ケベック映画賞/Jutra賞2013 受賞結果!

 第15回Jutra賞(ケベック映画賞/Prix Jutra /La Soirée des Jutra)の結果が発表になりました。(3月17日発表。ノミネーション発表は1月31日)

 ◆作品賞(Meilleur Film)
 ・“Camion” 監督:Rafaël Ouellet
 ・“Inch'allah”(カナダ・仏) 監督:Anaïs Barbeau-Lavalette
 ・“Laurence Anyways”(カナダ・仏) 監督:グザヴィエ・ドラン
 ◎『魔女と呼ばれた少女』(カナダ) 監督:キム・グエン
 ・『ロミオ11』“Roméo Onze” 監督:Ivan Grbovic

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 ◆監督賞(Meilleure Réalisation)
 ・グザヴィエ・ドラン “Laurence Anyways”
 ・Ivan Grbovic 『ロミオ11』“Roméo Onze”
 ◎キム・グエン 『魔女と呼ばれた少女』
 ・Rafaël Ouellet “Camion”
 ・Podz (Daniel Grou) “L'affaire Dumont”

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 ◆主演男優賞(Meilleur Acteur)
 ・Ali Ammar 『ロミオ11』“Roméo Onze”
 ・ガブリエル・アルカン 『カラカラ』(監督:クロード・ガニオン)
 ・マルク=アンドレ・グロンダン(Marc-André Grondin) “L'affaire Dumont”
 ◎Julien Poulin “Camion”
 ・Victor Andrès Trelles Turgeon “Le Torrent”(監督:Simon Lavoie)

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 ◆主演女優賞(Meilleure Actrice)
 ・Micheline Bernard “La Mise À L'aveugle”(監督:Simon Galiero)
 ・Marilyn Castonguay “L'affaire Dumont”
 ・Suzanne Clément “Laurence Anyways”
 ◎ラシェル・ムワンザ(Rachel Mwanza) 『魔女と呼ばれた少女』
 ・Dominique Quesnel “Le Torrent

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 ◆助演男優賞(Meilleur Acteur De Soutien)
 ◎セルジュ・カニアンダ(Serge Kanyinda) 『魔女と呼ばれた少女』
 ・Joey Klein “The Girl In The White Coat(La Fille Au Manteau Blanc”(監督:Darrell Wasyk)
 ・Guy Nadon “Les Pee-Wee 3D : L'hiver Qui A Changé Ma Vie”(監督:エリック・テシエ(Éric Tessier))
 ・Sébastien Ricard “Avant Que Mon Coeur Bascule”(監督:Sébastien Rose)
 ・Gildor Roy “Ésimésac”(監督:Luc Picard)

 ◆助演女優賞(Meilleure Actrice De Soutien)
 ・ナタリー・バイ “Laurence Anyways”
 ・Monia Chokri “Laurence Anyways”
 ・ソフィー・ロレイン(Sophie Lorain) “Avant Que Mon Coeur Bascule”
 ◎サブリナ・ウアザニ(Sabrina Ouazani) “Inch'allah”
 ・Ève Ringuette “Mesnak”(監督:Yves Sioui Durand)

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 ◆脚本賞(Meilleur Scénario)
 ・グザヴィエ・ドラン “Laurence Anyways”
 ・クロード・ガニオン 『カラカラ』
 ・Ivan Grbovic、Sara Mishara 『ロミオ11』“Roméo Onze”
 ◎キム・グエン 『魔女と呼ばれた少女』
 ・Rafaël Ouellet “Camion”

 ◆撮影賞(Meilleure Direction De La Photographie)
 ・Yves Bélanger “Laurence Anyways”
 ◎ニコラ・ボルデュック(Nicolas Bolduc) 『魔女と呼ばれた少女』
 ・Mathieu Laverdière “Le Torrent”
 ・Sara Mishara “Tout Ce Que Tu Possèdes”(監督:ベルナール・エモン(Bernard Émond))
 ・Geneviève Perron “Camion”

 ◆編集賞(Meilleur Montage)
 ◎リシャール・コミュー(Richard Comeau) 『魔女と呼ばれた少女』
 ・Hélène Girard “Hors Les Murs”(監督:David Lambert)
 ・Hubert Hayaud 『ロミオ11』“Roméo Onze”
 ・Sophie Leblond “Inch'allah”
 ・Rafaël Ouellet “Camion”

 ◆美術賞(Meilleure Direction Artistique)
 ・Éric Barbeau “Le Torrent”
 ・アンドレ=リン・ボバルラン(André-Line Beauparlant) “Inch'allah”
 ・André Guimond “L'affaire Dumont”
 ◎アン・プリチャード(Anne Pritchard) “Laurence Anyways”
 ・フランソワ・スクイテン(François Schuiten)、Patrick Sioui、Martin Tessier、Élizabeth Williams “Mars Et Avril”(監督:Martin Villeneuve)

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 ◆衣裳賞(Meilleurs Costumes)
 ◎Carmen Alie “Ésimésac”
 ・Mariane Carter “Mars Et Avril”
 ・Monique Ferland “L'affaire Dumont”
 ・ソフィー・ルフェーヴル(Sophie Lefebvre) “Inch'allah”
 ・Éric Poirier 『魔女と呼ばれた少女』

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 ◆メイキャップ賞(Meilleur Maquillage)
 ◎Kathryn Casault “Ésimésac”
 ・Kathryn Casault “L'empire Bo$$é”(監督:Claude Desrosiers)
 ・Pascale Jones “The Girl In The White Coat(La Fille Au Manteau Blanc)”
 ・Kathy Kelso、Colleen Quinton “Laurence Anyways”
 ・Marlène Rouleau “L'affaire Dumont”

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 ◆ヘアスタイリング賞(Meilleure Coiffure)
 ◎Michelle Côté、Martin Lapointe “Laurence Anyways”
 ・André Duval “L'affaire Dumont”
 ・Richard Hansen “Mars Et Avril”
 ・Ann-Louise Landry “L'empire Bossé”
 ・Denis Parent “Ésimésac”

 ◆録音賞(Meilleur Son)
 ・Pierre-Jules Audet、Luc Boudrias、Michel Lecoufle “L'affaire Dumont”
 ・Pascal Beaudin、Luc Boudrias、Olivier Calvert “Mars Et Avril”
 ・Sylvain Bellemare、Jean-Paul Hurier、Jean Umansky “Inch'allah”
 ・Luc Boudrias、Marc Chouinard、Patrice Leblanc “Le Torrent”
 ◎Claude La Haye、Martin Pinsonnault、Bernard Gariépy-Strobl 『魔女と呼ばれた少女』

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 ◆オリジナル音楽賞(Meilleure Musique Originale)
 ◎Viviane Audet、Robin-Joël Cool、Éric West-Millette “Camion”
 ・ブノワ・シャレスト(Benoit Charest) “Une Bouteille Dans La Mer De Gaza”(監督:ティエリー・ビニスティ(Thierry Binisti))
 ・ブノワ・シャレスト(Benoit Charest) “Mars et Avril”
 ・ノーマンド・コーベイル(Normand Corbeil) “Le Torrent”
 ・ミシェル・コリヴォー(Michel Corriveau) “Ésimésac”

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 ◆ドキュメンタリー賞(Meilleur Documentaire)
 ・“Alphée Des Étoiles”(カナダ) 監督:Hugo Latulippe
 ・『檻の中の楽園』“Bestiaire” 監督:ドゥニ・コテ(Denis Côté)
 ・“Ma Vie Réelle” 監督:Magnus Isacsson
 ・“Mort Subite D'un Homme-Théâtre” 監督:Jean-Claude Coulbois
 ◎“Over My Dead Body”(カナダ) 監督:ブリジット・プパール(Brigitte Poupart)

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 ◆短編映画賞(Meilleur Court、Moyen Métrage)
 ・“Acrobat” 監督:Eduardo Menz
 ・“Avec Jeff, À Moto” 監督:Marie-Eve Juste
 ・“Chef De Meute(Herd Leader)”(カナダ) 監督:Chloé Robichaud
 ・“Le Futur Proche(The Near Future)”(カナダ) 監督:Sophie Goyette
 ◎“Là Où Je Suis” 監督:Myriam Magassouba

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 ◆アニメーション賞(Meilleur Film D'animation)
 ◎“Bydlo”(カナダ) 監督:Patrick Bouchard
 ・“Le Grand Ailleurs Et Le Petit Ici” 監督:Michèle Lemieux
 ・“Joda” 監督:セオドア・ウシェフ
 ・“Kaspar” 監督:Diane Obomsawin
 ・“Triptyque 2” 監督:Pierre Hébert

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 ◆ケベック以外で最も成功したケベック映画(Film s'étant le plus illustré hors Québec)
 ◎『ぼくたちのムッシュ・ラザール』 監督:フィリップ・ファラルドー
 ・『檻の中の楽園』“Bestiaire” 監督:ドゥニ・コテ(Denis Côté)
 ・“Camion” 監督:Rafaël Ouellet
 ・“Laurence Anyways” 監督:グザヴィエ・ドラン
 ・『魔女と呼ばれた少女』 監督:キム・グエン
 ・『人生、ブラボー!』 監督:ケン・スコット

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 ◆ボックスオフィス賞(Jutra Billet d'or Cineplex)
 ◎“Omertà” 監督:Luc Dionne

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 ◆名誉Jutra賞(Prix Jutra-Hommage)
 ◎Michel Côté
 Michel Côtéは、“Omertà”や『クレイジー』などを手がける録音技師。

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 ◆15年間のJutra賞で最も好きな受賞作品(Coup de Coeur-15ans de Jutra)
 ◎『クレイジー』 監督:ジャン=マルク・ヴァレ

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 主な作品のノミネーション&受賞状況は以下の通り。

 ・“Laurence Anyways”(2/10):作品・監督・主演女優・助演女優・助演女優・脚本・撮影・美術・メイク・ヘア
 ・『魔女と呼ばれた少女』(8/9):作品・監督・主演女優・助演男優・脚本・撮影・編集・衣裳・録音
 ・Camion”(2/7):作品・監督・主演男優・脚本・撮影・編集・音楽
 ・“L'affaire Dumont”(0/7):監督・主演男優・主演女優・衣裳・メイク・ヘア・録音
 ・“Inch'allah”(1/6):作品・助演女優・編集・美術・衣裳・録音
 ・“Le Torrent”(0/6):主演男優・主演女優・撮影・美術・録音・音楽
 ・“Ésimésac”(2/5):助演男優・衣裳・メイク・ヘア・音楽
 ・“Mars Et Avril”(0/5):美術・衣裳・ヘア・録音・音楽
 ・『ロミオ11』(0/4):作品・監督・主演男優・脚本・編集
 ・『カラカラ』(0/2):主演男優・脚本
 ・“The Girl In The White Coat(La Fille Au Manteau Blanc”(0/2):助演男優・メイク
 ・“Avant Que Mon Coeur Bascule”(0/2):助演男優・助演女優
 ・“L'empire Bo$$é”(0/2):メイク・ヘア

 最多ノミネートは、“Laurence Anyways”の10部門でしたが、“Laurence Anyways”は2部門の受賞にとどまり、カナダ・スクリーン・アワードでも最多受賞になった『魔女と呼ばれた少女』が9部門ノミネートされたうちの8部門を受賞して最多受賞となりました。

 Jutra賞のノミネーション&受賞結果を見て思うのは、『魔女と呼ばれた少女』の圧倒的な強さもさることながら、ノミネートされている作品の数がもの凄く多いことで、2012年のカナダ映画は豊作だったらしいことが窺えます。
 2013年に日本で公開されるカナダ映画の本数も多いですから(http://umikarahajimaru.at.webry.info/201303/article_6.html)、相対的に見ても、カナダ映画に見るべき作品が多いらしいということがわかります。

 今回のJutra賞のノミネーション上位は、グサヴィエ・ドランら若手監督やキム・グエンなど日本未紹介だった監督たちの作品で占められていますが、そのほかにもディーパ・ミータやドゥニ・コテら中堅監督、クロード・ガニオンやクローネンバーグらベテラン監督が競って新作を発表でき、さらに『バイオハザード』や『サイレント・ヒル』といったハリウッドにも対抗できる大作も製作できるといった環境が今のカナダ映画界にはあり、それがカナダ映画界全体を盛り上げている、ということなのかもしれません。

 今のところ、2013年に日本で公開予定のカナダ映画は、20本弱ですが、ザカリアス・クヌクやブノワ・ピロンらイヌイットの生活を描く監督、アトム・エゴヤンやディーパ・ミータら移民系の監督、デイヴィッド・クローネンバーグやヴィンチェンゾ・ナタリ、ガイ・マディンなどの個性派の監督、フレデリック・バックやセオドア・ウシェフなどのアニメーション作家、そのほか、ドゥニ・アルカン、イヴ・シモノ、ブルース・マクドナルド、ジャン=マルク・ヴァレ、デニ・ヴィルヌーヴ、サラ・ポーリーなどなど、ヴァラエティーに富んだカナダ映画とカナダの映画監督たちを俯瞰してみる機会があってもいいかもしれません。ちなみに、ケベック映画祭があったのが2009年、カナダ映画祭があったのが2001年です。

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 主な作品を簡単に紹介しておきます。

 ・“Laurence Anyways”(カナダ・仏) 監督:グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)
 出演:メルヴィル・プポー、Suzanne Clément、Monia Chokri、ナタリー・バイ、Sophie Faucher、Adele Jacques
 物語:90年代。男性が、女性になりたいという願望を持っていることをフィアンセに告白し、その後、そのことで壊れかけた2人の関係を修復しようと躍起になる。
 カンヌ国際映画祭2012 ある視点部門出品。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。女優賞(Suzanne Clément)受賞。


 ・“Camion”(カナダ) 監督:Rafaël Ouellet
 出演:Julien Poulin、Patrice Dubois、Stéphane Breton、Noémie Godin-Vigneau
 物語:男やもめのゲルマンは、ベテランのトラック運転手をしている。ところが、自動車事故を起こして、見知らぬ女性を死なせてしまう。ショックを受けた彼は、仕事に戻る気力もなくし、すっかり落ち込んでしまう。息子のサミュエルは、離れて暮らしている兄を捜し、2人で父を元気づけて、立ち直らせようとする。
 カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2012 コンペティション部門出品。監督賞受賞。


 ・“Inch'Allah”(カナダ) 監督:Anais Barbeau-Lavalette
 物語:クロエは、カナダ人の若い産婦人科医で、西岸地区のパレスチナ人の難民キャンプにある当座しのぎのクリニックで働いていて、そこでフランス人医師ミシェルの監督の下、妊婦たちの面倒を見ている。しかし、診察に行くにも、いつも壁を通過し、点検を受けなければならず、パレスチナ人の置かれた状況を考えざるを得ない。やがて、彼女は、個人的にも公的にも、こういった状況に深く関わっていくことになる……。
 『ぼくたちのムッシュ・ラザール』の制作チームの最新作。
 トロント国際映画祭2012 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品。

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 ・“Tout ce que tu possèdes (All That You Possess)”(カナダ) 監督:ベルナール・エモン(Bernard Émond)
 物語:大学に勤める主人公は、気難しい性格で、遺産相続の話が持ち上がるが、それは正当に得られたものではないからと言って、受け取りを拒否する。一方、彼には、妊娠をきっかけに棄てた女性がいて、彼女との間にできた娘がもうティーンエージャーになっている。彼は、ここにきて初めて父親らしい役割を果たそうとする。
 トロント国際映画祭2012 MASTERS部門出品。

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 ・“Bydlo”(カナダ) 監督:Patrick Bouchard
 ムソルグスキーの『展覧会の絵』にインスパイアされて制作された短編。ライフ・サイクル、人と動物の力、労働の美しさと厳しさなどを語る。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバル2012 短編コンペティション部門出品。
 トロント国際映画祭2012 SHORT CUT CANADA部門出品。
 アニー賞2013短編賞ノミネート。

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 *当ブログ記事

 ・Jutra賞2011 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_16.html
 ・Jutra賞2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201103/article_18.html
・Jutra賞2010 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_8.html
 ・Jutra賞2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201003/article_44.html
 ・Jutra賞2009 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200903/article_19.html

 ・カナダ・スクリーン・アワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_60.html
 ・カナダ・スクリーン・アワード2013 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201303/article_4.html

 ・トロント国際映画祭が選ぶカナダ映画2012 トップ10:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_14.html

 ・トロント国際映画祭2012 カナダ映画ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201208/article_8.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月~2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html

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