ナストロ・ダルジェント賞2013 ノミネーション発表!

 第67回ナストロ・ダルジェント賞のノミネーションが発表になりました。(5月30日)

 【ナストロ・ダルジェント賞】

 ナストロ・ダルジェント賞(Nastro d'Argento / シルバー・リボン賞)は、イタリアの映画批評家協会(The Sindacato Nazionale dei Giornalisti Cinematografici Italiani(Association of Italian Film Critics))の映画批評家たちが投票して決める賞、つまり「イタリア映画批評家協会賞」に当たる賞で、1947年にスタートして、今年で、67回目を迎えています。
 Wikipediaでは、米国アカデミー賞に次いで世界で2番目に古い映画賞であると紹介されています。「米国アカデミー賞が世界で最も古い映画賞である」という言い方には、各方面から異議申し立てが出そうですが、まあ、ナストロ・ダルジェント賞が世界でも最も古い伝統ある映画賞の1つであるということは確かなことなのだろうと思われます。

 部門的には、作品賞はなくて、その代わりにプロデューサー賞が設けられていること、また、ドキュメンタリー賞、短編映画賞、特別賞・名誉賞まで含めて、部門の数がかなり多い、というのがこの賞の特徴の1つとなっています。
 1つの部門に同じノミニーが複数ノミネートされることはありませんが、複数の対象作品に対して1人のノミニーが選ばれたり、1つの対象作品に対して複数のノミニーが選ばれたりすることも普通に認められているようです。

 ノミネーション結果、受賞結果に関しては、特定の作品にノミネーションや賞が集中することは少なく、多くの作品で、ノミネーションや賞を分け合うことが多いようです。

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 ◆監督賞(Regista Del Miglior Film Italiano)
 ・Roberto Ando’ “Viva La Libertà”
 ・マルコ・ベロッキオ 『眠れる美女』“Bella Addormentata”
 ・Claudio Giovannesi  “Alì Ha Gli Occhi Azzurri”
 ・パオロ・ソレンティーノ “La Grande Bellezza”
 ・ジュゼッペ・トルナトーレ “La Migliore Offerta”

 パオロ・ソレンティーノは、2年連続ノミネートです。
 Roberto Ando’とジュゼッペ・トルナトーレは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆主演男優賞(Migliore Attore Protagonista)
 ・アニエッロ・アレーナ 『リアリティー』“Reality”(監督:マッテオ・ガローネ)
 ・ラウル・ボヴァ、マルコ・ジャリーニ  『リアリティー』(監督:Edoardo Leo)
 ・ルカ・マリネッリ(Luca Marinelli) 『来る日も来る日も』“Tutti I Santi Giorni”(監督:パオロ・ヴィルツィ)
 ・ヴァレリオ・マスタンドレア 『綱渡り』“Gli Equilibristi”(監督:イヴァーノ・デ・マッテオ)、“Viva La Libertà”
 ・フランチェスコ・シャンナ “Itaker”(監督:Toni Trupia)

 アニエッロ・アレーナ、ルカ・マリネッリ、ヴァレリオ・マスタンドレアは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。
 マルコ・ジャリーニは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では助演男優賞にノミネートされています。

 ◆主演女優賞(Migliore Attrice Protagonista)
 ・マルゲリータ・ブイ “Viaggio Sola”(監督:マリア・ソーレ・トニヤッツィ)
 ・ラウラ・キアッティ “Il Volto Di Un’Altra”(監督:パッピ・コルシカート)
 ・ラウラ・モランテ “Appartamento Ad Atene”(監督:Ruggero Dipaola)
 ・カシア・スムトゥニアク “Benvenuto Presidente”(監督:リカルド・ミラニ)、“Tutti Contro Tutti”(監督:ロランド・ラヴェッロ)
 ・ジャスミン・トリンカ “Miele”(監督:ヴァレリア・ゴリーノ)、“Un Giorno Devi Andare”(監督:ジョルジョ・ディリッティ)

 マルゲリータ・ブイとジャスミン・トリンカは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆助演男優賞(Migliore Attore Non Protagonista)
 ・Stefano Altieri “Tutti Contro Tutti”
 ・カルロ・チェッキ “Miele”
 ・ファブリツィオ・ファルコ 『それは息子だった』“E’ Stato Il Figlio”(監督:ダニエレ・チブリ)、『眠れる美女』“Bella Addormentata”
 ・Michele Riondino “Acciaio”(監督:Stefano Mordini) 『眠れる美女』“Bella Addormentata”
 ・カルロ・ヴェルドーネ “La Grande Bellezza”

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とは1人も重なっていません。

 ◆助演女優賞(Migliore Attrice Non Protagonista)
 ・クラウディア・ジェリーニ 『司令官とコウノトリ』“Il Comandante e La Cicogna”(監督:シルヴィオ・ソルディーニ)、“Una Famiglia Perfetta”(監督:Paolo Genovese)
 ・Sabrina Ferilli “La Grande Bellezza”
 ・アンナ・フォリエッタ “Colpi Di Fulmine”(監督ネリ・パレンティ)
 ・エヴァ・リッコボーノ “Passione Sinistra”(監督:Marco Ponti)
 ・Fabrizia Sacchi “Viaggio Sola”

 クラウディア・ジェリーニは、前回は主演女優賞にノミネートされています。
 Fabrizia Sacchiは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆脚本賞(Migliore Sceneggiatura)
 ・マルコ・ベロッキオ、Veronica Raimo、ステファーノ・ルッリ 『眠れる美女』“Bella Addormentata”
 ・ジュゼッペ・ピッチョーニ、Francesca Manieri “Il Rosso e Il Blu”(監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ)
 ・パオロ・ソレンティーノ、ウンベルト・コンタレッロ “La Grande Bellezza”
 ・ジュゼッペ・トルナトーレ “La Migliore Offerta”
 ・Roberto Andò、アンジェロ・パスクィーニ “Viva La Libertà”

 パオロ・ソレンティーノとウンベルト・コンタレッロは、2年連続ノミネートです。
 “La Migliore Offerta”と“Viva La Libertà”は、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆オリジナル・ストーリー賞(Migliore Soggetto)
 ・Fabio Bonifacci “Benvenuto Presidente”
 ・Massimo Gaudioso、Matteo Garrone 『リアリティー』“Reality”
 ・Pappi Corsicato、Monica Rametta “Il Volto Di Un’Altra”
 ・Maurizio Braucci、Leonardo Di Costanzo 『日常のはざま』“L’Intervallo”(監督:レオナルド・ディ・コンスタンツォ)
 ・Ivan Cotroneo、Francesca Marciano、Maria Sole Tognazzi “Viaggio Sola”

 ◆最優秀撮影賞(Migliore Fotografia)
 ・ルカ・ビガッツィ 『日常のはざま』“L’Intervallo”、“La Grande Bellezza”、“Un Giorno Speciale”(監督:フランチェスカ・コメンチーニ)
 ・ロベルト・チマッティ “Un Giorno Devi Andare”
 ・イタロ・ペットリッチョーネ “Educazione Siberiana”(監督:ガブリエレ・サルヴァトレス)
 ・Federico Schlatter “Razzabastarda”(監督:アレッサンドロ・ガスマン)
 ・ファビオ・ザマリオン “La Migliore Offerta”

 ルカ・ビガッツィは、前回、受賞しています。
 イタロ・ペットリッチョーネとファビオ・ザマリオンは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀編集賞(Migliore Montaggio)
 ・Clelio Benevento “Viva La Libertà”
 ・ウォルター・ファサーノ(Walter Fasano) “Viaggio Sola”
 ・ジョジョ・フランチーニ “Miele”
 ・マッシモ・クアリア “La Migliore Offerta”
 ・Giuseppe Trepiccione “Alì Ha Gli Occhi Azzurri”

 Clelio Beneventoとウォルター・ファサーノとマッシモ・クアリアは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀美術賞(Migliore Scenografia)
 ・マルコ・デンティチ 『眠れる美女』“Bella Addormentata”、『それは息子だった』“E’ Stato Il Figlio”
 ・フランチェスコ・フリジェッリ “Venuto Al Mondo”(監督:セルジョ・カステリット)
 ・Rita Rabassini “Educazione Siberiana”
 ・パオロ・ボンフィーニ 『リアリティー』“Reality”
 ・マウリツィオ・サバティーニ、Raffaella Giovannetti “La Migliore Offerta”

 フランチェスコ・フリジェッリは、3年連続ノミネート。
 フランチェスコ・フリジェッリ以外は、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀衣裳賞(Migliori Costumi)
 ・パトリツィア・チェリコーニ “Educazione Siberiana”
 ・Roberto Chiocchi “Il Volto Di Un’Altra”
 ・Daniela Ciancio “La Grande Bellezza”
 ・Grazia Colombini 『それは息子だった』“E’ Stato Il Figlio”
 ・マウリツィオ・ミレノッティ 『リアリティー』“Reality”、“La Migliore Offerta”

 パトリツィア・チェリコーニとGrazia Colombiniとマウリツィオ・ミレノッティは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀録音賞(Migliore Sonoro In Presa Diretta)
 ・マウリツィオ・アルゲンティエリ “Venuto Al Mondo”
 ・ガエターノ・カリート、Pierpaolo Merafino 『眠れる美女』“Bella Addormentata”
 ・Emanuele Cecere “La Grande Bellezza”、“Miele”
 ・ジルベルト・マルティネッリ “La Migliore Offerta”
 ・カルロ・ミッシデンティ “Un Giorno Devi Andare”

 ガエターノ・カリートとジルベルト・マルティネッリは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀作曲賞(Migliore Colonna Sonora)
 ・Thony 『来る日も来る日も』“Tutti I Santi Giorni”
 ・マルコ・ベッタ “Viva La Libertà”
 ・ピヴィオ&アルド・デ・スカルツィ(Pivio & Aldo De Scalzi) “Razzabastarda”
 ・レーレ・マルキテッリ “La Grande Bellezza”
 ・エンニオ・モリコーネ “La Migliore Offerta”

 エンニオ・モリコーネのみ、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀オリジナル歌曲賞(Migliore Canzone Originale)
 ・“Pulce Non C’è”(監督:Giuseppe Bonito)-‘Il Silenzio’ Niccolo’ Fabi
 ・“Cose Cattive”(監督:Simone Gandolfo)-‘Hey Sister’ ヴィオランテ・プラシド(Violante Placido)
 ・『司令官とコウノトリ』“Il Comandante e La Cicogna”-‘La Cicogna’ ヴィニチオ・カポッセラ(Vinicio Capossela) & バンダ・オシリス(Banda Osiris)
 ・“Tutti I Rumori Del Mare”(監督:Federico Brugia)-‘Grovigli’ Malika Ayane
 ・“Padroni Di Casa”(監督:Edoardo Gabbriellini)-‘Amor Mio’ Cesare Cremonini 曲:ジャンニ・モランディ(Gianni Morandi)
 ・“Bianca Come Il Latte, Rossa Come Il Sangue”(監督:ジャコモ・カンピオッティ(Giacomo Campiotti))-‘Se Si Potesse Non Morire’ Francesco Silvestre 曲:Modà

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とは全く重なっていません。

 ◆プロデューサー賞(Migliore Produttore)
 ・シモーネ・バキーニ、ジョルジョ・ディリッティ、リオネッロ・チェッリ 協力:Valerio De Paolis “Un Giorno Devi Andare”
 ・アンジェロ・バルバガッロ “Viva La Libertà”
 ・ドナテッラ・ボッティ “Il Rosso e Il Blu”、“Viaggio Sola”
 ・Isabella Cocuzza &アルトゥーロ・パーリア “La Migliore Offerta”
 ・ニコラ・ジュリアーノ、フランチェスカ・シーマ “La Grande Bellezza”
 ・リッカルド・スカルマチョ、ヴィオラ・プレスティエーリ “Miele”

 ニコラ・ジュリアーノとフランチェスカ・シーマは、2年連続ノミネートです。
 アンジェロ・バルバガッロ、Isabella Cocuzza &アルトゥーロ・パーリアは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆新人監督賞(Regista Esordiente)
 ・Giuseppe Bonito “Pulce Non C’è”
 ・レオナルド・ディ・コンスタンツォ 『日常のはざま』“L’Intervallo”
 ・アレッサンドロ・ガスマン “Razzabastarda”
 ・ヴァレリア・ゴリーノ “Miele”
 ・ルイジ・ロ・カーショ “La Città Ideale”

 レオナルド・ディ・コンスタンツォとアレッサンドロ・ガスマンとルイジ・ロ・カーショは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でもノミネートされています。

 ◆最優秀コメディー賞(Migliore Commedia)
 ・“Benvenuto Presidente” 監督:リカルド・ミラニ
 ・“Buongiorno Papa’ ” 監督:Edoardo Leo
 ・“Tutti Contro Tutti” 監督:ロランド・ラヴェッロ
 ・“Una Famiglia Perfetta” 監督:Paolo Genovese
 ・“Viaggio Sola” 監督:マリア・ソーレ・トニヤッツィ

 [特別賞・名誉賞]

 ◆ナストロ・ダルジェント特別賞(Nastro D'argento Speciale)
 ◎ロベルト・ヘルリッカ
 ◎セルジョ・カステリット &マルガレート・マッツァンティーニ

 ◆年間特別ナストロ賞(Nastro straordinario dell'anno)
 ◎トニ・セルヴィッロ

 ◆ナストロ・ダルジェント特別賞2013(Nastro D'argento Dell'anno)
 ◎『孤独な天使たち』 監督:ベルナルド・ベルトルッチ

 ◆ビラーギ賞(Premio Guglielmo Biraghi)
 ◎ロザベル・ラウレンティ・セラーズ(Rosabell Laurenti Sellers) “Buongiorno Papà”、『綱渡り』、“Passione Sinistra”
 ◎フィリッポ・シッキターノ(Filippo Scicchitano) “Un Giorno Speciale”

 ◆ヤング・ビラーギ賞(Biraghi Giovanissimi)
 ◎ジャコポ・オルモ・アンティノーリ 『孤独な天使たち』
 ◎ジュリア・ヴェレンティーニ(Giulia Valentini) “Un Giorno Speciale”

 ◆ブルガリ賞(Nastro Bulgari)
 ◎テア・ファルコ

 [ドキュメンタリー部門](Nastri D'argento Per I Documentari)

 ◆ドキュメンタリー賞(Miglior Documentario)
 ・“Terramatta” 監督:Costanza Quatriglio
 ・“Anja, La Nave” 監督:Roland Sejko
 ・“Il Gemello” 監督:Vincenzo Marra
 ・“Il Mundial Dimenticato” 監督:Filippo Macelloni、Lorenzo Garzella
 ・“Noi Non Siamo Come James Bond” 監督:Mario Balsamo

 ◆映画にまつわるドキュメンタリー映画賞(Miglior Documentario Sul Cinema)
 ・“Giuseppe Tornatore - Ogni Film Un'opera Prima” 監督:Luciano Barcaroli、Gerardo Panichi
 ・“Carlo! ” 監督:ジャンフランコ・ジャーニ(Gianfranco Giagni)、Fabio Ferzetti
 ・“Furio Scarpelli” 監督:Francesco Ranieri Martinotti
 ・“Il Leone Di Orvieto” 監督:アウレリアーノ・アマディ(Aureliano Amadei)
 ・“L'insolito Ignoto” 監督:Sergio Naitza

 ◆審査員特別賞(Premio Speciale Della Giuria)
 ◎“Il Gemello” 監督:Vincenzo Marra

 ◆スペシャル・メンション(Menzioni Speciali)
 ◎“Il Leone Di Orvieto” 監督:アウレリアーノ・アマディ(Aureliano Amadei)
 ◎“L'insolito Ignoto” 監督:Sergio Naitza
 ◎“The Summit” 監督:フランコ・フラカッシ(Franco Fracassi)、Massimo Lauria

 ◆ナストロ・ダルジェント・キャリア賞(Premio Alla Carriera)
 ◎Giovanna Gagliardo(ドキュメンタリーの監督)

 ◆俳優賞特別賞(Premio Speciale Miglior Attore Protagonista)
 ◎ジュリアーノ・モルタルド(Giuliano Montaldo)  “Quattro Volte Vent'anni”(監督:Marco Spagnoli)

 [短編部門](Corti D'argento)

 ◆短編映画賞(Miglior Cortometraggio)
 ・“Tiger Boy” 監督:Gabriele Mainetti
 ・“Ciro” 監督:Sergio Panariello
 ・“La Casa Di Ester” 監督:ステファノ・キオディーニ(Stefano Chiodini)
 ・“La Legge Di Jennifer” 監督:Alessandro Capitani
 ・“La Prima Legge Di Newton” 監督:Piero Messina

 ◆審査員特別賞(Premio Speciale Della Giuria)
 ・“Ciro” 監督:Sergio Panariello

 ◆シネマスター(Cinemaster)
 ◎“La Legge Di Jennifer” 監督:Alessandro Capitani

 ◆短編アニメーション賞(Targa Miglior Corto D'animazione)
 ◎“Muri Puliti” 監督:Davide Tromba

 ◆スペシャル・メンション(Menzioni Speciali)
 ◎チェチリア・ダッツィ(Cecilia Dazzi)(女優)
 ◎Tommaso Arrighi(プロデューサー)
 ◎“Babylon Fast Food” 監督:Alessandro Valori

 ◆特別賞(Premio Speciale)
 ◎“Il Turno Di Notte Lo Fanno Le Stele” 監督:エドアルド・ポンティ(Edoardo Ponti)

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 主な作品のノミネート状況は以下の通りです。

 ・“La Grande Bellezza”(9):監督・助演男優・助演女優・脚本・撮影・衣裳・録音・作曲・プロデューサー
 ・“La Migliore Offerta”(9):監督・脚本・撮影・編集・美術・衣裳・録音・作曲・プロデューサー
 ・“Viva La Libertà”(6):監督・主演男優・脚本・編集・作曲・プロデューサー
 ・『眠れる美女』(6):監督・助演男優・助演男優・脚本・美術・録音
 ・“Viaggio Sola”(6):主演女優・助演女優・ストーリー・編集・プロデューサー・コメディー
 ・“Miele”(6):主演女優・助演男優・編集・録音・プロデューサー・新人監督
 ・『リアリティー』(4):主演男優・ストーリー・美術・衣裳
 ・“Un Giorno Devi Andare”(4):主演女優・撮影・録音・プロデューサー
 ・“Il Volto Di Un’Altra”(3):主演女優・ストーリー・衣裳
 ・“Benvenuto Presidente”(3):主演女優・ストーリー・コメディー
 ・“Tutti Contro Tutti”(3):主演女優・助演男優・コメディー
 ・『それは息子だった』(3):助演男優・美術・衣裳
 ・『日常のはざま』(3):ストーリー・撮影・新人監督
 ・“Educazione Siberiana”(3):撮影・美術・衣裳
 ・“Razzabastarda”(3):撮影・作曲・新人監督
 ・“Alì Ha Gli Occhi Azzurri”(2):監督・編集
 ・『来る日も来る日も』(2):主演男優・作曲
 ・『司令官とコウノトリ』(2):助演女優・歌曲
 ・“Una Famiglia Perfetta”(2):助演女優・コメディー
 ・“Il Rosso e Il Blu”(2):脚本・プロデューサー
 ・“Venuto Al Mondo”(2):美術・録音
 ・“Pulce Non C’è”(2):歌曲・録音

 ノミネーションが上位5作品(『闇に葬られた狂気』“Diaz”、“La Migliore Offerta”、“Educazione Siberiana”、“Viva La Libertà”、『リアリティー』)にほぼ独占されたダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とは対照的に、ナストロ・ダルジェント賞は、多くの作品でかなり細かくノミネーションを分け合う結果になりました。

 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とナストロ・ダルジェント賞は、ノミネーションの発表がわずか1ヶ月しか違いませんが、ナストロ・ダルジェント賞のノミネーションには、カンヌ国際映画祭で上映されたばかりの“La Grande Bellezza”や“Miele”を含む2013年公開作品が多数ノミネートされています。(“La Grande Bellezza”は、カンヌでの上映とほぼ同時にイタリアで公開され、“Miele”はカンヌに先駆けてイタリアで公開されています。)

 結果的に、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とナストロ・ダルジェント賞のノミネーションは、半分も重なっておらず、重なっているノミニーは、“La Migliore Offerta”や“Educazione Siberiana”、“Viva La Libertà”、『リアリティー』、“Viaggio Sola”といった作品のキャスト、スタッフであることがほとんどです。

 前回は、2つの賞のノミネーションは似たり寄ったりだったので、今回は、ちょっと異例というか、ノミネート対象期間のズレの間で、いくつもの強力な作品がイタリア国内でリリースされた、ということになるでしょうか。

 ベルトルッチの『孤独な天使たち』は、メインのノミネーションに全く入ってきていませんが(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では6部門でノミネート)、これは、前回におけるタヴィアーニ兄弟の『塀の中のジュリアス・シーザー』と同じ扱いで、どうやらナストロ・ダルジェント賞では、「巨匠」の作品は、敬意を表して、ノミネーションからは外すということになっているようです。

 前回からの流れで見ると、数人のノミニーが連続ノミネートになっていますが(ほぼソレンティーノ組ばかり)、連続受賞がかかっているのは、撮影賞のルカ・ビガッツィだけです。

 なお、今回は、ヨーロッパ映画部門と非ヨーロッパ映画部門のノミネーションの発表がありませんでした。これは、これまで66回のナストロ・ダルジェント賞の歴史の中で初めてことで、公式のアナウンスがあったのかどうか、はっきりしたことはわかりませんが、この2部門に関して、ボックスオフィス最上位の作品が受賞することが恒例になっているようで、だとすれば、このままこの部門を続ける意味もないのではないかということで、今回より廃止となった、ということのようです。

 受賞結果の発表は、7月6日です。

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 主なノミネート作品を簡単に紹介しておきます。

 ・“La grande bellezza (The Great Beauty) ”(伊・仏) 監督:パオロ・ソレンティーノ
 出演:トニ・セルヴィッロ、カルロ・ヴェルドーネ、Sabrina Ferilli、カルロ・ブチロッソ(Carlo Buccirosso)、イアイア・フォルテ(Iaia Forte)、パメラ・ヴィロレッジ(Pamela Villoresi)、ガラテア・ランツィ(Galatea Ranzi)
 物語:Jep Gambardellaは、ローマで活躍する、成功したジャーナリストで、65歳という年齢にもかかわらず、魅力にあふれ、文化とハイライフを謳歌していた。彼は、毎夜パーティーに出かけ、朝方、帰宅するという生活をしているが、そうした生活の中でいろんな人々と交流する。若い恋人が途切れることがない劇作家ロマーノ、おもちゃのセールスマンのレオ、不実な夫に悩まされるTrumeau、クレイジーな息子を持つブルジョワのヴィオラ、ラディカルな批評家のステファニア、新聞の編集主任のDadina、さらに、料理する枢機卿や、暗い秘密を持つストリッパー、などなど……。そんな日常に彼自身、空しさを感じないわけではない。ある日、彼は、ある男性の訪問を受ける。それは、Jepの初恋の女性の夫で、彼女が亡くなって、遺品を整理していて、彼女が心から愛していたのはJepであり、夫はただの生活上のパートナーに過ぎないという記載を、彼女の日記に見つけ、ショックを受けたというのだった。彼にとっても死は身近だ。もう残された時間は多くないかもしれない。彼は、昔、1冊だけ小説を書いたことがあったが、自分には才能がないと思い、見切りをつけていた。65歳になった今、もう一度、小説にチャレンジしてみようと思い、「偉大なる美」を求めて、ローマ中を巡っていく。
 カンヌ国際映画祭2013 コンペティション部門出品。


 ・“La Migliore Offerta(The Best Offer)”(伊) 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
 出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、Sylvia Hoeks、ドナルド・サザーランド
 物語:ヴァージル・オールドマン(Virgil Oldman)は、著名な骨董鑑識家であり、競売人である。彼は、エキセントリックな才人で、人とのつきあいのわずらわしさから、他人とは距離を置いて、孤独な生活を送っている。ある時、美しいが、心に痛手を負う女性クレアから、家にある貴重なアート・コレクションを調べて、競売にかけてほしいという依頼を受ける。彼は、彼女に心を許すことにするが、まもなく彼女に対し、自分でも抑えきれないくらいの情熱にとりつかれるのだった……。
 ベルリン国際映画祭2013 ベルリナーレ・スペシャル部門出品。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013、13部門ノミネート。


 ・“Viva La Libertá”(伊) 監督:Roberto Andò
 出演:トニ・セルヴィッロ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミケーレ・チェスコン、アンナ・ボナイウート
 物語:エンリコ・オリヴェリ(Henrico Oliveri)は、抜け目がない政治家で、政界の中心にたどりついたが、これからはもう下り坂だということを理解していた。あらゆる予測が次の選挙で落選すると予測している。政党は、それを知りたがっているが、彼はごまかすために、姿をくらますことにし、今は有名な監督と結婚している古くからのガールフレンドの元に身を寄せるために、パリに向かう。彼の姿が見つからなくなって、党員たちはパニックに陥る。しかし、オリヴェリの右腕だったアンドレアが、奇策を思いつく。オリヴェリの双子の兄弟であるジョヴァンニに代役をさせるのだ。ジョヴァンニは、精神科医の厄介になったこともあるが、作家や哲学者としては一流である。この作戦は、トラブルだらけだったが、思いがけないうれしい誤算もあった……。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013、11部門ノミネート。


 ・『眠れる美女』“Bella Addormentata(Dormant Beauty)”(伊・仏) 監督:マルコ・ベロッキオ
 出演:イザベル・ユペール、トニ・セルヴィッロ、アルバ・ロルヴァケル、ミケーレ・リオンディーノ(Michele Riondino)、マヤ・サンサ、ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ(Pier Giorgio Bellocchio)、Brenno Placido、ファブリツィオ・ファルコ、Gian Marco Tognazzi、ロベルト・ヘンリッカ(Roberto Herlitzka)
 物語:イタリアの少女エルアナ・エングラロが、交通事故により、17年も昏睡状態が続き、裁判で、彼女に対する尊厳死を認める判決が出される。そこで延命措置を停止させるべく、彼女はウーディネの病院に送られるが、病院の周辺を含め、国内に激しい反対運動が起こる。これに対し、政権政党は、尊厳死を認める判決を否定する法案を通そうとし、上院議員ウリアーノ・ベッファルディは、個人的には受け入れられないこの法案に関し、自分の良心と、党首ベルルスコーニへの忠誠心との間で、葛藤し、辞職まで考える。彼は、重い病気で妻を亡くした過去があり、その過程で、娘マリアとの関係をこじらせている。当のマリアは、妊娠中絶反対派の活動家で、エルアナの入院している病院の前で抗議活動を行なう。ロベルトとその弟は、その反対で、強い世俗的な価値のためにそこで運動している。そんなロベルトに、敵であるはずのマリアが恋をしてしまう。
 一方、ディヴィーナ・マードレは、偉大なキャリアを持つ女優で、娘が植物状態になってから、仕事を辞め、娘の看病を続けて、娘が目覚めるよう、神に祈りを捧げている。俳優である彼女の夫や、俳優を目指している息子は、そんな生活から彼女を解放させてあげたいと考えている。
 また、薬物中毒の娘ロッサが、病院の窓から飛び降りて、自殺を図ろうとする。パッリド医師は、同僚の反対にも関わらず、ロッサの病室に泊り込んでまで、彼女の自殺をやめさせようとする。
 ベネチア国際映画祭2012 コンペティション部門出品。マルチェロ・マストロヤンニ賞/新人賞(ファブリツィオ・ファルコ)、Brian Award受賞。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。


 ・“Viaggio Sola”(伊) 監督:マリア・ソーレ・トニヤッツィ(Maria Sole Tognazzi)
 出演:マルゲリータ・ブイ、・ステファノ・アルコシ(Stefano Accorsi)、Fabrizia Sacchi、 Alessia Barela、Lesley Manville、Gianmarco Tognazzi、Fausto Sciarappa
 物語:イレーネは、40代で、結婚もしておらず、子供もいない。彼女は、ホテルのサービスや設備などをチェックするホテル・インスペクターという仕事で、世界中を旅してまわっていて、家を空けていることが多い。彼女には、アンドレアという元カレがいて、別れた後も良好な友人関係にあり、また、姉シルヴィアの家族とも仲がよくて、彼らの存在が彼女の心の安らぎとなっている。しかし、アンドレアに新しい家族ができ、シルヴィア一家からも自分たちの生活が最優先であることを見せつけられると、どうしようもない孤独感に苛まれる。そこで、彼女は、たまたま出会った相手と情事を重ね、妊娠して、相手には内緒で産んでしまおうと考える。
 母(女優のフランカ・ベットーヤ)の家系が、歴史ある4つ星ホテルを経営しているというマリア・ソーレ・トニヤッツィ監督の最新作。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013、5部門ノミネート。


 ・“Educazione Siberiana(Siberian Education)”(伊) 監督:ガブリエレ・サルヴァトレス
 出演:ジョン・マルコヴィッチ、Arnas Fedaravicius、Vilius Tumalavicius、エレノア・トムリンソン(Eleanor Tomlinson)、ピーター・ストーメア
 物語:ソ連時代に追放された犯罪者たちが集まって、作り上げたコミュニティーがある。彼らは、外部の世界からはもはやその存在を忘れられている。彼らにとって法律と言えるものは、自分たち自身だけだ。そんなコミュニティーで、コリーマとガガーリンは親友として育つ。しかし、仲間うちで交わした名誉不名誉の基準を厳格に守ろうとすればするほど、2人の絆は切り裂かれていき、気がつくと敵同士となって、相手を激しく憎むようになる。失われゆく世界で、彼らは、闘うように運命づけられている。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013、11部門ノミネート。


 ・“Miele”(伊・仏) 監督:ヴァレリア・ゴリーノ
 出演:ジャスミン・トリンカ、カルロ・チェッキ(Carlo Cecchi)、リベロ・デ・リエンゾ(Libero De Rienzo)、ヴィニーチョ・マルキオーニ(Vinicio Marchioni)、イアイア・フォルテ(Iaia Forte)、・ロベルト・デ・フランチェスコ(Roberto De Francesco)、Barbara Ronchi、Claudio Guain、Teresa Acerbis、ヴァレリア・ビレッロ(Valeria Bilello)、Massimiliano Iacolucci
 物語:イレーネは、他人と深く関わらない、孤独な人生を送っている。彼女の仕事は、重い病を抱える人が威厳を持って死ねるように、薬物を与えて死なせてあげることで、そうした自分の仕事について誰かと話すこともない。そんな彼女の元に、新しい「患者」グリマルディーが運ばれてくる。彼は、致死量の薬を飲んで、自殺しようとしたらしいが、死ぬ前に発見されて、いまイレーネの目の前にいる。彼女は、自殺志願者に手を貸すことはないと決めている。やがて彼女とグリマルディーの間には奇妙な関係性が芽生え、彼女の人生に転機が訪れる。
 Angela Del Fabbroの小説の映画化。
 初監督作品。
 カンヌ国際映画祭2013 ある視点部門出品。エキュメニカル審査員賞特別表彰。


 ・『リアリティー』“Reality”(伊・仏) 監督:マッテオ・ガローネ
 出演:アニエッロ・アレーナ(Aniello Arena)、ロレダーナ・シミオーリ(Loredana Simioli)、ナンド・パオーネ(Nando Paone)、Raffele Ferrante
 物語:ルチアーノは、友人とともに、ナポリで小さな魚屋を営んでいて、好感の持てる面白いヤツとして、客や親戚の多くに知られている。ある日、彼は、子どもたちにせがまれて、リアリティー番組「ビッグ・ブラザー」のオーディションに参加させられる。過去には「ビッグ・ブラザー」出演でスターになった者もいて、ルチアーノは、だんだんとその気になって、番組出演を夢見るあまり、魚屋を手放し、家庭を崩壊の危機に追い込んでしまう。
 カンヌ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。グランプリ受賞。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。
 セビリヤ・ヨーロッパ映画祭2012 審査員特別賞受賞。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013、11部門ノミネート。


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 *当ブログ記事

 ・ナストロ・ダルジェント賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_11.html
 ・ナストロ・ダルジェント賞2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_1.html
 ・ナストロ・ダルジェント賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201105/article_29.html
 ・ナストロ・ダルジェント賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201106/article_16.html
 ・ナストロ・ダルジェント賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_2.html
 ・ナストロ・ダルジェント賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201006/article_23.html
 ・ナストロ・ダルジェント賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_29.html

 ・ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_17.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・ナストロ・ダルジェント賞2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_8.html

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