:「かつて作家を志していたジェルマンは、今は高校で国語の教師をしていた。凡庸な生徒たちの作文の採点に辟易していたとき、才気あふれるクロードの文章に心をつかまれる。それは、あるクラスメイトとその家族を皮肉な視点で綴ったものだが、羨望とも嫉妬ともつかない感情に満ちた文章に、ジェルマンは危険を感じ取りながらも文章の才能に魅せられ、クロードに小説の書き方を手ほどきしていく。やがて才能を開花させたクロードの書く文章は、次第にエスカレートして行き・・・。若き作家と教師の個人授業は、いつしか息詰まる心理戦に変わっていく。」
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。国際批評家連盟賞受賞。
 サンスセバスチャン国際映画祭2012 オフィシャル・セレクション出品。グランプリ(ゴールデン・シェル賞)・脚本賞受賞。
 ロンドン映画祭2012 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 リュミエール賞2013 新人男優賞受賞(エルンスト・ウンハウアー(Ernst Umhauer))。
 セザール賞2013. 6部門ノミネート。
 プーラ映画祭2013 インターナショナル・プログラム出品。
 フランス映画祭2013にて上映。


 ・“Stranger by the Lake(L' inconnu du lac)”(仏) 監督:アラン・ギロディー(Alain Guiraudie)
 出演:Pierre de Ladonchamps、Patrick d'Assumçao、Christophe Paou
 物語:夏。湖の上での男たちのクルージング。フランクは、マイケルに恋をする。彼は、ハンサムでパワフルだ。フランクは、この恋が危険なものであることはわかっているが、情熱に身をまかせたいと感じている。
 『勇者に休息はない』『キング・オブ・エスケープ』のアラン・ギロディー監督最新作。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。監督賞、クィア・パルム受賞。
 トロント国際映画祭2013 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。


 ・“The Broken Circle Breakdown”(ベルギー・オランダ) 監督:Felix van Groeningen
 物語:ディディエは、ブルーグラス・バンドでバンジョーを弾き、ベルギー国内をキャラバンでまわっている。彼にとって、「自由の国」アメリカは理想の国だ。エリーゼは、タトゥー・パラーを開いている。彼女も、自分の体にもたくさんのタトゥーを入れているが、それぞれその当時につきあった相手にちなんだもので、別の相手を付き合う時に、名前だけは消している。ディディエとエリーゼは、全くタイプが異なるのに、一目ぼれで恋に落ちる。彼が話をし、彼女が聞く。彼はロマンチックな無神論者で、彼女は信仰心の篤い現実主義者だ。まもなく2人の生活はからみあい、エリーゼはディディエのバンドで歌うようになる。結婚し、ちいさなメイベルが生まれる。彼らは、古い田舎家を改装して、そこで幸福に満ちた生活を始める。やがてメイベルが病気になった時、彼らの愛が試されることになる。
 Johan Heldenberghの同名の舞台の映画化。
 ベルリン国際映画祭2013パノラマ部門出品。観客賞1位。
 トライベッカ映画祭2013 ワールド・ナラティヴ・コンペティション部門出品。女優賞(Veerle Baetens)・脚本賞受賞。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013「ヴァラエティー」誌による、観るべきヨーロッパの10人の監督たち
 パリ映画祭2013 クロージング作品。
 ラックス賞2013 ノミネート。


 ・“Borgman”(オランダ・ベルギー・デンマーク) 監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
 出演:Jan Bijvoet、Hadewych Minis、イェロン・ペルセヴァル(Jeroen Perceval)、アレックス・ファン・ヴァーメルダム、Tom Dewispelaere、Sara Hjort Ditlevsen、Elve Lijbaart、Dirkje van der Pijl
 物語:郊外の住宅地に不吉な影がしのびよる―。霧深い森の中で、司祭と2人の仲間によって、Camiel Borgmanが生き埋めにされようとしていた。しかし、彼は、命からがらそこから這い出し、郊外の町に向かう。そこはスノビッシュな中流階級の人々が暮らす街で、Camielは、通りから、裕福そうな家の庭を見て歩く。彼が目をつけたのは、庭先におもちゃがあった家で、それはそこに子どもがいるというサインだった。その家は、ヴィジュアル・アーティストのMarinaとRrichardの家で、夫婦と3人の子どもと乳母が暮らしていた。Camielは、家に声をかけて、バスルームを使わせてくれと頼むが、彼のひどい姿を見て、夫のRrichardは門前払いをくらわせようとする。しかし、妻のMarinaは、夫の目を気にしつつ、彼を心配して、傷の手当てまでする。そこから一家の悪夢が始まる……。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 モトヴン映画祭2013出品。
 Palićヨーロッパ映画祭(セルビア)2013 最優秀作品賞受賞。
 サラエボ映画祭2013 キノスコープ部門出品


