サンダンス映画祭2013 各賞発表!

 サンダンス映画祭2013の各賞が発表されました。

 【USドラマ・コンペティション部門】

 ◆審査員グランプリ
 ◎“Fruitvale”(米) 監督:Ryan Coogler


 “Fruitvale”(米) 監督:Ryan Coogler
 出演:マイケル・B・ジョーダン、オクタヴィア・スペンサー、メロニー・ディアス、Ahna O'Reilly、ケヴィン・デュランド、チャド・マイケル・マーレイ
 物語:2008年の大晦日から2009年の元日かけて実際に起こった事件を映画化した作品。オスカー・グラントは、アフリカン・アメリカンの22歳の青年。彼は、カリフォルニア州オークランドで、ベイエリア高速通勤鉄道の警察官に射殺される。そんな彼の人生最後の日を描く。
 監督のRyan Cooglerは、26歳で、これが初監督長編。フォレスト・ウィテカーをプロデューサーに、マイケル・B・ジョーダンを主演男優に、“Sound of My Voice”のRachel Morrisonを撮影監督に迎え、さらにオスカー女優のオクタヴィア・スペンサーのサポートも得て、本作を完成させた。


 Ryan Cooglerは、カリフォルニア州のセントマリーズ・カレッジにフットボールの奨学生として入学。創作のクラスで、パーソナルな経験を書けと言われて、彼の腕の中で血を流しながら死んでいった父のことを書いて、担当教官から脚本家を目指したらいいのではないかと言われる。彼は、フットボールを続けたいし、将来は医者になって、コミュニティーで役に立つ人物になりたいと考えていて、当時は、教官の言うことは冗談としか思えなかった。
 セントマリーズ・カレッジがフットボールの奨学生制度を打ち切った後、彼は、サクラメントで、別の奨学金を得、経済を専攻することになる。そこで映画のクラスを取り、映画の面白さに目覚める。教授のひとりからUSCに進むことを薦められ、LAに向かう。そこで、彼はいくつかの短編のシリーズを撮ったが、中でも、自分の娘のために生きようとする娼婦を描いた“Fig”は高く評価され、多くの映画祭で上映された。
 “Fruitvale”の元になった事件に関しては、その直後、暴動が起こったが、ほとんど何の役にも立たなかった。彼は、もし自分に2時間もらえたら、もっと意味のあるものが見せられるのではないかと考えて、映画化を計画し、サンダンスのスクリーンライターズ・ラボで脚本を完成させた。

 ◆監督賞
 ◎Jill Soloway “Afternoon Delight”(米)


 “Afternoon Delight”(米) 監督:Jill Soloway
 出演:キャスリン・ハーン、ジュノー・テンプル、Josh Radnor、ジェーン・リンチ
 物語:レイチェルは、シルバー・レイクで主婦をしているが、コンピューターのプログラマーをしている夫との仲は冷め切って、不満を抱えている。なんとか夫婦生活に刺激を与えたいと考えた彼女は、ストリップ・クラブへ行ってみることを思いつく。彼女は、そこでマッケンナというストリッパーと出会って、彼女から即興のラップダンスを教わり、さらには彼女を家に招待する。
 Jill Solowayは、アメリカのコメディー・ドラマのプロデューサー、脚本家で、本作で長編監督デビュー。


 ◆脚本賞(U.S. Dramatic Waldo Salt Screenwriting Award)
 ◎レイク・ベル “In a World...”(米)


 “In a World...”(米) 監督:レイク・ベル
 出演:レイク・ベル、Demetri Martin、ロブ・コードリー、ミカエラ・ワトキンス、ケン・マリーノ、フレッド・メラメッド
 物語:主人公は声優を目指しているが、映画の予告編のナレーションで名をなしている父の支配から逃れられないでいる。自分に対する自信と、男性至上主義と、うまくいっていない家族関係の中で、彼女は、新たな世代の声優となるべく、現状からの旅立ちを決心する。
 『ボストン・リーガル』などで知られる女優レイク・ベルの初監督長編。


 ◆撮影賞
 ◎Bradford Young “Ain’t Them Bodies Saints”、“Mother of George”

