トライベッカ映画祭2013 受賞結果!

 第12回トライベッカ映画祭2013(4月17日-28日)の受賞結果です。

 【ワールド・ナラティヴ・コンペティション部門】

 ※審査員:ブライス・ダラス=ハワード、ブライス・ダナー(Blythe Danner)、ポール・ハギス、ケネス・ロナーガン(Kenneth Lonergan)、Jessica Winter.

 ◆最優秀ナラティヴ作品(The Founders Award for Best Narrative Feature)
 ◎“The Rocket”(オーストラリア) 監督:Kim Mordaunt

画像

 “The Rocket”(オーストラリア) 監督:Kim Mordaunt
 物語:アフロは、生まれた時から、まわりに不幸をもたらしていた。幼少期は病気がちだったし、ダムのおかげで家も立ち退かなければならなかった。父と祖母と一緒に避難所に引っ越すが、まわりの人々はアフロが来ることを喜ばなかった。アフロは、呪われていて、まわりに不幸をもたらすと信じられていたからだ。唯一の友だちは、キアだけだった。キアは、パープルおじさんと暮らしていて、パープルおじさんは、仲間はずれにされることがどういうことか、よく理解していた。アフロ一家とキアとパープルおじさんは、新しい家を求めて、まだ戦禍の傷跡の残るラオス国内を旅する。ある村に入った時、彼らは、そこでロケット・フェスティバルが開催されていることを知る。アフロは、巨大なロケットを出品し、自分が不運な少年などではないことを自ら証明する。
 ベルリン国際映画祭2013 ジェネレーションKplus部門出品。ジェネレーションKplus部門作品賞、第1回作品賞受賞。

画像

 ◆審査員スペシャル・メンション(Special Jury Mention)
 ◎“Stand Clear of the Closing Doors”(米) 監督:Sam Fleischner

画像

 Stand Clear of the Closing Doors”(米) 監督:Sam Fleischner
 物語:リッキーは、自閉症を抱えていた。彼にとって、学校生活はつらいものでしかなかったが、とりわけつらい思いをした日、彼は、地下鉄へと逃げ込む。そこから、彼にとって本物の旅が始まる。それは、まさに発見の連続だった。一方、地上では、リッキーの母親が心配して彼を捜しまわっていた……。

画像

 ◆男優賞(Best Actor in a Narrative Feature Film)
 ◎Sitthiphon Disamoe “The Rocket”

 ◆女優賞(Best Actress in a Narrative Feature Film)
 ◎Veerle Baetens “The Broken Circle Breakdown”(オランダ・ベルギー)(監督:Felix van Groeningen)

 “The Broken Circle Breakdown”(オランダ・ベルギー) 監督:Felix van Groeningen
 物語:ディディエは、ブルーグラス・バンドでバンジョーを弾き、ベルギー国内をキャラバンでまわっている。彼にとって、「自由の国」アメリカは理想の国だ。エリーゼは、タトゥー・パラーを開いている。彼女も、自分の体にもたくさんのタトゥーを入れているが、それぞれその当時につきあった相手にちなんだもので、別の相手を付き合う時に、名前だけは消している。ディディエとエリーゼは、全くタイプが異なるのに、一目ぼれで恋に落ちる。彼が話をし、彼女が聞く。彼はロマンチックな無神論者で、彼女は信仰心の篤い現実主義者だ。まもなく2人の生活はからみあい、エリーゼはディディエのバンドで歌うようになる。結婚し、ちいさなメイベルが生まれる。彼らは、古い田舎家を改装して、そこで幸福に満ちた生活を始める。やがてメイベルが病気になった時、彼らの愛が試されることになる。
 Johan Heldenberghの同名の舞台の映画化。
 ベルリン国際映画祭2013パノラマ部門出品。観客賞1位。

画像

 ◆脚本賞(Best Screenplay for a Narrative Feature Film)
 ◎“The Broken Circle Breakdown” Carl Joos、Felix van Groeningen

画像

 ◆撮影賞(Best Cinematography in a Narrative Feature Film)
 ◎Marius Matzow Gulbrandsen “Before Snowfall”(独・ノルウェー)(監督:Hisham Zaman)

画像

 “Before Snowfall (Før snøen faller)”(ノルウェー) 監督:Hisham Zaman
 物語:Siyarは、プラスチックで体を覆って、タンクローリーのタンクの中に隠れ、イラクからトルコへの国境を越える。彼は、クルディスタンでの結婚式を目前に逃げ出した妹を捜していた。イスタンブールに着いた彼は、Evinという名の男の格好をした娘と出会う。彼女は、ストリートで暮らしていて、父親とともにドイツに住むことを夢見ていた。Siyarには、秘密のミッションがあり、少しずつ調査を開始する。
 ヨーテボリ国際映画祭2013 最優秀ノルディック映画賞受賞。

