トロント2013 ラインナップ その4! TIFF DOCS、VANGUARD

 【TIFF DOCS】

 ・“A Story Of Children And Film”(英) 監督:Mark Cousins [北米プレミア]
 『E.T.』『赤い風船』など、25カ国から50本におよぶ作品を使って、子供時代の冒険について語ったポエティックな作品。
 カンヌ国際映画祭2013 カンヌ・クラシック部門出品。


 ・“The Dark Matter Of Love”(英) 監督:Sarah McCarthy [北米プレミア]
 11歳のマーシャが、クラウディオとシェリルというディアズ夫妻の養女になる。マーシャは、ロシアで孤児として育ち、ディアズ夫妻は、アメリカのウィスコンシン州に住んでいる。ディアズ夫妻には、キャミという14歳の娘がいて、さらにマルセルとヴァディムという5歳の双子を養子に迎えている。それまでに両親の愛を一身に受けてきたキャミと、新しく家族に加わる子供たち。養子に入る側と、養子を迎える側で、それぞれどのような心理的な変化を迎えるのか。
 モスクワ国際映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。


 ・“Ignasi M.”(西) 監督:Ventura Pons [ワールド・プレミア]
 Ignasi Milletは、スペインの有名な博物学者である。彼は、HIVポジティヴでありながら、見境なく誰とでも寝、贅沢な暮らしに慣れていたが、今は、スペインの経済危機のせいで生きるのに汲々としている。彼は、矛盾を抱えた魅力的な人物であり、本作は、Ignasi Millet本人と現代という時代を映し出す1つのポートレートになっている。
 Ventura Ponsの3本目のドキュメンタリー。


 ・“Ain't Misbehavin'(Un Voyageur)”(仏) 監督:マルセル・オフュルス(Marcel Ophüls) [北米プレミア]
 出演:マルセル・オフュルス(Marcel Ophuls)、エリオット・アーウィット、ジャンヌ・モロー、マドレーヌ・モルゲンステルン(Madeleine Morgenstern)、John Simpson、フレデリック・ワイズマン
 ベルリンやパリで過ごした幼少時代、巨匠マックス・オフュルスの息子としてハリウッドで過ごした青年時代……。『哀しみと憐れみ』などで知られるマルセル・オフュルス監督が、自身の人生を振り返って撮った、18年ぶりの監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。


 ・“The Last Of The Unjust(Le Dernier Des Injustes)”(仏・オーストリア) 監督:クロード・ランズマン [北米プレミア]
 これまでホロコーストに関して知られていることはほんのわずかに過ぎない。チェコのテレージエンシュタットは、世界とユダヤ人たちを欺いて、ユダヤ人たちをガス室送りにするためにアドルフ・アイヒマンが生み出した「ゲットーのモデル」である。ラビで学者のBenjamin Murmelstein(1905-1989)は、テレージエンシュタット・ユダヤ人評議会(Theresienstadt Jewish Council)の最後の会長で、テレージエンシュタットが死刑執行場所となっているのを知りながら、1938年から終戦まで、毎日アイヒマンと交渉して、亡命し、アイヒマンの裁判で証言に立つことはなかった。『SHOAH ショア』のクロード・ランズマン最新作。3時間40分の作品。
 カンヌ国際映画祭2013 アウト・オブ・コンペティション部門出品。


 ・“Faith Connections”(仏・インド) 監督:Pan Nalin [ワールド・プレミア]
 クンブメーラ(Kumbh Mela)は、神と悪魔が不死の蜜の入った水差しを取り合ったというヒンズー教の神話から生まれたインド最大の宗教行事で、蜜がこぼれたとされる、アラハバード、ナシク、ウッジャイン、ハリドワールの4つの聖地で、12年に一度、もちまわりで開催されている。期間中、健康や長寿を願い、俗世の汚れをはらうために、3000万人とも言われる巡礼者がやってきて、沐浴や宗教的パレードなどに参加する。2013年1月には、アラハバードで開催された。撮影クルーは、そんなアラハバードを訪れて、人々の様子を観察する。家出した少年、苦行者、いなくなった息子を探す母親、捨てられた赤ん坊を世話するヨガ行者、大麻を吸って平穏を保とうとする禁欲者。しっかりと瞑想に身を捧げる者もいれば、世界を受け入れるべきか、放棄すべきか、そのジレンマに苦しむ者もいる。すべては1つの信仰によって結びつけられている。


