カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 コンペティション部門ラインナップ!

 第48回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(6月28日-7月6日)のラインナップです。

 【カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭】

 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭は、1946年創設という世界でも最も歴史のある国際映画祭の1つです。
 1946年創設なのに、今年で48回目というのは、計算が合いませんが、これは、共産党政権のコントロールを受けていた時代のうち約40年間は、モスクワ国際映画祭と隔年で開催されていたためです。
 映画祭の歴史としては、1989年のビロード革命により民主化が進行し、1990年にはこれまで上映禁止になっていた作品が上映されたりもしましたが、逆に、映画祭自体は経済的危機にさらされ、連邦が解体した翌年の1994年の第29回大会からチェコ文化省やカルロヴィ・ヴァリ市等の運営によって再スタートしています。(1998年以降はFilm Servis Festival Karlovy Varyという合資会社の運営に移行。)

 映画祭に長い歴史があり、開催時期や開催場所の地域性も新作上映にちょうどよくて、現在、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭は、ワールド・プレミア作品が数多く上映されて、カンヌやベルリン、ベネチアの各国際映画祭に準じる重要な国際映画祭となっています。
 カンヌ国際映画祭でプレミア上映された一連の作品が、次に上映されるのも、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭だったりします。

 コンペ作品は、大半が知られざる監督の知られざる作品ばかりですが、これまでに、『ケス』(ケン・ローチ)、『芙蓉鎮』(謝晋)、『コーカサスの虜』(セルゲイ・ボドロフ)、『ぼくのバラ色の人生』(アラン・ベルリネール)、『アメリ』、『向かいの窓』(フェルザン・オズペテク)、『ニキフォル 知られざる天才画家の肖像』といった作品をグランプリに選出しています。

 東欧で開催される映画祭ということもあってか、日本からの出品作は、あまり多くありませんが(1994年から2012年までに109本出品)、1958年に家城巳代治監督の『異母兄弟』がグランプリを受賞したほか、2002年に池谷薫監督の『延安の娘』が最優秀ドキュメンタリー賞、同年、辻仁成監督の『フィラメント』がエキュメニック審査員賞スペシャル・メンションを受賞、2004年に園子温監督の『紀子の食卓』がスペシャル・メンション&ドン・キホーテ賞を受賞しています。

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 【コンペティション部門】

 ・“A Field in England”(英) 監督:ベン・ウィートリー(Ben Wheatley)
 出演:マイケル・スマイリー(Michael Smiley)、Peter Ferdinando、リース・シェアスミス(Reece Shearsmith)、ジュリアン・バラット(Julian Barratt)、リチャード・グローヴァー(Richard Glover)、Ryan Pope
 物語:市民戦争時代のイギリス。戦闘の激しさから何人かの脱走兵が出る。それを、オニールとカトラーという2人組がつかまえる。錬金術師のオニールは、隠されたお宝を彼らに掘り起こさせようとする。彼らは、一面に生えていたキノコを口にし、言い争いとケンカとパラノイアで、たちまちカオスになる。やがて、隠されたお宝というのが金ではないらしいことがわかってきて、彼らは、その恐るべきパワーの影響を受け始める。

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 ・“O ouro do tempo(The Value of Time)”(西) 監督:Xavier Bermúdez
 物語:アルフレドは、40年以上のキャリアを持つ年配の医者で、若い時に、病気で妻を失っている。愛する妻が亡くなった時、彼は、いつの日か妻の病気を治す治療法が見つかるだろうと信じて、彼女を低温冷凍することに決めた……。

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 ・“11.6”(仏) 監督:Philippe Godeau
 出演:フランソワ・クリュゼ
 物語:2009年に実際に起こったトニ・ムスランの事件を映画化した作品。トニ・ムスランは、当時、警備会社ルーミスの警備員で、現金輸送車の警備をしていたが、1160万ユーロの乗ったヴァンを乗り逃げして、強奪。その後、彼の借りていた貸金庫から910万ユーロが発見され、本人もモナコ警察に出頭した。結局、彼は、懲役5年の刑を宣告され、刑務所に入ったが、残る250万ユーロは現在まで発見されていない。当時、彼に対して、武器も使用せず、誰も傷つけない犯行であったことから、英雄視する声も高く、刑務所には彼との結婚を求める女性からの手紙もたくさん届いたという。
 本作では、お金の行方よりも、トニ・ムスランの動機に焦点を当てる。