画像

 [新人監督コンペティション ナラティヴ部門](Best New Narrative Director):

 ※審査員:ナオミ・フォナー(Naomi Foner)、トニー・ギルロイ、アリ・グレイナー(Ari Graynor)、ラダ・ミッチェル、スチュー・ジッカーマン(Stu Zicherman)

 ◆新人監督賞(Best New Narrative Director)
 ◎Emanuel Hoss-Desmarais “Whitewash”(カナダ)

画像

 “Whitewash”(カナダ) 監督:Emanuel Hoss-Desmarais
 出演:トーマス・ヘイデン・チャーチ、アニエ・パスカル(Anie Pascale)、Marc Labrèche
 物語:ブルースは、除雪車の運転手だが、飲酒運転で、除雪車の運転を禁じられる。彼は、妻が死んで以来、酒びたりの日々で、いままた仕事までも失いそうになっている。ある日、彼は、雪の中、自分の除雪車を走らせていて、歩道を歩いていた人をはねて、死なせてしまう。彼は、遺体をかき集めて、森まで運んで、地中に埋める。凶器となった除雪車も放置する。殺した相手は、ギャンブルで金に困っていたポールで、かつて自殺しようとしたポールをブルースが助けたことが観客に示される。ブルースは、徒歩で帰ろうとするが、自分がどこにいるのか、わからない。他人の家に侵入して、隠れて一夜を明かすが、翌朝、住人に見つかってしまう。ブルースは、スノーシューズを盗んで逃亡する……。

画像

 ◆審査員スペシャル・メンション
 ◎“Harmony Lessons”(独・仏) 監督:Emir Baigazin

画像

 “Harmony Lessons(Uroki Garmonii)”(独・カザフスタン) 監督:Emir Baigazin
 出演:Timur Aidarbekov、Aslan Anarbayev、Mukhtar Anadassov、Anelya Adilbekova、Beibitzhan Muslimov
 物語:13歳のアルスランは、健康診断で、みんなの前で恥をかかされて、それがその後の彼の性格に影を落とすことになった。彼は、潔癖症で、完璧主義になり、自分の身の回りのことをすべてコントロールしないではいられなくなった。彼は。カザフスタンの村におばあちゃんと一緒に暮らしていたが、そうした生活も限界に近づいていた。アルスランのいじめっ子の1人、ボラットは、年少者を恐喝し、彼らを守るためと称して、彼らからお金を巻き上げていたが、アルスランのことは侮蔑し、仲間はずれにしていた。
 ベルリン国際映画祭2013 コンペティション部門出品。芸術貢献賞(銀熊賞:Aziz Zhambakiyev(撮影))、ベルリナー・モルゲンポスト紙読者賞受賞。

画像

 【ワールド・ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ※審査員:ジョー・バーリンジャー(Joe Berlinger)、Sandi DuBowski、ウーピー・ゴールドバーグ、ミラ・ソルヴィノ、エヴァン・レイチェル・ウッド

 ◆最優秀長編ドキュメンタリー賞(Best Documentary Feature)
 ◎“The Kill Team”(米) 監督:Dan Krauss

画像

 “The Kill Team”(米) 監督:Dan Krauss
 2009年、アダム・ウィンフィールドは、小隊を引き連れて、アフガニスタンに向かう。彼の父親は海兵で、彼は父親から名誉と愛国心を教わった。ところが、彼の小隊は、カンボジアで民間人を殺し、のちに、彼も裁判で有罪判決を受けることになる。いったいカンボジアで何があったのか? いったい何が彼らを狂わせたのか?
 サンフランシスコ国際映画祭2013 ベイエリア最優秀ドキュメンタリー賞受賞。

画像

 ◆審査員スペシャル・メンション
 ◎“Oxyana”(米) 監督:Sean Dunne

画像

 “Oxyana”(米) 監督:Sean Dunne
 かつては、エネルギー資源の飽くなき追求により、炭鉱の町として栄えた、ウェスト・バージニアの町Oceanaは、近年、住人による麻薬オキシコンチン(Oxycontin)の乱用と中毒によって、すっかり荒んでしまい、町名もOxyanaと呼ばれるまでになっている。本作では、地域の苦悩と、その恐るべき実態に焦点を当てる。

画像

 ◆編集賞(Best Editing in a Documentary Feature)
 ◎“Let the Fire Burn”(米)(監督:Jason Osder) Nels Bangerter