 ・“Beyond The Edge”(ニュージーランド) 監督:リアン・プーリー(Leanne Pooley) [ワールド・プレミア]
 逆境を乗り越えて、1953年に、エベレストの初登頂に成功したサー・エドモンド・ヒラリー(1919-2008)の偉業は、いまもなお人類が成し遂げた最大の冒険旅行の1つとなっている。本作では、当時のオリジナルのカラー映像を用い、これまで誰も経験できなかった冒険旅行を、ドラマチックに3Dで再現する。
 『双子のデュオ~ アンタッチャブル・ガールズ』のリアン・プーリー監督最新作。


 ・“Burt's Buzz”(カナダ) 監督:Jody Shapiro [ワールド・プレミア]
 フォトジャーナリストから、養蜂家に転身し、パーソナルケア製品を提供するバーツビーズを立ち上げて、世界的に広く知られるようになったバーツ・シャビッツ(Burt Shavitz)の、パーソナル・ライフに迫るドキュメンタリー。


 ・“Filthy Gorgeous: The Bob Guccione Story”(カナダ) 監督:Barry Avrich [ワールド・プレミア]
 「ペントハウス」を創刊して、性や政治的な問題に、スキャンダルや変革、論争を巻き起こし、現代史に大きな足跡を残したボブ・グッチョーネ(1930-2010)の物語。


 ・“Hi-Ho Mistahey! ”(カナダ) 監督:アラニス・オボンサウィン(Alanis Obomsawin) [ワールド・プレミア]
 2007年、カナダの連邦政府は、オンタリオ州のAttawapiskatの先住民に約束していた学校の建設を反故にするが、それに対し、子供たちの中から、Attawapiskatに学校を求めるStudents Helping Studentsというキャンペーンが行なわれる。2007年当時12歳だったShannen Koostachinは、新聞や会議、2008年には議会でもスピーチを行ない、その活動は、国際児童平和賞にノミネートされるまでになったが、2010年に彼女は交通事故で亡くなってしまう。Shannenの願いは、「Shannen's Dream」として、引き継がれ、The First Nations Child & Family Caring Societyによって、先住民族の子供たちに、平等で、安全で、公平に教育が受けられるようにと運動が続けられている。監督は、自らも先住民出身のドキュメンタリー作家であるアラニス・オボンサウィン。


 ・“When Jews Were Funny”(カナダ) 監督:Alan Zweig  [ワールド・プレミア]
 監督Alan Zweigによる、ユダヤ人としてのパーソナルなアイデンティティーの考察。自分からはユダヤ人であり続けるべく、努力しているつもりはないが、いったいユダヤ人のアイデンティティーとは何なのか? 子供の頃から興味のあった問題について考えてみる。たとえば、50年代から60年代にかけてTVで活躍していたコメディアンはみんなユダヤ人だったが、それはどうしてなのか。考えてもすぐには期待したような答えはみつからない。しかし、やがてある答えに到達する……。


 ・“At Berkeley”(米) 監督:フレデリック・ワイズマン [北米プレミア]
 カリフォルニア大学バークレー校に関するドキュメンタリー。カリフォルニア大学バークレー校は、州立大学として、1968年設立された名門校で、カリフォルニア大学の旗艦校でもある。優れた学問的な成果を出し、公的な役割を果たし、経済的、人種的、社会的にさまざまな学生を集めている。ワイズマンは、秋学期にキャンパスを訪れ、授業料の値上げや、州政府による予算のカット、高等教育の未来などについて、活発なディベートが行なわれるのを、カメラにとらえる。
 ベネチア国際映画祭2013 アウト・オブ・コンペティション部門出品


 ・“The Dog”(米) 監督:Allison Berg、Frank Keraudren [ワールド・プレミア]
 1972年、ジョン・ウォトヴィッツは、恋人の性転換手術のための金が欲しくて、ブルックリンの銀行を襲う。本作では、映画『狼たちの午後』のモデルになったジョン・ウォトヴィッツ(1945-2006)本人にアプローチし、彼に話を聞き、彼のユニークで、攻撃的で、陽気で、悲惨な生き方に迫る。


 ・“Finding Vivian Maier”(米) 監督:John Maloof、Charlie Siskel [ワールド・プレミア]
 ヴィヴィアン・マイヤー(1926-2009)は、ニューヨーク生まれで、乳母兼家政婦としてさまざまな家庭に住み込みながら、アメリカとフランスを旅しつつ、趣味としてたくさんの写真を撮影した。死後、彼女のロッカーからは10万枚以上にもおよぶ写真が発見され、今では、彼女は20世紀最大の写真家の1人と見なされている。本作では、写真や映像、彼女を知る多くの人々へのインタビューを通して、謎に満ちた彼女の人生を明らかにする。


