USCスクリプター2013 結果発表!
第25回USCスクリプターの結果が発表になりました。(2月9日)
USC スクリプターとは、正しくは、南カリフォルニア大学図書館スクリプター賞(The University of Southern California (USC) Libraries Scripter Award)のことで、南カリフォルニア大学図書館が、映画化された原作本の原作者と脚本家、および脚本を表彰するものです。
20年も続けていればそれだけで十分に価値がありますが、この映画賞がいろんな映画情報サイト(アメリカの)に取り上げられるのは、たぶんそういう理由より、この賞がアカデミー賞脚色賞を占うもの、というポジションを築きつつあるからだろうと思われます。
過去12年間のUSCスクリプターとアカデミー賞脚本賞ノミネーションとの合致度を調べてみると、以下のようになっています。
2011年度:『ファミリー・ツリー』○
2010年度:『ソーシャル・ネットワーク』○
2009年度:『プレシャス』○
2008年度:『スラムドッグ$ミリオネア』○
2007年度:『ノーカントリー』○
2006年度:『トゥモロー・ワールド』×(アカデミー賞は『ディパーテッド』)
2005年度:『カポーティ』×(アカデミー賞は『ブロークバック・マウンテン』)
2004年度:『ミリオンダラー・ベイビー』×(アカデミー賞は『サイドウェイ』)
2003年度:『ミスティック・リバー』『シービスケット』×(アカデミー賞は『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』)
2002年度:『めぐりあう時間たち』×(アカデミー賞は『ピアニスト』)
2001年度:『ビューティフル・マインド』○
2000年度:『ワンダー・ボーイズ』×(アカデミー賞は『トラフィック』)
アカデミー賞との合致度はそんなには高くありませんが、ここ5年は同一作品が受賞していて、しかも2009年はアカデミー賞での予想が難しかった『プレシャス』で受賞しています。
2013年のノミネーション&受賞結果は以下の通りです。
--------------------------------
◆第25回USCスクリプター ノミネーション&受賞結果
◎『アルゴ』
脚本:クリス・テリオ 原作:Antonio J. Mendez著“The Master of Disguise”(からのセレクション)、“The Wired Magazine”の記事:Joshuah Bearman著‘The Great Escape’
・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』
脚本:ルーシー・アリバー、ベン・ザイトリン
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
脚本:デイヴィッド・マギー 原作小説:ヤン・マーテル(Yann Martel)著『パイの物語』
・『リンカーン』
脚本:トニー・クシュナー 原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン(Doris Kearns Goodwin)著『リンカン 奴隷解放宣言』“Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln”
・“Perks of Being a Wallflower”
スティーヴン・チョボスキー 原作:スティーヴン・チョボスキー
・『世界にひとつのプレイブック』
脚本:デイヴィッド・O・ラッセル 原作小説:Matthew Quick著“Silver Linings Playbook”
◆文芸貢献賞(Literary Achievement Award)
◎ラリー・マクマートリー(Larry McMurtry)
◎ダイアナ・オサナ(Diana Ossana)
『ブロークバック・マウンテン』の脚本に関わっている2人組ですが、特に、ラリー・マクマートリーには、『愛と追憶の日々』の原作や、『ラスト・ショー』の原作・脚本など長いキャリアがあります。
--------------------------------
脚色賞部門は、混戦状態ですが、全米映画賞レースの流れを受けてなのか、ここでも『アルゴ』が受賞しました。(授賞式に出席したのはJoshuah Bearmanだけだったようです。)
ちなみに、米・脚本家組合賞(WGA)と米国アカデミー賞のノミネーションは、以下の通りです。
◆米・脚本家組合賞(WGA)2013ノミネーション
・『アルゴ』 クリス・テリオ 原作:Antonio J. Mendez著“The Master of Disguise”(からのセレクション)、“The Wired Magazine”の記事:Joshuah Bearman著‘The Great Escape’
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 デイヴィッド・マギー 原作小説:ヤン・マーテル(Yann Martel)著『パイの物語』
・『リンカーン』 トニー・クシュナー 原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン(Doris Kearns Goodwin)著『リンカン 奴隷解放宣言』“Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln”(の一部)
・“The Perks of Being a Wallflower” スティーヴン・チョボスキー 原作:スティーヴン・チョボスキー
・『世界にひとつのプレイブック』 デイヴィッド・O・ラッセル 原作小説:Matthew Quick著“Silver Linings Playbook”
◆米国アカデミー賞2013 脚色賞ノミネーション
・『アルゴ』 クリス・テリオ
・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』 ルーシー・アリバー、ベン・ザイトリン
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 デイヴィッド・マギー
・『リンカーン』 トニー・クシュナー
・『世界にひとつのプレイブック』 デイヴィッド・O・ラッセル
ともに、5作品のノミネーションで、すべてUSCスクリプターのノミネーションと重なっています。
USCスクリプターで『アルゴ』が受賞したことで、米・脚本家組合賞(WGA)やアカデミー賞脚色賞でも『アルゴ』が優勢になったように見えますが、トニー・クシュナーの手腕が評価されて、最終的に『リンカーン』が受賞する可能性も捨て切れません。
米・脚本家組合賞(WGA)の結果発表は2月17日です。
*当ブログ記事
・USCスクリプター2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_42.html
・USCスクリプター2012 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_26.html
・USCスクリプター2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_33.html
・USCスクリプター2011 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_10.html
・USCスクリプター2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_9.html
・USCスクリプター2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_6.html
・USCスクリプター2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_14.html
・米・脚本家組合賞(WGA)2012ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_8.html
・米国アカデミー賞2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_30.html
・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました! 〈前半戦〉:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_51.html
・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました! 〈後半戦〉:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_40.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月~2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html
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USC スクリプターとは、正しくは、南カリフォルニア大学図書館スクリプター賞(The University of Southern California (USC) Libraries Scripter Award)のことで、南カリフォルニア大学図書館が、映画化された原作本の原作者と脚本家、および脚本を表彰するものです。
20年も続けていればそれだけで十分に価値がありますが、この映画賞がいろんな映画情報サイト(アメリカの)に取り上げられるのは、たぶんそういう理由より、この賞がアカデミー賞脚色賞を占うもの、というポジションを築きつつあるからだろうと思われます。
過去12年間のUSCスクリプターとアカデミー賞脚本賞ノミネーションとの合致度を調べてみると、以下のようになっています。
2011年度:『ファミリー・ツリー』○
2010年度:『ソーシャル・ネットワーク』○
2009年度:『プレシャス』○
2008年度:『スラムドッグ$ミリオネア』○
2007年度:『ノーカントリー』○
2006年度:『トゥモロー・ワールド』×(アカデミー賞は『ディパーテッド』)
2005年度:『カポーティ』×(アカデミー賞は『ブロークバック・マウンテン』)
2004年度:『ミリオンダラー・ベイビー』×(アカデミー賞は『サイドウェイ』)
2003年度:『ミスティック・リバー』『シービスケット』×(アカデミー賞は『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』)
2002年度:『めぐりあう時間たち』×(アカデミー賞は『ピアニスト』)
2001年度:『ビューティフル・マインド』○
2000年度:『ワンダー・ボーイズ』×(アカデミー賞は『トラフィック』)
アカデミー賞との合致度はそんなには高くありませんが、ここ5年は同一作品が受賞していて、しかも2009年はアカデミー賞での予想が難しかった『プレシャス』で受賞しています。
2013年のノミネーション&受賞結果は以下の通りです。
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◆第25回USCスクリプター ノミネーション&受賞結果
◎『アルゴ』
脚本:クリス・テリオ 原作:Antonio J. Mendez著“The Master of Disguise”(からのセレクション)、“The Wired Magazine”の記事:Joshuah Bearman著‘The Great Escape’
・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』
脚本:ルーシー・アリバー、ベン・ザイトリン
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
脚本:デイヴィッド・マギー 原作小説:ヤン・マーテル(Yann Martel)著『パイの物語』
・『リンカーン』
脚本:トニー・クシュナー 原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン(Doris Kearns Goodwin)著『リンカン 奴隷解放宣言』“Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln”
・“Perks of Being a Wallflower”
スティーヴン・チョボスキー 原作:スティーヴン・チョボスキー
・『世界にひとつのプレイブック』
脚本:デイヴィッド・O・ラッセル 原作小説:Matthew Quick著“Silver Linings Playbook”
◆文芸貢献賞(Literary Achievement Award)
◎ラリー・マクマートリー(Larry McMurtry)
◎ダイアナ・オサナ(Diana Ossana)
『ブロークバック・マウンテン』の脚本に関わっている2人組ですが、特に、ラリー・マクマートリーには、『愛と追憶の日々』の原作や、『ラスト・ショー』の原作・脚本など長いキャリアがあります。
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脚色賞部門は、混戦状態ですが、全米映画賞レースの流れを受けてなのか、ここでも『アルゴ』が受賞しました。(授賞式に出席したのはJoshuah Bearmanだけだったようです。)
ちなみに、米・脚本家組合賞(WGA)と米国アカデミー賞のノミネーションは、以下の通りです。
◆米・脚本家組合賞(WGA)2013ノミネーション
・『アルゴ』 クリス・テリオ 原作:Antonio J. Mendez著“The Master of Disguise”(からのセレクション)、“The Wired Magazine”の記事:Joshuah Bearman著‘The Great Escape’
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 デイヴィッド・マギー 原作小説:ヤン・マーテル(Yann Martel)著『パイの物語』
・『リンカーン』 トニー・クシュナー 原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン(Doris Kearns Goodwin)著『リンカン 奴隷解放宣言』“Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln”(の一部)
・“The Perks of Being a Wallflower” スティーヴン・チョボスキー 原作:スティーヴン・チョボスキー
・『世界にひとつのプレイブック』 デイヴィッド・O・ラッセル 原作小説:Matthew Quick著“Silver Linings Playbook”
◆米国アカデミー賞2013 脚色賞ノミネーション
・『アルゴ』 クリス・テリオ
・『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』 ルーシー・アリバー、ベン・ザイトリン
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 デイヴィッド・マギー
・『リンカーン』 トニー・クシュナー
・『世界にひとつのプレイブック』 デイヴィッド・O・ラッセル
ともに、5作品のノミネーションで、すべてUSCスクリプターのノミネーションと重なっています。
USCスクリプターで『アルゴ』が受賞したことで、米・脚本家組合賞(WGA)やアカデミー賞脚色賞でも『アルゴ』が優勢になったように見えますが、トニー・クシュナーの手腕が評価されて、最終的に『リンカーン』が受賞する可能性も捨て切れません。
米・脚本家組合賞(WGA)の結果発表は2月17日です。
*当ブログ記事
・USCスクリプター2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_42.html
・USCスクリプター2012 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201201/article_26.html
・USCスクリプター2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201202/article_33.html
・USCスクリプター2011 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_10.html
・USCスクリプター2011 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201102/article_9.html
・USCスクリプター2010 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_6.html
・USCスクリプター2010 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201002/article_14.html
・米・脚本家組合賞(WGA)2012ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_8.html
・米国アカデミー賞2013 ノミネーション発表:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_30.html
・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました! 〈前半戦〉:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_51.html
・全米映画賞レース2012の結果をまとめてみました! 〈後半戦〉:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201301/article_40.html
・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月~2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html
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