 “Let the Fire Burn”(米) 監督:Jason Osder
 物語:フィラデルフィアの貧民層の居住区域を拠点として活動していたMOVEは、人種差別を反対し、アフリカ系アメリカ人の自律を求める急進派の団体で、フィラデルフィア市当局とは、繰り返し対立していた。1985年5月、フィラデルフィア警察は、MOVE本部に向けてヘリコプターから爆弾を落とし、大人6人と子供5人を死亡させ、無関係の近隣の住宅にも重大な被害を出した。その後、大陪審で裁判が行なわれるが、市当局に対しては誰ひとり刑事訴追されることはなかった。Jason Osderは、どちらに対しても公平な立場を取り、近隣住民やMOVEメンバー、市の職員等の証言を収めた裁判の映像や、ニュース映像、ホームムービー、インタビューなどを使って、MOVE組織の不安、地域住民の恐れ、市当局の混乱を明らかにしていく。
 サンフランシスコ国際映画祭2013 ドキュメンタリー・コンペティション部門出品。

画像

 [新人監督コンペティション ドキュメンタリー部門](Best New Documentary Director Competition)

 ※審査員:Jared Cohen、タラジ・P・ヘンソン、ライリー・キーオ(Riley Keough)、ジェイソン・オマラ(Jason O’Mara)、ジョシュ・ラドナー(Josh Radnor)

 ◆新人監督賞(Best New Documentary Director)
 ◎Sean Dunne “Oxyana”

 ◆審査員スペシャル・メンション(Special Jury Mention)
 ◎“Let the Fire Burn”(米) 監督:Jason Osder

 【短編コンペティション部門】 (Short Film Competition)

 ※審査員:クリスティーン・バランスキー(Christine Baranski)、Kassem Garaibeh、ジェシカ・ヘクト(Jessica Hecht)、Chris Milk、シーラ・ネヴィンス(Sheila Nevins)

 ◆最優秀ナラティヴ・ショート(Best Narrative Short)
 ◎“The Nightshift Belongs to the Stars”(伊) 監督:Edoardo Ponti

画像

 “The Night Shift Belongs to the Stars(Il turno di notte lo fanno le stelle)”(伊) 監督:Edoardo Ponti
 出演:ナスターシャ・キンスキー、エンリコ・ロ・ヴェルソ、ジュリアン・サンズ
 物語:ソニアとマッテオが、ドロミテの登頂に挑んでいる。2人は、ともに人生を変えるような手術を待っていて知り合った。ソニアは、僧帽弁の手術を、マッテオは心臓の移植手術を受けた。2人は、快方に向かうの時を同じくして、親しくなっていった。2人は、山を愛していたことでも共通点があり、今回の登山は手術の成功を試す意味合いもあった。一方、ソニアは、既婚で、夫のマークは、妻の体調とともに、2人の関係も心配していた。2人は登頂に成功して、第二に人生への道を切り開くことができるのだろうか。
 イタリアの小説家Erri De Lucaの同名の小説の映画化。
 監督のEdoardo Pontiは、ソフィア・ローレンとカルロ・ポンティの息子。
 ローマ国際映画祭2012 プロスペクティヴ・イタリア 短編コンペティション部門出品。
 米国アカデミー賞2013 短編映画賞 ショートリスト・エントリー。

画像

 ◆審査員スペシャル・メンション(Special Jury Mention)
 ◎“Yardbird”(オーストラリア) 監督:Michael Spiccia

 “Yardbird”(オーストラリア) 監督:Michael Spiccia
 物語:人里離れたスクラップ置き場で暮らしている若い娘がいて、彼女の父親を痛めつめるために遠征してきた地元の連中に、暴力を振るわれる。
 カンヌ国際映画祭2012 短編コンペティション部門出品。
 シドニー映画祭2012 最優秀オーストラリア短編賞受賞。
 シカゴ国際映画祭2012 出品。
 Flickerfest 2013 最優秀オーストラリア短編賞&編集賞受賞。
 ベルリン国際映画祭2013 ジェネレーションKplus部門出品。

画像

 [ドキュメンタリー・ショート & 学生ショート コンペティション部門](The 2013 Best Documentary and Student Short Competition)

 ※審査員:アビゲイル・ブレスリン、ボビー・フレイ(Bobby Flay)、エヴァ・ロンゴリア、ジェイソン・シルヴァ(Jason Silva)、John Skipper、ダニー・ストロング(Danny Strong)

 ◆最優秀ドキュメンタリー・ショート(Best Documentary Short)
 ◎“Coach”(米) 監督:Bess Kargman

画像

 ◆審査員スペシャル・メンション(Special Jury Mention)
 ◎“Royal American”(米) 監督:Michael Scalisi

画像

 ◆学生ヴィジョナリー賞(Student Visionary Award)
 ◎“Life Doesn’t Frighten Me”(カナダ) 監督:Stephen Dunn

 ◆審査員スペシャル・メンション(Special Jury Mention)
 ◎“Reporting on the Times: The New York Times and the Holocaust”(米) 監督:Emily Harrold

画像

 【トランスメディア賞/Bombay Sapphire賞】(Bombay Sapphire Award for Transmedia)

 ※審査員:Thomas Allen Harris、Jeff Gomez、Frank Rose.