 ・『鑑定士と顔のない依頼人』“The Best Offer(La Migliore Offerta)”(伊) 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
 出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、Sylvia Hoeks、ドナルド・サザーランド
 物語:ヴァージル・オールドマン(Virgil Oldman)は、著名な骨董鑑識家であり、競売人である。彼は、エキセントリックな才人で、人とのつきあいのわずらわしさから、他人とは距離を置いて、孤独な生活を送っている。ある時、美しいが、心に痛手を負う女性クレアから、家にある貴重なアート・コレクションを調べて、競売にかけてほしいという依頼を受ける。彼は、彼女に心を許し、そしてまもなく自分でも抑えきれないくらいの情熱を抱いていく……。
 ベルリン国際映画祭2013 ベルリナーレ・スペシャル部門出品。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013 作品賞・監督賞・美術賞・作曲賞・ヤング ダヴィッド賞受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2013 監督賞・編集賞・美術賞・衣裳賞・作曲賞・プロデューサー賞受賞。


 ・“The Great Beauty(La Grande Bellezza) ”(伊・仏) 監督:パオロ・ソレンティーノ
 出演:トニ・セルヴィッロ、カルロ・ヴェルドーネ、サブリナ・フェリッリ(Sabrina Ferilli)、カルロ・ブチロッソ(Carlo Buccirosso)、イアイア・フォルテ(Iaia Forte)、パメラ・ヴィロレッジ(Pamela Villoresi)、ガラテア・ランツィ(Galatea Ranzi)
 物語:Jep Gambardellaは、ローマで活躍する、成功したジャーナリストで、65歳という年齢にもかかわらず、魅力にあふれ、文化とハイライフを謳歌していた。彼は、毎夜パーティーに出かけ、朝方、帰宅するという生活をしているが、そうした生活の中でいろんな人々と交流する。若い恋人が途切れることがない劇作家ロマーノ、おもちゃのセールスマンのレオ、不実な夫に悩まされるTrumeau、クレイジーな息子を持つブルジョワのヴィオラ、ラディカルな批評家のステファニア、新聞の編集主任のDadina、さらに、料理する枢機卿や、暗い秘密を持つストリッパー、などなど……。そんな日常に彼自身、空しさを感じないわけではない。ある日、彼は、ある男性の訪問を受ける。それは、Jepの初恋の女性の夫で、彼女が亡くなって、遺品を整理していて、彼女が心から愛していたのはJepであり、夫はただの生活上のパートナーに過ぎないという記載を、彼女の日記に見つけ、ショックを受けたというのだった。彼にとっても死は身近だ。もう残された時間は多くないかもしれない。彼は、昔、1冊だけ小説を書いたことがあったが、自分には才能がないと思い、見切りをつけていた。65歳になった今、もう一度、小説にチャレンジしてみようと思い、「偉大なる美」を求めて、ローマ中を巡っていく。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 イタリア・ゴールデングローブ賞2013、4部門ノミネート。撮影賞受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2013、9部門ノミネート。助演男優賞(カルロ・ヴェルドーネ)、助演女優賞(サブリナ・フェリッリ)、撮影賞、録音賞受賞。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。


 ・“Block 12(Oikopedo 12)”(キプロス・ギリシャ) 監督:Kyriacos Tofarides
 物語:イギリスの衛星が、宇宙から、キプロスの古い炭鉱を調べて、大きな石油資源が眠っていないか調査している。この土地の大部分は、Costantas Rizites のもので、その半分は、彼が、トルコ系キプロス人の友人Ahmet Beyogluから購入したものだ。経済危機が起こって、Costantas Rizitesの2人の息子が破綻し、いまは妻とともに隠居生活を送っている父親の家に転がり込んでくる。キプロス政府は、息子たちに、この家を買うよう、再三要求してくるが、Costantasが頑なにこれを拒否する。家の外には、イギリスのエージェントと、Ahmet Beyogluの息子Hasanがキャンプをして、家を監視し始める。家は、内からも外からもがんじがらめになって身動きが取れなくなる。
 キプロス フィルム デイズ国際映画祭2013 審査員特別賞受賞。


 ・“Rosie”(スイス) 監督:Marcel Gisler
 出演:Fabian Krüger、Sibylle Brunner、ジュディトゥ・ホフマン(Judith Hofmann)、Sebastian Ledesma
 物語:Lorenz Meranは、40歳のゲイで、小説家として成功していたが、突如として書けなくなってしまう。彼は、年老いた母のことが気になってもいたので、地方に住む母を訪ねる。楽しいことが好きな母は、他人に面倒を見てもらうことも、養護施設に入ることも拒む。あれこれ言われたくない彼女は、始終Lorenzと口論になり、母としての威厳を危うくする。また、ひょんなことから、これまでLorenzが隠してきた秘密が明らかになってしまう……。
 スイス映画賞2013 主演女優賞受賞(Sibylle Brunner)。
 モスクワ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・『ハンナ・アーレント』“Hannah Arendt”(独・ルクセンブルク・仏・イスラエル) 監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
 出演:バーバラ・スコーヴァ、ジャネット・マクティア、ユリア・イェンチ
 物語:ドイツ出身のアメリカの政治哲学者、思想家のハンナ・アーレント(1906-1975)の物語。アルゼンチンに潜伏していたアドルフ・アイヒマンが逮捕され、エルサレムに連行されて、1961年に公開裁判が始まる。この裁判後、ハンナ・アーレントは、『イェルサレムのアイヒマン:悪の陳腐さについて』という本を書き、アイヒマンを取るにたらないごく普通の小心者と評したことで、ユダヤ人やシオニストから「ナチズムを擁護した」とか「アイヒマン寄りの本を出した」と激しい攻撃を受ける。彼女が、ナチス・ドイツ時代にドイツから亡命する人を助け、自らが亡命したフランスでもシオニスト関係の仕事をしたという事実にもかかわらず……。そして、友人からも絶縁状をたたきつけられ、大学からも退任を迫られる。
 バーバラ・スコーヴァが強さと弱さを併せ持つ魅力的な人物としてハンナ・アーレント役を演じる。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 東京国際映画祭2012 コンペティション部門出品。
 バリャドリッド国際映画祭2012コンペティション部門出品。準グランプリ(シルバー・スパイク賞)受賞。
 バイエルン映画賞2013 女優賞受賞。
 ドイツ映画賞2013 主演女優賞受賞。


 ・『OH BOY』“Oh Boy!”(独) 監督:ヤン・オーレ・ゲルスター(Jan Ole Gerster)
 出演:トム・シリング(Tom Schilling)、マルク・ホーゼマン(Marc Hosemann)、Friederike Kempter、ユストゥス・フォン・ドーナニー(Justus von Dohnányi)、ミヒャエル・グヴィスデク(Michael Gwisdek)、ウルリッヒ・ノエテン(Ulrich Noethen)
 物語:ニコは、ベルリンで法律を学ぶ学生で、ある日、自分のまわりで起こっていることに違和感を感じ始める。それともおかしいのはまわりではなくて、自分の方なのか。ニコは、積極的に何かをしようという気力を失い、ひとりで、あるいは友人のマッツェとともに、ベルリンをうろついて、人々を眺めているようになる。そうした行動の結果、彼は、恋人に逃げられ、父親からは仕送りを止められる。そして、元クラスメイトのユリカが、過去からの亡霊のように彼の前に現われる……。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 フォーラム・オブ・インディペンデント部門出品。
 チューリヒ映画祭2012 ドイツ語映画コンペティション部門出品。スペシャル・メンション受賞。
 バイエルン映画賞2013 男優賞、脚本賞受賞。
 ドイツ映画批評家賞2013 音楽賞、新人監督賞受賞。
 ドイツ映画賞2013作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・音楽賞受賞。
 ソフィア国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 シドニー映画祭2013 オフィシャル・コンペティション部門出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 ドイツ映画特集2013にて上映。


 ・“Crossing Boundaries(Grenzgänger)”(オーストリア) 監督:フロリアン・フリッカー(Florian Flicker)
 物語:1人の女と2人の男。夫である一方の男は、妻に、もう一方の男に言い寄って、取引現場から彼の目をそらさせたいと考えていた。もう一方の男は、彼女に、違法となる証拠を入手する手助けをしてもらいたいと考えていた。女は、2人の男に操られていたのだが、どちらか一方を選ばなければならなかった。
 サラエボ映画祭2012 CICAE賞受賞。
 オーストリア映画賞2013 脚本賞・撮影賞・音楽賞受賞。