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 ・“Viva La Libertá”(伊) 監督:Roberto Andò
 出演:トニ・セルヴィッロ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミケーレ・チェスコン、アンナ・ボナイウート
 物語:エンリコ・オリヴェリ(Henrico Oliveri)は、抜け目がない政治家で、政界の中心にたどりついたが、これからはもう下り坂だということを理解していた。あらゆる予測が次の選挙で落選すると予測している。政党は、それを知りたがっているが、彼はごまかすために、姿をくらますことにし、今は有名な監督と結婚している古くからのガールフレンドの元に身を寄せるために、パリに向かう。彼の姿が見つからなくなって、党員たちはパニックに陥る。しかし、オリヴェリの右腕だったアンドレアが、奇策を思いつく。オリヴェリの双子の兄弟であるジョヴァンニに代役をさせるのだ。ジョヴァンニは、精神科医の厄介になったこともあるが、作家や哲学者としては一流である。この作戦は、トラブルだらけだったが、思いがけないうれしい誤算もあった……。
 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞2013、11部門ノミネート。助演男優賞、脚本賞受賞。
 ナストロ・ダルジェント賞2013、6部門ノミネート。
 イタリア・ゴールデングローブ賞2013 作品賞・脚本賞ノミネート。

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 ・“Quellen Des Lebens(Sources of Life)”(オーストリア・独) 監督:オスカー・レーラー
 出演:ユルゲン・フォーゲル(Jürgen Vogel)、モーリッツ・ブライプトロイ、メレtット・ベッカー(Meret Becker)、ラヴィニア・ウィルソン(Lavinia Wilson)、コスティア・ウルマン(Kostja Ullmann)
 物語:1949年ドイツ。退役軍人のエーリッヒが故郷に帰ってきたが、新たに連邦共和国となったこの国で疎外感を味わっていた。妻は、愛人を作り、「経済成長」を実現するために庭に置くノームの工場を設立した。息子は詩人になったが、才能があったのは息子の嫁の方であった。孫は、47年グループの作家たちとフリーラブに影響を受けて、真実の愛を求め、善人になり、楽観的に生きようと努めていた。エーリッヒとその家族たちを通して、ナルシスティックで、プチブルで、かつてナチスが支配した国、戦後西ドイツの歴史が語られていく。
 ドイツ映画賞2013、3部門ノミネート。

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 ・“The Notebook(Le grand cahier)”(ハンガリー・独・オーストリア・仏) 監督:János Szász
 アゴタ・クリストフの『悪童日記』の映画化。

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 ・“Papusza”(ポーランド) 監督:ヨアンナ・コス=クラウゼ(Joanna Kos-Krauze)、クシシュトフ・クラウゼ
 物語:Bronisława Wajs(1908-1987)は、Papuszaという愛称で知られる、世界で最も有名な、ポーランド生まれのロマ人の詩人である。彼女の詩の才能は優れているが、その人生には謎が多い。一方で、ロマ人たちからは、古くから伝わるロマの文化や習慣の秘密を汚したと非難されたりもしている。
 『ニキフォル 知られざる天才画家の肖像』のクシシュトフ・クラウゼとその妻ヨアンナ・コス=クラウゼの最新監督作品。

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 ・“Líbánky(Honeymoon)”(チェコ・スロヴァキア) 監督:ヤン・フジェベイク
 物語:TerezyとRadimaの結婚式に招かれざる客がやってきて、恐ろしい秘密が2人の幸せを脅かす。
 サイコスリラー。3日間の物語。“Kawasaki Rose”(2009)、“Innocence”(2011)に続く3部作の完結編。