 ◆トランスメディア賞(Bombay Sapphire Award for Transmedia)
 ◎“Sandy Storyline”(米) created by Rachel Falcone、Laura Gottesdiener、Michael Premo

画像

 【オンライン・フェスティバル部門】(Tribeca Online Festival Categories)

 ◆最優秀長編作品賞(Tribeca Online Festival Best Feature Film)
 ◎“Lil Bub & Friendz”(米) 監督:Andy Capper、Juliette Eisner

画像

 ◆最優秀短編作品賞(Tribeca Online Festival Best Short Film)
 ◎“A Short Film About Guns”(米・英) 監督:Minos Papas

画像

 【観客賞】(Heineken Audience Award)
 ◎“The Rocket”(オーストラリア) 監督:Kim Mordaunt

 ◎“Bridegroom”(米) 監督:Linda Bloodworth-Thomason

画像

 “Bridegroom”(米) 監督:Linda Bloodworth-Thomason
 シェーン(Shane Bitney Crone)とトム(Tom Bridegroom)は、つきあって6年で、家も持ち、同性婚を認める法律が成立したら、結婚しようと考えていた。ところが、トムが、近くのビルから落ちて急死してしまう。悲しみにくれるシェーンだったが、トムの家族は、彼が葬式に出るのも認めようとしない。そしてトムの死から1年後の5月7日。シェーンは、悲しみを乗り越えて、かつてのパートナーに向けて“It Could Happen To You”というビデオを作り、YouTubeにアップロードする。動画は、320万ヒットし、5万件ものメールやコメントがYouTubeやfacebookに寄せられる。
 法律で認められていない結婚への風当たり、疎外感、結婚の平等の問題について、改めて考えるドキュメンタリー。

画像

--------------------------------

 ◆第1回TFI Sloan Filmmaker Prize
 トライベッカ・フィルム・インスティティチュートとアルフレッド・P・ソーラン基金により、プロジェクトの完成資金として1万ドル贈られる。

 ・“2030” 監督・脚本:Nghiem-Minh Nguyen-Vo プロデューサー:Bao Nguyen
 ◎“Newton’s Laws of Emotion” 脚本:Eugene Ramo プロデューサー:Andeep Singh
 ・“Oldest Man Alive” 監督・脚本:Antonio Tibaldi 脚本:Ryan Brown
 ・“The Doctor” 監督・脚本:Musa Syeed プロデューサー:Nicholas Bruckman

 ◆ノラ・エフロン賞
 初監督や初脚本の女性フィルムメーカーに25000ドル贈られる。

 ・Laurie Collyer “Sunlight Jr.”
 ・Steph Green “Run and Jump”
 ・Jenee LaMarque “The Pretty One”
 ◎Meera Menon “Farah Goes Bang”
 ・Mo Ogrodnik “Deep Powder”
 ・Marina de Van “Dark Touch”
 ・Jane Weinstock “The Moment”
 ・Enid Zentelis “Bottled Up”

 ◆第4回イノベーション賞(Fourth Annual Tribeca Disruptive Innovation Awards)

 ◎生涯貢献賞(Lifetime Achievement Award):Twyla Tharp(Performance Art Visionary)

 ◎マンチェスター賞(Inaugural Manchester Prize for Urban Innovation):マンチェスター市

 ◎Psy
 ◎AFRON
 ◎Jack Andraka
 ◎Glenn Beck(TV・ラジオ パーソナリティー)
 ◎Beau Lotto
 ◎Norma Kamali
 ◎Kenzo Digital
 ◎GE FOCUS FORWARD
 ◎モーガン・スパーロック
 ◎Aaron Peckham
 ◎Elise Andrews

--------------------------------

 外国映画は、高評価を得て、受賞を重ねる作品が多く、アメリカ映画は、特にドキュメンタリーですが、闘っている映画が多いですね。

 それぞれに映画祭という場をうまく利用して、(そして映画祭もそれに上手に応えて)作品が世に出て行こうとしているのが、窺えます。

 *この記事が参考になった!と思ったら、人気ブログランキングにクリックをお願いします。
 ↓ ↓ ↓ ↓
 
 ↑ ↑ ↑ ↑
 クリックしてね!

 *当ブログ記事

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月~2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html
 ・映画賞&映画祭カレンダー 2013年5月~12月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201305/article_9.html

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック