意外? 順当? ロサンゼルス映画批評家協会賞2012 発表! 速報!

 ロサンゼルス映画批評家協会賞2012の結果が発表されました。(12月7日)

 【ロサンゼルス映画批評家協会賞】

 ロサンゼルス映画批評家協会賞は、ハリウッドのお膝元でありながら、ハリウッド映画に全く背を向けた映画賞で、インディーズ寄りのセレクションになるならまだしも、外国映画をやたらと選んでしまうという、アメリカの映画賞らしからぬ“個性的な”映画賞になっています(いったいアメリカ映画についてどう思ってるんだって感じですが)。
 設立は1975年で、歴史もあり、1980年前後には『クレーマー、クレーマー』とか『E.T.』とか『アマデウス』とか、アカデミー賞と変わらないような作品を選んでいたのですが、どうも1985年に『未来世紀ブラジル』を選んだあたりから、「わが道を行く」ようになり、依然としてアカデミー賞の重要な前哨戦の1つと見なされながら、結果としてはアカデミー賞とはあまり重ならない映画賞として、現在に至っています(それでも『許されざる者』や『シンドラーのリスト』など、どうしても外せない年もあるようです)。
 2001年以降に作品賞を受賞した作品を見てもそれは歴然で、それぞれ『イン・ザ・ベッドルーム』『アバウト・シュミット』『アメリカン・スプレンダー』『サイドウェイ』『ブロークバック・マウンテン』『硫黄島からの手紙』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』をベスト作品に選んで、「他の映画賞とは違う」というところを見せています(『サイドウェイ』なんか5部門受賞で最多賞受賞作品になってしまったりしています)。
 アカデミー賞でも、外国語映画賞部門以外の部門に、外国映画がノミネートされて、「なぜこれがここに?」と思ったりすることもありますが、ひょっとすると、こういうところに、逆に、ロサンゼルス映画批評家協会賞がアカデミー賞に与えている影響を見て取ることができる、ということもできるかもしれません。

 今年の受賞結果は以下の通りです。

画像

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 ◆作品賞
 ◎『愛、アムール』(オーストリア・仏・独) 監督:ミヒャエル・ハネケ
 次点:『ザ・マスター』 監督:ポール・トーマス・アンダーソン

 ◆監督賞
 ◎ポール・トーマス・アンダーソン 『ザ・マスター』
 次点:キャスリン・ビグロー 『ゼロ・ダーク・サーティ』

 ◆主演男優賞
 ◎ホアキン・フェニックス 『ザ・マスター』
 次点:ドニ・ラヴァン “Holy Moters”

 ◆主演女優賞
 ◎ジェニファー・ローレンス 『世界にひとつのプレイブック』
 次点:エマニュエル・リヴァ 『愛、アムール』

 ◆助演男優賞
 ◎Dwight Henry “Beasts of the Southern Wild”
 次点:クリストフ・ヴァルツ 『ジャンゴ 繋がれざる者』

 ◆助演女優賞
 ◎エイミー・アダムス 『ザ・マスター』
 次点:アン・ハサウェイ 『ダークナイト・ライジング』、『レ・ミゼラブル』

 ◆脚本賞
 ◎クリス・テリオ 『アルゴ』
 次点:デイヴィッド・O・ラッセル 『世界にひとつのプレイブック』

 ◆撮影賞
 ◎ロジャー・ディーキンス 『007 スカイフォール』
 次点:ミハイ・マライメア・ジュニア 『ザ・マスター』

 ◆編集賞
 ◎ディラン・ティチェナー、ウィリアム・ゴールデンバーグ 『ゼロ・ダーク・サーティ』
 次点:ウィリアム・ゴールデンバーグ 『アルゴ』

 ◆美術賞
 ◎ジャック・フィスク 『ザ・マスター』
 次点:アダム・ストックハウゼン 『ムーンライズ・キングダム』

 ◆作曲賞
 ◎Benh Zeitlin & Dan Romer “Beasts of the Southern Wild”
 次点:ジョニー・グリーンウッド 『ザ・マスター』

 ◆アニメーション賞
 ◎『フランケンウィニー』 監督:ティム・バートン
 次点:『なんて素敵な日』“It’s Such a Beautiful Day” 監督:ドン・ハーツフェルド

 ◆ドキュメンタリー賞
 ◎“The Gatekeepers”(イスラエル・仏・独・ベルギー) 監督:Dror Moreh
 次点:『シュガーマン 奇跡に愛された男』 監督:マリク・ベンジェルール

 ◆外国語映画賞
 ◎“Holy Moters”(仏・独) 監督:レオス・カラックス
 次点:“Footnote”(イスラエル) 監督:ヨセフ・シダー

 ◆ニュー・ジェネレーション賞(New Generation)
 ◎『マーサ、あるいはマーシー・メイ』 監督:ショーン・ダーキン、製作:アントニオ・カンポス、主演:エリザベス・オルセン

 ◆ダグラス・E・エドワード賞(インディペンデント/実験映画/ビデオ作品賞)
 ◎“Leviathan”(仏・英・米 監督:Lucien Castaing-Taylor、Véréna Paravel

 ◆生涯貢献賞
 ◎フレデリック・ワイズマン

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 作品賞に『愛、アムール』が選ばれたこと、アニメーション賞の次点にドン・ハーツフェルドの『なんて素敵な日』を持ってきていること、にも意表を突かれましたが、やはり意外だったのは、『ザ・マスター』の4部門受賞(+2部門で次点) でしょうか。
 2ヶ月前だったら意外でもなんでもなかったのでしょうが、この時期にこれだけ『ザ・マスター』を高く評価するというのは、ある意味で、ロサンゼルスのブレなさ(最近になってお披露目されたばかりの作品などに目移りしない?)の証明なのかもしれません。

 それらを除けば、ロサンゼルス映画批評家協会賞にしては、普通過ぎるくらいの(順当な)受賞結果と言えるでしょうか。

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 *当ブログ記事

 ・ロサンゼルス映画批評家協会賞2011:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201112/article_17.html
 ・ロサンゼルス映画批評家協会賞2010:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201012/article_20.html
 ・ロサンゼルス映画批評家協会賞2009:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200912/article_23.html
 ・ロサンゼルス映画批評家協会賞2008:http://umikarahajimaru.at.webry.info/200812/article_16.html

 ・ゴッサム・アワード2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201210/article_27.html
 ・ゴッサム・アワード2012 受賞結果:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_25.html

 ・ニューヨーク映画批評家協会賞2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_8.html

 ・ナショナル・ボード・オブ・レビュー2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_11.html

 ・ボストン・オンライン映画批評家協会賞2012:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_17.html

 ・ニューヨーク映画批評家オンライン賞:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_19.html

 ・サテライト・アワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_10.html

 ・インディペント・スピリット・アワード2013 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201211/article_26.html

 ・ワシントンDC映画批評家協会賞2012 ノミネーション:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201212/article_18.html

 ・全米の映画批評家協会系映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201101/article_2.html

 ・全米の映画賞について調べてみました:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201001/article_45.html

 ・映画賞&映画祭カレンダー 2012年6月~2013年1月:http://umikarahajimaru.at.webry.info/201206/article_9.html

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