 ・“Paradise: Faith(Paradies: Glaube)”(オーストリア・独・仏) 監督:ウルリッヒ・ザイドル
 出演:マリア・ホーフステッター(Maria Hofstätter)、Nabil Saleh
 物語:レントゲン技師のアナ・マリアにとって、ケニアに楽園はなかった。楽園は、彼女がすべてを捧げているイエスとともにあると考えていて、彼女は、休暇でも、いつも40cmもある聖母像を持ち歩いていた。ある日、エジプト人でムスリムだけれども何年もエジプトに帰っていない夫が戻ってきて、それから宗教と結婚に関する亀裂が明らかになってくる。
 Love、Faith、Hopeと続く、Paradise 3部作の第2部。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。 審査員特別賞、CinemAvvenir Awards Best Film Venezia 69受賞。
 ヨーロッパ映画賞2012 女優賞ノミネート。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 オフィシャル・セレクション出品。脚本賞・EURIMAGES賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 No Limit部門出品。
 サラエボ映画祭2013 イン・フォーカス部門出品。


 ・“Imagine”(ポーランド・仏・ポルトガル) 監督:Andrzej Jakimowski
 出演:エドワード・ホッグ、アレクサンドラ・マリア・ラーラ
 物語:イアンは、若い盲人で、杖なしで、歩くことができる。彼は、音や匂いによって、まわりの様子を理解できるのだ。彼は、盲学校に行って、彼のやり方を教えようとする。そこで自分の部屋をもらった彼は、窓の向こうを苦しみながらやってくるエヴァに気づく。エヴァもまた盲人なのだが、杖を折ってしまったのだ。エヴァは、イアンのやり方を習い、2人で、美しくも、危険がいっぱいのリスボンの街へと歩き出す。
 トロント国際映画祭2012 CONTEMPORARY WORLD CINEMA部門出品。
 釜山国際映画祭2012 ワールド・シネマ部門出品。
 ワルシャワ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。監督賞受賞。


 ・“In the Name of(W imię)”(ポーランド) 監督:Małgośka Szumowska
 出演:アンジェイ・ヒラ(Andrzej Chyra)、Mateusz Kosciukiewicz、マヤ・オスタシェフスカ(Maja Ostaszewska)
 物語:アダムは、21歳になってから、神に仕えることが天命だと悟り、神の道に入ったカトリックの司祭である。彼は、ポーランドの田舎の村で、行動に問題のある10代の若者たちと過ごしている。彼が独身を貫いているのは、単に彼が結婚したくないからではない。実は、彼は、自分が男性が好きなことがわかっていて、神の道に入った1つの理由は、そうした自分のセクシュアリティーから逃げるためでもあった。そんな彼の前にŁukaszが現れる。Łukaszには、ちょっと変わったところがあったが、シンプルな田舎の家庭に育った無口な青年に過ぎなかった。しかし、アダムは、彼に会ってから、自分の禁欲生活が重荷となり、次第に耐え切れなくなっていった……。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。テディー賞、The Siegessäule Readers 賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 Supernova部門出品。


 ・“Burning Bush(Horící ker)”(チェコ) 監督:アニエスカ・ホランド
 物語:1969年、チェコスロヴァキアの学生Jan Palachは、ソ連による占領に抗議して、焼身自殺を遂げる。共産主義政府は、彼の自由を求めるヒロイックな行為を恥ずべきものとして貶めようとするが、若き女性弁護士Dagmar Burešováが立ち上がって、Janの家族を守り、Janの伝説の一部となる。人間の価値と真実と名誉と正義と勇気と物語。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013出品。
 サラエボ映画祭2013出品。
 トロント国際映画祭2013 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“My Dog Killer(Môj pes Killer)”(スロヴァキア・チェコ) 監督:Mira Fornay
 物語:マレクは、モラヴィア国境に近いスロヴァキアの小さな町に住む18歳の青年で、親類にも無視されていて、彼には犬しか真の友だちと言える者はいない。ここではよそ者は歓迎されないし、地元民ですら疑いの目で見られることがある。マレクは、スキンヘッドたちに加わる。彼らは、目的を持たないネオナチのような若者たちで、マレクは盲目的に彼らについてまわっている。彼らは、マレクが彼の愛犬キラーに仕込むように、彼に教育を施す。そんなマレクの前に、突然、母親が種違いの弟を連れて現れ、マレクはこれまで思ってもみなかった状況に追い込まれ、暴発しそうになる。
 Mira Fornay監督の第2長編。
 本作は、テッサロニキ国際映画祭2012のWorks in Progress部門でオナラブル・メンションを受賞しています。
 ロッテルダム国際映画祭2013 タイガーアワード受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 フォーカス:スロヴァキア特集出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 チェコ映画2012-2013特集出品。


 ・“An Episode in the Life of an Iron Picker(Epizoda u zivotu beraca zeljeza)”(ボスニア ヘルツェゴビナ・仏・スロヴェニア) 監督:ダニス・タノヴィッチ
 出演:Senada Alimanovic、Nazif Mujic、Sandra Mujic、Semsa Mujic
 物語:ロマ人の家族が、ボスニア・ヘルツェゴビナの片田舎に住んでいる。父親のNazifは、廃車から金属を回収して、業者に売って金にし、母親のSenadaは、家事をし、小さな2人の娘の世話をしている。ある日、彼女は、腹部に鋭い痛みを覚える。医者に診てもらうと、彼女のお腹の中で赤ん坊が死に、敗血症になっていると言われる。緊急の手術が必要だが、彼女は保険に入っておらず、手術の費用をまかなえるだけの収入もない。手遅れにならずに済ますためには残された時間は少ない……。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。審査員グランプリ(銀熊賞)、男優賞(銀熊賞:Nazif Mujic)、エキュメニカル審査員賞スペシャル・メンション受賞。
 イスタンブール国際映画祭2013 FACE賞スペシャル・メンション受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 Supernova部門出品。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 ホライズンズ部門出品。
 エルサレム映画祭2013 スピリット・オブ・フリーダム部門出品。スピリット・オブ・フリーダム賞受賞。
 サラエボ映画祭2013 オープン・エアー部門出品。


 ・“The Priest's Children(Svecenikova djeca)”(クロアチア・セルビア) 監督:Vinko Brešan
 物語:若い司祭が、絵画のように美しいダルメシアン島に着任するが、その島は、出生率が異常に低かった。地元のタバコ屋に事情を聞いた彼は、状況を変える秘策を思いつく。思わぬ妊娠で、出生率は上昇するが、それ以外は、必ずしも、理想主義的な司祭が思い描いたようにはならなかった。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 プーラ映画祭2013 ナショナル・プログラム メイン・セクション出品。助演男優賞受賞(Nikša Butijer)。観客賞第3位。


 ・“Circles (Krugovi/Кругови Krugovi)”(セルビア・独・仏・クロアチア・スロヴェニア) 監督:Srdan Golubović
 物語:実話に基づく物語。1993年、ボスニア戦争の真っ只中。セルビア人兵士のマルコは、婚約者に会うために、故郷であるボスニアの町に戻る。広場に面したカフェで、親友の医師と一緒にいたところで、彼は、ムスリムの店主が、好戦的な兵士たちに暴行を受けるのを目撃する。彼は、そこに介入するが、何があったかは具体的には示されない。時間は、12年後に飛ぶ。事件に関わった人間が、過去に復讐されるかのように、危機的状況を迎える。彼らは、罪やフラストレーションや仕返ししたいという衝動に打ち勝って、正しい行動を行なうことができるだろうか。
 “Klopka”(2007)で注目されたSrdan Golubovic監督第3作。
 サンダンス映画祭2013 審査員特別賞受賞。
 ベルリン国際映画祭2013 フォーラム部門出品。エキュメニカル審査員賞受賞。
 ソフィア国際映画祭2013 バルカン・コンペティション部門出品。観客賞受賞。
 トランシルヴァニア国際映画祭2013 Supernova部門出品。
 ラックス賞2013 オフィシャル・セレクション。
 プーラ映画祭2013ナショナル・プログラム マイノリティー共同製作セクション 作品賞・監督賞・主演男優賞受賞。
 米国アカデミー賞2014 外国語映画賞 セルビア代表。


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 リストは、次の記事に続きます。↓↓↓

 ・ヨーロッパ映画賞2013 オフィシャル・セレクyション リスト その2:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_20.html

 
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 *当ブログ記事

 ・ヨーロッパ映画賞2013 ピープルズ・チョイス賞 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201309/article_4.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・ヨーロッパ映画賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201311/article_14.html
 ・ヨーロッパ映画賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201312/article_16.html

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