 “Ain't Them Bodies Saints”(米) 監督:David Lowery
 出演:ルーニー・マーラ、ケイシー・アフレック、ベン・フォスター、ネイト・パーカー、キース・キャラディン
 物語:無法者が刑務所を脱獄し、テキサスを横断して、もう会えないと思っていた妻と娘に会いに行く。
 前作“St. Nick”(2009)が高い評価を受けたDavid Loweryの第4長編。


 “Mother of George”(米) 監督:Andrew Dosunmu
 出演:イザック・ド・バンコレ、ダナイ・グリラ(Danai Gurira)、Anthony Okungbowa、Yaya Alafia、Bukky Ajayi
 物語:デニは、ブルックリンで小さなアフリカ料理のレストランを経営している。彼は、母と弟と暮らしていて、婚約者のジャネットを早くニューヨークに呼びたいと考えて、懸命に働いていた。やがて結婚式を迎えるが、彼らは故郷バソトの文化を守りたいと考え、結婚式もバソト様式で行なう。ジャネットは、まだ生まれてもいない息子にジョージという名前をつける。彼女は、掃除をし、料理をし、夫のレストランを訪れ、ウィンドウ・ショッピングをしたりもして、希望に満ちた生活を送る。しかし、妊娠には失敗。まだジョージのママにはなれない。彼女は、気持ちを切り替えて、夫のコミュニティーの一員になるためにも、ここで仕事を持ちたいと考えるが、それはうまくいかない。というのも、義母から、最後通告を突きつけられたからだ。バソトの慣習では、子供を産めない女は、夫に二番目の妻を持つことを認めなければならない……。


 ◆演技賞(US Dramatic Special Jury Acting)
 ◎マイルズ・テラー、シェイリーン・ウッドリー “The Spectacular Now”(米)

 “The Spectacular Now”(米) 監督:James Ponsoldt
 出演:マイルズ・テラー、シェイリーン・ウッドリー、Brie Larson、ジェニファー・ジェイソン・リー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、カイル・チャンドラー.
 物語:サッターは、高校の上級生で、その一瞬一瞬を精一杯に生きている。アイミーは、内気な性格で、自分を守ることに必死だ。彼らの関係が深まるについて、正しいことと間違っていること、友情と愛情、守りと解体の境目が曖昧になってくる。
 “Smashed”(2012)のJames Ponsoldt監督第2作。


 ◆音響デザイン賞
 シェーン・カルース、Johnny Marshall “Upstream Color”(米)


 ・“Upstream Color”(米) 監督:シェーン・カルース
 出演:Amy Seimetz、シェーン・カルース、Andrew Sensenig、Thiago Martins
 物語:人に寄生して、その人を従順にしてしまう特殊な線虫がいる。三流の泥棒が、その線虫を使って、クリスを意のままにし、彼女からお金を巻き上げる。一方、ジェフは、より大きな力によって、消耗させられている。クリスとジェフは出会って、恋に落ち、うまく行かなくなったそれぞれの人生を立て直そうとする。
 『プライマー』(2004)のシェーン・カルース監督第2作。


 ◆観客賞
 ◎“Fruitvale”(米) 監督Ryan Coogler

 【USドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ◆審査員グランプリ
 ◎“Blood Brother”(米) 監督:Steve Hoover


 “Blood Brother”(米) 監督:Steve Hoover
 ロッキーは、人生に幻滅感を感じて、インドに向かう。彼は、そこで、HIVに感染した子供たちのグループに出会い、インドにとどまることを決める。彼は、これまでこれほどの障害に出会ったことはなかったし、これほどの愛をみつけたこともなかった。
 初監督作品。


 ◆監督賞
 ◎Zachary Heinzerling “Cutie and the Boxer”(米)


 “Cutie and the Boxer”(米) 監督:Zachary Heinzerling
 「ボクシング・ペインティング」で知られる篠原有司男と、彼を支えた妻乃り子との、40年におよぶニューヨークでのカオスに満ちた結婚生活の物語。
 ドキュメンタリーのプロデューサーZachary Heinzerlingの初監督作品。


 ◆撮影賞
 Richard Rowley “Dirty Wars”(米)