 ・“Jodorowsky's Dune”(米) 監督:Frank Pavich [北米プレミア]
 出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、ミシェル・セイドゥー(Michel Seydoux)、Jean-Paul Gibon、クリス・フォス(Chris Foss)、H・R・ギーガー、ニコラス・ウィンディング・レフン
 幻のプロジェクト、アレハンドロ・ホドロフスキーの『デューン 砂の惑星』についてのドキュメンタリー。アレハンドロ・ホドロフスキーは、『ホーリー・マウンテン』(1973)の製作後、フランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』の映画化プロジェクトを立ち上げ、各界から一流のスタッフを集める。SF画家のクリス・フォス、メビウス、H・R・ギーガー、ダン・オバノン……。プロジェクトには、2年の歳月と数百万ドルを費やされたが、結局、失敗する。ところが、このプロジェクトに参加したスタッフたちによって、のちに、SF映画の金字塔となる、『エイリアン』や『ブレードランナー』『スター・ウォーズ』『トータル・リコール』といった作品が次々と生み出されることになる。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。


 ・“Midway”(米) 監督:Chris Jordan [ワールド・プレミア]
 ハワイ北西部にあるミッドウェイ環礁は、多くの海戦が繰り広げられてきた場所であるが、その一方で、アホウドリをはじめとする何百種類もの海鳥の繁殖地としても知られている。近年、問題になっているのは、周辺に、東アジア諸国から流れ着いたと思われる、漂流ゴミが集まり、日本の国土の4倍にもおよぶ、いわゆる「太平洋ゴミベルト」(Great Pacific Garbage Patch)を形成していることだ。プラスチックのゴミを、海鳥が、誤ってひなに与え、彼らの生命に危険が及ぼすという被害も広がっている。海鳥たちの運命は、人間とも無関係ではなく、彼らの行く末は人類の未来とも深く関わっている。


 ・“Mission Congo”(米) 監督:David Turner、Lara Zizic [ワールド・プレミア]
 撮影クルーは、東コンゴに数ヶ月滞在し、「子供議会」(Children's Parliament)というプロジェクトに関し、2人の子供をドキュメントする。「子供議会」とは、子供たちが自分たちコンゴの子供の権利を守るために、議論し合う、子供による、子供のための議会で、そこでは、学校における性的な虐待や、魔女としての告発、近親相姦などが、話し合われる。


 ・“Tim's Vermeer”(米) 監督:Teller [ワールド・プレミア]
 テキサスの発明家John Jenisonは、写真が発明される150年以上も前に、フェルメールがなぜあれほどまでに写真で写し撮ったかのような絵が描けたのかについて解明しようとする。監督は、Penn & Tellerとして知られる有名なマジシャンTellerで、彼が、夕食の席でJohn Jenisonが「今度、フェルメールを描いてみようと思ってるんだ」と話すのを聞いて、半信半疑ながら、だったら、それをカメラで撮影してみようということになり、本作のプロジェクトがスタートした。撮影は、『スキャナー・ダークリー』などで知られるシェーン・F・ケリー、音楽は『マリリン 7日間の恋』などで知られるコンラッド・ポープ。


 ・“The Unknown Known: The Life And Times Of Donald Rumsfeld”(米) 監督:エロール・モリス
 元国防長官ドナルド・ラムズフェルドがこれまでの人生を語り下ろしたドキュメンタリー。エロール・モリスをインタビュアーとして、60年代初めの下院議員時代から、強硬姿勢を崩さなかったイラク侵攻までを語る。
 エロール・モリスのフィルモグラフィーにおいては、『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』(2003)の姉妹編に当たる。タイトルは、ラムズフェルドの著書“Known and Unknown”(邦題『真珠湾からバグダッドへ~ラムズフェルド回想録』)のもじり。
 ベネチア国際映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・“Unstable Elements”(米) 監督:Madeleine Sackler [ワールド・プレミア]
 ベラルーシは、ヨーロッパ最後の独裁国家で、ベラルーシ・フリー・シアター(Belarus Free Theatre)は、検閲と投獄のリスクを冒し、挑発的な舞台を秘密裏に上演して、国外から高い評価を得ている。撮影クルーは、政府の弾圧に屈せずに、上演を行なった2010年の彼らのステージに密着し、当局の許可を得ることなく、インタビューし、撮影を行なっている。
 “The Lottery”が米国アカデミー賞2011 長編ドキュメンタリー賞候補になったMadeleine Sackler監督の最新作。


 ・“The Mayor”(メキシコ) 監督:Emiliano Altuna Fistolera [カナダ・プレミア]
 Mauricio Fernandezは、ラテンアメリカで最も裕福で安全なメキシコの都市サンペドロ・ガルサ・グラシア(San Pedro Garza García)の市長だ。彼は、論争好きな市長で、これまでにしてきたように、どんな手段を使っても麻薬カルテルを撲滅すると宣言する。


 ・“The Square (Al Midan)”(エジプト・米) 監督:Jehane Noujaim [カナダ・プレミア?]
 2011年2月のエジプト革命でムバラク政権は倒れた。しかし、それですべてが解決したわけではない。革命の勝利に陶酔しているうち、過渡的に軍隊の支配を招き、危険で不確かな状況が訪れる。やがて革命はイスラム急進派にのっとられてしまったことがわかる。革命の成功は世界中が目撃した。だが、大事なのは、その後なのだ。
 “Startup.com”(2001)で米・監督組合賞を受賞しているJehane Noujaimの最新作。
 サンダンス映画祭2013 観客賞受賞。


 【VANGUARD】

 ・“People In Places (Gente En Sitios)”(西) 監督:Juan Cavestany [ワールド・プレミア]
 物語:人間としての境遇、強さ、カオスと化した人間関係……。現代のスペインを示すような、約20の断片で構成される万華鏡のような一編。
 出演:ラウル・アレバロ(Raul Arevalo)、Eduard Fernandez、サンティアゴ・セグーラ(Santiago Segura).


 ・“Borgman”(オランダ・ベルギー・デンマーク) 監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム [北米プレミア]
 物語:郊外の住宅地に不吉な影がしのびよる―。霧深い森の中で、司祭と2人の仲間によって、Camiel Borgmanが生き埋めにされようとしていた。しかし、彼は、命からがらそこから這い出し、郊外の町に向かう。そこはスノビッシュな中流階級の人々が暮らす街で、Camielは、通りから、裕福そうな家の庭を見て歩く。彼が目をつけたのは、庭先におもちゃがあった家で、それはそこに子どもがいるというサインだった。その家は、ヴィジュアル・アーティストのMarinaとRrichardの家で、夫婦と3人の子どもと乳母が暮らしていた。Camielは、家に声をかけて、バスルームを使わせてくれと頼むが、彼のひどい姿を見て、夫のRrichardは門前払いをくらわせようとする。しかし、妻のMarinaは、夫の目を気にしつつ、彼を心配して、傷の手当てまでする。そこから一家の悪夢が始まる……。
 出演:Jan Bijvoet、Hadewych Minis、イェロン・ペルセヴァル(Jeroen Perceval)、アレックス・ファン・ヴァーメルダム、Tom Dewispelaere、Sara Hjort Ditlevsen、Elve Lijbaart、Dirkje van der Pijl
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。
 European Film Festival Palić 2013 最優秀作品賞受賞。


 ・“The Strange Colour of Your Body’s Tears (L’Étrange Couleur Des Larmes De Ton Corps)”(ベルギー・仏・ルクセンブルク) 監督:エレーヌ・カッテ(Hélène Cattet)、ブルーノ・フォルツァーニ(Bruno Forzani) [北米プレミア]
 物語:妻が失踪する。夫は、彼女の行方を捜すが、彼女が彼を棄てたのか、それとも彼女はどこかで死んでいるのか、まるでわからない。まもなく彼は、悪夢と暴力の世界に迷い込んでしまう。
 出演:クラウス・タンゲ(Klaus Tange)、Jean-Michel Vovk、Sylvia Camarda、Sam Louwyck、Anna D’Annunzio
 ロカルノ国際映画祭2013 インターナショナル・コンペティション部門出品。


 ・“Sex, Drugs & Taxation (Spies & Glistrup)”(デンマーク) 監督:クリストフ・ボー(Christoffer Boe) [インターナショナル・プレミア]
 物語:弁護士から政治家に転身したMogens Glistrupと、旅行王のSimon Spiesという、実在の人物の友情の物語。1965年。MogensとSimonは、コペンハーゲンの学生寮Regensenで過ごして以来15年ぶりに再会し、強い友情で結ばれる。Mogensは、Simonを助け、Simonの立ち上げた旅行会社Spies Travelは、北欧で最も成功した旅行会社に成長した。一方、Simonは、Mogensの反税金政策をバックアップした。Simonは、思う存分に自由を満喫し、続く7年間は、サイケデリックで、革命的で、クレイジーな日々を過ごした……。
 出演:Pilou Asbæk、ニコラス・ブロ(Nicolas Bro)、イェスパー・クリステンセン(Jesper Christensen)


 ・“Celestial Wives of the Meadow Mari (Nebesnye Ženy Lugovykh Mari)”(ロシア) 監督:アレクセイ・フェドルチェンコ(Alexey Fedorchenko)  [カナダ・プレミア]
 物語:ロシア西部に住むマリ族の人々を主人公とする23の物語で構成される。舞台は孤立した小さな村で、人々の名前はみんなOから始まる。登場人物は、いくつかの物語で重複している。彼らはみんな何か奇妙な儀式に関わっているらしいが、それについての説明はない。たとえば、冒頭に出てくる女性は言う。「寝ていると、夫のせいで、脚が脱臼する。」 同じ女性は、恐ろしい部族衣裳を身につけた人々に雪の玉を投げつけられる。女性器に魔法の鳥が押し込まれる。乳幼児にまねをした若者がペットに乳を与えている。裸の娘たちにロシアの皿が投げつけられる……。
 ローマ国際映画祭2012 インターナショナル・コンペティション部門出品。
 エジンバラ国際映画祭2013 インターナショナル長編コンペティション部門出品。学生審査員賞受賞。


 ・“Thou Gild’st The Even(Sen Aydinlatirsin Geceyi)”(トルコ) 監督:Onur Ünlü [北米プレミア]
 物語:アナトリアの小さな町。Cemalはサッカーの試合で副審判をしている。Yeseminは卵工場で働いている。Defneは通りで本を売っている。Irfanは、医者で、たくさんの患者が押しかけてくる。この町には、2つの太陽と3つの満月が空に浮かび、登場人物たちは、それぞれ特殊な能力を持っている。Cemalは、壁を透視する能力を持ち、Yeseminは手を使わずにモノが動かせ、Defneは時間を止めることができる。Cemalは、ここでは人生に希望が見出せないので、Yeseminと一緒にどこかへ行きたいと考えている。しかし、Yeseminの上司のせいで、そうも行かず、小学校の先生がCemalを慰める……。
 イスタンブール国際映画祭2013 ナショナル・ゴールデン・チューリップ・コンペティション部門出品。作品賞、脚本賞、編集賞、国際批評家連盟賞受賞。


 ・“Sapi”(フィリピン) 監督:ブリランテ・メンドーサ [ワールド・プレミア]
 ライバルTV局PBC(Philippine Broadcasting Channel)が多くの視聴者を獲得したため、SBN(Sarimanok Broadcasting Network)が競争に生き残るには、奇跡を期待するしかなかった。この狂乱の時代にあって、SBNのニュース・チームは、本物の悪魔憑きをドキュメントすることで活路を見出そうとする。


 ・“Soul(失魂)”(台湾) 監督:チョン・モンホン [インターナショナル・プレミア]
 出演:ジョセフ・チャン、ジミー・ウォング、レオン・ダイ
 物語:30歳のアチュアンは、静かな男で、日本料理店で、シェフをしている。ある日、彼は、気を失って倒れ、病院に運ばれる。しかし、肉体に異常は認められない。精神的な問題だろうと診断されて、彼は、山の中にある郷里で療養することになる。郷里には、父のワンと、嫁いでいる妹のシャオユンが暮らしている。アシュアンは、全く動くことができず、話すことも、食べることも、独りでトイレにいくこともできない。ある晩、彼は、突然起きて、冷蔵庫にあった冷や飯を食べる。翌日、ワンは、血だまりの中に倒れているシャオユンと、それを無表情で見つめているアチュアンを見つける。「お前は息子じゃない。お前は誰なんだ?」とワンが訊くと、アチュアンは、「この体の中には魂がない。だから私が入ったのだ」と答える。アチュアンには、小学校時代の同級生で警官をしているシャオ・ウーがいる。シャオ・ウーは、アチュアンが帰ってきていると聞いて、訪ねてくるが、ワンは、シャオユンの遺体を隠してしまう。
 『4枚目の似顔絵』のチョン・モンホン監督最新作。
 台北電影奨2013 作品賞、主演男優賞、撮影賞、音楽賞受賞。


 ・“The Fake”(韓) 監督:ヨン・サンホ(Yeon Sang-ho) [ワールド・プレミア]
 物語:ある田舎の村が、水の下に沈むことになり、村人たちは引越しするための補償を受ける。チェという名の詐欺師が、貧しい村人をだまして、教会のお布施として補償金を吐き出させる。ミンチョルは、評判のよくない遊び人で、真実に気づいているが、誰も説得できない。特に人々から尊敬されているソン牧師が手ごわかったが、彼こそは、チェが詐欺の片棒を稼がせるためにスカウトした人物だった。ミンチョルは、信心深い彼の娘が、この詐欺にだまされて売春させられるにおよんで、復讐を決意する。
 『豚の王』のヨン・サンホ監督最新作。


 ・“Blue Ruin”(米) 監督:ジェレミー・ソウルニエ(Jeremy Saulnier)  [北米プレミア]
 出演:Macon Blair、デヴィン・ラトレイ(Devin Ratray)、エイミー・ハーグリーヴス(Amy Hargreaves)、Kevin Kolack、イヴ・プラム(Eve Plumb)、David Thompson
 物語:ビーチで、ひとり静かに浮浪者のような暮らしをしている男がいる。彼は、恐ろしい知らせを聞いて、驚き、故郷に帰って、復讐を果たそうとする。しかし、彼は、そんな能力など持ち合わせておらず、疎遠になった家族を守るために必死に闘うことになる。
 カンヌ国際映画祭2013 監督週間出品。国際批評家連盟賞受賞。


 ・“Horns”(米) 監督:アレクサンドル・アジャ(Alexandre Aja) [ワールド・プレミア]
 物語:イグナチウス・ペリッシュは、泥酔した翌朝、自分の頭に角が生えているのを発見する。しかも、ルックスが悪魔のようになっただけでなく、彼の前では人々はトランス状態に陥り、普通なら話さないようなことを告白し始めるのだ。彼は、この能力を使って、ガールフレンドを殺した犯人をみつけようとする。
 出演:ジュノー・テンプル、ダニエル・ラドクリフ
 『ハイテンション』『ミラーズ』『ピラニア 3D』などの作品で知られるアレクサンドル・アジャ監督の最新作。


 ・“Proxy”(米) 監督:Zack Parker [ワールド・プレミア]
 物語:エスターは、マタニティー検診の帰り、フードをかぶった人物に襲われ、痛めつけられる。しかし、このことで、彼女のまわりには彼女を慰めてくれる人が集まり、彼女は、心を開放して、人生の哀しみや孤独を分かち合い、友情を育み、信頼を寄せるようになる。しかし、そんな時こそ、悪い人につけいられやすいのだ。


 ・“The Sacrament”(米) 監督:タイ・ウェスト(Ti West) [北米プレミア]
 物語:友人が、失踪した妹の行方を捜して、アメリカのアウトサイドを旅する様子をドキュメンタリー用のカメラで追う。最終的に「エデン・パリッシュ」という、200名くらいのメンバーがいる宗教的社会的コミュニティーにたどりつき、ここで捜していた妹と再会を果たす。「エデン・パリッシュ」は、「ファーザー」と呼ばれる謎の人物によって導かれているが、彼らにはどうしてもそこがユートピアだと思えない。再会までを収めたドキュメンタリーを撮り終え、もう1本別のドキュメンタリーが撮れるかもしれないと思い始めた頃、様子が変わり、彼らはを争って逃げ出すことになる。
 イーライ・ロスがプロデューサーを努める。
 出演:ジョー・スワンバーグ(Joe Swanberg)、AJ・ボーウェン(AJ Bowen)、ケンタッカー・オードリー(Kentucker Audley)、Amy Seimetz、Gene Jones
 ベネチア国際映画祭2013 Orizzonti部門出品。


 ・“We Gotta Get Out Of This Place”(米) 監督:Simon Hawkins、Zeke Hawkins [ワールド・プレミア]
 物語:もう少しではなればなれになる親友2人と週末を過ごすために、ビリー・ジョーは、綿花農場のボス、ギフから盗みを働く。週末旅行から帰ってきた時、彼らは、ビリーのやったことがとんでもない事態を巻き起こしていることを知る。


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 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップその1. GALA、SPECIAL PRESENTATIONS:http:// umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_21.html
 ・トロント国際映画祭2013ラインナップその2.SPECIAL PRESENTATIONS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_22.html
 ・トロント国際映画祭2013 ラインナップ その3.CITY TO CITY、MIDNIGHT MADNESS:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_25.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

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