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 ・“Svećenikova djeca(The Priest's Children)”(クロアチア・セルビア) 監督:Vinko Brešan
 物語:若い司祭が、絵画のように美しいダルメシアン島に着任するが、その島は、出生率が異常に低かった。地元のタバコ屋に事情を聞いた彼は、状況を変える秘策を思いつく。思わぬ妊娠で、出生率は上昇するが、それ以外は、必ずしも、理想主義的な司祭が思い描いたようにはならなかった。

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 ・“September”(ギリシャ・独) 監督:Penny Panayotopoulou
 物語:アンナは、30代で、小さなフラットに、犬のマヌと一緒に暮らしている。ある悲惨な事故の後、彼女は混乱し、それまでのこじんまりとまとまった孤独な生活を見つめ直す。彼女は、幸せな結婚をし、2人の子の母となったソフィアを訪ねる。
 初監督長編“Hard Goodbyes: My Father”(2002)で、ロカルノ、モンス、テッサロニキなどの国際映画祭で高い評価を受けたPenny Panayotopoulouの11年ぶりの新作長編。

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 ・“XL”(アイスランド) 監督:Marteinn Thorsson
 物語:Deputy Leifurは、国会議員だが、毎日、パーティーをし、性の冒険を重ね、酒とドラッグに溺れ、すっかりボロボロの体になり、友人たちやボスであるアイスランド首相からリハビリを勧められる。リハビリ生活に入る前に、彼は、最後のパーティーを開く。そこには、彼のビジネス・パートナーや弁護士、若い愛人などが参加する。パーティーが進むにつれて、彼の過去や人間関係、そして暗い秘密などが明らかになり、それと同時に、アイデンティティー・クライシスに陥っているアイスランドの現状も浮き彫りになる。

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 ・“Styd(Shame)”(ロシア) 監督:Yusup Razykov
 物語:ロシア北部にある半壊した基地が、海外に派兵した夫たちを待つ妻たちのコミュニティーになっている。彼女たちは、辛抱強く夫たちの無事の帰還を待っている。

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 ・“Makom Be-Gan Eden(A Place in Heaven)”(イスラエル) 監督:Joseph Madmony
 物語:若い将校が勇敢なミッションを終えて、基地に戻ってくる。コックの見習いは、信心深いホロコーストの生き残りで、彼のようにユダヤ人のために勇敢な働きをする人物であれば、天国の場所は約束されているのだろうと考えて、彼を羨ましく思う。将校は、シオニストであり、世俗的で、信心深くはなかった。その時、彼は、とても空腹で、ひと皿のシャクシューカのために、自分の天国の場所を彼に譲る契約を交わす。40年後の現在、将校は、その後、将軍にまで上り詰め、今は、引退して、死の床にある。息子は、信仰心が篤く、そして父を尊敬していた。父は、息子に40年前のことを話す。あの時のコック見習いを見つけ出して、契約を無効にしてもらわなくては、自分は地獄に堕ちてしまう、と。
 2011年に“Restration”でカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭グランプリを受賞したJoseph Madmony監督最新作。

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 ・“Bluebird”(米) 監督:Lance Edmands
 物語:メイン州の、林業で成り立っている、孤立した小さな村。ひとりの女性の悲劇的な失敗が、コミュニティーのバランスを崩し、思いがけない結果を導く。レスリーは、スクール・バスの運転手で、1月のある日、終点近くで、バスの中をルリツグミ(?)が飛び回っていて、注意が散漫になり、後部座席で、1人の少年オーウェンが居眠りして乗り過ごしていることに気づかなかった。翌朝、オーウェンは、低体温で昏睡しているところを発見され、病院に運ばれる。レスリーはショックと罪の意識で閉じこもる。製紙工場で働いている彼女の夫のリッチは、工場閉鎖による失業の危機にさらされる。オーウェンの母親のマーラは、平日は、息子を母親のクリスタルに預けていたが、ビールと薬で悪酔いして、オーウェンを引き取りに行っておらず、クリスタルもまたマーラがオーウェンを引き取ったことを確認していなかった。目敏い弁護士がマーラに接近し、クリスタルに対して賠償を求めさせようとする。マーラは、自己憐憫が強く、自分は親に愛情深く育てられていないという思いがあり、親になるための準備が十分にできていなかったと感じていた。一方、レスリーとリッチの間には、ポーラという娘がいたが、彼女は家庭では十分に理解されておらず、その気持ちをボーイフレンドとの関係の中で埋め合わせようとしていた。
 トライベッカ映画祭2013出品。

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 【イースト・オブ・ウェスト コンペティション】
 旧共産圏の中欧・東欧作品のコンペティション。

 ・“Dziewczyna z szafy(The Girl from the Wardrobe)”(ポーランド) 監督:Bodo Kox
 物語:TomekとJecekの兄弟と、隣人のMagdaの物語。3人はそれぞれ孤独と疎外感を味わっている。Magdaは猜疑心が強くて自分から孤立し、Tomekは、サヴァン症候群で孤立し、Jecekは、ウェブの管理人をしつつ、病気のTomekの面倒を見ているが、インターネットを通してしか世界と向き合えていなかった。Jecekは、でかける時は、いつも隣人にTomekの世話を頼むが、ある時、いつも頼んでいる人に頼めなくて、最近やってきたばかりのMagdaに助けを求めることになる。
 ポーランド人俳優Bodo Koxの初監督長編。

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 ・“Płynące wieżowce(Floating Skyscrapers)”(ポーランド) 監督:Tomasz Wasilewski
 物語:Kubaは、水泳の選手で、これまで15年にわたって水泳のトレーニングを重ねている。彼には、Sylwiaというガールフレンドがいて、母のEwaともに3人で暮らしていたが、彼にはホモセクシャルの性癖があり、脱衣場で、不特定の相手とセックスしていた。ある時、彼は、アートギャラリーで、Michalと出会う。彼は、性的にオープンで、Kubaへの興味を隠そうとしなかった。2人はつきあい始めるが、それと同時に、Kubaは水泳のトレーニングをさぼり始める。Michalは、ゲイであることを母親からは認めてもらっていたが、父親からは許されず、一方、Kubaは、Sylwiaからは2人の関係を嫉妬され、Ewaは息子がゲイだとはどうしても認められなかった。
 トライベッカ映画祭2013出品。

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 ・“Zamatoví teroristi(Velvet Terrorists)”(スロヴァキア・チェコ・クロアチア) 監督:Peter Kerekes、Pavol Pekarčík、Ivan Ostrochovský
 物語:時代が変われば、評価も変わる。かつては犯罪と見なされたものが、英雄行為になることもある。チェコスロヴァキア時代を背景にした、ちっぽけで、失敗した3つのテロに関する物語。1つ目は、70年代にメーデーの祝賀会のステージを爆破しようとした者の話。2つ目は、大統領を暗殺し、反共革命を起こそうと計画した者の物語で、彼は、CIAに手紙で連絡を取ろうとするがあまりにも素朴すぎて、誰からも相手にされない。3つ目は、共産主義者の看板を爆破しようとした者の物語。

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 ・“Zázrak(Miracle)”(スロヴァキア・チェコ) 監督:Juraj Lehotský
 物語:Elaは、15歳で、ある恋愛の結果として、矯正施設に入れられ、ここで家族や世界との関係を立て直すことになる。ここには、大人よりも遥かに辛い経験をしている者も多く、それぞれに異なる夢や願望を持っていた。Elaは、愛することに自暴自棄になるが、それは彼女自身を否定することにもなった。制約は多かったが、彼女は自分の人生を精一杯生きることに決める。

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 ・“Odumiranje(Withering)”(セルビア) 監督:Miloš Pušić
 物語:Jankoは、何年もベオグラードで過ごした後、母Milicaの住むほとんど寂れかけた村に帰ってくる。母は彼がまともになって戻ってくることを期待していたが、Jankoには別の計画があった。彼は、土地を売って、そのお金でスイスに働きに行こうと考えていた。Strahinjaは、村に住む孤独な理想主義者で、息子が死んでしまって以来、営んでいた居酒屋を閉めていた。彼の娘はアル中になり、妻は彼を罰するかのようにしゃべらなくなった。Strahinjaは、帰ってきたJankoに、儲けは折半で、一緒に居酒屋をやらないかと誘うが、彼は乗ってこない。それどころか、父親の墓まで売ろうとするのだった。

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 ・“Adria Blues”(スロヴェニア・クロアチア) 監督:Miroslav Mandić
 物語:ロッカーのトニ・リフは、ボスニア戦争で、スロヴェニアに移住し、彼のファンだったソニアと結婚した。彼は、鬱で、20年間、曲が書けずにいて、経済的にも、テレフォン・セックスのオペレーターをしているソニアに依存している。顧客の1人、ホテルのオーナーのマックスが、元スターを集めたコンサートを企画する。しかし、トニは、コンサートと聞いて、ショックを受け、ホテルの部屋に閉じこもって出てこようとしない。ソニアは、これが最後のチャンスなのだと、彼をコンサートに引っ張り出そうとする。

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 ・“Dvojina(Dual)”(スロヴェニア・クロアチア・デンマーク) 監督:Nejc Gazvoda
 物語:デンマークを飛び立った飛行機が天候のおかげで、スロヴェニアのリュブリャナ空港に着陸する。その結果、飛行機に乗っていた25歳のデンマーク人のIbenは、夏季仕事としてシャトルの運転をしていた25歳のスロヴェニア人のTilenと出会う。2人は、自国の言語と英語で話していたが、相手の言語で話されると、話が全く理解できない。ところが、2つの言語の持つある文法的特殊性のおかげで、2人が分かり合う瞬間が訪れる。

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 ・“La limita de jos a cerului(The Unsaved)”(ルーマニア・モルドヴァ) 監督:Igor Cobileanski
 物語:Viorelは、19歳で、母とともに、モルドヴァの田舎町で暮らしている。彼には、大きな野心もなければ、生活に対する幻想もなく、友人のGoosと、麻薬取引を、ちょっとした小遣い稼ぎをしていた。やがて、彼は、まともな仕事に就いて、自分の愛する女性を悪い男から救い出そうするが、正しいことをしようとしたのに、事態は思わぬ方向に進んでしまうのだった。
 初監督長編。

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 ・“The Arbiter(Kohtumõistja)”(エストニア・スウェーデン・英) 監督:Kadri Kõusaar
 物語:ジョンは、35歳で、ケンブリッジ大学で、科学者をしている。まわりからは、気のいいヤツとして知られていたが、フィアンセが、彼の元を去った時、彼は、世界をよりよいものにするために長年温めてきた計画を実行することにする。彼は、ドナーである14歳のRonjaを連れて、イギリスのカントリーサイドを旅し、自分の信じているラディカルな考えを彼女に教え込もうとする。社会工学、粛清、殺人、ヨーロピーアン・サイコ。

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 ・“Intimnye mesta(Intimate Parts)”(ロシア) 監督:Natalia Merkulova、Alexey Chupov
 物語:モスクワに住む中流階級の人々の性生活を描く。登場人物の1人は、40代初めで、倫理委員として倫理を守る立場にありながら、自分の性欲の解消には貪欲だ。
 これまでロシア映画では描かれてこなかったロシア人の性生活を描いているが、ロシアにはゲイのプロパガンダを禁じる法律があったりして、完成までに3年以上の歳月を要した。
 初監督作品。

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 ・“More(The Sea)”(ロシア) 監督:Aleksandra Strelyanaya
 物語:男は、モスクワの学生で、いつも北海のことを考えている。女は、海に密猟にでかけ、高い空と叶わぬ恋のことを夢に見ている。夏が来て、男が、漁村で暮らす人々のことを映画に撮ろうとでかけていき、2人は出会い、そして恋に落ちる。

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 ・Paradžanov(Paradjanov)”(ウクライナ・仏・グルジア・アルメニア) 監督:Olena Fetisova、Serge Avedikian
 物語:映画監督のセルゲイ・パラジャーノフは、社会規範に従おうとせず、何度もソ連の社会システムと衝突した。彼は、美に対する普遍の愛のせいで、何年にもわたり投獄され、孤独を味わい、社会的に抹殺された。

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 【ドキュメンタリー・コンペティション】
 全16作品。


 ・“Beach Boy”(英/27分) 監督:Emil Langballe

 ・“The Man Who Made Angels Fly”(英・仏・ポーランド/64分) 監督:Wiktoria Szymańska

 ・“The Day Has Conquered the Night(Le jour a vaincu la nuit)”(仏/28分) 監督:Jean-Gabriel Périot

 ・“Cathedrals(Kathedralen)”(独/15分) 監督:Konrad Kästner

 ・“Kiran”(独/30分) 監督:Bettina Timm、Alexander Riedel

 ・“My Fathers, My Mother & Me(Meine keine Familie)”(オーストリア/99分) 監督:Paul-Julien Robert

 ・“Rogalik”(ポーランド/17分) 監督:Paweł Ziemilski

 ・“DK”(チェコ/73分) 監督:Bára Kopecká

 ・“Exhibits or Stories from the Castle(Exponáty alebo Príbehy z kaštieľa)”(スロヴァキア/70分) 監督:Pavol Korec

 ・“Gangster of Love(Gangster te voli)”(クロアチア・独・ルーマニア/80分) 監督:Nebojša Slijepčević

 ・“As You Like It(După FEL și CHIP)”(ルーマニア/21分) 監督:Paula Oneț

 ・“Moon Rider”(デンマーク/83分) 監督:Daniel Dencik

 ・“Pipeline(Truba)”(ロシア・独・チェコ/116分) 監督:Vitaly Manskiy

 ・“Captain Kang(Kang seonjang)”(韓/82分) 監督:Won Ho-yeon

 ・“The Manor”(カナダ/78分) 監督:Shawney Cohen

 ・“Cutie and the Boxer”(米/82分) 監督:Zachary Heinzerling

 ※カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013のラインナップは、次の記事に続きます。

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 けっこう見ごたえのありそうなラインナップになっています。

 コンペティション部門では、知名度のある監督は、ベン・ウィートリー、クシシュトフ・クラウゼ、ヤン・フジェベイク、そして、オスカー・レーラーくらいですが、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭グランプリを受賞したJoseph Madmony監督の最新作もあるし、話題性十分な“11.6”もある。『悪童日記』の映画化作品もとても楽しみです。
 それから、ひとつの事件をきっかけに、どんどん人間関係のもろさが露呈していく“Bluebird”も、なかなかよさそうです。

 ラインナップ的には、ヨーロッパ各国から意識的に1本ずつは入れておこうとしたらしいことが窺えます。
 プレミア度が高い作品の中に、“Viva La Libertá”と“Quellen Des Lebens(Sources of Life)”という、既に本国で公開されて、それなりの評価を受けている作品を入れているのは、そうした国ごとの「数合わせ」をした結果なのではないでしょうか。

 イースト・オブ・ウェスト コンペティションには、ポーランド映画としては珍しいゲイ映画があり、また、ロシア映画としては珍しい性生活を描いた作品などもあって、こちらも注目度の高い作品が揃っています。

 エジンバラ国際映画祭は、ベン・ウィートリーの最新作を上映したかっただろうし、モスクワ国際映画祭が上映したかったんじゃないかと思われる作品もいくつかありますが、それでもこの時期にあえてカルロヴィ・ヴァリに出品しているのは、カルロヴィ・ヴァリの方が映画祭として格上であり、ここに出品した方が、注目度が高く、作品にとってプラスになるという判断があったからですね、たぶん。

 上記の作品の中には、本年度の各国の映画賞レースでノミネート&受賞することになるだろうと思われる作品がいくつもありそうです。
 要注目ですね。

 なお、コンペティション部門は、アニエスカ・ホランドが審査員長を務めることが発表されています。

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 *当ブログ記事

 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 コンペティション部門以外のラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201306/article_18.html
 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 ラインナップ&受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201207/article_4.html
 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_10.html
 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2010 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201007/article_12.html
 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2009 ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200906/article_28.html
 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2009 受賞結果発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_11.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

 追記:
 ・カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201307/article_9.html

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