 “Dirty Wars”(米) 監督:Richard Rowley
 ジャーナリストのJeremy Scahillは、アフガニスタンからイエメン、ソマリアまで、アメリカの秘密の戦争(America’s covert wars)に関する隠れた真実を追究する。取材の対象となったのは、真逆にある2つのグループで、一方は、CIAのエージェントや狙撃手、軍の将軍、特殊部隊のオペレーターなどで、もう一方は、突然の襲撃に遭い、暴力の犠牲になった人々だ。やがて、彼は、決して書類に書かれることもなく、議会で議論されることもない最高機密の精鋭戦闘部隊、Joint Special Operations Command (JSOC)の存在を明らかにしていく。


 ◆編集賞
 ◎Matthew Hamachek “Gideon's Army”(米)

 “Gideon's Army”(米) 監督:Dawn Porter
 国選弁護人は、長時間拘束され、賃金は安く、件数ばかり多くて、やめてしまう人も多い。しかも、公共に奉仕しながら、あまり省みられることがない。そんな彼らの仕事を明らかにすべく、3人の国選弁護人に密着したドキュメント。
 初監督作品。


 ◆審査員特別賞(Special Jury Award for Achievement in Filmmaking)
 ◎“Inequality for All”(米) 監督:Jacob Kornbluth

 “Inequality for All”(米) 監督:Jacob Kornbluth
 経済政策のエキスパート、ロバート・ライシュ(Robert Reich)が、収入の格差が拡大していることをわかりやすく語り、これが拡がると経済や民主主義にどういう影響があるのかについて解説する。
 サンダンス映画祭2度目の出品となるJacob Kornbluthの第3作。


 ◆審査員特別賞(Special Jury Award for Achievement in Filmmaking)
 ◎“American Promise”(米) 監督:Joe Brewster、Michèle Stephenson

 “American Promise”(米) 監督:Joe Brewster、Michèle Stephenson
 自分の息子たちに教育を受けさせたいと考える2組のアフリカ系アメリカ人家族を追って撮影した12年間の記録。
 初監督作品“The Keeper”をサンダンス映画祭に出品しているJoe Brewsterの第4作。


 ◆観客賞
 ◎“Blood Brother”(米) 監督:Steve Hoover

 【ワールドシネマ ドラマ・コンペティション部門】

 ◆審査員グランプリ
 ◎“Jiseul”(韓) 監督:Muel O

 “Jiseul”(韓) 監督:Muel O
 出演:Min-chul Sung、Jung-won Yang、Young-soon Oh、Soon-dong Park、Suk-bum Moon、Kyung-sub Jang
 1948年4月3日、のちに済洲島四・三事件と呼ばれることになる武装蜂起が起こる。これは、1954年まで長引き、島民の5人に1人に当たる6万人が殺され、島の70%の村々が焼かれるという結果を招いた事件で、本作では、そうした状況で、洞窟に隠れ住み、そこにサンクチュアリを築いた人々の真実の物語を明らかにする。
 釜山国際映画祭2012 韓国映画トゥデイ ヴィジョン部門出品。NETPAC賞受賞。


 ◆審査員特別賞
 ◎“Circles”(セルビア・独・仏・クロアチア・スロヴェニア) 監督:Srdan Golubovic


 “Circles(Krugovi)”(セルビア・独・仏・クロアチア・スロヴェニア) 監督:Srdan Golubovic
 出演:Aleksandar Bercek、Leon Lucev、Nebojsa Glogovac、Hristina Popovic、Nikola Rakocevic、Vuk Kostic
 物語:実話に基づく物語。1993年、ボスニア戦争の真っ只中。セルビア人兵士のマルコは、婚約者に会うために、故郷であるボスニアの町に戻る。広場に面したカフェで、親友の医師と一緒にいたところで、彼は、ムスリムの店主が、好戦的な兵士たちに暴行を受けるのを目撃する。彼は、そこに介入するが、何があったかは具体的には示されない。時間は、12年後に飛ぶ。事件に関わった人間が、過去に復讐されるかのように、危機的状況を迎える。彼らは、罪やフラストレーションや仕返ししたいという衝動に打ち勝って、正しい行動を行なうことができるだろうか。
 “Klopka”(2007)で注目されたSrdan Golubovic監督第3作。


 ◆監督賞
 ◎セバスチャン・シルヴァ “Crystal Fairy”(チリ)

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 “Crystal Fairy”(チリ) 監督:セバスチャン・シルヴァ
 出演:マイケル・セラ、ギャビー・ホフマン、Juan Andrés Silva、José Miguel Silva、Agustín Silva
 物語:ジェイミーは、チリへと向かう自動車旅行で、見知らぬ女性ヒッチハイカーを拾う。彼女の自由で秘密めいた性格は、ジェイミーの気難しく、自己愛の強い性格とはかみ合わず、衝突を起こす。彼らの道中は砂漠地帯に入り、メスカリン(興奮剤)の効果もあって、サイケデリックな色合いの濃い旅となっていく。
 『家政婦ラケルの反乱』(2009)を監督し、『ミラル』(2010)では助監督を務めたセバスチャン・シルヴァの最新作。


 ◆脚本賞(Sundance: Screenwriting Award)
 ◎Barmak Akram “Wajma (An Afghan Love Story)”(アフガニスタン)


 “Wajma (An Afghan Love Story)”(アフガニスタン) 監督:Barmak Akram
 出演:Wajma Bahar、Mustafa Abdulsatar、Haji Gul、Breshna Bahar
 物語:カブールで青年が少女を誘惑する。少女が妊娠したと言った時、彼は少女の処女性を疑う。やがて少女の父親がやってきて、昔ながらの暴力が振るわれる。それはまさに犯罪さながらで、まるでいけにえにされたかのようなものであった。
 “Kabuli Kid”(2009)のBarmak Akramの監督第2作。


 ◆撮影賞
 ◎ミハウ・エングレルト(Michal Englert) “Lasting”(ポーランド、西)

 “Lasting”(ポーランド、西) 監督:ヤツェク・ボルツフ(Jacek Borcuch)
 出演:Jakub Gierszal、Magdalena Berus、アンヘラ・モリーナ
 物語:ポーランドの2人の学生が、夏の間、スペインに働きに行って、恋に落ちる。しかし、思わぬ悪夢が2人に降り注ぎ、彼らの生活はカオスと化す。
 ポーランドの俳優ヤツェク・ボルツフの第3監督長編。


 ◆観客賞(Audience Award for Best World Narrative)
 ◎“Metro Manila”(英・フィリピン) 監督:ショーン・エリス


 “Metro Manila”(英・フィリピン) 監督:ショーン・エリス
 出演:Jake Macapagal、John Arcilla、Althea Vega
 物語:オスカーとその家族は、よりよい生活を求めて、田園地帯から都会のマニラへ向かう。しかし、生き馬の目を抜くような都会での暮らしに慣れない彼らは、だまされたり、失敗したりばかりなのだった。


 【ワールドシネマ ドキュメンタリー・コンペティション部門】

 ◆審査員グランプリ
 ◎“A River Changes Course”(カンボジア・米) 監督:カリアニー・マン


 “A River Changes Course”(カンボジア・米) 監督:カリアニー・マン
 森林伐採や水産物の乱獲、多額の負債に抗って、戦争で疲弊した祖国カンボジアを甦らせようと奮闘している3人の若者の物語。
 『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』(2010)のカリアニー・マン監督最新作。


 ◆監督賞
 ◎Tinatin Gurchiani “The Machine Which Makes Everything Disappear”(グルジア・独)


 “The Machine Which Makes Everything Disappear”(グルジア・独) 監督:Tinatin Gurchiani
 グルジア出身の監督が故郷に帰って、町や村で、15歳から23歳の若者に、映画に出てみないかと声をかける。映画スターになる夢を見る者もいれば、感傷的な自分の物語を話し出す者もいる。何年も前に自分を捨てた母親に会いたいと訴える少女もいれば、障害のある家族を抱えて山間の村で生きるのは辛いと語る者もいる。そうして出来上がった作品からは、戦争と愛と夢と貧困が万華鏡のようにちりばめられ、遠くにソ連時代の影がちらつく。


 ◆審査員特別賞
 ◎“Pussy Riot – A Punk Prayer”(ロシア・英) 監督:Mike Lerner、Maxim Pozdorovkin


 “Pussy Riot – A Punk Prayer”(ロシア・英) 監督:Mike Lerner、Maxim Pozdorovkin
 モスクワのロシア正教会の大聖堂で、ロシアの女性パンクバンド、プッシー・ライオットが、反プーチンのパフォーマンスをしてつかまり、7年の刑を宣告される。それに対し、マドンナなど、世界中の有名なミュージシャンたちが、彼女たちを支持する声明を発表し、不当な逮捕・投獄に対し抗議を行なっている。
 “Afghan Star”(2009)、“Hell and Back Again”(2011)などを手がけるプロデューサーMike Lernerの初監督作品。


 ◆編集賞
 ◎Ben Stark “The Summit”(アイルランド・英)

 “The Summit”(アイルランド・英) 監督:Nick Ryan
 地球上で最も危険な山K2。本作は、2008年にK2登頂に挑んで、氷塊の崩壊により11人の死者を出した登山隊に関するドキュメンタリー。


 ◆撮影賞
 ◎Marc Silver、Pau Esteve Birba “Who is Dayani Cristal?”(英)

 “Who is Dayani Cristal?”(英) 監督:Marc Silver
 アリゾナの砂漠で身元不明の遺体が見つかる。遺体には謎めいた刺青があり、そこから身元を探るヒューマン・ドラマが始まる。


 ◆観客賞
 ◎“The Square(El Midan)”(エジプト・米) 監督:Jehane Noujaim

 “The Square(El Midan)”(エジプト・米) 監督:Jehane Noujaim
 2011年2月のエジプト革命でムバラク政権は倒れた。しかし、それですべてが解決したわけではない。革命の勝利に陶酔しているうち、過渡的に軍隊の支配を招き、危険で不確かな状況が訪れる。やがて革命はイスラム急進派にのっとられてしまったことがわかる。革命の成功は世界中が目撃した。だが、大事なのは、その後なのだ。
 “Startup.com”(2001)で米・監督組合賞を受賞しているJehane Noujaimの最新作。


 【短編部門】

 ◆グランプリ(Short Film Grand Jury Prize)
 ◎“The Whistle”(ポーランド) 監督:Grzegorz Zariczny


 ◆審査員賞 USフィクション部門(Short Film Jury Award: US Fiction)
 ◎“Whiplash”(米) 監督:Damien Chazelle

 ◆審査員賞 インターナショナル・フィクション部門
 ◎“The Date”(フィンランド) 監督:Jenni Toiyoniemi.

 ◆審査員賞 ノンフィクション部門
 ◎“Skinningrove”(米) 監督:Michael Almereyda.

 ◆審査員賞 アニメーション部門
 ◎“Irish Folk Furniture”(アイルランド) 監督:Tony Donoghue

 ◆審査員特別賞
 ◎“Until the Quiet Comes”(米) 監督:Kahlil Joseph

 ◆審査員特別賞 演技賞
 ◎Joel Nagle “Palimpsest”(米) 監督:Michael Tyburski

 ◆観客賞
 ◎“Catnip:Egress to Oblivion?”(米) 監督:Jason Willis

 【その他の賞】

 ◆NEXT部門 観客賞(Best of Next)
 ◎“This is Martin Bonner”(米) 監督:Chad Hartigan

 ・“This is Martin Bonner”(米) 監督:Chad Hartigan
 出演:Paul Eenhoorn、リッチモンド・アークエット(Richmond Arquette)、Sam Buchanan、ロバート・ロングストリート(Robert Longstreet)、デミトリアス・グロッセ(Demetrius Grosse)
 物語:マーティン・ボマーは、50代で、これまでの暮らしを変えるべく、リノに引越して、刑務所帰りの人々を社会に復帰させる手伝いをする仕事に就く。週末は、サッカーの審判をして過ごす。一方。トラヴィス・ホロウェイは、12年間の刑務所暮らしを終えて出所したばかり。そんな2人が出会って、助け合い、友情を芽生えさせる。


 ◆Alfred P. Sloan Feature Film Prize

 ◎“Computer Chess”(米) 監督:Andrew Bujalski [NEXT部門]

 “Computer Chess”(米) 監督:Andrew Bujalski [NEXT部門]
 出演:Patrick Riester、Myles Paige、James Curry、Robin Schwartz、Gerald Peary、ワイリー・ウィギンズ(Wiley Wiggins)
 物語:1980年代。ホテルで、コンピューターによるチェスのプログラミングに関する会議とプログラミング同士の対戦が行なわれている。ホストであり、会議のリーダーは、チェスのグランド・マスターであるパット・ヘンダーソン(ボストンの映画批評家Gerald Pearyが演じる)であり、出席しているのは、プログラマーや、一流の工学系大学のエリートやオタクたちのチームだ。優勝者には7万5000ドルの小切手が与えられるが、それよりもここで優勝することそのものが彼らの自尊心をくすぐらせる。一方、ホテルのホールでは、マイケル・パパジョージという名の男性が、部屋を借りられずに、眠る場所を求めてうろついている。

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 ◆Sundance Institute / Alfred P. Sloan Lab Fellowship
 ◎“Prodigal Summer”(米) 監督・共同脚本:Nicole Kassell

 ◆2013 Sundance Institute | Mahindra Global Filmmaking Awards
 ◎Sarthak Dasgupta “The Music Teacher”(インド)
 ◎Jonas Carpignano “A Chjana”(伊・米)
 ◎Aly Muritiba “The Man Who Killed My Beloved Dead”(ブラジル)
 ◎Vendela Vida & Eva Weber “Let The Northern Lights Erase Your Name”(英・独・米)

 ◆サンダンス・NHK国際映像作家賞(Sundance/NHK International Filmmaker Award)
 ◎“Spectacled Tiger”(日) 監督:萩原健太郎

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 受賞結果としては、USドラマ・コンペティション部門以外のコンペティション部門3部門は、注目すべき作品がほぼ順当に受賞を果たした、ということができるでしょうか。

 USドラマ・コンペティション部門に関しては、話題のプロジェクトや、スター俳優が多く出演している作品がいくつもありましたが、それらは、賞を獲得することができませんでした。
 たとえば、「トワイライト・サーガ」のステファニー・メイヤーがプロデューサーを務めた“Austenland”やビート・ジェネレーションの作家たちの知られざる物語を描いた“Kill You Darlings”、Cherien DavisやLynn Sheltonの期待の新作も無冠に終わりましたし、映画祭開幕前に既に評価を得ていた“Concussion”も受賞なりませんでした。

 一方、受賞作は、いい意味で裏切られたというか、上映後のレビューで、へえ~、そんな作品だったのか、とわかった、というような作品が多かったように思います。

 中でも注目は、審査員グランプリと観客賞を受賞した(つまり、プロと一般の両方から支持された)“Fruitvale”で、センセーションを呼び起こしそうな題材を扱い、また、監督自身にも物語があって、話題性に事欠きません。
 タイプは異なりますが、今後、『プレシャス』や『ハッシュパピー~バスタブ島の少女~』と似たような動きを見せて、全米映画賞レースでかなりいいところまで行くのは間違いないと思われます。

 そのほかの部門、あるいは、全体的には、社会的弱者の視点に立った作品が多かったような気がしますね。ワールドシネマ ドラマ・コンペティション部門の受賞作は、1年後の各国の映画賞レースに顔を出してきそうな作品ばかりですし、ドキュメンタリーの2部門の作品も1年後の映画賞レースのドキュメンタリー部門を争っていそうな作品ばかりです。(いくつかは確実にアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされるはずです。)

 日本人アーティストの篠原有司男夫妻をモチーフにした“Cutie and the Boxer”は、日本では映画祭で上映されるかされないかくらいの微妙な線上にある作品かとも思っていたんですが、今回の受賞で、日本で劇場公開される可能性はかなり高まったんじゃないかと思われます。さて、どうでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・サンダンス映画祭2013 コンペティション部門ラインナップ:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_6.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年12月~2013年5月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_50.html

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